防衛ライン突破作戦から約一日・・・・・・

イツキの説得のおかげか、ナデシコに大きな事件は起きなかった

そして、自らの暗部をさらけ出した『白騎士』は・・・・・・・

「・・・・・・・おそい!!」

「ぬお!!馬鹿なーーーーー正義が敗れるなんてーーー!!」

「残りは二人か・・・・・・」

「イツキさん、僕が囮になる、その隙に攻撃を!!」

「了解!!」

今までと特に変わらずイツキ、ジュン、ガイの三人相手に訓練していた・・・・・・・・

機動戦艦ナデシコif
『新たなる刻の歌』
第四話 水色宇宙に『大嵐』



特にアキトが変わらなかったのは、イツキによると

『元々性格はあまり変わってなく、戦闘中以外はあの面をアキト自身恐れていないから』

だそうだ、あとは『ナデシコ』と言う空気も関係しているのかもしれない

もともと、『性格に難ありでも腕は一流』がナデシコクルーのモットーのような物だから

アキトのあの面はその『性格に難あり』としてとらえられたのかも知れない

「「うわああ(きゃああ)」」

どうやらシミュレーションの方も決着がついたようだ

「くそおおおお、アキトのやつこんなに強かったのか」

「はあ・・・・・・自信なくしそう・・・・・」

「やっぱり素人じゃこれが限界かな?」

「三人とも相当の腕前になってるよ、ジュンは空間把握能力が飛び抜けてるし。

ガイは格闘戦は俺と同等くらいまで腕が上がってきてる、攻撃が単調なのは痛いけどね

イツキは以前より射撃の腕も上がってるし、とっさの判断もできるようになってきてるしね

あとは実戦を繰り返せば、全員間違いなくエースパイロットになれるさ」

「俺の攻撃のどこが単調だと!!」

「まず接近する際、馬鹿正直に一直線に近づいてる、これが一つ

次に攻撃の際に無駄な動作が多いし、攻撃前に叫んでる

最後に、味方との連携を無視して単独行動にですぎてる」

「ふーーーむ、だが必殺技の名前を叫ぶのは譲れねえぜ!!」

アキトとの腕の差を敏感に感じているのか、珍しく意見を静かに聞いている

「まあ気合を入れる意味で叫ぶことは否定はしないさ、

でも雑魚との対戦ぐらいは叫ぶ必要もないだろう?」

「確かに・・・・ゲキガンガーも雑魚相手には必殺技は使ってねえしな」

「さてと・・・・・・・アキトはこれからどうするの?」

「ん?俺はルリちゃんにシミュレーションのテストを頼まれてるからここに残るよ」

「あれ?シミュレーションマシンは正常に動いてなかったか?」

「ああ、なんでも現在開発予定の機体データを取り込んだらしくてな、それの実戦テストみたいなものさ」

「ふーん、それじゃあ私は観戦させてもらおうかな?」

「まあ、いいんじゃないか。特に何もいってなかったし。

それじゃあ、やるとするか」





アキトがシミュレーションマシンに入りルリが造った特別プログラムを起動させる

ガイは食堂に向かった為、観戦者はイツキとジュンの二人

プログラムが完全に起動し、シミュレーション状況を表すディスプレイに漆黒の機体が現れる

「こいつが・・・・・実験機か・・・・・・」

「アキトさん、プログラムを起動したんですね?」

ルリから通信が入る

「ああ、ところでこいつは一体なんなの?武装は見た限りハンドカノンぐらいしかないし」

「それは・・・・・・エステバリス追加装甲案・・・・・『ブラックサレナ』・・・・・です」

「ブラックサレナ・・・・・・黒百合・・・・・か・・・・・ん?敵の登場かな?」

アキトのその言葉とともにアキトの正面に深紅の機体と、やや小型の同種の機体が六機現れる

