「まさかナナフシの方から動いてくるとは思いませんでしたね」
「ああ、俺もその可能性はすっかり忘れてたよ」
「・・・暇・・・ですね〜」
「ああ、まさか俺もあの命令が正式に有効だとは思わなかったよ」
ブロスとディアの正しいアキト君の育て方
第二十四話 奮戦
実際のところ、ナナフシによってナデシコが狙撃された後、
ナデシコ事態はかなり忙しくなっている。
ユリカは報告を受けたり作戦を考えたりしているし、
メグミちゃんは艦内通信に忙しい。
イネスさんは今の狙撃のデータを入れてナナフシを分析しなおしているし、
ウリバタケさんたちは、ナデシコの被害調査と応急処置をしている。
一方、俺やルリちゃん、ミナトさんははっきり言って暇だ。
パイロットは一応待機という事になっているが、
今朝ユリカに言われた、
「今回はアキトは休んでなさい。これは艦長命令です!!」
と、言うのは正式な命令なのだそうで、プロスさんにも、
「一応正式な艦長命令ですので、待機してもらうわけには・・・」
といわれてしまった。
お陰で、俺は待機すらさせてもらっていない。
ルリちゃんは早々とオモイカネに影響がないかを調べ終わったし、
ミナトさんにいたっては、航行不能のナデシコではすることがない。
そんなわけで俺たちはブリッジの隅で話をしている。
「どうします?」
「そうだな〜、多分エステで地上から攻撃って事になると思うよ」
「やっぱり、そうでしょうね」
「ああ、俺とだれかもう一人がナナフシに向かって、
残りが待機・・・っていうのが最善だろうからな」
「はぁ・・・」
「・・・だろ?
ま、そのためにも俺の休養命令は撤回してくれないなぁ」
「アキト君って本当に心配性よね、
ルリルリが心配するのもわかるわ」
「へ?」
「アキト君は背負い込みすぎるのよ。
だから皆心配なの。
駄目よ、ルリルリに心配かけちゃ」
「ミ、ミナトさん!!」
「あら、如何したのルリルリ」
「う〜〜」
「ルリルリ、か〜いい」
ま、解っちゃいるんだけどね。
「敵、ナナフシの攻撃により、ナデシコの相転移エンジンは現在五十%まで落ちている。
この状態で敵の攻撃を受けたら、ナデシコといえどただではすまない」
「そこで結局、部隊を二つに分けて、
ナデシコの防衛とナナフシの破壊を同時に行う事になった」
「テンカワ、お前ならナナフシの破壊ができるな」
「ハイ、できます」
ジュンと、ゴートさんが作戦を説明している。
しかし・・・一回目や二回目に比べてジュンの活躍が増えたな。
「ナナフシの破壊はテンカワとスバルに決定した」
「あの、ゴートさん、その組分けの理由は?」
前回もそうだったよな・・・どういう理由があるんだ?
「簡単な理由だ、突入部隊は隠密性が必要だから、
少数先鋭が望ましい」
「本当はテンカワのペアはアカツキさんに頼みたかったんだけど、
彼はオールレンジアタッカーだから、ナデシコに残しておきたかったんだ。
何が起こるか解らないしね」
「となると後はヤマダ、アマノ、マキ、スバルだが、
突入部隊は遠距離攻撃型より、接近攻撃型が望ましいから、
アマノ、マキは外した。
ヤマダは、突入部隊には向いていない。
結果的にスバルしかいないわけだ」
「なるほど」
そういうわけか・・・
「なんだよ、テンカワ。
俺と一緒じゃいやだってのかよ」
「い、いや、あの・・・その・・・
あ、アカツキさんのほうが良いんじゃないかと思ったんだけどさ、
確かにアカツキさんはナデシコに残しておきたいな、って」
「ああ、なるほどな」
ほ、納得してくれたか。
「フォーメーションは、スバルに砲戦、テンカワに陸戦で行こうと思う」
「あの・・・」
「どうした、テンカワ」
「俺は空戦じゃ駄目っすか?」
「理由は?」
「俺どちらかと言うと、高速機動戦の方が得意なんすけど・・・」
ピッ!!
