「どいて!!道をあけて!!」
「こっぴどくやられてんな・・・やろうども急いで予備のやつと付け替えるぞ!!」
先程の戦いにより負傷したアキトとイツキ・・・・・
そして、破壊された二人の機体・・・・・
ナデシコの人たちはそれを救おうと必死にもがいていた・・・・・・
機動戦艦ナデシコif
『新たなる刻の歌』
第七話 いつか貴方が『歌う詩』・・・
3
2
1
どっかーーん
なぜなになでしこ
「こんにちは、よいこの皆さん、なぜなにナデシコの時間です」
イツキ、アキトの治療を一通り終えたイネスがクルーの疑問に答えるべく番組を開いていた・・・・
「さて、今回は相転移エンジンについて説明するつもりでしたが・・・・・・
アキト君の中にあるナノマシンについての説明を求める声が多かったので、それについて説明しましょう」
「まずナノマシンについて説明します。
ナノマシンとは小さな自己増殖機械で、この火星では放射線の遮断、空気の清浄化などをおこなっています」
イヌの格好をしたルリが、特に恥ずかしがるでもなく説明をする
「しかし・・・本来、ナノマシンは体内に入ってもその宿主の手助けをすることしかできません
つまり、体を作り変えることなんてできない・・・・・・
けれど、アキト君のナノマシンはその意味では別格、戦闘用に身体を少しずつ改造していってるの・・・
その改造の恐ろしいところは何も感じないところ。
痛みを感じるわけでも無し、痒くなるわけでも無し、知らないうちに自分の身体を作り変えられるの
その結果、アキト君の身体は人間と言う範疇を凌駕しつつある・・・・自己治癒力はすで人間の範疇を超えてるけどね
さらに一番恐ろしいところはナノマシン自体が意思を持っているところ・・・・
まだ深くは侵入されて無いけれど・・・ナノマシンが脳を作り変えるようなことになったら・・・・
アキト君の人格は完全にのっとられることになるの・・・・・・
前回、アキトくんがマルスと名乗る人物に無理やり人格を変更されたことは皆も知ってるわね?」
「はい、・・・のっとられた場合アキトさんが消え、あのデュミナス・・・と言う存在が現れることになるんですね」
「そう、その通りよ。
私達がアキト君を全力で殺そうとした理由はそこにあるの・・・・・
あの状態になったとき、テンカワ・アキトは確実に世界から存在を消している・・・・
つまり、あの状態でアキト君と観る方が彼、アキト君に対する侮辱なのよ」
「・・・・・ところでみんな聞きたがっていることだと思うんですけど・・・・
二人をほったらかしてていいんですか?」
「ああ、そのこと。
二人共奇跡的に致命的な傷はなかったの・・・イツキちゃんはしばらくすれば起きると思うわ
問題は・・・・アキト君のほうね」
そう言うとイネスの後ろに青色と赤色が半々の円の図が現れる
「これが今のアキト君の状態を表している図よ。
青がアキト君、赤がマルスってこの言葉を借りたならデュミナス・・・私達はハーデスって呼んでたけどね」
「ハーデス・・・ですか?」
「そう、冥王ハーデス・・・あの状況のアキト君をあらわすにはいい言葉だと思わない・・・?
