ネルガル、オマエザキドッグ。

その地下に建造された秘密ドッグに停留する新鋭戦艦『ナデシコB艦』。

その純白のボディからは、美しい輝きすら放たれている。

このナデシコB艦はネルガル重工の出資と技術提供により建造された2代目ナデシコである。

現在は実験艦としての意味合いが強いが、各種実験が終わった後は、各ステーションやコロニーの巡回、ならびに警備の任につくことが既に決定している。

 

機動戦艦ナデシコ異伝
双頭の獣

第7話 新しき『ナデシコ』
 

ここはオマエザキドック内の地下に設けられている大会議場。その天井には暖色のシャンデリア。壁には派手な紅白の垂れ幕。そしてその上には赤いバラで飾られた看板が掛かっていた。
そこにはこの様に書かれてある。

『ナデシコB艦完成披露パーティー』

そう。今日は関係者や旧ナデシコクルーを呼んだナデシコB艦の披露パーティーだ。

そしてテーブルの上には、様式を問わない様々な料理が並んでいる。
無論、この料理を作ったのはホウメイとホウメイガールズだ。

そして、旧ナデシコクルーはほとんど一箇所に固まっており、賑やかな同窓会のような雰囲気になっている。

皆、それぞれに着飾って楽しそうに会話を楽しんでいる。

 

その会議場の出入り口では、カイトとプロスが旧ナデシコクルー専用の受付のような事をやっている。

「しかし、思ったよりも集まりませんでしたね」

カイトがそうポツリと漏らす様に約1/3程度の人物が、用事などで都合がつかずにこの場には居ない。

「仕方ありませんよ。みなさん今の生活も大変でしょうし」

「……そうですね。しかし、パイロット連中がほとんど居ないとは思いませんでしたよ。
……久しぶりに対戦もやりたかったんですが」

アキトは特製ラーメンの完成に終始しており、『もう少しで出来そうだ』と言い今回の参加は見合わせている。

リョーコは月面基地でパイロット養成所の教官をしており、その合宿に参加しているようだ。

ヒカルは原稿の追い込みをしている様で、不参加と言うことしか分かっていない。

イズミに至っては音信不通で何処に居るかすら分かっていない。

以上の理由で、この場に居るエステバリスライダーはカイトとアカツキだけだ。

 

「……そろそろピークも過ぎましたし、カイトさんも楽しんできたらいかがですか」

それから暫くして、入場者がまばらになってきた頃、プロスがそうカイトを促した。

「……そうですか?…それじゃすみませんが、お願いします」

ぺこりと会釈をして、ナデシコクルー達の輪の中に入って行くカイト。

「……別にそこまで慇懃になる必要も無いんですが……まあ、それがカイトさんの良いところですかね」

プロスペクターは輪の中でユキナに文句を言われているカイトをまるで、自分の子供を見るような目で見つめながら呟いた。

 