「ウリバタケさん、砲戦フレームにバッテリーってどれ位積めます?」
「そうだな、陸戦フレームなら、
明朝までとしたら二〜三機分は積み込めるぜ」
「空戦フレームなら?」
「ああ?お前等空戦フレームで出るつもりか?
まあ、作戦考えるのはお前等の仕事だから口出すつもりはねーが・・・
そうだな、明朝までなら・・・一機分はつめると思うぜ」
「そうですか、ありがとうございます」
「何、良いって事よ」
ピッ!!
「だ、そうです、僕はいいと思いますけど・・・」
「良いだろう、許可する」
「ありがとうございます」
陸戦じゃ色々と不都合だからな。
「それとナデシコの防衛の方は、
基本的にアカツキさんは、空戦フレーム、
ヤマダ・・・」
「ダイゴウジ ガイ!!」
「・・・には陸戦フレーム、
アマノさんとマキさんには、状況に応じて、砲戦と陸戦を乗り分けてもらおうと思う」
ジュンが、ガイの叫びを無視して話を進める。
「あくまで基本的には・・・だ、状況によってはこの限りじゃない、
戦闘中必要だと感じたら、発言するように」
「あと、イネスさんの予想によると、
ナナフシのマイクロ・ブラックホールの生成には十二時間程かかるらしいんだ」
「つまりあれから二時間たってるから、十時間後には第二射があるわけだ」
アカツキが言う。
「その通りだ、これを受けるわけには行かない、
よって十時間後・・・つまり明朝○八三○時までにナナフシを破壊できなかった場合、
必然的に我々の負けになる。
特に、テンカワ、スバルの両名には肝に念じていて欲しい」
「作戦開始時刻は一時間後、各自必要な事を済ませて置くように・・・
解散!!」
ジュンがかっこよく閉める。
「リョーコ、良かったね」
「そうそう、顔がにやけてるよ。」
「バ、バッキャロー!! そんな事あるもんか!!」
「頑張りなよリョーコ。
少なくとも、一晩一緒に過ごすんだからね。」
「そうね・・・最後までいっちゃいなさい。」
「さ、最後までって!!
てめ〜イズミ!! 何を言いやがる!!」
「敵、ナデシコを包囲」
ま、予想の範囲内です。
「敵、戦車・・・数、約二万」
「二万〜〜〜!!」
「はい、現在も続々とクルスク工業地帯から増援が来てます」
「ま、ちょっと数は多いけど、ここまでは予想通りね」
イネスさんが冷静に分析します。
「やはり敵は工業プラントを乗っ取ってましたか・・・
経済的な戦い方ですな〜」
「いえ、待ってください、背後に反応・・・チューリップです」
アキトさんの話にも、これは有りませんでしたね・・・
「ルリちゃん、本当?」
「ハイ、嘘をついたって始まりません」
ナデシコがいつまで経っても攻めて来ないから、かえって警戒したようですね・・・
「敵、チューリップより、戦艦多数出現・・・立体包囲されました。
艦長、どうしますか?」
「ええ〜〜っ!!
えっとね、そのね・・・あ、そうだ、ウリバタケさん何か良い新兵器ありません?」
ピッ!!
「こんな事もあろうかと・・・って言いたいけどよ、
そう都合よく新兵器なんてねーよ」
「はう〜〜、ルリちゃんは?」
ピッ!!
「私ですか、私はちょっと・・・」
「アウ〜・・・ジュン君は?」
「僕?そうだな〜ごめん、何にも思いつかない」
「うぐぅ・・・あ、そうだ!!アキトは?」
「俺か?そうだな・・・こんなのはどうだ?
まず、ウリバタケさんにアカツキのエステを陸戦フレームに、
ヒカルちゃんとイズミさんのエステのどちらかを砲戦フレームにしてもらう。
次にその砲戦フレームにも予備バッテリーを積んでもらう。
それと予備のエステが二台有ったはずだから、それの準備もしてもらって、
後これはできればでいいけど一方は空戦フレームにしてもらう。
リョーコちゃんとその砲戦フレームのパイロットは予備のエステに取り敢えず乗ってもらって、
全員で出撃して、敵を迎撃する。
バッテリーの積み込みが終わりしだい、予備のエステに乗ってるパイロットには、
ナデシコに帰ってもらって、自分のエステに乗ってもらう。
そして、また出撃してもらって、
それを俺が確認ししだい咆竜斬で敵の一角を吹き飛ばすから、
皆にはバーストモードでそこを抜けて、ナナフシの破壊に行ってもらう。
その後俺は、ナデシコに帰って予備の空戦フレームのエステに乗り換えて、敵の迎撃を再開する。
五人で行けばナナフシの破壊も可能だろ」
「アキトさん!!
