なんとか地球連合の防衛線を突破し、宇宙へと出る事に成功したナデシコ。


 補給とパイロットの補充をかねて、一路コロニー・サツキミドリへと向かう。


 そこでまた、一つの運命が分岐する。


「消去プログラム、起動」


 生か、それとも死か……。すべては、より力あるものの意志によって決まる……。















・ 第四話 『水色宇宙に[ときめき]』 鋼鉄の刺客 ・










 〜 アキト 〜




 今、俺の目の前では、ユリカとジュンが過去と少し違う会話をしている。


「そ、そんなぁ! ジュンくんはユリカの友達でしょ!?」


 防衛ライン突破の際、ジュンの宣言していた『缶詰』にユリカが抵抗していた。


「友達だからといって仕事を全部引き受けるわけにはいかない。ほら、さっさと艦長室に行くぞ」


「ふぇええん! アキトぉ〜〜〜!!」


 前回はジュンを哀れに思ったものだけど、今回はユリカが哀れだな。まぁ、自業自得だけど。


 ……まぁ、少し可哀想だし、あとで差し入れを持っていってやるか。


「あ、そうだ。テンカワ」


「ん?」


 ユリカを引きずってブリッジを出ようとしていたジュンが、俺のほうに振り返る。


「あとで、シミュレーターで訓練するからつきあってくれ。ヤマダのバカにも目を覚ましたら声をかけておいてくれ」


「ん、あぁ」


 俺がうなずくのを確認したジュンは、再びユリカを引きずってブリッジを出て行く。


 ちなみにプロスさんはブリッジの隅でため息をついている。


 理由はジュンに払った慰謝料らしい。こっちも自業自得だ。やれやれ……。










 とりあえずそんなことがあったのが先日。今、俺はガイのいる医務室にいる。


 さすがのガイもブラックサレナの高機動と強力なGに潰されて一日近く意識を失っていた。


「……とまぁ、これが昨日のブリッジでの様子だ」


 結局あの後、ガイが目を覚まさなかったのとユリカにジュンがつきっきりになったことで合同で訓練することはなかったんだけど……。


「はぁ……なんていうか副長って意外と……」


「それ以上は言わないでくれ。なんとなくわかるから」


 まぁ、ジュンも逆行者ってことだな。しかも前回の俺ほど自分を抑えているわけじゃないし……。


《テンカワ》


 っと、噂をすればジュンからの通信だ。


《ようやくユリカの仕事が一段落した。ヤマダも目を覚ましたようだし》


「ダイゴウジ・ガイだ!!」


《……ともかく、シュレータールームに来てくれ》


「あぁ。わかった」


 その後、俺とガイはジュンの待つシミュレータールームへとむかうのだった。










 〜 ルリ 〜




 突然ですが、ヒマです。


 一応、前日にアキトさんからサツキミドリのエマージェンシーコールを鳴らすウィルスをつくってほしいと頼まれていたんですが、それも一日あればできてしまい、今は完全にヒマを持て余している状態です。


「ヒマですねぇ……」


「ヒマ……」


 隣にいるラピスも同じ思いのようです。


 なにかいい暇つぶしは……あ、そうです。


 たしかアキトさんがジュンさんたちと訓練をするといっていましたね。ちょっとのぞいてみましょう。


 あれ? ヤマダさん、一人でシミュレーターの外にいますけどどうしたんでしょう?


 まぁそれはともかく、さっそく中を……なっ!?


 わたしがシミュレーターの中で見た光景。それは宇宙を舞う二機のブラックサレナの姿でした。


 一方は間違いなくアキトさんなんですけど……もう一方は……まさか、ジュンさんですか?


 たしかにおされているようですけど、それでもあのブラックサレナを自在に操っています。ちょっと信じられません。


 縦横無尽に舞う二機のブラックサレナ。互いに撃ちあい、ぶつかりあいながら宇宙を飛び続けています。


 機体の性能は互角。勝負を分けるのはパイロットの技量ですね。


「あと十秒……」


「ラピス?」


「二人が勝負に出るまでの時間」


 まさか……。そう言おうとしたわたしの前にラピスが訂正しました。


「ごめん、訂正」


「えっ?」


「もう動いた」


 ラピスの言葉にはじかれる様にわたしはモニターに視線を移しました。


 すると、たしかにもう二機のブラックサレナは動いていました。


 どちらもディストーションフィールドを右手に収束しての突撃。より先に放ったほうの勝ちです。


 そしてその勝負は……アキトさんに軍配が上がりました。


 でも……なんなんですか、いまの戦闘は。


 まるでアキトさんが二人いたような戦闘。アキトさんのほうが幾分か―― 恐らく経験の差だと思います ――勝っていましたが、今の時代にアキトさんと互角のパイロットなんてほかにはいないはずです。


