「話の前に言っておくけど、実名をだすわけにはいかない人もいる話なんだよ」

「それはもしかしてこの中に当人が居るって事なのか?アキト」

「・・・ま、そういうことなんだけどね。

 じゃあ始めるよ。

 俺にとってこの世界は3度目なんだ。

 1度目、俺はコックだった。IFSを持っているっていうだけでパイロットをやらされた。

 後ろでギャンギャン騒ぐ軍人や端から見れば暑苦しいパイロットなんかも同乗していたんだけど

 共に出港初期の段階で居なくなったけどね」

「おい、アキトォ。それってさりげなーく本名語ってねぇか?」

「まあそれはおいといて、

 その戦艦は火星に行く指命を持って地球を飛び立った。

 宇宙で補充のパイロット3人娘を収容して火星に向かった。

 まあ、その後いろいろあったんだけどね。

 俺は結婚した。

 いや、式を挙げただけだった。

 その・・・後・・・新婚旅行に出るシャトルで俺達は襲われた。

 そして・・・・・・俺は五感全てを失った。

 俺は復讐を開始した。復讐は敵ったわけだが、俺には何も残っていなかった。

 だから俺は家族全ての前から姿を消す事にしたわけだが、それを良しとしなかった子が居た。

 ある時から俺が引き取って義娘の様に思っていた娘だった。

 その娘が起こした事故によって俺は1度目の時間逆行をすることになった」

「辛い人生を送ってきたんだね、アキトくん」

「ありがとう、イツキちゃん」

 

機動戦艦ナデシコ『時の流れに』after another

『Dream』プロローグ02

 

「2度目、そう2度目だった。

 俺は同じ過ちを繰り返すのがイヤで必死になって足掻いた。

 俺と一緒に時間逆行した義娘も手伝ってくれたから1回目で死んでしまった人の多くを助けることは出来た。

 でも、俺はその過程で実力を発揮しすぎてしまったんだ。

 その結果、新たな事件が発生して1回目で死ななかった人が死んでしまうこともあったし、1回目で出会わなかった人との出会いもあった」

俺は敢えて元優華部隊の2人のことは出さないで話を続けた。

「それで全ては終わるはずだった。

 全ての終わりまで後少しというところで俺は2度目の時間逆行をすることになってしまった。

 その結果は前回より余裕が持てた。

 前回は俺が乗り込む予定の船の出港まで時間がなかったんだが、今回はある程度の時間があった。

 だから俺は軍に入ったわけだ。そして今に至る」

俺が話し終えたときみんなの顔は驚きに支配されていた。

「で?アキトさん、未来は変えられそうなんですか?」

「そうだね。正直な話まだ分からない。

 ただ、今言えるのはそのための準備は考える中では万全に整ったということだけだよ。アリサちゃん」

「じゃあ、なんでアキトは火星に残るんだよ?俺達と一緒に地球に行けばいいじゃねぇか」

「ダメなんだよ、リョーコちゃん。計画の最後のつめがどうしても1ヶ月後でなければ出来ないんだ」

「なら、俺も残る!」

「「リョーコ(さん)が残るんなら、私も残ります」」

「ダメだよ。3人とも地球でやることがあるだろう?帰りを待ってる人もいるだろう?

 それに、俺もこっちでの用事が済んだら地球に行く。

 そうしたら、また会おう」

 

そして、彼らは地球へと帰っていった。

それから僅か1週間後。

 

火星は戦火に包まれた。

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<あとがき>と言う名の座談会

ルリ:いきなりあとがきの座談会を依頼されましたホシノ=ルリです。

アキト:ルリちゃんの相方をやるテンカワ=アキトです。

ルリ:アキトさん、大きな事言って消えてしまった先で何やってるんです?

アキト:過去に戻りすぎちゃったからね暇つぶしに、軍人とテストパイロットさ。

ルリ:そういう意味じゃなくてですね、既に3人もの女性を墜としてらっしゃる様ですが。

アキト:ル、ルリちゃん、目が恐いんだけど。

ルリ:皆さん、例の部屋でお待ちですよ(ニコッ)

アキト:お仕置きはイヤ、お仕置きはイヤ、お仕置きはイヤ、お仕置きはイヤ、お仕置きはイヤ

ルリ:それはそうと、この話の流れからするとアキトさんはこの後ナデシコに乗ることに

   なるんですよね。そうするとそこには当然私が居る訳なんですが、どの私が居るん

   でしょうか?

(最初のルリちゃんもいいんだけど、1度目の逆行ルリちゃんです)

ルリ:そうなんですか。それなら良いです。

   アキトさんが一向に帰ってくる気配がないので今日の所はお開きと言うことで。

 

 

 

管理人の感想

 

準備は万端ですか・・・フッ

幾らそう言っても、アキトのする事ですからね(苦笑)

多分、またどこかしこからボロボロと(他人事じゃないな・・・)

それにしても、ルリちゃんは2回目のままですか?

既に歴史に色々と手を加えているアキト君

さて、今後はどうなるのでしょうか?