時の流れに after story
『ダブル』とは関係ありません。
ターミナルコロニーアマテラスで多数の民間人を救出した私たちはナデシコはBの誘導で、ネルガル重工の横須賀ドックに入港しました。
こちらでの補給などの話し合いのため、エリナさんとアカツキさんなどのネルガル関連の人たちは本社に行きました。
また、アキトさんはラピスと共にジャンプでお出かけに行きました。
サブロウタさんはハーリー君とナデシコBに行く予定でしたが、出かけられたサブロウタさんは三姫さんを伴われていました。
あっちで何か問題が起きなければいいのですが無理な話でしょうね。
ミナトさんは九十九さんと、ジュンさんはユキナさんと別々にお出かけ。
ですが、出かけられたのはこの時代でミナトさんたちが住んでいる街。
ホウメイさんが美味しい食堂はないかい?と聞いてきたので、日々平穏を紹介してあげました。
帰ってきたら、ホウメイさんに怒られそうですね。
メグミさんとホウメイガールズの皆さんはカラオケに行かれました。後で歌われた歌を聞いてみたいものです。
艦長は……自室で拗ねてます。
先ほどまでブリッジにいたのですがうるさいので退出していただきました。
私は、オペレータシートで暇しています。
何故なら、ナデシコB艦長の私は今回の件の報告でミスマル提督のところで会議に出席してますし。
「ルリ、来客だよ」
オモイカネが話しかけてきました。
ディアに音声プログラムを組んでもらったそうです。
オモイカネ、あなた達どちらが先輩なの?
「入るぞ」「おっじゃましまーす」
「あ!北斗さん、枝織さんどうされたんですか?」
「アキトの奴が出かけてしまったんでな、枝織と鍛錬をしていたんだが面白くも何ともない。
そこで、誰かいないかと探していたんだが、みんな出かけてしまったようでな、ここに来たらお前が暇そうにしていた。
という訳だ」
「で、もし暇なら、枝織たちの鍛錬に付き合ってくれないかなーと思うんだけど」
「勿論です。私たちがここで表立って動くことは出来ません。
せめてこちらの私たちが動きやすいようにサポートしていくためには私達自身強くなければ」
「そこまで覚悟が出来ているなら、場所をバーチャルルームに移そう」
「分かりました、北斗さん。オモイカネ、何かあったらよろしく。ただし、ブローディアとダリア、ダリアUの単独出撃は厳禁」
「分かってますよ、ルリ」
『ルリ姉、なんで私達が出撃しちゃいけないの?』
「ここは私達が本来いるべき場所ではありません。ここに必要以上に干渉して、消えても知りませんよ?」
『もう、手遅れな気がするんだけど』
「何か言いましたか?ディア、そんなに暇ならシミュレーションルームでパイロットの方々と戦闘訓練でもしてなさい」
『ハイハイ、分かりましたよーだ』
ディアが拗ねてもなにも変わりません。私達はバーチャルルームに向かいました。
「設定は火星、荒野、障害物は多く。これでいいですか?北斗さん」
「好きにしろ」
私達はヘッドセットをかぶりました。
「オモイカネ、設定スタート」
私の目に映るのは火星の荒野。そして私はテンカワ流の戦闘服。つまり黒いインナースーツに黒いマントそしてバイザー。
私の視界には動くものが全くありません。
「バイザーモード変更。赤外線モード」
視界が変化します。前方1時方向距離200メートルに反応2つ。
私は、なにも気が付いていないふりをしながら、お二人の背後に近づきます。
しかし、私はそこまで行って気が付きました。
反応の1つが消えていたのです。
シュッ
右背後。
この殺気のなさは、
「枝織さん!」
まさかこう来るとは。殺気を発する北斗さんを囮にして、枝織さんが攻撃を担当する。
私が、枝織さんの抜き手を膝と肘で挟んで防ぎました。