って、話がずれちゃったわね。
普通の状態のアキト君の場合この図はこうなるの」
イネスの言葉とともに円の青色と赤色の範囲関係が変更される・・・青:赤=8:2というぐらいに
「この状態はみての通りアキトくんが主導権を握っている。
また、あの人格が現れた時はこれが逆転してると思ってもらって構わないわ、正確には少し違ってるけどね」
「それじゃあ最初のあの半分ずつの状態はどういう状態なんですか?」
「・・・一つの身体に無理やり二つの人格を植え付けられてる状態・・・・
この状態が危険なわけは・・・これで説明しようかしら?」
そう言うとイネスはコップを一つ、ボールを二つ取り出した
「このコップをアキト君の体・・・つまり人格の器とするわ
そしてこのボールを二つの人格と仮定する・・・・
本来、このコップには一つのボールしか入らない、それに無理やりもう一つボールを入れたらどうなるかしら?」
「・・・後に入れたボールが押し返されるか・・・・・コップが破壊される」
「そう、今のアキト君はその状態ってわけよ。
さて・・・他に聞きたいことは?」
「・・・生物兵器製造用ナノマシンって・・・本当の正体はなんなんですか?」
「・・・私にも正確にはわからないわ。
私は、宿主の体を強制的に作り変え、それこそ生身で戦艦を簡単に落とせるほどの戦闘力を持たせた上で
宿主の身体を完全にのっとる・・・・・・そういうものだと思ってるの
でも不思議な事が一つだけあるわ、アキト君のナノマシン・・・何故か成長を停止しているのよね
まるでアキト君の身体を改造するのを拒むかのように・・・・
もしかするとあれが特別なだけなのかもしれないけどね」
「そうですか・・・・」
「他に質問は無いかしら?」
「・・・・今のところは」
「そう・・・・ちょっとものたりないけどそろそろ終わりにしましょうか、
プロスさんに文句言われるのもいやだしね」
「「それじゃあ皆さん、次回のなぜなにナデシコをお楽しみに!!」」
ナデシコブリッジ
「・・・・・アキト・・・」
「ナノマシンが身体を食い潰す!?・・・しかも単独に近い状態で・・・一体どれだけの技術が使われてるんだ?」
ユリカ、ジュンの二人は先程の番組を見て各自の思考の中に入っていった
??????
「ここは・・・・・」
『来たか・・・テンカワ・アキトよ、待ちわびたぞ』
「な・・・!?俺が二人!!」
『この身体はかりそめのものに過ぎない、姿亡き者と話すよりはましだろう』
「・・・お前が・・・デュミナスだな」
『・・・今はそう呼ばれているようだが・・・正式につけられた名は『ホップ』」
「ホップ?」
『ああ、花言葉は『信じる心』だそうだ。創造主の趣味だと思う』
「それじゃあ・・・・あのもう一人の方は?」
『ああ、今はマルスと名乗っているようだが正式につけられた名は『ボケ』だ」
「・・・・・・・・は?」
『花言葉は『魅惑的な恋』・・・・創造主の趣味・・・と言うか悪ふざけの名前だと僕は思う
直談判してすぐにマルスって名前に変えてたけどね(苦笑)』
だんだんと口調が軽くなってくる『ホップ』・・・こっちが地なのだろうか
「・・・・・まあそれは置いといて、一体何の用があって俺をまってたんだ」
『・・・・君に、いくつか伝えたい事がある・・・・まずこの身体についてだ』
「・・・俺より若干背とかが高いな・・・あとは・・俺の『白騎士』の格好に似てる・・・色が黒色だけどな」
『・・・この姿は・・・未来の君の姿だった物だ』
「なに!!・・・・どういうことだ!!」
『・・・幸いにもここは君の精神空間の中だ、映像つきで説・・・いや解説してやろう』
ナデシコ医療室
そこにはアキトの寝ているベッドに銃を構えたムネタケがいた
「・・・・イネス博士、テンカワの様子は?」
「・・・特に異変無し。不思議なことに何一つ脳波に乱れがないわ」
「・・・もしテンカワが消されるような事があったら・・・」
「・・・貴方が一人で罪を背負うつもり?」
「・・・仮にも私は軍人よ。
・・・民間人の親友が人殺しをするのを止めれるのなら喜んで罪を背負うわよ」
「軍人・・・・ね、あんまり関係ないように見えるけど」
「実際そうでしょうね、他のやつに殺させるくらいなら・・・・ってのが本当の気持ちだと私も思うわ
」
精神世界
『・・・・これで一通り話したことになる』
