「全く、今時紙の書類もないわよね・・・

 まぁ、オンラインで仕事をするわけには行かないのは解るけど・・・

 それにしたって、独立した端末を持ち込めば、

 ディスク一枚ですむんだし、

 絶対に楽になるはずなのに・・・

 懐古趣味と言うかなんと言うか・・・

 全く、会長もいいかげんにしてほしいわよね」





ブロスとディアの正しいアキト君の育て方
 第五十九話 思い





久しぶりに基地に入ったので、たまっていた書類をまとめて処理する事となり、

思わず愚痴がでる。

大体、書類の仕分けぐらいやっときなさいよ!!

私がいないと、会長室は何も動かないわけ?

とは言え、仕事をしないわけにもいかず、

仕分けし終わって会長に上げる分を運んでいると、

前からあの男が走ってきた。

当然、後ろからは艦長以下数名も走ってくる。

私が仕事をしているって言うのに・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「全く、何なのよあの男は!!

 なんで私があんな男に協力しないといけないのよ。

 私が協力してあげているのを、

 協力してくれて当然見たいな顔して!!」

書類を会長に渡した後、

いらいらして人気のない所で叫ぶと・・・

「何大声出しているんです?」

と、声をかけられた。

「あなた・・・確かカズシ補佐官だったわね。

 あなたには関係ないことよ」

「会長秘書って言うのは、そんなにストレスがたまるものなんですか?」

「・・・知ってるの?」

別に隠しているわけじゃないけど、

今日ここに来た人に知られていると言うのは・・・

あの男、そんな事まで話したのかしら?

それともレイナが?

「少なくともナデシコでは、あなたが会長秘書だってことは有名らしいですから・・・

 さっき、ウリバタケ整備班長に、

 ナデシコクルー大全、とか言う本を売りつけられましたし・・・」

・・・ウリバタケね、納得だわ。

「暇人ね、一人一人のプロフィールを全部読んだの?

 まぁ、あなたは暇かもしれないけど、私は暇じゃないの、

 虫の居所も悪いし、ほっといてくれない?」

「とは言っても、俺も仕事ですからね」

・・・仕事・・・ね、

さて、何かしら・・・

「・・・軍が私に何の用?

 仕事の話なら、本社を通してくれない?」

一応仕事用の表情を浮かべると、

そう切り捨てた。

あいにく今はそんな気分じゃない。

「別にそういう仕事じゃありませんよ、

 アキトを、社会的に守る・・・と言いましょうか、

 とにかく、アキトが戦い易いように、

 社会的な面での、補佐をするのが、俺のもう一つの任務ですから」

「ご苦労なことね、

 どうせあの男の事だから、

 そんなことしてもらっても、それが当然見たいな顔してるんでしょう?」

大体、あんな男は、護らなくても一人でやっていけるわよ。

「そんなことありませんよ、

 それに、仮にそうであっても、別に俺はかまいませんし・・・」

「仕事だから?

 だったら解って頂戴。

 私も仕事と私事の区別がつかないほど、子供じゃないつもりよ。

 仕事はきちんとやるけど、

 たまには愚痴りたくなることだってあるわけ。

 解るでしょう?」

「俺はただ、アキトを助けたいから、アキトを助けているんです。

 別に仕事だからじゃありませんよ」

「どう言うことよ?」

何が皆をそこまで駆り立てるのかしら?

・・・私が変なの?

あぁ〜むしゃくしゃする!!

「アキトが協力してくれないと言っていましたが、

 では、なぜアキトはあなたに協力しなければいけないんです?」

「じゃぁ聞くけど、

 何であの男に協力しないといけないわけ?」

「俺は好きでやっているんですよ。

 別にだれも強制することはできません。

 やりたいからやる、

 やりたくないからやらない。

 それ以上に何があるんです?」

「そんなことで生きていけるほど、世の中は簡単じゃないわよ」

大体、それなら私があの男に協力しなくても良いでしょう?

結局何を言いたいのよ?

「意外と簡単ですよ、世の中は・・・

 正面から見る覚悟さえあれば・・・ですが」

はいはい、そうですか。

「・・・で、あの男の何がそこまでさせるの?」

「アキトにあって、あなたにないものが・・・です」

「何よ、結局は地位ってこと?

 そうよ、結局、世の中お金を持ってる人と、えらい人が勝つのよ。

 いつだってそう、

 だから私もえらくなって、お金をたくさんもらおう、

 勝者になろうと思ったのに、

 なんであんな奴に邪魔されないといけないのよ。

 私がこの地位に上るまで、どれだけ苦労したと思う?

