ナデシコを飛び出し、行方不明になったマキビ・ハリ。
必死に行方を探し続けるホシノ・ルリとラピス・ラズリ。
そして、彼らを心配するナデシコの仲間たち。だが……。
「この戦闘力が確かなら、この二人、このままにしておくわけにはいかん!」
そんな彼らにもたらされたのは、またもや別れの知らせだった……。
・ 西欧編・第一章 『旅立ち』 西欧へ…… ・
光も届かぬ深遠の闇の中で、彼の意識は覚醒した。
うっすらと目を開くと、そこが異質な空間であることに気づき、周囲を見回す。
だが、どこを見ても暗い闇しか見えなかった。
そんなときふと、彼の近くに人の気配を感じる。
彼はその気配が何かと思い、隣の気配に目をむける。
そこには、この闇の中で唯一他の色を持つものがあった。
否、正確には『いた』というほうが正しい。
そこにいたのは一人の少女だった。
しかし、彼はその少女の存在に首をかしげた。
おかしい。こいつが外にいるはずがない、と。
もしかして、この状況は全部夢なんじゃないか? とさえ思った。
その少女は、彼の心の中に存在するはずの、彼の半身だったのだから。
「うみぅ……」
少女はなんとも幸せそうな笑みを浮かべながら、いまだスヤスヤと眠っていた。
そんな少女を見て、彼はついつい頭を抱えてしまった。
―――これが俺と一心同体だというんだから……情けない。
一心同体。
確かに彼とその横にいる少女はとても似ている。
瓜二つ、といってもいいぐらいに。
だがきっと、言われなければそのことには誰も気づかないだろう。
人格とは、かくも人の表情を変えるものなのか。
少女の顔を見ながら、彼はそんなことを思う。
ありていに言えば、現実逃避というやつだ。
だが突然、彼は自分の背中にむけられた何者かの視線に気づいた。
「っ!」
弾かれるように振り返ると、そこに三十代後半ぐらいの男が立っていた。
上も下もわからないこの空間で『立っていた』という表現が的確であれば、だが。
その男を見て、彼はひどく気分が悪くなった。
気味が悪い。それが男に対する彼の第一印象だった。
表情はまるでマネキンのように固く、むけられる視線にも感情らしい感情が感じられない。
そしてなにより、瞬きをしない。
まさしく『人形』のような男だった。
「何者だ……!」
体にまとわりつく無機質な視線を振り払うように、彼は声に力をこめる。
「お前をここに招いた、我が主の代理だ」
男は彼の問いに即座に、そして淡々と答えを返す。
しかし、やはりその声に感情の色はなく、彼はますます気分を悪くした。
―――……気に入らない。
「招いただと……? なんのためだ」
相手の態度が気に食わなかったが、情報は必要だ、と彼はその苛立ちを飲み込み、再び男に問いかける。
「テンカワ・アキトをこの世から消し去るため」
男は再び同じように答えを返す。
だが、今度返ってきた答えは彼にとって驚くべきものを含んでいた。
テンカワ・アキト。三年もの間、彼が探し続けてきた男の名だった。
「やつを知っているのか!? やつは今どこにいる!?」
知りたかった。そして、再びその人物と会い、戦いたかった。
それが、この三年間の彼の望みだったからだ。
そして男は、前の二つの質問のときのように答えを返してくる。
「テンカワ・アキトは現在、2197年十月二十一日、午前八時四十三分四十四秒の、機動戦艦ナデシコ内部の食堂にいる」
……ところが、返ってきた答えはやけに具体的で細かい内容だった。
もう少し簡略できないものか、と彼は思ったが、そんなことは些細なことだった。
ついにやつを見つけた。
もう一度会い、そして、拳を交えたい。
彼の三年間に渡って蓄積された望みが、ふつふつとわきあがる。
男は言った。
自分を呼びつけたのはアキトを消し去るため、ようするに自分とアキトを戦わせるためだと。
ならば男は、彼をその『アキト』のいる場所に自分を運ぶだろう。
彼はそう考えた。
だが、同時に警戒もした。
自分にまったく気づかせずに彼をこの空間につれてきた目の前の男を。その男が有するだろう技術を。
おそらく、ボソンジャンプの類だろうが、知識のない今の彼にはどこをどうしたのかまではわからなかった。
この男の目的はなんなのか。『主』とは何者か。
彼は、まだ何も知らなかった。
先ほどまでの興奮は冷め、続いて『闇』に生きる者の感覚が表面に出始める。
「それで……? 俺とアキトを戦わせて、お前になんの意味がある?」
「それを話す必要はない」
男はにべもなくそう言い切った。
「我が主はお前の力を欲している。その力でテンカワ・アキトを削除せよと仰せである。
我が主の命に背くとあれば……この場で貴様らを削除する」
それは、紛れもない『脅迫』だった。
訳のわからない技術でここに連れてこられた以上、相手にどんな隠し玉が用意されているのか、彼には見当もつかなかった。
なにより……。
「すぴゅぅ……」