「・・・・実感はわかないけど・・・本当に会ったことなんだよな?」
『ああ、今のが君が本来たどるべきだった道さ』
アキトがこの世界で本来たどるべき道・・・・・・
アイちゃんを救う事ができず地球に跳び、コックとしてナデシコにのりこみ、臨時パイロットとして雇われる。
そして宇宙に上がる前に親友、ダイゴウジ・ガイとの別れ、爆発するサツキミドリ
助けられなかった火星の人たち、月での遭難、地球に降りての戦い
そして・・・イツキとの出会い、敵をジャンプで月まで飛ばし、先に巻き込まれていたイツキとの再開
破壊される月のコロニー、木星蜥蜴の真実・・・偽りの和平、火星での最後の戦い
そして・・・一時の平和・・・・・・・イツキとの結婚・・・・・・
引き裂かれる幸せ、容赦ない人体実験、復讐の為だけに罪無き人たちも巻き込む自分・・・
義理の娘との再会、宿敵との決着、その後・・・一人行方をくらます・・
思いがけない再会、戦艦同士のカーチェイス、そして・・・一人だけでランダムジャンプ・・・・
「・・・・これを俺に教えてどうしようって言うんだ?」
『・・・本来、この歴史はそう簡単に変わりはしない。歴史の修正力はそう簡単に曲げられる物じゃない』
「それじゃあ・・・なんで俺の歩んでいる道はこの歴史とは違うんだ?」
『・・・あまりにも大きなイレギュラーが、君が十歳の時に来たんだよ』
「イレギュラー?」
『そう・・・・未来の君・・いや、平行世界の君・・といったほうがいいね』
「・・・どうしてその平行世界の俺がやってきたんだ?」
『・・・今の歴史にもあったようにボソンジャンプはイメージが明確でない限り時間と場所との区別がほとんど無い
つまり・・・最後のランダムジャンプでこの世界にジャンプしてきたんだよ」
「・・・それで・・・歴史の修正力は働かなかったのか?」
『いや、働いたよ。君も知ってるだろう』
「・・・・・あの事故か」
『そう、本来ならあれで君は死ぬ予定だった。
でも大きな誤算があった、一度現れたイレギュラーが再び姿を消したのさ』
「・・・どういうことだ?」
『詳しくはわからない・・・・・・ただもう一度ジャンプしたのは確実みたいだ
そして・・・修正力は再び働いた、君の命を救ったんだ・・・五感は失った形になったけどね
それから三年後・・・再びイレギュラーが来た・・・今度は精神だけだったけどね・・・・
その頃・・僕は君の身体を回復させる為に修正力によって君の体内にいた
そして・・・ジャンプしてきた精神は修正力により君の精神と入れ替えられるはずだった・・・・
けど、僕はそのジャンプしてきた精神を封じ込めることに成功した
そして・・・修正力は大きく狂い始めた・・・僕は必要以上に君の身体を作り変えることになった
あまりにも変わった歴史を修正する為にね・・・君が軍人になったのもそのためさ・・・
けど・・最悪の事態が起きた、もう一度イレギュラーが来たんだよ
しかも今度は五人、一人は最初にあらわれたイレギュラー・・・』
「残り四人は?」
『・・・・・全く違う平行世界からの遭難者さ・・・・・・
その内三人は身体ごとジャンプしてきたからね・・・
マシンチャイルドと言う特徴を生かして身体ごとこの世界の彼らに上書きした・・・
そしてもう一人は精神だけだったからそのまま上書きされた
けど・・それ以外では歴史の修正力はほとんど作用しなかった・・・上書きするので限界だったのさ・・・』
「・・・もう一人の俺は・・・どこにいるんだ?」
『わからない・・・・多分まだ生きているはずさ・・・・記憶を完全に失っている状態でね
そこで・・・君に頼みたい事がある』
「なんだ?」
『・・・もう一人の君を見つけて欲しい』
「・・・・何のために?」
『僕が持っている記憶を・・・戻す為に』
「・・・それをやったらどちらかが死ぬ・・・って事はないよな?」
『ああ、もう君達はそれぞれ別の存在として認められちゃってるみたいだから大丈夫さ』
ナデシコブリッジ
「・・・なんであんな所に地球で飲み込まれたはずのクロッカスが?」
「どうやら私の推測はあたりのようね。
チューリップは木星蜥蜴の母船なんかじゃない、一種のワームホール・・・って所かしら」
「ルリちゃん・・・生命反応は?」
「・・・・レーダーには反応ありません」