「イタタタ……。分かった、分かったから!ユキナちゃん、そろそろ許してくれない?」

プロスが呟いていた頃、埒があかないと思ったのか、ユキナが実力行使に出ていた。

「……本当に分かったんでしょうね?」

ヘッドロックを解きながら、尊大にユキナが言う。

「まあ、放っておいたのは謝るけど、なんでそんなに怒ってるの?」

「決まってるじゃない!こういう場所じゃ、男性は女性をエスコートするものだからよ!」

「ユキナさん。そのくらいで許してあげたらどうですか?
……この後はちゃんとエスコートするみたいですし」

「ま、それなら仕方ないか……」

ユキナのあまりの言い草にカイトが絶句しているうちに、ユキナとルリの間で話がまとまってしまった。

「…降参。解りましたよ。それではお嬢様方、不肖わたくしめがエスコートさせていただきます」

最初は仕方なしといった口調だったが、最後になるとかなり乗り気になったのか芝居がかったお辞儀までする始末だ。

「……バカ」

「ひどいな〜、ルリちゃん」

その芝居がかった動作が滑稽に写ったのか、ルリの手厳しい一言に苦笑いを返すしかなくなってしまった。

「ねえねえ!ところでさ、このナデシコB艦の艦長って誰なの?」

唐突に思いついたのか、ユキナが誰ともなしに聞いてくる。

「え?それはユリカさんが来てるってことは当然……」

今気付いた様に困惑しながらミナトが答えようとするが、ジュンに遮られる。

「それはありませんね。
……軍もネルガルも、ユリカには艦長をさせないっという点では意見が一致していますから……」

「え?そうなの?……じゃあ誰が新艦長をするの?」

「……この子ですよ」

その様子を端から愉快そうに見ていたカイトがポンと、横にいたルリの背中を押す。
そのままよろけた風に会話の輪の中心に歩み出る。

「え?」

ユキナをはじめ、みんな驚いた顔でルリを見る。当のルリは恨めしそうな顔でカイトを見ている。
だが、そんな目で見られている当のカイトは、気楽にひらひらと手を振っていた。

その様子を見たルリはため息を一つつき、諦め半分で宣言をする。

「はい、私がこのナデシコB艦の艦長です」

 

 

『え〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』

 

 

 

「だ、駄目だよルリちゃん!艦長だなんて!
だってルリちゃんは私達と……」

ユリカが必死に止めようとするが、ルリが一言で切り捨てる。

「心配しないで下さい。
…それに、私がいるとお二人にとって色々とお邪魔になるでしょうし……」

ルリの少女らしからぬ追い撃ちに、ユリカは耳まで真っ赤になる。

「い、色々とって……ルリちゃん!」

「どうせ今の時代、艦長なんてお飾りですから。誰がやったっておんなじです」

「そうそう。僕も乗りますし、大丈夫ですよ」

「大丈夫って……なんで二人ともそんな大切な事を黙っていたの!?」

気楽に言う二人にユリカが切れ気味に叫びだす。

「あれ?養父さんから聞いてませんか?
この話は養父さん経由でアカツキさんから話がありましたよ。
まあ、卒業後の進路にもちょうどいいんで受けときましたけど。
……そう言えば義姉さんに話を通したとは言ってなかったような気も…」

「……エリナさん!アカツキさんは何処ですか!?」

「会長なら向こうで賓客の相手をしていると思うわよ」

カイトの言葉を最後まで聞かずにユリカが据わった目でエリナを睨むが、全く応えておらずに賓客の輪を指差す。

ユリカがそちらに向おうとした瞬間、突然艦内に緊急警報が鳴り響く。

同時に激しい振動がパーティー会場を襲い、シャンデリアが消えて辺りは闇に包まれた。

「何!?」

「この警報は……敵襲!?」

「落ち着いてください!旧ナデシコクルーは昔の持ち場についてください!
ガードの人達は賓客を地下のシェルターに避難させて下さい!」

凛としたルリの声に会場内の混乱は急速に引いていった。

「これよりナデシコB艦、緊急発進させます!!」

 

メインモニターには、バッタやジョロ等の無人メカの襲撃を受けるオマエザキドックの様子が映し出されている。

既に存在しない筈の木星トカゲの無人メカの出現に、一同は驚きを隠せない。

そんな中でも落ち着いて艦長席に着くルリ。

そんな何時ものルリの様子に落ち着いたのか、ブリッジ要員の旧ナデシコクルーもそれぞれの持ち場に速やかに着いていく。そんな中、ユリカは少し迷っていたが、ルリに促され提督の席に着いている。

「緊急迎撃態勢。ナデシコB艦起動します」

コンソールにナデシコB艦の起動キーをさしこみ、右に回転させる。

カチッと小さく小気味のいい音がした。

その音が合図だったかの様に、すかさず艦内にエンジンの鈍い音がかすかに響き渡る。

「核融合エンジン起動確認。続きまして、相転移エンジン起動確認。ナデシコB艦発進スタンバイ」

有り合せだが、前大戦による最強メンバーにより、ナデシコB艦に命が吹きこまれていく……

 