 それを、あんな突然現れた男に邪魔されて、なんで黙っていないといけないのよ!!」

この人みたいな人ばっかりだから、

偉い人はいつまでも偉くて、弱い人はいつまでも弱いのよ!!

「アキトはアキトで苦労してるんですよ」

「・・・だから何?

 だから納得しろって?

 苦労するのはあたりまえよ、

 だれだって、生きていくためには苦労するものなのよ。

 例えあの男でも例外じゃないってことでしょう?」

ふーん、あいつも苦労してるんだ、

それは良い気味ね。

「ではなんです?

 自分は今まで苦労したから、これ以上苦労するのはおかしいけど、

 アキトはこれからも苦労すべきだ・・・と?

 確かに、生きていく以上苦労するのは当然です。

 となると、アキトも今まで苦労していたってことでしょう?

 おかしくありませんか、それ?」

「いいのよ!!

 私にだって、自分の理想を手に入れる権利ぐらいあるはずよ。

 それは、あの男にだって同じことが言えるのはわかっているわ。

 でも、あの男は自分の理想のために、私の理想を踏みにじろうとしている。

 なら、私が同じことをやって何が悪いの?

 私の理想と、あの男の理想、あちらを立てればこちらがたたず・・・

 なんで私が一方的に悪者にされないといけないわけ?

 私は、自分の幸せは自分でつかみとってやるわ、

 あの男の用意する、"あの男が勝手に考えた私にとっての幸せ"なんてもらいたくないの。

 何か文句ある?」

やってる事は同じじゃない。

なんで私ばっかり責められなきゃいけないの?

「アキトは、そんなに悪い奴じゃありませんよ」

「いい奴なら、何をやっても許されるわけ?」

そんな子供じゃあるまいし。

屁理屈にしたって、もう少しマシな事言いなさいよ。

「・・・少なくとも、アキトはあなたより先を見ていますよ?」

「先って?

 未来が良いものになるためには、今はどうなっても良いて言うの?

 私は今を生きてるの、

 明日のパーティーに出席する方法より、

 今日の夕食を考えるべきでしょう?

 そんなの、為政者の使う詭弁よ。

 未来の話ばっかりして、足元を見てない男に、未来があるはずがないでしょう?

 遅かれ早かれ足元をすくわれるに決まっているわ」

「・・・・・・・・・・・・

 少なくとも、アキトはあなたより俺たちのことを考えてくれていますよ」

なるほど、自分に有利だから協力するの。

ならそう言いなさいよ、

自分に有利だからそれをしているのに、

まるでそれが正しいからやっているみたいなことを言うから、

話がややこしくなるのよ。

「で、あなたたちのことを考える代わりに、そのしわ寄せが私に来る・・・と。

 私も考えてるわよ、

 ネルガルの社員たちのことを。

 私の意見の方が、絶対にネルガルは成長するわ。

 たかがネルガルの一部門に過ぎない、ナデシコのクルーの事しか考えていないあの男より、

 ずっと立派だと思うけど?」

どうよ、何か言って見なさい?

「・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 ア、アキトは、ナデシコのことだけでなく、地球圏全体のことを考えてるんだよ。

 一企業の過ぎないネルガルのことだけを考えているあなたより、

 ずっと立派なんじゃないんっすか?」

立派・・・ね?

人間行きつく先は皆一緒ね。

自己神聖化・・・

まぁ、この場合は自己じゃないけど・・・

「さぁ、どうかしら?

 皆を幸せにするために、自分の周りの人を不幸にする男が、

 立派だとは思えないわね。

 会社のために頑張って働いて、家庭をないがしろにするようなものでしょう?

 人間として最低、どこが立派なの?」

「じゃあ、同じ職場の仲間より、

 同じ企業のことを考えるあなたはどうなんだ?