彼の後ろでのんきに寝ている少女のことがあった。
仮にも自分の半身。見殺しにするには情が移りすぎた。
「……わかった」
結局、彼はその『主の命』とやらを引き受けることにした。
だが彼も黙って従いはしなかった。
彼は、相手の男にいくつかの条件を突きつけた。
ひとつ、後ろにいる少女をこれからむかう時代の自分の体に送ること。無論、小細工について釘も刺した。
ひとつ、自分の体を『女』から『男』にすること。どうせ別れるならかつて望んだ『男』になりたい、ということらしい。
そして最後のひとつ、自分とアキトの戦いに介入しないこと。もし邪魔をすれば、容赦なく攻撃する、と彼は男に言い切った。
男もまた、たやすく彼の条件を飲んだ。理由は……彼にはわからなかった。
「では、よろしく頼むぞ。影護北斗よ」
「ふん……」
その言葉を最後に、彼・影護北斗の意識は再び闇へと消えた……。
地球、ヨコスカドック。
ここに一隻の戦艦が停泊している。
その名を、機動戦艦ナデシコ。
軍隊ではいろいろな噂や異名を持つこの戦艦だが、戦果だけは他の連合軍のどの艦隊より上だった。
もっともそれも、厄介払いのなんでも屋家業の結果でしかないのだが。
そんなナデシコに、一週間前、とある事件が起こった。
ナデシコのシステムコンピュータであるオモイカネが暴走したのだ。
いや、それ自体は明るみに出なかったのでそれほど大きな事件にはならなかった。
だが、その事件で一人の少年の過去が明らかになった。
少年の名はマキビ・ハリ。
ナデシコのサブオペレーターを勤めるごく普通の……はずだった少年だ。
彼は自分の肉体に、ある秘密を持っていた。
自らの体を武器・兵器に変貌させる狂気のナノマシン。それがハーリーの体内にあった。
肉体はナノマシンによって日々変貌を続け、ハーリーの体を蝕んでいたが、彼はずっとそのことを隠していた。
今の自分をなにより醜く思うがゆえに。
だがその秘密が、オモイカネの事件をきっかけに少数の人間にバレてしまった。
その秘密を知るものの中に、二人の少女がいた。
ホシノ・ルリとラピス・ラズリ。
同じ『瑠璃』の名を持つ二人の少女を、ハーリーはとても大事に思い、同時に二人に秘密が知られることをもっとも恐れていた。
しかし、知られてしまった。
彼は失意の中、ナデシコから姿を消した。
それが一週間前のこと。
それ以来、二人の少女の懸命な捜索活動にもかかわらず、彼の行方はようとして知れなかった。
そんなナデシコに、軍からある指示が届けられる。
それは……。
ナデシコのブリッジに主要のクルーが集合する。
大事な話があるから、とのことだが……。
「実は……諸君に大変残念な話をしなければならない」
壇上に立ったナデシコ提督、フクベ・ジンが重苦しく口を開く。
「どうかしたんですか? 提督」
「うむ……、じつはな……」
「提督、その先はわたしが……」
そういって提督から話を引き継いだのはナデシコ副提督のムネタケ・サダアキだった。
「今日、連合軍長官及び政府代表から……テンカワ・アキト及びアオイ・ジュン両名を連合軍に徴用するという指令がきたわ」
ムネタケの言葉に騒然となるブリッジ。
「な、なんで〜〜〜〜〜〜〜!?」
驚き、目を丸くする艦長、ミスマル・ユリカ。
「そんな……」
意気消沈する通信士、メグミ・レイナード。
「ふざけたこと抜かすんじゃねぇぞ!?」
憤慨するエステバリスパイロット、スバル・リョーコ。
「ちょっと、冗談でしょ!?」
困惑する操舵士、ハルカ・ミナト。
……というように、クルーたちはその衝撃的な内容に口々に不満を叫ぶ。
一方、当事者のテンカワ・アキトやアオイ・ジュンは、苦い顔をしながらもすでにその状況を受け入れているようにも見えた。
「わたしや提督もなんとか思いとどまるように手回しはしたんだけどね……。
どうも、民間にかなり優秀な戦場カメラマンがいたようね。クルスクでのナナフシとの戦い、それからこの一ヶ月でのナデシコの戦い、それらの戦いでのテンカワ・アキトとアオイ・ジュンの戦いを特に克明に記録した情報が連合軍に持ち込まれたそうよ。
おかげでわたしのほうにも記録改竄の容疑がかかっちゃって、危うく降格させられそうになっちゃったわよ」
「で、でもそれは、わたしが……」
肩をすくめるムネタケを見て、珍しくルリが口ごもる。
たしかにそのとおりだ。
ナデシコが軍に提出した記録を意図的に改竄したのは間違いなくルリで、そこにムネタケの意思は介入していなかったのだから。
「まぁね、事実としてはそれが正解なんでしょうけど……どうも上層部に余計な情報まで流れたらしくてね」
「えっ?」
首をかしげるルリを見てため息をひとつつくムネタケ。そして再び口を開いた。
「マキビ・ハリよ。彼がナデシコから失踪したことが上層部の耳に入っていたようでね、記録改竄の実行犯として、今彼が疑われている状態にあるわ。