 いるとすれば……木連。あの北辰ぐらいのものです。


 それなのになぜ、それもジュンさんがアキトさんと互角の勝負を繰り広げていられるのでしょう?


「相変わらず大暴れですね。二人とも」


「ハーリーくん? それ、どういう意味ですか?」


 事情を知っているらしいハーリーくんの言葉に、わたしとラピスの視線が集中しました。


「テンカワさんとジュンさんは前からよくああしてトレーニングしていますよ。ジュンさんもネルガルの機動兵器テストに非公式ですけど参加していましたし。

 もっとも、ブラックサレナ同士の戦いでジュンさんがテンカワさんに勝ったことはないですけど」


 ハーリーくんの話を聞いて、わたしは目の前の事態についてようやく納得することができました。


 経緯は不明ですけど、どうやらアキトさんはジュンさんを戦力に加えるつもりのようですね。それもブラックサレナ級を扱えるレベルの。


「ところで、そろそろサツキミドリが通信範囲に入りますけど……」


 おっと、もうそんな時間ですか。


 わたしはサツキミドリを通信範囲に捉えると、さっそくハッキングを開始しました。


 それにしても……。


「なつかしいですね。この手の悪戯は」


「ルリには手を焼かされた」


「それはお互い様ですよ、ラピス」


「そうだね。でも、ハーリーもしたことあるの?」


「えっ? え、えぇありますよ。もっともアマテラスとか拠点関係が主で、ユーチャリス相手のときはいつもルリさんのバックアップにまわっていましたけどね」


「そうなんだ。だから知らなかったんだ」


「そう、ですね。あのころは……」


 ハーリーくんは昔を思い出すように天井を見上げました。それほど昔でもないと思いますけど……。


 ……どうして、そんな懐かしそうな顔をするんですか?


「……では、さっそくサツキミドリにハッキングを開始します。ハーリーくん、ラピス、サポートをお願いします」


「了解」


「了解です」


 こうしてわたしたちは無事、サツキミドリへのハッキングに成功。


 その後、ナデシコはサツキミドリから避難してくる人たちのシャトルとすれ違いました。


「……確信犯」


「そのとおり」


 アキトさん、自覚はあったんですね……。








 〜 アキト 〜




「はじめまして!! 新人パイロットのアマノ・ヒカルで〜す!!」


「「「「「おぉおおおおおお!!!」」」」」


「18才、独身、女、好きな物はピザのはしの硬くなった所と、両口屋の千なり。あと、山本屋の味噌煮込みで〜す!!」


「「「「「「おぉぉおおおおおお!!!」」」」」


 二度目同様、ナデシコへの乗艦をスムーズに済ませたヒカルちゃんとリョーコちゃん、それにイズミさんを出迎えた整備班によって、現在格納庫は興奮のルツボと化していた。


 そして今回も彼女たちの機体と予備の0Gフレーム一機しか持ってこられず、まだ一機サツキミドリの中に残っているらしい。


 今回回収にいくのは、俺とリョーコちゃんたち三人、そしてジュンだ。


 じつは、いまガイはトレーニングルームに篭もりっきりになっている。


 大気圏突破の際にブラックサレナに乗ったガイはその力を制御できずに気絶してしまった。


 それがどうにも悔しかったらしく、トレーニングのときに俺にどうしたら扱えるのかと真剣に訊ねてきた。


 そこで俺とジュンで一度ブラックサレナの戦いを見せ、その上でいまのブラックサレナについて教えた。


 それ以後、ガイは死に物狂いにシミュレーションのブラックサレナで戦っている。


 もっとも、さっき様子を見た限りではまだゴム風船の域を脱しておらず、こんな状態で戦闘は無理だろうと判断、ユリカに頼んでジュンに出撃してもらうことにしたというわけだ。