 変わらないじゃないか!!」

「私の職業はネルガルの会長秘書よ。

 ナデシコの副操舵手なのは、ここが一応会長室直属の部署だからに過ぎないわ。

 会長秘書として、ネルガル全体の事を考えるのは当然でしょう?」

本当は違うけど、わざわざそれを教えてあげる義理はないわね。

「じゃぁ、アキトは英雄として地球圏全体のことを考えてるんだ」

「でしょう、

 私はネルガル会長秘書として、ネルガルのことを考えている。

 要するに立場の違いに過ぎないわ。

 なのに、あいつばっかり無条件で協力者が集まる・・・

 こんな不公平な事ってないんじゃない?」

あいつの方が、自分のより偉いのは認めてあげるわ。

でも、偉いからって偉くない人を否定するのは認められないわ。

「それは・・・

 アキトは、地球圏全体のことと同時に、

 ナデシコの皆のことも考えている。

 その分、協力者が集まるのは、当然だろう?」

「で、そのナデシコの皆の中に私は含まれない・・・と。

 で、私はネルガルのことと同時に、私なりに"地球"のことを考えているけど、

 そのネルガルの中に、ナデシコのクルーのことは含まれない・・・と。

 やっぱり変わらないじゃない」

「そう思いたければ、思っていれば良い。

 でも、俺はあんたよりアキトが好きだ。

 だから俺はアキトに協力する。

 それが、あんたとアキトの絶対的な差だ」

そうそう、なら初めからそう言いなさいよ。





「そう言えば・・・」

ナデシコがヨコスカドックについた夜、

例によってルリちゃんの部屋で、ボーッと天井にある魚を見ていると、

ふと思いついたことがあったが・・・

「なんですか?」

「いや、何でもない」

「?

 まぁ、いいですが・・・

 話す気になったら話してください」

仕方ないですね・・・と言わんばかりの声で、ルリちゃんが答えた。

そんな風にいわれたら、言わないわけにいかないじゃないか・・・

「ホントに何でもないって、

 ただ、ラピスたちはどうするかな・・・って思っただけだから」

「・・・ハーリー君たちが・・・ですか?」

「ああ、

 ラピスは・・・

 やっぱり、まだ俺に依存していると思う。

 このままじゃいけないけど、

 さて、どうすれば良いか・・・」

「・・・子供と言うのは、良くも悪くも皆そうなんじゃないんですか?」

「・・・かもしれないがな。

 子供を良い方向に導いてやるのは、親の務めだろう?」

ラピスには・・・

もう少し・・・

少し・・・なんなのだろう?

俺にとって、ラピスとはなんなのだろう?

どう言う存在なのだろう?

とっさに、子供に例えたが、そうなのだろうか?

目的のための道具・・・

始めの時なら、迷わずそう答えただろう。

罪の証・・・

二回目の時は、そう言っただろう。

でも・・・

それではいけないだろう。

罪の証ということは、

要するに罪を否定することだ。

皆がそれの意義を理解しているのならともかく、

この状況で罪の証をもっていても、

それは、その存在を持って、罪をない物とすると言う、

免罪符の役割しか果たさない。

もちろん、罪を忘れるということではないが、

あの時の行動を、否定するつもりは、少なくとも今の俺にはない。

あの行動は、許されるものではないにしろ、

その時なりに考えた最善策のつもりだったし、

それは今もあまり変わっていない。

もちろん、再び同じ状況に置かれたら、

今の俺とあの時の俺の、能力の差もあるから多少は違うだろうが、

基本的には同じ選択肢を選ぶだろう。

あらゆる意味で、それを肯定する・・・

罪を・・・罪の意義を・・・自分の選択を・・・

そして・・・何より自分自身を・・・

では・・・今の俺にとって、ラピスとはなんなんだ?

巻き込んでしまった被害者?

それを言うなら、皆同じだ。

娘? 妹?

俺にその資格があるか否かは別として、

ラピスはそういうのとは違う気がする。

確かに、ラピスに対しては、特別に護ってやらなくてはと言う気持ちはある。

ただの仲間、友人と言うのとは違う・・・

しかし・・・

「・・・そうかもしれませんね」

思考のループにはまりかけた時、ルリちゃんの声で我に返った。

「ですが、はっきり言ってしまえば親に関係なく子供は育ちますし、

 そうでなければいけませんよ。

 それに、親なら見守ることも必要じゃないんですか?」

親なら見守ってやることも・・・

違う・・・

やっぱり・・・俺は、ラピスの親ではない。

「ようはその人の心がけ次第です。

 状況や運命ではなく各人の努力が、その人の運命を切り開く・・・

 そうでなければ、私たちの存在意義がなくなってしまいます」

運命は独力で・・・

ラピスの運命は、ラピスが・・・

違う・・・

何かが・・・違う・・・

でも、何かに似ている。

強いて言うなら・・・ラピスは・・・

「アキトさん?」

「・・・・・・・・・・・・

 は?