アキトさんはこの数の敵を・・・
次々と現れる敵を一人で相手するつもりですか?」
「そうだよアキト、下手したら皆が戻ってくるまでずっと戦ってなくちゃいけないんだよ」
「なら他に手はあるのか?
俺だって十時間近く戦いっぱなしなんてごめんだ!!
だが、ナデシコを・・・お前やルリちゃんを守るにはそれしかないんだったら、
仕方が無いからやろうって言ってんだ!!」
「・・・解りました、作戦変更!!」
「ユリカさん!!」
「艦長命令です、
作戦変更、整備班は直ちに予備のエステの準備と、アカツキ機を陸戦フレームに換装、
アマノ機、イズミ機のどちらかを砲戦フレームに換装、予備バッテリーの積み込みを行ってください。
なおどちらを換装するかの判断は任せます。
また、予備のエステバリスの片方は空戦フレームに換装してください。
エステバリスパイロットは緊急発進、
空戦フレームのパイロットは上空の敵を、その他のパイロットは戦車を破壊してください。
なおこの戦闘でのバーストモードの使用は禁止します」
こうして、ナナフシ攻略戦は三度目の作戦変更をしました。
「残念だったね、リョーコ」
「そうね、せっかくのチャンスだったのにね」
「バッキャロー!!何言ってやがる!!」
「またまた強がっちゃって」
「そうだよリョーコ、
顔に書いてあるよ
アキト君と甘い一夜を過ごすはずだったのに〜〜って」
「て、てめっヒカル、何言ってやがる、
おい、こら待て」
「キャーーアキトく〜〜ん!リョーコちゃんが苛める〜〜」
「てめ〜、マジ殺す、待ちやがれ、おいこらヒカル〜〜」
「キャ〜〜〜」
「おーい・・・あれ、イズミさん、リョーコちゃんとヒカルちゃんは?」
「フフフ、あそこよ」
これは・・・声をかけない方が良いかな?
この非常時に何をやってるんだか・・・
「ほらほら、リョーコ!!
辺り一面戦車、戦車、戦車!!」
「あ〜、もう、うざって〜な!!
だからどうしたんだよヒカル!!」
「だって、もうキャタピラで動く戦車なんて作ってないんだよ?」
「・・・これから俺達が何を破壊するか知ってるかヒカル?」
「うん!! 戦車だよね!!」
・・・会話が噛み合って無いよ。
「はいはい、無駄話はそこまでにして。
さっさとお仕事しましょうか!!」
アカツキが全員に通信で呼びかける。
「は〜〜い!!」
「了解!!」
「・・・了解」
「了解しました」
「おう、解ったぜ!!」
さて、あんまりバーストモード以外のときにDFSを使うとルリちゃんが煩いからな・・・
ここはランサーで我慢しよう。
「イズミさん、突撃しますんで援護お願いします!!」
「フフフ、了解」
しかしチューリップを連れてくるとは思わなかったな。
今のところ一機だけだけど、もしかしたらまだ来るかもな・・・
しかし・・・ナナフシ戦ってやるたびに状況が悪くなってるような気が・・・
ん?この台詞どこかで言ったかな?
しかし・・・
「何も戦艦ばっか出さなくたっていいじゃないか!!」
そう、敵は戦艦を中心に出撃している。
ナデシコについて情報をもっていて、危険視してるのか?
ま、いずれにせよ俺にできることは戦艦を落とす事だけだ。
「死ね!!」
ランサーでフィールドを中和して、一気に落とす、
DFSに慣れてくるとまだるっこしい作業だが、仕方有るまい。
次の獲物を探しながらライフルで地上の戦車を破壊する。
古今東西戦車の上面装甲は下の装甲の次に薄い事になっている。
セミオートで一斉射すれば簡単に爆発する。
「ルリちゃん、後何分?」
「ハイ、後十五分で準備が終わるそうです」
「了解!!」
ドゴォォォォォンン!!