 それにしても……。


「よぅ、俺の名前はスバル・リョーコ。18才、パイロットだ。これからよろしく」


「「「「「うぉぉぉおおおおおおお!!」」」」」


「特技は居合抜きと射撃、好きな物はオニギリ、嫌いな物は鶏の皮。以上」


「「「「「ウォォォオオオオララララララァァァァ!!」」」」」


「愛想が悪いよリョーコちゃん」


「けっ!! 自己紹介に愛想なんかいるか!!」


「じゃあ私が代わりに、色々とリョーコちゃんの秘密を喋っちゃおっと!!」


「何だとヒカル!! てめぇ勝手な事するなよな!!」


 この二人の仲は相も変わらず、か。まぁ過去と同じなんだから当然か。


 しかしイズミさんの姿がない……。


 って、この背筋に感じる寒気は……。


 ベベベンッ!!


「やっぱり……」


「あら、驚かない……」


 驚かすつもりだったのか、イズミさん。


 それにしても、また気配を感じなかったな。腕は鈍っていないはずなんだけど……。


「こんに〜ち〜は〜〜」


「「「「「うぉおお……?」」」」」


「どうも〜新人のマキ・イズミです」


「「「「「……??」」」」」


「ふふふふふふ……ヒカルとリョーコ……二人揃って……」


「「「「「…………」」」」」


 ……はっ! し、しまった!


 三度目だから油断しないつもりが、しっかりと喰らってしまった。


 辺りを見回せば、楽しそうにウクレレを鳴らすイズミさんと、それを中心としてまるで爆心地のように広がる凍りついた整備班の面々。


 遠くには凍りついたユリカを今回は防御していたらしいジュンが背負い、格納庫を出て行く姿が見える。


 そんなジュンに続いて、今度はラピスを背負って出て行くハーリーくんの姿も見える。


 ラピス、思えば初めてだったな……。教えてやればよかったか。


「イズミさんの話を聞いていた乗組員全員が、意識不明です。……どうしますか? アキトさん」


 今回も耳栓をしていたらしく、平気な顔をしているルリちゃんが声をかけてくる。


「やれやれ、ルリちゃんも無事か」


「はい。二度目ですから」


 俺は三度目だよ、ルリちゃん。


 とりあえずルリちゃん、ハーリーくん、ジュン、俺の四人と、そもそもの原因のイズミさんは無事だったが、この後たっぷり一時間、ナデシコは行動不能に陥った。


 ……前回共々、よく無事だったものだ。








 その後、ようやく全員の意識が解凍しおわり、主要なメンバーは俺とジュンが運んだためブリッジで目を覚ました。


 そしてそのまま作戦会議へと移行するのだ、が……。


「ねぇねぇ!! この艦に乗っている三人のパイロットって誰なんですか?」


 やはり前回同様、ヒカルちゃんからこの質問が飛び出した。


「えっと、一人目はいまもシミュレーターで特訓中です。

 二人目は隣にいる副長と兼任のアオイ・ジュンくん。

 そして三人目! ナデシコの誇るエースパイロットのテンカワ・アキト!!

 そしてそして!! なんと私の王……モガモガァ!!」


「……艦長、今はそんな事を言っている場合ではないでしょう? サツキミドリに残された0Gフレームの回収の話を先決させて下さい」


 ミナトさんに口を押えられたユリカに、プロスさんが本題を進めるように言う。


 ……まぁ、お前らしいといえばらしいけど。時と場合を考えようぜ。せめてもう少し。


「……で、結局は回収に向かうんだろ?」


「ええ、それは是非ともお願いしますよ。」


 結局、今回もユリカそっちのけで話が決まってしまった。


 いや本当に、ユリカ……お前っていったい……?