「カイト君!一人で行くつもりかい?」

パイロットスーツに着替え、その場にあった陸戦フレームに乗り込もうとしたカイトに後からジュンが声をかける。

「まあ、発進準備ができるまでは粘りますよ」

「しかし!エステバリスの武器のセッティングだってまだ……」

「とは言っても敵さんは待ってくれそうもありませんし。こんなところで撃沈させるつもりはありませんよ」

「……解った。僕も一緒に行く。

昔……あいつにだってできたことさ……僕にだって!」

ジュンの申し出に少し驚いたが、すぐに笑顔に変わり、

「なら、ジュンさんは空戦でお願いできますか?僕は陸戦で行きますから」

「解った」

そう言い残し、ジュンはパイロット服に身を包み空戦フレームに乗りこむ。同時にカイトも陸戦フレームに乗りこむ。

格納庫内では、エステバリス発進スタンバイに、メカニッククルー達が忙しく走りまわっている。

「アオイ・ジュン、エステバリス発進許可願います!」

”どうぞ“

「ルリちゃん、どれぐらい時間を稼げばいい?」

まるで気負わず、晩飯のリクエストでも聞いているかのように気軽に聞いてくる。

”20…いえ、10分稼いでください“

「了解。最低10分は稼ぐから、後はよろしく」

”分かりました。引きつけ、お願いします“

エレベータでジュンの乗った空戦フレームと、カイトの乗った陸戦フレームが地上へと運ばれていく。

地上のハッチが開き、太陽の光がシャフト内の様子を照らし出した数秒後、地上の景色が目の前に開けた。

「へえ……」

”こ、これは……“

地上の発進ハッチの周りには、既に無数の木星トカゲ達で囲まれていた。

”聞こえるかい?僕等の任務は奴等をこっちに引きつけたドックから引き離すんだ!
ドックへの被害はなるべく出さない様に……僕も軍人ですから、後で面倒な事になりかねません!“

「解りました。…ジュンさんはできるだけ派手に敵を掻き回して下さい。引きつけはこちらでやります」

”解った!“

そう言い残し、飛び立つジュン機。

「…さて、使用可能な武器は……」

モニターには『ワイヤードフィフスト』と『イミディエットナイフ』にのみ使用OKの表示が点灯している。

「パンチとナイフだけか…。槍が使えりゃ楽だったんだけどな……ま、なんとかするか」

確認していた一瞬の隙を突いて襲い掛かってくるジョロとバッタ。

しかし、一瞬で取り出した右のナイフと左のナックルで瞬殺される。

そのまま一気にキャタピラダッシュをかける。

直後、一瞬前までカイトのいた場所にミサイルの雨が突き刺さる。

視界の端に、やや危なげだが、同様に攻撃を回避するジュンの空戦エステを捕らえるカイト。

(このままだったら、ジュンさんも危ないな……)

”うわっ!“

考えている傍から被弾しだすジュン機。

「ちぃ!」

援護する形で左腕を打ち出す。
それは、狙い通りにジュンを包囲しているバッタの一角を突き崩す。そのまま手近のバッタを掴み、崩れた一角に放り込む。そしてその放り込まれたバッタが回りのバッタも巻きこみ、盛大な爆発をひき起こした。

「ジュンさん、今です!囲みを突破してください!」

”すまない。助かった!“

ジュンが無事に囲いを突破した事を確認すると、そのまま射出と装着を絶妙のタイミングで繰返しながら攻撃を続ける。

……だが、あまりの敵の数の前には、その攻撃パターンも長くは続かなかった。

「くそっ!」

未だに直撃は貰っていないが、敵の弾が機体をかする度に振動がカイトを襲う。

そして、その度に、カイトの中の得体の知れない『何か』が鎌首をもたげようとする。だが……

(間違っても『コレ』を開放してはいけない……!)

そう思わせる何かが『ソレ』には含まれていた。

 

 

ドック内に海水が注水され、水位が上がっていく。徐々に相転移エンジンの出力も上がっていく。

 

「ドック内、注水率50%、相転移エンジン出力30%」

「急いでください」

モニターに映る地上の戦闘光景をじっと見ながら、ルリがじれる様に言う。

 

話は戻って地上。

「ちっ!…ジュンさん!なんとか突破口を開きますから、離脱してください!」

”しかし!“

「その機体じゃもう無理ですよ!」

ジュンが何か言おうとするが、カイトが遮る。

実際、カイト機はまだまだ持つが、ジュン機は全身に被弾し、もう持ちそうにもない。

しかも、カイトはジュンを庇いながら戦っている為にいつもなら受ける筈のない攻撃をくらい、小破している。

バッタの包囲網は幾重にも張られ、ジュンを庇いながらでは脱出できるかは分からない。

(下手したら僕のほうが大破しかねないか……だがその方が面白い!)