わたしにはその改竄を指示した主犯の疑いがかけられているのよ」
「そんな!?」
これにはルリも驚いた。
まさか自分の行動がハーリーに濡れ衣を着せることになるとは思いもしなかった。
「わたしも彼も、まだ容疑が確定したわけではないけどね」
「あっ……、そう、なんですか……」
うろたえるルリをなだめるように、ムネタケは話を続ける。
「えぇ、そして連合側はこういってきたわ『テンカワ・アキト、アオイ・ジュン両名が素直に勧告に従うなら、この一件を不問にしてもいい』とね。
逆に言えば『勧告に従わなければナデシコに責任を問う』といっているようなものね」
そういい、ムネタケは二人の顔を見る。
「二人には申し訳ないことをしたと思うわ。でも、恥を忍んでお願いしたいのよ。
この話……引き受けて頂戴」
そういって、ムネタケは二人に頭を下げた。
これを見たブリッジの面々は驚いた。
かつてのムネタケを知る限りでは、このように頭を下げるようなことはしなかったからだ。
「このままだとあたしや提督はおろか、艦長や他のクルーにまで飛び火しかねないのよ。そうなれば、もうあたしやミスマル提督じゃかばいきれなくなる。
……こんな脅しのようなやり方は好きじゃないけれど、テンカワ・アキト、副長、お願いできないかしら?」
そういい、ムネタケはアキトたちの言葉を待った。
そのアキトは、ジッ……とムネタケの目を見ている。
両者ともに、真剣みを帯びた目をしていた。
……そして、フッ……とアキトの目から力が抜けた。
「わかりました。そういうことならしょうがないですね」
そういって、アキトは苦笑を浮かべた。
ムネタケの言葉に裏がないことは、アキトもわかっている。
目は口ほどにモノを言う。つまりはそういうことだった。
「まぁ、永久にナデシコに戻ってこられないわけでもないだろうし、俺も別に構わない」
「すまない……テンカワくん……アオイくん……」
そういって、フクベ提督も頭を下げた。
おそらく、提督も昔なじみに頼んでいろいろと手を回していたのだろう。
もっとも、アキトにしてみれば、いずれ西欧に行かなければならないと思っていたので特に気にはしなかった。
もちろん、ジュンが徴用されることは予想外ではあったが。
そして、話は次の話題に移った。
「それで、俺が乗る予定になっていた四号機……『プリムローズ』はどうなるんだ?」
「アオイさんの搭乗機『プリムローズ』はここ、ヨコスカにて受領していただき、現地にはそのまま飛んでいただくことになります」
「しつも〜ん」
「なんですかな? 艦長」
「アキトやジュンくんって……どこに派遣されるんですか?」
その疑問には、誰もが興味を抱いていたらしく、ブリッジにいるクルー全員の視線が一斉にムネタケに集まる。
その視線に怯むことなく、ムネタケは話を始めた。
「……地球指折りの激戦区、西欧よ。
本当は、テンカワ・アキトと副長は別々に派遣される予定だったんだけど、少々事情が変わってね」
「どういうことですか?」
どうやら、なにか事情があるらしいことに気づいたメグミが、ストレートに聞き返す。
「……うむ、一週間ほど前から西欧で何者かが無人兵器を破壊しているという報告が入っておる。二人にはその存在の調査と、敵対の意思ある存在ならその撃破も任務に含まれている」
ムネタケの言葉に続き、そう話すフクベ提督。
もっとも当の本人も疑問に思うところがあるのか、珍しく苦い顔をしていた。
「それにしてもおかしな話なのよね。
それと遭遇した部隊の話によると、そいつの姿はどうも『子供』らしいのよね。それも生身で空を飛んでいたとか、寝ぼけてんのかしらねぇ……?」
「「「っ!?」」」
首をかしげながらそう話すムネタケ。だが、その言葉に反応を示す者たちがいた。
アキト、ルリ、ラピスの三人だ。
先のオモイカネ内での事件でハーリーの姿を目撃している三人には、ムネタケの話していた相手がハーリーかもしれないという予測はすぐに頭に浮かんだ。
「とにかく、二人には明日、正式に書類が送られてくることになると思うわ。
申し訳ないけれど……それまでに準備を済ませておいてね」
「わかった」
「了解」
ムネタケとアキト、ジュンのこの会話を最後に、この日のブリッジでの会議は終了となった……。
翌日、ヨコスカシティのドックを飛び立つナデシコを、アキトとジュンが見送っていた。
「行ってしまったな」
「あぁ……」
つい先日まで乗艦していたナデシコが水平線のむこうに小さくなっていくのを見送った二人は、そのまま海に背をむけた。
この後二人は、プリムローズとブローディア・ゼロを搭載した『特殊な輸送機』で連合軍優勢勢力圏から現地の基地にむかうことになっている。
「さて、俺たちもそろそろ出発しよう」
簡単にまとめた手荷物を持ち、ジュンが言う。
「そうだな」
その言葉に同意するアキト。
「行きましょう」
そして……?