「クスン……みんながいじめる……」










 結局俺達がサツキミドリにむかうころになってもガイはシミュレーターから出てはこなかった。


 様子を見てみると、まだまだ荒っぽいが一応ブラックサレナを思うとおりに飛ばせるようになって来ている。


 だが、戦闘となるとまだまだだ。


 ガイはまだ、ある程度単純な軌道でしか飛ばすことができない。それもごく短い時間だけだ。集中力が切れるとあっという間にゴム風船に戻ってしまう。


 機動戦闘のような複雑な動きとなると集中力をつけると同時に、さらに耐G訓練が必要になるだろう。しかもこれでやっとまともに動けるようになるだけで、今度は高速機動での戦闘行動を訓練しなければならない。


 そんな理由から、予定通りにジュンが予備に持ってきた0Gエステで出撃した。


 サツキミドリに接近する途中、リョーコちゃんから通信が入った。


《お前……テンカワ、っていうんだっけ》


「そうだけど」


《大気圏突破のときの映像を見せてもらったけど、テンカワ! お前、本当に凄腕のパイロットだな!》


《そうだよね〜、とても人間業とは思えない腕前よね》


《……同感》


「そうでもないよ。このブラックサレナは次世代モデルのテスト機だからね。いまネルガルで売っている最新モデルより性能が高いんだ」


《けどよ、あのナデシコに残っているパイロットが乗ったときの映像を見る限りじゃ、その機体、相当なじゃじゃ馬みたいじゃねぇか。

 それであの実力。やっぱりパイロットの技量だと思うぜ?》


「あはは、ありがとう。でも同じ機体を使えばジュンも同じぐらい動くし、俺一人が特別なわけじゃないよ」


《えぇ〜? それじゃ副長もじつは凄い人なんだぁ》


《…………》


《なんでぇ、無口なやつだな》


《……そろそろサツキミドリだ。警戒したほうがいい》


《おっと、もうそんなところか。

 よし! 俺が先頭で案内するからな! 後続はしっかりと警戒しながらついて来いよ!!》


 この光景も三度目か。


 リョーコちゃんを先頭に、俺達はサツキミドリの中へと入っていく。


 二回目同様、それほど破壊されていない格納庫で倒れているエステバリスを発見する。


 ……動き出したらすぐに攻撃する。


 俺もジュンもそのつもりで警戒する。


 ところが、俺達の予想に反して倒れていたエステバリスにバッタの姿はなく、リョーコちゃんたちは無事に0Gフレームの回収に成功してしまった。


《うっし、それじゃ帰還すっかぁ!》


《オッケー!》


《旅館の風呂場にあるもの。それは桶……く、くくく……》


 三人は意気揚々とフレームを持ち出口へとむかう。


 だがそこに、天井付近から多数のミサイルが降り注いだ。


 咄嗟に警戒していた俺とジュンがミサイルを迎撃する。


《なっ、なんだぁ!?》


 爆発で立ち昇った煙が晴れると、俺達はあまりに予想外の光景を目の当たりにした。


 それは、天井一面にビッシリと張り付いたバッタの群れだった。


《うぇえええ、気持ち悪ぅ〜〜〜》


《それに、どうやら連中だけじゃないようよ》


 イズミさんの言葉を聞き、レーダーで確認してみると、なんとサツキミドリ内部にバッタの反応を多数確認した。


 その数……約三百。


 このままここにい続けるのは危険! そう判断した俺達は急いで来た道を引き返した。


 しかし、敵も簡単にはそれを許してくれず、回収した0Gフレームが重荷となり足を引っ張っていた。


 そこでようやく敵の作戦がわかった。


 敵は0Gフレームを餌に、自分たちの領域(テリトリー)へと俺達を誘い込んだんだ。


 とすれば、今頃ナデシコのほうにも敵がむかっているはず……。


 俺は、一つの案を立てた。


「みんな、聞いてくれ」


 俺が考えた案、それは俺がここに残り、みんなにナデシコの護衛にまわってもらうということ。


 幸い、ブラックサレナは元々多対一、拠点強襲用の機体。施設内部での戦いだからといって、バッタごときに後れをとることはない。


 ジュンにも俺の言わんとすることがわかったんだろう。自分で先頭に立つとリョーコちゃんたちを連れて外へと脱出していった。


 振り向けば、無機質な殺気とともにバッタたちの目が輝いている。


 さて……はじめるか!!








 〜 ルリ 〜




 これは……どういうことでしょうか?