ドォォォォォォンン!!
ズズゥゥゥゥゥンン!!
バゴォォォォンン!!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「イズミさん、リョーコさん、そろそろナデシコに帰ってください。
アキトさん、準備してください」
「了解」
「解ったぜ!!」
「了解っとついでだ!!」
ドゴォォォォォォォン!!
ええっと、ナナフシはあっちだから・・・
場所はここか!!
「アキト君、準備できたわよ」
「おお、テンカワ、いつでもいいぜ!!
でもやっぱ自分のエステが一番いいな」
「こっちもいつでもいいよ、テンカワ君」
「同じく〜!!」
「おう、いつでもいいぜ!!」
「了解!!
バーストモード・スタート!!」
俺はDFSにフィールドを集中させ・・・
「咆えろ!!我が内なる竜よ!!
秘剣!!咆竜斬!!!」
ドゴゴゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォォォォンンンンンンンン!!!
その音が消えないうちに、
「バーストモード・スタート!!」
という、皆のバーストモード開始の声と共に
咆竜斬が通った後を駆け抜けていく・・・
さて、ナナフシは皆に任せるとして・・・
俺はこれからマラソンレースの始まりか、
自分で言い出したこととはいえ・・・はぁ。
取り敢えず・・・予備のエステに乗り換えるか。
後もう一つのエステも空戦フレームに換装してもらわないとな。
その後、俺は十二分ごとにバーストモードを使ってはエステを乗り換え、
延々と戦ったのだが、
悪い予感があったって、チューリップの増援も次々とやってきたため、
やたらと苦労している。
「ルリちゃん、敵は?」
「ハイ、現在戦車が五千台・・・毎分二百四〜五十台のペースで増えています。
チューリップは前方に二機、後方に三機、さらに索敵範囲内には後五機確認しています。
戦艦が現在二百隻、こちらは毎分一隻程度のペースで増えています。
また、後方のチューリップからバッタが大量に出撃、数およそ千機、
毎分百機近いペースで増えています。
おそらく消耗した戦車の変わりのつもりだと思います」
「全く・・・次から次へと・・・」
アカツキたちは無事だろうか?
流石にチューリップ相手はきついよな・・・
「ルリちゃん、テンカワがいなくなったとしたらフィールドはどれくらい待つ?」
ジュンがルリちゃんに聞く。
「計算します・・・でました、約四〜五分ですね」
「ジュン君、どうしたの?」
「ユリカ、このままじゃいくらテンカワだって負ける。
何とかしてチューリップを落とさないと・・・」
なるほどな、伊達に八ヶ月間俺の特訓に付き合ったわけじゃないな、俺と同じ事を考えてたか。
「作戦だけど、まずナデシコのディストーション、フィールドを全開にして防御する。
その間にテンカワには、チューリップを落としに行ってもらうんだ。
イネスさん、テンカワとDFSならチューリップの破壊もできますよね」
「ええ、できると思うわ、バーストモードの使用が前提だけど・・・」
「というより、バーストモードを使わずにDFSを使うのは危険すぎます。
アキトさんを殺す気ですか!!
アキトさん、絶対止めてくださいよ!!」
はいはい、解ってますよ・・・
「う〜ん・・・解りました、その作戦を採用します。
アキトに連絡、準備ができしだい、バーストモードでチューリップの撃破に向かってください。
ルリちゃん、ルリちゃんはチューリップの破壊するのに、
最も効率の良いコースを割り出してください」
「了解」
次にバーストモードが使えるのは・・・三分後か。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・
・・・
よし、そろそろいいか。
「バーストモード・スタート!!」
俺は右手にDFS左手にライフルを持って、チューリップに突撃した。
ライフルでバッタや戦車を破壊し、DFSで戦艦を切ったり、刃を飛ばして戦艦を撃墜したり、
近くのバッタはディストーション・フィールドを使った体当たりで破壊しつつ、チューリップに近づいて切る!!
ドドドン!!
ドォォォォォォン!!
ズガシャ!!
ダァァァァァァン!!
バシュ!!
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥンン!!