「相手の機体もサレナと同等クラスの能力を保持してると考えてください」

「了解、・・・・・・さて、いくか!!」

「(オモイカネ・・・・・この戦闘データを厳重にロックしたあとで地球のラピスに転送しておいて)」

『わかりました。お任せを、ルリ』

「くっ!!・・・・こいつなんて性能をしてるんだ・・・・!!それに敵の動きが読みづらい・・・」

アキトはブラックサレナで同種の六機の部隊・・・・・『六連』に攻撃を仕掛けるが

『六連』はその攻撃を舞を舞うかのような動きで回避する

「・・・・・!?こいつら・・・・一定の軌道を持っていない・・・ならこちらも!!」

アキトはしばらく六連の動きに翻弄されていたが、

アキトも相手と同じように軌道をランダム化させることでその動きに対抗する

「すごい・・・・・・両方とも、腕はほぼ互角だわ」

「だけど相手の方が複雑な軌道でテンカワを翻弄してる、テンカワも軌道を変えたけど・・・・どう動くかまだわからないよ」

「・・・こいつら。接近戦用に作られてるようだな・・・・・となると錫杖をもつ意味は・・・・・来た!!」

アキトは急加速して六連が投げた錫杖を回避する

「いまだ!!!」

錫杖を投げて一瞬の隙が六連部隊にうまれる、その隙を見逃すほどアキトは甘くない

『ドッガ、ドッゴ、ドッゴーーーン』

味方をやられたことで動揺したのか他の機体も動きを緩めその隙にアキトに撃墜される

「残り・・・・・・一機!!」

最後に残った機体は・・・・つい先程まで観戦していた深紅の機体だ・・・・・その名を・・・『夜天光』

『夜天光』は一気に接近しアキトの乗るブラックサレナに接近戦を挑む

「く・・・・・・!?やってくれる!!」

サレナのコックピット周りを幾度となく殴ってくる敵機に頭突きをかまし距離をとる

距離を開けたあとアキトは射撃戦に移るが相手はその攻撃をことごとく回避する

「凄い・・・・あの紅い機体・・・・とんでもない性能をしてる」

「その点はテンカワの乗ってる機体も同じさ、ただ接近戦に特化してる分紅い機体の方が幾分か優勢だ」

「こいつ・・・・できる!!・・・・・・・射撃戦は無謀か・・・・なら!!」

アキトは夜天光との距離をとりつつハンドカノンをしまう

「さあ・・・・・・いくぞ!!」

完全にハンドカノンをしまうと、アキトは夜天光に向けて最大加速で突っ込む

夜天光もそれに応じるかのようにブラックサレナに突っ込む

『バキィィィィィン!!ズシャアアアア・・・・グワシャ―ン!!』

夜天光が先にサレナのコックピット部に攻撃を仕掛け・・・・その後にサレナが夜天光に一撃をくわえる・・・・



『戦闘終了、YOUWIN!!』

オモイカネから戦闘終了の合図が出され、それとともにアキトの乗っているシミュレーションマシンが開く

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・」

「アキト、お疲れ様」

「しかしものすごい機体だったが・・・・・テンカワ、身体は大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だ・・・・ただ高速戦フレーム以上のGがかかったけどね」

「(・・・・この世界のアキトさんはあのアキトさんを超えるというのでしょうか?

それに射撃戦よりも白兵戦の方が得意みたいですし・・・・・・計画を変更する余地がありそうですね

まあ開発はラピスに任せるしかありませんね・・・・・)」

実を言うとルリはアカツキとすでに接触し弱みを握っていたりする(爆)