 今回はとくに残骸などに警戒する必要もなかったのでアキトさんのブラックサレナをモニターしていたんですけど、サツキミドリにはいったところで映像が途切れ、それからすぐに木星トカゲの反応が大量に出てきました。


 しかも内部のエステバリス隊に通信を試みているんですけど、まったく応答がありません。


 弱りましたね……。


 とりあえずユリカさんはエステバリス隊が戻ってくる時間を稼ぐ気みたいです。


「グラビティブラスト、スタンバイ!」


「了解、グラビティブラスト、チャージ。……発射準備完了」


「よぉし、発射ぁ!!」


「グラビティブラスト、発射」


 ナデシコから放たれたグラビティブラストは、サツキミドリの横を通り、現在確認できている敵機動兵器の三分の一を葬りました。


 が、その間にも敵はどんどんやってきます。どうやらサツキミドリ内部にも結構な数の敵が潜んでいるようです。


 ナデシコのグラビティブラストは、まだ連射ができるようには造られていませんから発射に少し時間がかかりますし……弱りましたね。


 しかしそこに、サツキミドリから応援が駆けつけました。


「待たせたな!」


「大丈夫ぅ〜?」


「それじゃ、お仕事お仕事」


「エステバリス隊、これよりバッタの掃討を開始する」


 0Gフレームを回収したリョーコさんたちのエステバリス隊です。


 しかし、アキトさんのブラックサレナの姿がありません。まだ中にいるんでしょうか?


 話を聞いてみると、アキトさんはまだ中で戦闘中とのことです。


 まぁブラックサレナがあるアキトさんに心配はないと思いますけど……。


「ブラックサレナは拠点内部でも十分に戦闘能力を発揮できる。大丈夫」


 ……とはラピスの弁です。


 ブラックサレナに関してはわたしより彼女のほうがよく知っていますからね。


 事実、エステバリス隊が脱出してから十分ほどたったころ、サツキミドリから出てくるブラックサレナを確認しました。


 無事でなによりです。


 その後、ブラックサレナも戦闘に加わり三百ほどいた無人兵器たちは、ものの十数分ですべて鉄くずへと変わっていました。


 しかし、さすがにジュンさんもアキトさんと訓練していただけあって結構強いですね。


 撃墜数ではアキトさんと互角ですよ。まぁアキトさんは途中から参戦したので実力はこちらのほうが上でしょうけど。


 その後、ナデシコはさしたる損傷もなく、無事にサツキミドリを後にしました。


 でも、やはり疑問も残っています。


 アキトさんの話によると、今回の敵は0Gフレームを餌にエステバリス隊をおびき寄せたそうなんです。


 これは今までの無人兵器には無いパターンの行動です。


 まるで、誰かが指示したような……。


 しかし木連が出てくるのはまだまだ先の話。少なくとも今現在、無人兵器に直接細かい指示を出せる人はいません。


 この疑問が、わたしの杞憂であればいいんですけど……。















 鋼の破壊者の群れを突破し、再び旅を始めたナデシコ。


 歴史を知るものはその不自然さに疑問を持ちながらも答えを出せず。


 指示を出したものは次なる策を打つ。


 次なる舞台は原初の星、火星。


 そこで、白亜の船を待つものとは……。















 ・ あとがき ・



 ……というわけで、第四話でした。


 ……だぁ―――!! 一ヶ月以上も時間がかかってしまった。


 実は、うちのポンコツパソコンめが機嫌を損ねてしまい、修理に出したのが一ヶ月前。で、ようやく帰ってきました。


 さて、今回いつものごとくサツキミドリに0Gフレームを取りに行ったわけですが、どういうわけかそこにいたのは大量のバッタ。


 ……まぁ読者側で考えると木星の遺跡の介入だ、とか考えるかと思います。事実そのとおりです。


 まだこのころは木星の遺跡は明確にナデシコを沈めようとはしてきません。とばっちりをくってユリカが死んだら元も子もないので。


 今はまだ戦力を把握している時期ですね、主に逆行者の。


 そういう理由から大きく動くのは火星に到着、あるいは帰還後からということになるでしょう。


 しかし、なんか戦闘シーンが少なかったような……。もう少し力を入れてみるか。


 それでは、今回はこの辺で……。AKIでした。













代理人の感想

ご愁傷様でした。

戦闘シーンですか・・・確かにこの話で戦闘シーンがないと盛り上がりにかけるかも。

戦闘シーン以外で読者を楽しませることが出来ればいいんですが、新キャラ紹介回という都合上、

リョーコたちの行動を見せる以外に話の筋がないんですよね。

新しくエピソード作るか、あるいはやっぱり戦闘を入れるかのどっちかが良かったかと。