なにやら一人分、返事が多い。
そのことに違和感を覚えたジュンが、なんとなく後ろを振り返ってみる。
そこにいたのはアキト。と、もう一人……。
―――な、なんで彼女がいるんだ? ひょっとして、なにか連絡事項を聞き逃していたのか? いや、そんなことはないはず……。
そこにいた人物に困惑するジュン。
アキトはといえば……。
「ところでジュン、輸送機の場所までどういけばいいんだ?」
まるっきり気づいた様子もなく、ジュンにこの後の行動について質問してくる。
「あ、あぁ……。出発前、エリナさんから地図をもらった。
話だとまずここに行って、レイナさんやもうひとりのテストパイロットの人と合流したあと、車でむかうことになるはず、なんだが……」
困惑しつつもアキトの質問に答えるジュン。
「どうかしましたか? ジュンさん」
さて、どうしたものか……と考えるジュンに、当の本人はここにいるのが当たり前のようにたずねてくる。
「いや……、俺が知らないだけなのかもしれないんだが……」
「「???」」
ジュンの困惑の理由がわからず、首をかしげる二人。
ジュンは覚悟を決めて、その人物に質問をぶつけた。
「なぜホシノがここにいる?」
「「えっ?」」
そう、アキトの隣にさも当然のごとく立っていた人物。それはナデシコの『メイン』オペレーターのホシノ・ルリだった。
「る、ルリちゃん!?」
「はい」
隣にいたルリの存在に、ようやく気づいたアキトは素で驚いた。
どうやらそこにいることが当たり前になりすぎて、気づかなかったらしい。
「な、なんでここに!? だってナデシコはもう……」
「出発しちゃいましたね、さっき」
アキトの言葉にあっさりと返すルリ。
繰り返すようだが、ルリは『メイン』オペレーターである。
本来ならこんなところにいるはずはないのだが……。
一方、ナデシコでは……。
「あら? ラピスちゃん、ルリルリは?」
「なんか用事があるとかでわたしが当番を代わった」
自分のサブオペレーター席に座りながら、ミナトの質問に答えるラピス。
「ふぅん……、ハーリーくんのことで沈んでないといいけど」
「…………」
「あ……ご、ごめんね、ラピスちゃん」
独り言のようにつぶやいた言葉が禁句だったことに気づいたミナトは、慌ててラピスに謝る。だが……。
「いい。わたしは……大丈夫だから」
ラピスはウィンドウに目をむけたままそう言う。
まるで自分に言い聞かせているかのように。
「そ、そう……」
「……でも、ルリが落ち込んでいるかどうかは少し心配だね。オモイカネ、ルリはいまどこ?」
【…………】
「オモイカネ?」
いつもならすぐに返事を返すオモイカネの無言回答に、ラピスは首をかしげる。
その数秒後……。
【……ラピス、ごめん!】
突然、オモイカネが謝ってきた。事情がよくわからないラピスは、オモイカネに聞き返す。
「どうかしたの?」
【ルリは今、ナデシコに乗っていないんだ】
「……え?」
一瞬、オモイカネが言ったことが理解できなかった。
ルリが、ナデシコにいない?
じゃ、どこにいった?
ヨコスカシティ。
なんで?
アキトについていった。
なんのために?
それはもちろん……。
ラピスの頭の中で状況が凄まじい勢いで整理されていく。
ようするに……。
【僕も止めたんだけど、『西欧にいるのがハーリーくんかどうか確かめてきます』って……。アキトたちについていっちゃった】
「えぇ〜〜〜〜!?」
出し抜かれた、というわけだ。
「ちょ、ラピスちゃん!?」
「あれ、ラピスちゃん、どうかしたの?」
ラピスの叫び声に何事かと目を向けるミナトとユリカ。
「ルリ、アキトたちについていっちゃったって!!」
そんな二人にラピスが今知った事実を伝え……。
「「えぇええええええ!!!??」」
ユリカとミナトの叫び声が天井に響いたのだった……。
「どうするんだよ、テンカワ」
事情を聞いたジュンは頭を抱えながらアキトに意見を求める。
どちらかというと文句に近い気もするが……、さして変わりないような気もする。
「どうするって……、いまさらナデシコを追いかけられるわけないし……」
アキトも困り果てていた。ブローディアでも近くにあるなら追いかけられなくもないのだが……。
この後、ナデシコはしばらく街には近づかない。また各地のチューリップや無人兵器の掃討任務に就くことになっている。
そんなときにメインオペレーターが不在というのは少々まずいような気もするのだが……。
「そうですよ。さっさとその合流場所に行きましょう」
当の本人はまるっきり気にした様子はなく、先を急ぐように促す。
これには二人もカチンときた。
「「少しは反省しろ!!」」
二人の怒号が同時に響く。
「……ごめんなさい」
怒られてシュン……とうな垂れるルリ。自業自得である。
「……と、とにかく、このままホシノを一人残していくわけにもいかないし……。連れて行くしかないか……」
すでに諦めモードに入っているジュンは思い切り肩を落としながら手荷物を持つ。
「そうだな……。いまさらだけど、ルリちゃんの行動力を甘く見ていたよ」
アキトも今更ながら、ルリの行動力を痛感していた。
思えば自分たちが逆行するきっかけも、元を辿ればルリの追跡によるものだったというのに……。
「それほどでもありませんよ」
「「褒めてない!!」」
それから一時間ほど公共機関を利用して、三人は目的の合流地点へとたどり着いた。
ところがどうしたことか、三人はいっこうに建物の中へと入ろうとせず、その建物を見上げている。
……なにか、おかしな所でもあったんだろうか?