そのため、ラピスとハーリーを救出して、社長派を一掃していたりする・・・・・

その抜けた穴をラピスとハーリーが補っているからネルガルはまだ無事でいられる・・・・・・

その代りに機動兵器開発を自分たちに受け持たせているのだ・・・・・・・

極楽トンボ・・・・・・・いと哀れなり・・・・・・・・・・

まあそれは置いといて・・・・・・

「それよりもそろそろサツキミドリにつくころだと思うんだが・・・・・」

『ヴィーヴィーヴィーヴィー・・・・・・・・・・・・』

「サツキミドリの方角から脱出用のシャトルが向かってきている、

敵の奇襲の可能性がある。各員第一種戦闘配置に移行せよ」

「なに!?・・・・・イツキ!!いくぞ!!」

「僕はブリッジに向かう、状況が把握できてないから迂闊な行動はしないようにしてくれよ」

「わかってるわよ、これでも元軍人なんだからね」





アキトとイツキが格納庫に着いたとき、すでにシャトルはナデシコの隣にまで来ていた

「テンカワ、さっきシャトルの方から話を聞いただが、急に警報装置が作動したらしい」

「・・・・敵の奇襲を察知した・・・・そう考えるのが妥当か・・・・」

「ああ、とりあえずシャトルに乗っている補充パイロットがこっちに乗り込むことになった」

「俺たちはどうすればいい?」

「一応格納庫で待機しててくれ、新入りを迎えに僕たちも行くから」

なぜか艦長なみの指揮を出すジュン・・・・・

ユリカは何をしていたのかと言うと・・・・

「・・・・サツキミドリに異常は?」

「コロニー方面に熱源反応・・・・・衝撃波・・・きます」

艦内の方をジュンに任せて、サツキミドリの方を警戒していたりする





シャトルがナデシコに並んで約五分後、赤、緑、黄、水色の機体が格納庫に入る

そして各機から女性が降りてくる

『うおおおおおおお!!』

整備班が雄叫びを上げる、その雄叫びを無視してゴートはパイロットに話し掛ける

「収容できたのは四体だけか?」

「まだコロニーの中に何体かあったけど流石にもちきれなかったぜ」

「あのーーーーーすいませんが自己紹介をお願いできますか?」

「まず人に名前を尋ねるときは自分から名乗るのが礼儀だろう?」

「あ・・・・・私は艦長のミスマル・ユリカです」

「僕が副長のアオイ・ジュン」

「オペレーター、ホシノ・ルリです」

「私は・・・・・まあ必要ないでしょう、プロスと呼んでください」

「通信士のメグミ・レイナードです、これからよろしくお願いします

「操舵士のハルカ・ミナトよ、よろしくね」

「俺はパイロットのスバル・リョーコ、年は18だ」

「アタシはアマノ・ヒカル蛇使い座の18歳独身でーーす。これからよろしくねーー」

「マキ・イズミ・・・・・・・・よろしく」

「私はサツキ・カザマといいます年は16です、よろしくお願いします」

「ほえ?・・・・・・サツキさん・・・・もしかしてイツキさんの・・・・」

「え?・・・・お姉ちゃんが乗ってるんですか!?」

「ええ、そうですよイツキさんと契約したのは貴方と契約した後でしたけどね」

「道理でよく似てるわけだ・・・・・・・」

サツキはイツキとほとんど外見は変わらず、

唯一の差はサツキの髪型がショートカットな点と、体型がやや小さめである点ぐらいだ

「んなことより、ここのパイロットはだれなんだ?」

「一人はヤマダ「ダイゴウジ・ガイだ」

ガイがどこからともなく現れる

「俺様がナデシコのエースパイロットダイゴウジ・ガイだ!!」

「本名はヤマダ・ジロウさんです」

ルリが冷静に突っ込みを入れる

「ちがーーーう!!ヤマダ・ジロウは世をしのぶ仮の名前!!