 あ、ああ、ごめん。

 えっと・・・運命は自分で・・・ね、

 厳しいな、ルリちゃんは」

「・・・甘えたことを言ってもらっては困ります。

 特にアキトさんは・・・」

「ルリちゃんは弱い人は嫌いなの?」

俺は、俺は弱いと思っているんだが・・・

「ちょっと違いますけどね、

 でも、アキトさんなら大丈夫ですよ。

 アキトさんは、自分の弱さを知っていますから・・・」

「だからか・・・

 ハーリー君を嫌っているのは・・・」

二回目の様子を見る限り、

嫌っているようにしか見えなかったしな・・・

俺も弱いが・・・

ルリちゃんは、俺に強さを見ていた・・・

俺は、逃げているつもりだった・・・

事実、逃げていただろう、

運命から、仲間から、そして、自分から・・・

しかし、逃げるより、もっと楽な道もあったのかもしれない。

逃げ続けられたのは、強かったからなのかもしれない。

ルリちゃんは・・・俺の、そんなところに、強さを感じていたのかもしれない・・・

「私が・・・ですか?

 そう・・・ですね、

 嫌いなのかもしれません。

 だれしも、鏡を見るのは嫌なものですから・・・

 似てるんですよ、ハーリー君と私は・・・」

鏡を見るのは、恐いと言うのは解る、

解るが・・・

「・・・そう?」

「そう・・・なんですよ」

「そうかなぁ?

 むしろラピスの方が似ていると思うけど・・・」

ハーリー君とルリちゃん・・・

あまりにていないと思うんだが・・・

「ラピス・・・ですか?

 そうですね、あまり詳しくは知りませんが、

 ハーリー君とは逆の・・・

 もう一つの、私が嫌いな私に似ているのかもしれません」

「・・・よく・・・解らないな・・・」

ラピスは、昔のルリちゃんに重なるが、

もう一つの、ルリちゃんにとって自分の嫌いなところ・・・

それがなんなのかはわからないが、

いずれにしろハーリー君とは重ならない・・・

「解り・・・ませんか・・・

 まだまだですね」

「ごめん」

何がまだまだなのかは良くわからないが、とりあえず謝る。

「いいですよ、

 私にとっては・・・

 私にはそう思えるというだけですから・・・ 

 とにかく、似ているんです、

 昔の私に・・・

 私が・・・嫌いなところばかり・・・

 まるで、お前はこんな嫌な奴なんだ、

 良い子ぶっているんじゃない・・・て・・・

 そう糾弾されているような・・・」

「過去の自分・・・か」

「過去の・・・愚かな・・・

 否定したい自分に・・・」

俺には解らない。

あのころの、人形のようなルリちゃんとハーリー君とでは、

あまりにイメージが違いすぎる。

・・・なるほど、まだまだだな。

俺は、あのころのルリちゃんに対して、

すごく人付き合いが苦手な女の子、

という以外の印象を持っていなかったわけだ。

確かにそれはルリちゃんの一面であろうが、

それ以外にも、ルリちゃんを構成する要素はあったはずだ。

表面的な、わかり易い要素に目を奪われて、

その本質を理解していなかったのだから、それはまだまだと言われても仕方がない。

「・・・いくら頑張っても、"過去"は変えられないし、

 "過去"を変えちゃいけないと思う。

 そして・・・

 自分が嫌いな場所だからこそ、

 決して忘れてはいけない・・・

 俺は、そう思う・・・」

俺は、ルリちゃんの苦しみを理解してあげられないと言う事実にやや打ちのめされていたが、

勤めて平静を保ちつつ、そういった。

「私は・・・そんなに強くありません」

ちょっと解りにくいかとも思ったが、どうやら解ってくれたらしい。

「・・・俺も同じだよ、

 でも・・・

 弱いことは、免罪符にはならない・・・

 してはいけないんだ」

「・・・やっぱり、アキトさんはアキトさんですね。

 そうやって、いつも前に進もうとあがいている・・・

 けど・・・それができる人は、少ないですよ?」

「解っているさ、

 強要するつもりはない。

 でも・・・

 その・・・

 ルリちゃんには・・・解っていてほしいんだよ」

・・・俺はなにを言っているんだ?

「解っていますよ、そんなこと・・・」

「ああ・・・

 それはそうだろうが・・・

 その・・・ごめん」

「どういう・・・ことですか?」

・・・どう言うことだろう?