「大きいな……」
「あぁ……」
「実家(ピースランド)の中にあるホテルより大きいですよ……」
口々に建物の感想を述べる三人。
そこは、ネルガル系列のビジネスホテルだった。
それはいい。問題はその高さだった。
木星トカゲが襲来するこのご時勢に、よくもまぁこんな巨大ビルが残っていたものだ、と感心したくなるような高さの超高層ビルが、三人の前にそびえ立っていた。
ホント、東京タワーと同じ高さのビジネスホテルなんて立てる意味はあるのか? ネルガル重工。
……とはいえ、いつまでも立ち尽くしているわけにもいかないので、三人はホテルの中へと入っていった。
とりあえずロビーで部屋の予約を確認にむかうジュン。
返答はすぐに返ってきた。
「テンカワ・アキト様、アオイ・ジュン様ですね? 1109号室です。こちらへどうぞ」
案内された部屋はホテルの中でも最上級の部屋だった。
ジュンは、コンコン、と頑丈な造りの扉を二度ノックする。
「ナデシコから来たアオイ・ジュンと、テンカワ・アキトだ」
「はぁい!」
扉越しに聞き覚えのある声が聞こえてくる。
その後、パタパタと足音が聞こえてきて、ガチャリと音を立てて扉が開いた。
「久しぶり。テンカワくん、アオイくん」
中から三人を出迎えてくれたのは、ネルガル技術部所属、レイナ・キンジョウ・ウォンだった。
二回目の歴史ではナデシコ整備班として参加し、テンカワ・アキト争奪戦に参加した一人でもある。
ブラックサレナの早期完成は、ハーリーの描きだした設計図と彼女の技術力の功績、といっても決して間違いではない。
ネルガルの技術力上昇に、間違いなく一役買った人物である。
「久しぶり、レイナちゃん」
「とりあえず元気そうだな」
「まぁね。……あら?」
テストパイロットと整備士の交友を暖める三人。
そんな時、ふと視線を落としたレイナの目線の先には、ここにいる予定のなかったルリの姿があった。
「どうも」
視線に気づいたルリが、とりあえず挨拶をする。
「ルリちゃんじゃない? どうしてこんなところに?」
「どうやら、かってにナデシコを降りてついて来たらしい。気がついたのはナデシコが出航したあとだった」
首をかしげるレイナに、軽く事情を説明するアキト。
それを聞いたレイナはニンマリと笑いながらルリを見た。
「あらら……、ルリちゃんってば行動派〜♪」
「笑い話じゃないんだけどね……」
楽しそうなレイナの言葉に、アキトは顔を引きつらせながら苦笑する。
とりあえず部屋に着いた三人は、レイナに部屋へと招かれる。
しかし、いざ部屋に入ってみると、いるはずのもう一人のパイロットの姿が見えない。
「ところで、もう一人の合流者は?」
そのことに気づいたジュンがたずねる。
「あぁ、彼女なら飲み物を買いに近くの売店に……」
噂をすれば何とやら。そうレイナが言いかけたとき、タイミングよくコンコン、というノックの音が聞こえてきた。
「戻りました。すみませんが開けてもらえますか?」
「あ、はいは〜い」
このビジネスホテルはオートロック式で、外からは開けられないようになっている。
もう一人のパイロットと思われる人物に呼ばれて、レイナはパタパタとスリッパを鳴らしてドアを開けにいった。
ところが……。
「お待たせ〜♪ この子が四号機サブパイロットの……」
レイナと共に現れた人物は……ジュンにとってあまりに予想外だった。
「カタオカ・チハヤ、エステバリス・ネオ・テストタイプ四号機『プリムローズ』のサブパイロットです。よろしく」
―――な……んだ、と……?