ダイゴウジ・ガイこそが俺の真の名前!!魂の名だ!!」

「ヤマダ「ダイゴウジ・ガイ!!」さんはほっといて他の二人を紹介します。

お二人共、お手数ですがこちらに来てください」

プロスはコミュニケに話し掛け、それからしばらくしてイツキが来る

「すいません、少し遅れました・・・・・ってサツキ!!」

「お姉ちゃん、お久しぶり♪」

「サツキもナデシコに乗るの?」

「私だけじゃないよ、リョーコさん達も一緒だよ」

「久しぶりだな、イツキ」

「ほんと久しぶりだねーーー元気だったイツキちゃん」

「息災そうで何よりね」

「リョーコ、ヒカル、イズミ!!本当に久しぶりね、元気だった?」

いきなりリョーコたちと和気藹々と言った感じで話をし始めるイツキ



「ん?待てよ・・・・・イツキが乗ってるってことはあの白い機体は・・・・・」

「すいません、遅れました・・・・・・ってあれ?リョーコちゃん?」

「アキ「アキトさーーーーーん!!」」

リョーコの台詞を中断させアキトに抱きつくサツキ

「っと、あれ?サツキちゃんもナデシコに乗るの?」

「はい!!またアキトさんとご一緒できて光栄です!!」

「はろーー、アキト君やっぱり生きてたんだね」

「ま・・・・・・貴方のことだから生き延びてると思ってたわ」

「ヒカルちゃん、イズミさん、二人もナデシコに乗るの?」

「そうだよーー」

アキトもこれまた和気藹々と言った感じでサツキ達と話し出した



「いやはや・・・皆さんお知り合いでしたか」

「それよりもサツキミドリに0G戦フレームを取りに行かないと数があわないぞ」

「そうですね・・・・今、宇宙戦ができるのは俺とリョーコちゃんたちだけですね」

「つっても休憩ぐらいくれよ、さっきから警戒しっぱなしでこっちは疲れてんだからよ」

「そうですね、休憩後に作戦を開始しましょう、ナデシコはシャトル防衛の為ここから動けません

整備員の皆さんはエステにできるだけ多くの増槽をつけておいてください」

「了解、まかせときな」

ユリカの言葉とともに出撃予定機に増槽をつけ始めるウリバタケ率いる整備班



「しかし、このナデシコの戦力は相当なもんだな」

エレベーター内でリョーコが急に口を開いた

「ええ、これでも最新鋭の技術を搭載しておりますからな」

「ま、確かに艦自体の力も認めるけど、一番とんでもないのはよくここまでパイロットを集められたなってことさ」

「たしかにねー、アキト君とイツキちゃんの二人がいるだけでも桁違いの戦力を持つことになるからねー」

「ほえ?・・・・・・アキトってそんなに強かったの?」

「あんた・・・・・軍関係者じゃないのか?」

「艦長は士官学校を出てすぐにナデシコに乗ってもらいましたから・・・・・」

「兵士の噂は聞いた事がないってわけね」

話題に上がっているアキトとイツキは・・・・・・

「本当に久しぶりだよね、三人が集まるのも」

「ああ、サツキちゃんが地球にいってからもうあってなかったからね、

大体・・・・一年と半年になるのかな?」

「でもサツキが乗ってくるとは思わなかったわよ」

「私はあのアキトさんがお姉ちゃんに告白した方が信じられないけどなーー」

「なに!!そりゃ本当か!!」

さっきまで別の話をしてたリョーコが急にアキトたちの話に入ってくる

「本当だよ。ほら、お姉ちゃんの左手を見てみてよ」

「あらーーーー、薬指に銀の指輪だーーーー。イツキちゃん、よかったね」

「女の幸せ・・・・・・・・・・・手に入れたのね」

ヒカル、イズミに言葉をかけられたイツキは顔じゅう真っ赤にしてうつむいてしまう

そしてもう片方のアキトは・・・バイザーで隠れているところ以外は真っ赤になっていた

「なるほどね・・・・・イツキ、俺はまだ負けたとは思ってねえからな」

「・・・・・私だってまだ完全に勝ったとは思ってないわよまだね・・・・・・」

急に火花が散らんばかりの視線を交わしだすリョーコとイツキ

「そういえばさ。アキトさんとおねえちゃんってどこまでいってるの?」

無邪気な笑顔でとんでもないことを言い出すサツキ

サツキの発言とともにエレベーター内の時間が止まった・・・・





「ねえ・・・・・・・どこまでいってるの?」

同じ質問内容で凍りついた時を再び動かしだす無邪気な天使・・・・・その名はサツキ

「あ・・・あの・・・・その・・・・・・」

イツキは今までで、一番顔を赤くし・・・・・・うつむいてしまう

「ねえねえ、アキトさん。どこまでいってるの」

「・・・・・・・・・・・・展望室でキスした・・・・・・」

「え?なになに、なんて言ったの?」

「展望室で一回だけキスした!!」

もうやけになったのか、急に大声を出すアキト、

アキトが叫び終わるとともに、エレベーターが目的地に着き停止する

「へえー、お姉ちゃん達ってまだキスだけしかしてないんだ・・・・・・まだ私にもチャンスがあるかな?