大体、これはルリちゃんに対して言った、アドバイスだったはずだ。

俺のためにそれを理解してほしい・・・

・・・何を言っているんだ、俺は?

「・・・気にしないでくれないか?

 俺にも・・・良く解らないんだ」

「そう・・・ですか?

 まぁいいですけど・・・

 ま、私が言いたいのは、

 解っている事と、できることは別・・・

 そう言うことです」

「そうだな、その通りだ、

 でも・・・それは言い訳にしかならない・・・

 できないのは、解っていないのと変わらない・・・

 違うかい?」

内心焦りまくっていたが、

しかし、この場を支配するゆったりとした空気は、

その焦りを静め、ごく自然に続けることが出来た。

「・・・違い・・・ますね。

 少なくとも、その感じ方は英雄的ではありません。

 英雄は、結果論で評価されるべきですが、

 英雄は、結果を求めてはいけないと思います。

 理想を・・・夢を追い、それを捕まえるからこそ、英雄なのではないですか?

 現実を捕まえるのは・・・凡人の仕事です。

 弱いことを、解っているけどできないことを、

 免罪符にしてはいけないという意見には賛成ですが・・・」

「わかっているよ、それぐらい・・・

 だけど・・・

 ・・・何でも無い」

「?」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・」

「・・・」





第六十話に続く





あとがき

エリナ様とカズシさんの会話。

エリナ様はエリナ様なりの信念や、エリナ様なりの正義の元に動いています。

確かに個人的な感情も、あるにはありますし、

疑心暗鬼で自滅街道を爆走している一面もあるにはありますが、

基本的にエリナ様はエリナ様なりに、良かれと思って行動しているわけです。

これにアキト君の正義を押し付ける事は、

TV版でナデシコに軍の都合を押し付けた事と大して変わりません。

視点を変えて見て見ると、

むしろエリナ様に正義がある・・・と言う絵を書きたかったのですが、

大失敗。

うまく行きませんでした・・・



ルリ君のハーリーに対する気持ち・・・

いつかも書きましたが、過去の自分に重ねていると言うのは、

結構近いと思います。

過去の自分に似ているから、好きであり、嫌いであると・・・

人は、自分自身が一番好きで、一番嫌いなものですから・・・



アキト君のラピスに対する気持ち・・・

結局アキト君は答えを出していませんが、

さて・・・

娘・・・とは思えませんし、

妹でもないでしょう。

この設定では、道具としてみることはできないでしょうし、

謝罪の対象とするには・・・

確かに、ルリ君やユリカと同じように特別な思い入れがあるでしょうが、

何かちょっと違いそうな・・・

アキト君にとってのラピスとは・・・

さてさて・・・





追記、

アキト君が言いたい事は、

要するに過程論とでも言うべきモノです。

同じ答えを出すにせよ、皆と一緒に悩んでそれを出すことに意味を求めると言う・・・

確かに、私も一人でも幸せになれない事はないとは思いますが、

アキト君やミナトさんが、"ルリ君につかんでほしいと思っている幸せ"は、

一人では手に入らない種類のものでしょう。

混同されては困ります。







・・・あっ!

イツキ カザマの事すっかり忘れてました。

次回登場させて・・・

あぅ・・・テツジンが出てくるのは、その次になりそうです・・・

ペースアップを宣言したからには、

せめて一〜二週間のうちに一話づつ書き上げないといけないでしょうし、

代理人様の都合もあるでしょうから、投稿するのはせめて一週間の余裕を持って・・・

・・・精進いたします(涙)

 

 

代理人の都合

いやほら、どーせ毎日のように投稿がくるわけデスシ、

一本くらい増えても大差ないですよ〜。あはははははは〜。

いやホント。

 

それはさておき。

 

代理人の感想

う〜〜〜〜〜む。

エリナとカズシの教義問答(違)、

エリナの方に説得力が欠けてるために読んでてちょいとストレスが溜まりましたね。

と言うかこの場合、エリナに正義と説得力はなくても一向に構いませんが、

「文句あるか?」と言わんばかりに押しきるパワー(人それを「納得力」と言う)は欲しかったですね。

 

後アキトとルリの会話ですが、ルリの内面描写も混ぜるなりなんなりして

ハーリーのどこらへんがあのころのルリと被るのか、ヒントだけでも与えてほしかったかなと。

読んでるほうからすると「何処が?」と思うだけでさっぱりです。