「流石はテンカワ流師範代ホシノ=ルリ。俺達の連携を防げたのはアキトに次いで2人目だ」
「ありがとうございます。では次はこちらの番ですね」
「いいだろう。1人に対する戦略が基本の我が流派と1体多数を得意とするテンカワ流。
その師範代の実力、久々に拝ませてもらおう」
「私とて今までなにもしていなかったわけではありません。アキトさんが認めた私の実力とくと御覧に入れましょう」
そして私達は再び火星の荒野に散りました。
何もかもが懐かしいなここは。
俺とラピスはボソンジャンプでネルガル月工匠の秘密ドックに入った。
秘密と言うだけあって、ここには正式な入り口すらない。シークレットサービスの極1部だけが知る入り口が1つあるだけだ。
ドックの中には特徴的な戦艦が1隻佇んでいた。
「ラピス、懐かしいなユーチャリスを見るのは一体何年ぶりだろうな」
ラピスに話しかけた俺だが、ラピスの視線に気が付いて前方に目を移した。
「また、会ったな。テンカワ=アキト。いや、今は黒い王子様だったかな?」
「一体何をしに来た」
「なにね、ラピスが送ったメールを見て、お前のことだ、戦闘が終わったらラピスをユリカ達に任せて姿を消すんじゃないかと思って
釘を刺しに来たのさ」
「何故!それを」
「この間言っただろう?俺はお前だって。お前の考えることぐらいすぐに分かるさ。
それとこれは俺達のルリちゃんからの伝言。
『帰ってこなければ追いかけるまでです。貴男は私達にとって大切な人だから』
俺も似たようなことを言われたことがあるんだが、あの娘は本当に追いかけて来るぞ。
どんな困難なこともその全てを排除して。
そして、俺達はジャンプ事故を起こして、精神のみが過去に跳び、現在に至るわけだ」
「なら、何故ラピスが側にいる?」
「お前が過去に跳んだらどうする?奴に襲われるラピスを放っておいてナデシコに乗っていられるか?」
「そうか、しかしそれはお前のこと。俺のことじゃあない!」
「そうやって逃げるのか?俺達はお前がナデシコのみんなの元に戻れるように手を尽くしている。
後はお前の決断1つだ。じゃあな、俺達の言いたいことはそれだけだ」
俺達はそのままジャンプでナデシコに帰艦した。
「うわー、ここって本当に未来なんだぁ。私達の知らない歌がいっぱいあるよー」
「あっ!メグミさーん、サブロウタさんがいってた歌。入ってますよー」
「本当ですね。歌ってみましょうか」
でも、初めて聞く歌。2回目までは殆どの歌が歌えませんでしたが3回目にはほぼ完璧に歌えました。
出た得点も100点。
意気揚々と私達はナデシコに帰りました。
「メグミさん、ホウメイガールズの皆さんお帰りなさい。どうでしたかカラオケは」
「あっ!ルリちゃん、ただいま。知らない歌が沢山あったんだけど3回目にはほぼ完璧に歌えたんだよ。私達、才能あるかも」
「メグミさん。歌のこと、誰かに聞いて行かれたんですか?」
「うん!優人部隊のサブロウタさんに聞いていったんだけど」
その後、メグミさん達から聞き出した曲名はどれもそれぞれが未来で歌っていた歌。
才能の問題ではなく、うまく歌えるように作られた曲。
サブロウタさん、帰ってきたらお仕置きです。
ルリ坊に聞いてきた店なんだけどここでいいのかねぇ。
『日々平穏』
間違いなさそうだね。でも、店の前に掲げられた看板には『本日定休日』か。
残念だけど、今日は帰ろうかね。
でも、どんな店なんだろうね。
さて、暗い考えはこのくらいにして帰ろうかね。
そんなこんながあって、でも時間は容赦なく流れ、独立ナデシコ部隊が遺跡奪還に出発しました。
さて、私達はどうするのでしょうか。
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中略して、『プリンス・オブ・ダークネス』編は最終局面に向かいます。