「ん?何か言った、サツキ?」

「なんでもないよ、お姉ちゃん」

ちなみに全員でブリッジの方に向かっていたりする

「けどアキト君とイツキちゃんっていまどき珍しいほど純粋なつきあいしてるのね

ちょっとみなおしたかな」

「ミナトさん・・・・・・からかわないでくださいよ・・・・・」

本来なら大騒動を引き起こしそうな二人は・・・・・・・・

「キスぐらいなら私もしたことあるもんね」

「予想よりこの世界のアキトさんは純情なんですね・・・・まあこのくらいは見過ごしますか」


というように自己完結をして、今回のことをさらっと流していた









そんな事があってしばらくアキトとイツキはからかいの的(犯人ヒカル、イズミ、ミナト)になっていたが

出撃時間が来ると全員がまじめに戻った

ちなみにコロニーに向かったのはリョーコ、サツキ、イズミ、ヒカルの四人

アキトはナデシコ並びにシャトルの防衛の為ナデシコ近辺で待機となった



リョーコたちが素潜りをはじめて約二分後・・・・・・

「敵が来る様子はまだないか・・・・・・、サツキミドリの方から反応?・・・・サツキちゃんか」

「アキトさん、2台0G戦フレーム回収できました」

「リョーコちゃんたちは?」

「もう一台あるはずだって探してましたよ?」

「そうか・・・・コロニーから敵性反応!?こっちに来る!!」

アキトが構えるとともにバッタをつけたエステバリスがナデシコに向かってくる

「すまねえアキト、仕留め損なった!!」

「そのデビルエステ結構速いよーーー」

「了解、サツキちゃんはこのままナデシコへ、俺がやつをしとめる!!」

そう言うとアキトは急激に加速しデビルエステとの間合いを詰める

流石のデビルエステも脅威を感じたのか身体についているバッタからミサイルを一斉に発射する

「・・・・・この軌道・・・警戒する必要もないな」

アキトはミサイルを無視するかのようにさらに間合いをつめ、ミサイルが近づくと真下に逃げ込む

当然のごとくミサイルはその後を追おうとするが、あまりにも急激な角度変更だった為衝撃に耐え切れず爆発していく

「もらった!!」

アキトはそう言うとデビルエステの背後を取りそのまま肩から上を一刀両断する

バッタたちは急いで斬られたエステ上部から、離れようとするがそれがアキトにとっては絶好の攻撃の機会となり一気に殲滅された

「こちらテンカワ、エステバリスの一体が敵にのっとられていた為破壊した。

なお上部のみを破壊した為下部、足などのパーツは再利用可能と思われる

中破したエステを回収し次第帰還する」

アキトはナデシコに向けてそう報告すると帰還体勢に入った



ナデシコブリッジ

「いやはや、流石はアキト君、上手く利用できるところを残してくれましたな」

どこか嬉しそうに電卓を叩いているプロスペクター

「(オモイカネ・・・・・さっきの戦闘記録ちゃんと録画していますか?)」

『はい、最高画質で録画しています』

「(私専用のライブラリに保管して置いてください)」

『お任せを、ルリ』

「アキト・・・・ユリカのためにがんばってくれたのね・・・・・・」

「テンカワ・・・宇宙空間のほうが得意なのか?地球での戦いより動きがよかったような・・・・」

「久々にテンカワの宇宙での戦いを見たけど・・・腕は落ちていないようね・・・むしろ上がってるかしら?」

「流石だな・・・・・・・」

ちなみに上からルリ&オモイカネ、ユリカ、ジュン、ムネタケ、フクベ、の順である





全機を収容してシャトルとともに本格的な補給の為。月に向かうことになったナデシコ、しかしその前に一つの問題が上がった

「・・・・・というわけよ」

「しかしですな・・・・我が社の物件でありますからそう簡単に破棄することは・・・・」

「・・・?なにがあったんだ」

ブリッジに戻ってきたアキトが近くにいたイツキに話し掛ける

「アキト・・・・ムネタケ副提督が後腐れのないようにサツキミドリを完全に消滅させておくべきだって言って

プロスさんがそれに反対してるの」