彼女の登場に、ジュンは間違いなく動揺していた。
以前、彼女と面識のあるアキトも驚いてはいたが、ジュンに比べれば平静そのものだった。
とはいえ、この世界ではまったくの初対面の二人がチハヤの登場に驚くのはおかしい。
そのため、ジュンは強引に動揺を自分の内側に押し込めた。
……ただし、それがうまくいったかといえばそうでもなく、目に見えてわかるぐらい奇妙に歪んでいる。
「……なにか?」
そうなれば当然、むこうもジュンの表情に気づく。
ジュンは慌てて顔を背けた。
「……なんでもない」
そんなジュンの態度にレイナもチハヤも不思議そうに首をかしげていた。
「……ふぅん。君が四号機のテストパイロットか、よろしく。俺は……」
とりあえず間を持たせよう、と思い立ったアキトが自分から自己紹介をしようとする。
ところが、その言葉はむこうのほうから止められた。
「知っています。テンカワ・アキトさんですよね」
「え? う、うん。そうだけど……」
「わたしもネルガルSSのメンバーですから。SS兼任のテストパイロットという意味ではあなたの後輩になります。
聞き及んでいますよ、『漆黒の剣(ソード・オブ・ダークネス)』のご高名は」
「そりゃあ……どうも」
『漆黒の剣』とはSS時代のアキトのコードネームで、こなしてきた仕事の量や内容などから、ネルガルSSの間では伝説として語られている。
そして、チハヤもネルガルSSだ。噂を知っていてもおかしくはない。
とりあえず、取り留めのない話で場をつないだアキトはチラリとジュンのほうを見る。
見た感じ、だいぶ落ち着いてきたようだ。
「ジュン……」
「あ、あぁ……」
『そっちも自己紹介をしろ』という意味で、ジュンのわき腹をつつくアキト。
どうやらその意図はジュンに正しく伝わったようで、ジュンも自己紹介を始める。
「アオイ・ジュン、機動戦艦ナデシコ副長兼エステバリスパイロットだ。
今回の四号機、プリムローズのテストパイロットを任されることになった。チ……カタオカさんがサブパイロットということは、俺がメインパイロットということになるんだろう。よろしく頼む」
「こちらこそ」
そういい、ジュンが差し出した手にチハヤが握手を返す。
ジュンにしてみれば、四年ぶりのチハヤの感触だった。
「最後はわたしですね。
ホシノ・ルリ、ナデシコメインオペレーターです。ちょっと事情があってアキトさんたちについてきました」
「ほとんど強引に、だけどね」
ルリを茶化すようにレイナが口を挟む。
レイナの言葉に顔を赤くするルリ。
「まぁ、恋する乙女は誰にも止められないものね」
「れ、レイナさん!!」
レイナにからかわれて真っ赤になるルリ。
だがなぜだろう。この二人の会話が微妙にズレているような気がするのは……。
「さて、自己紹介も終わったし、そろそろ輸送機のほうに移動しましょうか」
ひとしきりルリをからかったレイナは、区切りのいいところで移動しようと話を切り出す。
他のメンバーも、それにしたがってホテルを後にした……。
ホテルを出たアキトたち一行は、ネルガルの用意したリムジンに乗って例の『特殊な輸送機』がある軍事基地へとむかっていた。
すでにそこにはナデシコから運び出されたブローディア・ゼロ、完成したプリムローズが運び込まれているらしいのだが……。
会話のない車内はひどく静かだった。
別段、重苦しい空気が漂っているわけではないが……。
「でもルリちゃんが来てくれたのはある意味、幸いだったかもね」
沈黙に耐え切れなくなったのか、レイナが唐突に話を始める。
「どうしてですか?」
「うん。じつは今回、西欧でテスト運用を行われるのはプリムローズだけじゃないのよ」
「だけじゃないって……、それじゃ他にもなにかテスト機を西欧へ?」
「そうなの。次世代型戦艦のソフトウェアや発展させたコンパクト技術を最大限に使用した、コスト度外視のテスト機。それが『小型ナデシコ級』」
「「「小型ナデシコ級?」」」
「ま、着けばわかるわよ♪」
そう言ってレイナは強引に話を終わらせてしまった。
元々話し始めたのは自分だろうに……。
再び静かな状態に戻る車内で、ジュンは自分の席の正面に座るチハヤの姿を見た。
運命のあの日、ジュンの目の前で燃え尽きてしまったチハヤ。
彼女を救うべく時を逆行したジュンの前に、チハヤは再び現れた。
かつて出会ったあの場所ではなく、自分の乗る機体のサブパイロットとして。
いつのことだったか、聞いたことがある。
彼女は……チハヤは、腹違いの兄に復讐するべくネルガルのSSに入ったということを。
そして、その憎き敵であった兄を……復讐する権利を、アキトに奪われたことを。
彼女もまた……ジュンと同じく、復讐鬼だった。
―――たしか、テンカワがチハヤの兄を殺したのは……、西欧、だったな。
四年近くも昔の記憶を掘り起こし、ジュンはそんなことを思う。
やはり、彼女の西欧へ行く目的は兄・テツヤへの復讐なのだろうか……。
「……? なんですか?」