ビュゥゥゥ・・・ズガシャァァ!!
ドゴォォォォォォォンンンン!!
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
こうして、この戦闘で俺はチューリップ十五機、
戦艦五百隻、戦車十七万台、バッタ二万機という大戦果を上げた・・・
「ふう、つ、疲れた・・・」
いや、マジで・・・
ってこれはルリちゃんの台詞か・・・
俺がエステから降りてくると、ユリカが待っていた。
ユリカ、話なら後にしてくれ。
と言おうとしたが、声が出ない。
こんなに疲れたのは・・・あの"おしおき"以来か?
う、思い出したらめまいが・・・
私が格納庫に向かうと、アキトさんがエステバリスから降りてくるところでした。
みると、ユリカさんが下でアキトさんを待っています。
疲れているアキトさんの出迎えですか・・・
悔しいですが、ここはユリカさんのほうが適任かもしれませんね・・・
そう思ってブリッジに帰ろうとすると・・・
「・・・・・・・・・・・・」
アキトさんが何か言おうとしたようですが、聞こえませんでした。
「アキト、お帰り!!」
と言ってユリカさんがアキトさんに抱きつきました。
「ユリカさん、何をやってるんですか!!」
いえ、抱きつくのが悪いとは言わないんですが、
アキトさんは疲れていてフラフラだったので、
ユリカさんに押し倒される形になってしまいました。
「アキトさんはお疲れなんです。
何でわざわざアキトさんを疲れさせるような事をするんですか!!」
疲れているのはユリカさんだけじゃ有りません、
皆疲れているんです。
それに、一番疲れているのはアキトさんじゃないですか。
私は、ユリカさんを押しのけると、
アキトさんを担ぎ起こし、
医務室まで連れて行ってあげることにしました。
「ア〜ン、ルリちゃん、何するの〜」
ユリカさんの訴えが聞こえましたが、無視です。
ユリカさん、貴方は、何を考えてるんですか?
貴方は、人の気持ちを考えた事が有るのですか?
貴方は、アキトさんの気持ちを考えた事があるのですか?
貴方は・・・自分がよければ他の人は、アキトさんさえもどうでもいいのですか?
俺が目覚めると、医務室に居た。
それだけならよかったのだが、なぜかルリちゃんが俺のベッドにもたれて眠っていた。
お陰で散々からかわれる事となってしまった。
俺が悪いのか?
結局、ナナフシの破壊は特に問題なく進んだらしい。
ナナフシの防衛には、チューリップは配置されていなかったそうだ。
ただ、一つ問題を上げるなら、料理をできる人が一人も居なかったため、
俺が心配で急いでたのも有ったそうだが、
作ったのは良いが食べられた物じゃなかったらしい。
その後、パイロットの訓練に、非常食を作るという項目が追加された。
ホウメイさんによる料理教室のようなもので、
パイロット以外の人も結構参加していて、なかなか好評らしい。
ま、結構な事だ。
第二十五話に続く
あとがき
と、言うわけで「育て方」の第二十四話です。
始めは、アキト君とリョーコさんが二人でナナフシの破壊に行って、
そこで色々と起こると言う
リョーコさん関連のネタをやるつもりだったのですが、
なぜかいつの間にかこんな話に・・・
そのうちリョーコさん関係のネタはやらせていただきます。
ユリカ・・・子供ですよね・・・
戦闘中はそうでもないのですが、普段のユリカは・・・
今ひとつ信用がないというか・・・マイペースというか・・・
アキト君よりも鈍感で、特に人の弱いところを察する能力に欠ける・・・
一応優しいところも有るのですが、
人の弱さに気付く事が少ないので、なかなか表に出ない・・・
結果的に"自分が楽しければ、後はどうでもいい"と見えてしまう・・・
嫌いだと言う人には、近くに居るだけで気分が悪くなるタイプです。
そんなユリカですが、ルリ君との関係が悪化しております。
何ででしょう?
このままでは私の十八番、ドロドロした人間関係が出てきてしまいそうです・・・
生臭いですよ、私が"素"で書く・・・特に女性同士の人間関係は・・・
ただ完全にナデシコの雰囲気にそぐわないのですが・・・
しかし、書きやすいのですよね、こういった関係は。