しかし、当のカイトはその情況すら楽しんでいた。

「ジュンさん!突っ込みますから、僕の真後ろを付いて来て下さい!」

”了解!“

そしてそのまま、ローラーダッシュを駆使して方位網のやや薄い点を強襲する。

一機……三機……六機……十機……順調に撃破していく。だが……

(脱出まで……持たない!)

カイトは全身のダメージを見ていたが、特にローラーダッシュに蓄積された疲労が大きく、足元から煙すら出ている。

ドン!

言っている傍から右のローラーが破裂した。

”カイト君!“

「いいから先に行って下さい!」

態勢を崩したカイトを見、ジュンは慌てて止まろうとするがそれをカイトが一喝する。

”しかし!“

「ローラーが壊れただけです!ジュンさんの方が被害は大きいのですから、まずは離脱してください!」

”だが……!“

「一度体制を立て直してから来て下さい!このままでは共倒れです!
……それに、援軍が来たみたいですし」

”え……?“

カイトは薄く笑いながらレーダーを見る。そこには友軍を表す点が一つ表示されている。
その点を見るカイトの眼には、安堵と信頼が写っている。

”え……?この番号って……?“

その友軍機から発せられる番号に見覚えのあるジュンが戸惑いの声をあげる。

「遅かったですね。出来るならもう少し早く来て下さいよ」

戦闘中だと言うのに、カイトが軽口を叩く。

”いや〜、避難に思った以上に時間を取られてね。
…それにこっちにはカイト君がいるんだ。僕が出る幕はないと思っていたんだけどね。まあ、早いとこ脱出しなよ“

対する増援の人物も軽口を叩く。だが、そんな軽い調子にもかかわらず、カイト達と挟み撃ちでバッタを次々に落としていく。

「分かりました。…それじゃ、この後は僕が囮になりますから、ジュンさんと一緒に、包囲網を外から削ってください」

”りょ〜かい!“

増援もジュンと同じく空戦フレーム。しかもラピッドライフルを二丁持ってきている為、外部からの削り役にはもってこいだ。

「それじゃ、やりますか。アカツキさん」

”ああ“

カイトはまるで釣りにでも誘う様に気軽に誘う。対する増援の人物、アカツキ・ナガレも同じく気軽だ。

 

その後の戦闘は華麗とすら言えた。

カイトが操る陸戦は、枷から放たれた猛獣の様に近づく敵機を粉砕していく。アカツキは外部から確実に敵を墜としていき、ジュンはそのアカツキの護衛をしていく。

そうしながらじわじわと移動し、崖に戦場を移していた。それは、傍目にはバッタに崖際まで追い詰められている様に見えた。

”カイト君!このままでは危ないんじゃ……“

カイトの思惑が分かっていないジュンは焦れた風にカイトに通信を送る。だが、カイトは何かのタイミングを計っている様で相手にしていない。

”カイト君!“

「そろそろか……アカツキさん、ジュンさん。上空へ退避して下さい」

焦って再度声をかけるジュンに対し、カイトは逆に落ち着いた声で指示を出す。

”了解。ほら、行くよ。副長さん“

”え……?しかし!“

”グズグズしない!…僕たちがいたら邪魔になるよ“

動こうとしないジュンの首根っこを引っつかみ、上空へと高速退避する。

……これが専業パイロットと臨時パイロットの違いだろう。長屋時代にカイトの実力を肌で知っているアカツキには勝算もないような戦いをカイトがする訳も無く、この程度なら捌き切るだけの実力を持っている事を理解しているが、あくまで知識としてしか理解していないジュンには到底無理に思えた。

カイト機は、バッタの攻撃を紙一重で躱すが、たまに躱し切れずに崖際まで追い詰められていった。

 