ジュンの視線に気づいたチハヤが、なにか話でもあるのか思ったらしく、ジュンに聞く。
「いや……」
ジュンは首を横に振り、今思っていたことを頭から締め出す。
「あとで時間があったらシミュレーターで模擬戦をやりたい。相方の実力を把握しておきたいからな。構わないか?」
代わりに、そんな他愛もない話を持ち出した。
「えぇ、構いません。わたしのほうからお願いしようと思っていましたから」
その言葉にチハヤもうなずく。
―――もう二度と、あんな思いをしなくてすむように……。
ジュンは心の中で改めて決意を固める。
チハヤを守る。たとえ、自分の命を引き換えにしても……と。
そして走り続けた車が到着したのはとある軍事施設だった。
レイナの話ではここにプリムローズやブローディア・ゼロ、そして『小型ナデシコ級』とやらがあるらしいのだが……。
「こっちよ」
レイナを先頭にして一行は施設の中を移動していく。
そうしてたどり着いたのは、なんの変哲もない格納庫だった。
大きさからすると、エステバリスの中隊が入る程度の広さだろうか? 少なくともナデシコのような戦艦は入りそうにない。
いったい、中にあるものとは……。
ガラガラとローラーが重苦しい音を立てて扉を開けていく。
暗闇に包まれていた格納庫の中に、外からの光が差し込んだ。
そして、影が晴れたところから妙に見慣れたものが突き出ていることに気づく。
それは……。
「……ナデシコ?」
それを見ていたルリが思った言葉をそのまま口にする。
たしかに突き出ていたものはナデシコのディストーションブレードだった。
色といい形といい、そっくりだ。
だが、格納庫の大きさから考えて、ここにナデシコと同じ戦艦が入るはずはない。
格納庫に入ったレイナは、入り口近くの電灯のスイッチを入れる。
電源が入るとともに、格納庫のライトが一斉に点灯し、それの全容が明らかになった。
「レイナちゃん、これが?」
その姿を見たアキトが確認するように聞く。
「そう、小型ナデシコ級一番艇『ユキヤナギ』」
「「「ユキヤナギ……」」」
アキトの質問を肯定するレイナの告げた名前を、アキト、ルリ、ジュンの三人は思わず復唱する。
ユキヤナギ。名こそ違えど、それは間違いなく『ナデシコ』だった。
ナデシコをそのまま縮小した、といえば一番わかりやすいだろう。艦体の形状やグラビティブラストの砲門、薄っすらとハッチの線が見えるミサイル発射口もすべてナデシコを再現していた。
「こっちから中に入るわよ」
呆然とユキヤナギを見上げていた三人に先へむかうことを告げ、レイナは再び歩き始める。
ハッと意識の戻った三人は、急いで先を歩くレイナとチハヤの後を追った。
一行が中に入ったのは格納庫からだった。
すでにブローディア・ゼロは格納庫に運び込まれ、静かに出撃のときを待っている。
そしてその隣には、少々背中が大きく膨らんだエステバリス・ネオと、その追加装甲と思われる水上バイクに武装を取り付けたような機体が鎮座していた。
「あれが……」
「そう、あれがプリムローズとエステ・ネオ試作四号機。
プリムローズは追加装甲でありながら独立した一つの機体としても運用可能なように造られていて、そのためパイロットを二人必要とするの。
合体したときのメイン操作はエステバリスのパイロットに任されることになり、サブパイロットは周囲の索敵やロックオンなんかのサポートをメインにするの。もちろん、操縦系を切り替えることもできるわ」
「なるほど……」
レイナの説明に、ジュンは感心したようにうなずく。
「まっ、あとは実際に動かしてから感想を聞かせてよ」
「あぁ……」
「さて、艦内を案内するよ」
格納庫を後にした一行はレイナを先頭に、ユキヤナギの中をどんどん進んでいく。
「ユキヤナギは、ネルガル初の相転移エンジン搭載艦・ナデシコをモデルとして開発された戦艇(バトルクルーザー)で、大きさはナデシコの三分の一。
小型化した相転移エンジンを二基搭載し、艇首ディストーションブレード二本に内蔵されたミサイル、主砲のグラビティブラストと武装もナデシコと同じ。
搭載できる機動兵器はブローディアサイズまでが全部で十機。ナデシコの最大搭載容量が三十機だからこっちも三分の一ってわけ。
ただ、小型な分ナデシコより小回りは利くし、スピードも速いわ。操舵士の腕と改良次第ならバッタとだってドックファイトできるようになるかもしれないわよ?」
歩き続けながら得意げに語るレイナ。なんとなく、ウリバタケが自分の作品を発表するときに似ている。
中の施設もナデシコを模しているらしく、食堂や大浴場はなかなかのものだった。
軍向けに販売するつもりでいるせいなのかも知れないが、娯楽施設はなく、サイズの問題もあってか、多少窮屈に感じる。
もっとも、現在運用されている軍の戦艦よりはずっと充実した設備が整っているので、軍の受けが悪くなるということはないだろう。
そうしている間に一行はブリッジへと到着した。
「ここがブリッジ、このユキヤナギの頭ね。