「だから・・・・あらテンカワ、戻ってきてたのね。ちょうどよかったわ、説得を手伝って頂戴」

「ですからサツキミドリは我が社の物件ですからそう簡単に破棄できません」

「・・・・・プロスさん、破棄しないほうが後々問題になると思いますよ」

アキトは何かを考えていると思うと急に発言した

「・・・・・僕もテンカワと副提督の意見に賛成です」

ジュンも同じく何かを考えているようだったがアキトの後に続いて言う

「ほう・・・御三方、理由をお話願えませんか、なぜ問題になるのかを」

普段どおりに見えるがどこか覇気を纏い話し掛けるプロス

「まず・・・今回の戦いを思い出してください

今回の戦いで敵はこちらの戦力、エステバリスを利用した戦いを仕掛けてきました」

アキトの言葉に全員が真剣な顔をする

「つまり、このことから木星蜥蜴は『敵の戦力を利用する』という概念をもっている。

という事が証明されました

しかも今回その行動をおこなったのは木星蜥蜴の無人機、いわば末端です」

アキトの言葉をジュンが受け継ぎ説明する

「そのことから敵の首領クラスは人間と同等かそれ以上の知恵をもっていることは立証されたわけ。

そうなると私たちが考えてる事態も起こりかねない・・・・と言うわけよ」

「(まあ確かに人間と同等でしょうね、あちらさんも人間なんですから)」

「危惧する事態とは一体なんなんだ」

ゴートが質問する

「「「・・・・・コロニー落としさ(よ)」」」

「コロニー落とし?・・・・・・どういう意味なのアキト、ジュン君」

「そのままさ、サツキミドリを巨大な弾頭に見立ててそれを地球に落とす」

「その狙いになると思われるのは西欧、北米といった地球連合の首脳部」

「たとえ外れたとしても桁違いの損害は確実に出るわね」





・・・・・・三人の言葉を聞き発言できる者はなかった

それぞれがその情景を頭の中に思い浮かべているのだ・・・・・・・

「・・・・わかりました、会長にはこちらから伝えておきます。

サツキミドリを完全に消滅させておきましょう」

「・・・・と言うわけよ艦長、主砲の最大出力で葬ってやりなさい」

「あ・・・はい、ルリちゃん、グラビティブラスト出力最大に」

「グラビティブラスト、出力最大・・・・・・・発射準備完了しました」

「目標、サツキミドリ二号・・・・・・発射!!」

ユリカの指示とともにグラビティブラストが発射され、サツキミドリを破壊・・・・消滅させる



「ルリちゃん、相転移エンジンに異常はない?」

「はい、特に異常はありません」

「セイヤさん、念のためにエンジンの様子を見ておいてください」

「了解、今フレームの調整してっから終わったらな」



ナデシコはシャトルとともに月面ドックに向かい補給をすることとなった

特に火星に生き残りが多くいた場合に備え、食料などを大目に積むこととなった

補給を終え、ナデシコは当初の予定通り火星へと向かう・・・・・

赤き星になにがまっているのか・・・・・・それを知る者はいない・・・・・・

「(さてさて・・・・火星の人たちをどうやって助けますかね・・・・・)」

・・・・・極一部の人を除いて・・・・・・・・・・・・















あとがき

今回、他のSSに出す予定であったサツキ・カザマ嬢を出演させました!!

これから先も自分のSSからオリキャラをドンドン出すかもしれません

ちなみにサツキ嬢はアキトに好意を抱いており、姉と恋敵の関係である・・・・・と言う複雑な関係です(爆)

主人公無敵主義・・・・なんだか定着しつつありますがアキトはまだ無敵ではありません!!

火星で・・・・・アキトを凌駕する敵を出す予定です。

次回は・・・・おそらく火星軌道上の戦いの前、反乱までが限界だと思われます

反乱が簡単に終わったら戦いも入れるかもしれませんが・・・・・・

では代理人様、今回も切れ味鋭い突っ込みをお願いいたします!!

 

 

代理人の個人的な感想

婚約した時点で勝負はついとるでしょーが普通(爆)。