「くっ!」

”おっと、どこに行くんだい?“

そんなカイトの様子に見ていられなくなったジュンが飛び出そうとするが、アカツキがその進路に機体を入れ、邪魔をする。

「どいてください!アカツキさんには見えないんですか!?このままじゃカイト君がやられてしまいます!」

”副長はもう少し機動兵器戦の戦略眼を磨いたほうがいいな。よくカイト君を見てみな“

ジュンはじれた風に言うが、返ってきた答えは落ち着いた声だった。

「……え?」

それに虚を突かれたのか、呆然とカイトを見る。

”……まあ、見ての通り被弾はしているが、すべて装甲で止まるようにしか受けていないよ“

確かにアカツキの言葉通り、被弾しているのはバルカンなどの当たり所が悪くない限り装甲で止まるようなものばかりだ。そして、いまだに機体中枢へのダメージはほとんど無い。

「でも、それじゃ何で避けないんだ……?」

落ち着いて見てみると、躱せるように見える攻撃でもあえて受けているように見える。

”簡単だよ。さっきまで副長が思っていた通り、中破した機体が最後の悪足掻きをしているように見せているだけだよ。そうすれば僕と副長を放っておいても先にあっちを破壊しようとするだろ?“

そのアカツキの言葉通り、ジュンたちの周りには敵機は数えるほどしかおらず、ほとんどすべてがカイト機に向かっている。

「でもなんでそんなことを……」

ジュンが当然の疑問を呟くが、それに答えるように通信が入る。

”……時間だね。それじゃ、後は頼むね。ルリちゃん“

”分かりました“

そのルリの返事と共に、カイト機の背後より海中から浮上してくるナデシコB艦。

それと同時にカイトはまるで身投げでもする様に、崖から飛び降りる。

浮上と同時にナデシコ胴体中央に備え付けられたグラビティブラストの砲門がゆっくりと開かれていく。

 

「グラビティブラスト、発射」

「了解、グラビティブラスト発射!」

艦橋よりルリの射撃命令が下る。それを受け、ミナトが復唱をする。

ナデシコから一条の光なき閃光がほとばしる。

それは背後の山ひとつと共に、一瞬にして無人メカ群を消滅させていく。

「敵機、九割がた消滅を確認」

「了解。残存兵力の掃討はアカツキさん達にお任せします」

「それじゃ、私達はどうするの?」

ユキナの素朴な疑問にルリは下を指差し、

「落っこちた人を拾いに行きます」

とだけ答える。

「そういう訳ですから、後はお願いします」

”了解。ほら、行くよ。副長!“

”あ、ああ……“

 

ちなみにその頃、海に下りたカイトは……

「……まさかこの程度で止まるか、普通?」

頭を抱えながら、コクピットでうめいている。

カイトの機体は海に沈んだまま、動かなくなっていた。
……おそらく破壊された装甲の隙間から海水が浸水し、ショートを起こしたのだろう。

「………もう少し、防水処理を強化しておいた方が良いな……」

”カイトさん、大丈夫ですか?“

「ああ、大丈夫だよ。僕はピンピンしてるけどコイツが動きそうにないんで、引き上げてくれない?」

”……はい“

そんな普段は見れないカイトの情けない顔に笑いをこらえながら返事を返す。

 

……そんなやり取りから五分後、残存兵力の掃討が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、今回はここまでです。

カイト(以下K)「なんか尻切れトンボじゃありませんか?」

スカウトの辺りも書いたんだが、冗長に思えたんで思いきって切った(笑)

K「では、次は早いんですか?」

わかんない。多分付け足すから。
……てな訳でやっぱり月間かも(笑)

K「おいおい……」

まあ、今回は書くこともないし。それでは……

K「また」

 

 

 

 

 

代理人の感想

 

読んだ後、どこか違和感を感じた。

もういっぺん読み返して、また違和感を感じた。

更にもういっぺん読み返して違和感の源がわかった。

 

ルリが壊れてなかったのだ(核爆)。

 

まぁそれは冗談として(本当か?)、

アキト狙いでなければルリもそうそう壊れないものなのですねぇ(しみじみ)。