ブリッジクルーは全部で五人。艦長に副長、操舵士、オペレーターに通信士……以上の五名ね。システムはナデシコのものをさらに発展させた『ワン・マン・オペレーションシステム』……の試作品が搭載されているわ。
一応、ルリちゃん一人でも操艦はできるわよ。ただし……そのときはダメージコントロールができないけど」
やはりまだ、ソフトウェアが未完成なのだろう。
レイナは小さくため息をつきながら話を続ける。
「まぁ、まだ試作段階だからね、無理に使用することはないわよ。とまぁ、説明は以上かな。質問は?」
そういい、周囲を見回すレイナ。……特に質問はないようだ。
「そっ。あ、各自の部屋はコミュニケに表示されるから各々で確認してね。それじゃ、わたしは整備の仕事があるから」
それだけ言い残して、レイナは風のように去っていった。
ジュンやアキト、チハヤも、各々の部屋に行くといってブリッジを去っていく。
そして、ブリッジにはルリが一人残される。
誰もいなくなったブリッジで、ルリはこれから自分が扱うことになるだろうオペレーター席に座り、コンソールに手を置く。
どうやらシステムはすでに稼動しているらしく、ルリはシステムウィンドウを起動。連合軍情報部にアクセスする。
もちろん、今のルリにそんな権限はないので、入る手段はハッキングになるが。
情報の波に意識を沈め、目新しい情報や目的の情報を探していく。
…………。
だが、どれだけ探しても彼女が求める情報はどこにもなかった。
ルリが求める情報、それは西欧に現れたというアンノウンについての新しい情報。
まぁわざわざアキトやジュンを調査に派遣する以上、そう簡単に新しい情報が見つかるとはルリも思っていなかったが……。
それでもやはり、落胆は隠せない。
ふぅ……と、ため息一つつくと、ルリはコンソールから手を離す。
―――ハーリーくん、あなたは今どこにいるんですか……?
日が落ち、茜色に染まった空を見ながら、ルリは心の中でそうつぶやいた……。
夕日が沈み、月が頭上に輝くころ、戦闘艇・ユキヤナギは戦いが待つであろう、西欧の地を目指して施設を後にした……。
白き船に集まった戦神、戦鬼、牙、妖精。
かの地で彼らを待ち受けるものは……。
今、舞台は西欧の地に移された。そう、あたかも東から昇り西に沈む太陽のごとく……。
・ 第六回・あとがき座談会(改) ・
AKI「……どうも、第一章書き直しによって『あとがき座談会』も書き直しになりました。作者のAKIです」
ルリ「おかげでまた名乗りなおさないといけなくなりました。ホシノ・ルリです」
アキト「もうめんどくさいから短めでいいだろ。テンカワ・アキトです」
ジュン「初登場のありがたみもないな。アオイ・ジュンだ」
AKI「うぅ……皆様、本当に申し訳ないです」
ルリ「まったくです」
アキト「大体、なんだって書き直しなんて始めたんだ?」
AKI「はぁ……、実は、西欧編を半ばまで書いたのは良かったんだけど、書き方が悪かったのかあまりにも目まぐるしく視点が変わるもので、もう書いてる自分のほうが訳わかんなくなっちゃって……」
ジュン「まぁ、一人称は基本的に視点人物の目線からしか状況が伝わらないからな」
AKI「おかげでネタは詰まるし話は進まないしで大変だった……」
ルリ「それで、三人称に変えてなにか変化はありましたか?」
AKI「…………」
アキト「?」
AKI「……どうなんだろ?」
三人「おい!!」
AKI「内容に関してはなんとも言えない。前にも言ったけど、読む人が状況を理解しやすければまぁ合格、かなぁ……」
ルリ「頼りないですね」
AKI「あぅ……」
アキト「ま、まぁまぁ……」
AKI「と、とにかく西欧編は三人称で進めていきます。一人称に戻るのは本編に戻ってからになる、かな?」
ジュン「なぜ『?』マーク……」
AKI「ギクッ……まぁそれは置いておいて……、ジュンくん、もう一回次回予告よろしく」
ジュン「まったく……。
俺たちがユキヤナギで西欧にむかっていたころ、ハーリーは一人戦い続けていた。
誰の助けも借りず、誰に賞賛されることもなく……。
そんなハーリーがたどり着いたのはとある町。そこで待っていたのはかつての仲間との出会いにして再会だった。
次回、機動戦艦ナデシコ 〜 時の流れに 〜 三旗竜 西欧編・第二章 [『飛翔』 刃金はただ敵を討つために]
題名が前回とは違っているが、まぁ気にするな。俺も気にしないようにする」
AKI「あ、あはは……。皆様、まことに申し訳ありませんでした。
では、また次回ということであとがき座談会(改)でした」
代理人の感想旧版
北斗・・・とりあえずOK! むしろそっちのほうがハッピーエンドになりそげでよろしい(爆)。
しかしチハヤも中々のサプライズでしたねー。これも何者かの布石なのかなー。
それにしても気がかりなのはハーリーくんと、ルリに出し抜かれたラピス。w
ハーリー君は男の子だからまだいいとして、ラピスのほうがどう爆発するか楽しみ心配だなぁ。