「さて、とりあえず研究所の方に向かいましょう。あそこには相転移エンジンのスペアがあるかもしれません」
「念のためにエステバリスで偵察に向かった方がいいだろう」
精神世界
「そういえば・・・なんでお前はデュミナスなんて呼ばれてるんだ?」
『・・・修正力に抗ったからだよ・・・』
「?・・・・・どういうことだ」
『僕とマルスは、本来は遺跡の守護者として作られたナノマシンなのさ・・・・・
僕とマルスは宿主を見つけるとその身体を少しずつ作り変えていき、最後に精神をのっとる・・・・
そうして手に入れた身体を最後まで使って、身体に限界が来たら宿主を待つ為またナノマシンとして遺跡で休む・・
それが僕達の本来の行動・・・そして使命さ』
「つまり・・・本来なら修正力の手伝いをしなければいけなかった・・ってわけか」
『そう・・・けど、僕は抗った・・・君の未来を見たときに・・・はじめて遺跡に抗った・・・・』
「・・・どうして抗ったりしたんだ?」
『そのときには僕もわからなかった・・・でも・・今ならわかる・・・・・・
僕は・・・・君のあんな未来を見たくなかったんだ・・・・
君が・・・あまりにも一方的な力で全てを奪われていくのを・・・・・
昔の僕なら何も意識しなかっただろうけどね・・・・・でも・・・君の中に三年間いたうちに・・・僕は変わったんだろうね・・・』
・・・・・二人の間に沈黙の時が流れる・・・・・
「・・・・・後悔はしてないのか?」
『ああ。・・・裏切り者・・欠陥品・・『デュミナス』なんて名前をつけられたけど・・・後悔はしてないよ』
「・・・・俺は・・・これからどうすればいい・・・・」
『それを決めるのは君自身さ・・・僕はこれから眠りに入る・・・もう君の身体を動かすようなことはしないさ』
「一つ訊ねたいんだが・・・・あのあふれんばかりの破壊の衝動は・・・なんだったんだ」
『・・・あれは君自身の闇さ・・・・あれを超えない限りあいつには・・マルスには勝てはしない・・・』
ナデシコ医務室
「う・・・・うん」
「お姉ちゃん!!」
「サツキ・・・・?・・・アキトは・・・どこ?」
「アキトさんは・・・そこだよ」
サツキはアキトの寝ている方向を指差す
「そう・・・」
「お姉ちゃん!!まだ寝てなきゃだめだよ!!」
起き上がろうとするイツキをサツキはベッドに押し返す
「私は・・大丈夫・・・アキトが・・・そろそろ起きるだろうから・・・側にいたいのよ・・・」
「お姉ちゃん・・・・・」
イツキはもう一度起き上がろうとした・・・サツキはそれを止めることはできなかった・・・・・
ただ・・・イツキの支えになる事が・・・唯一サツキにできることだった
「ありがと、サツキ」
「お姉ちゃんまだ起きたばっかりなんだから・・・あんまり無茶しすぎないでよ」
再び精神世界
『さて・・・最後の仕事だ・・・・』
「・・・何をするつもりだ?」
『僕が司っているナノマシンを君に渡すんだよ』
「・・・どうやって?」
『口で言うのは難しいんだけどね・・・・・・簡単に言うと一つになるってことかな・・・」
『ズザァザァ』
アキトは無言で後ろに引いた
『・・・そういう意味じゃないよ・・・心を一つにってわけさ』
「・・・お前は・・・・どうなるんだ?」
『消えはしないよ・・・・まあ意思は消えることになるけどね・・・正確に言うと冬眠かな?』
「・・・お前は・・・それでいいのか?」
『別に構いはしないさ、言っとくけど僕は君に力を貸すことはしない・・・・
ここから先は君が歩んでいくべきなんだ・・・・・・・・
大丈夫、君ならいつか自分の闇も克服できるさ』
「・・・・わかった・・・・最後に・・・残しておく言葉は無いか?」
『そうだね・・・君に一言送るよ・・・・『因果応報』・・・それだけは忘れないで』
「・・・わかった・・・・肝に銘じておく」
『それじゃあ・・・心を落ち着けて・・・』
「・・・・・・・・・・・・・・・」
『君の歩む道に・・・・・幸多からん事を・・・・・』
ナデシコ医務室
「・・!?脳波に反応!!」
「く・・・どっちがお目覚めかしら」
クロッカスの調査に向かったイネスの代わりのサツキの声を聞きムネタケが拳銃の安全装置をはずす
「大丈夫ですよ・・・・・アキトですから」
「お姉ちゃん・・・」
「う・・・・・・ん」
「アキト・・・おはよう」
「・・・イツキ・・・おはよう・・・・身体は大丈夫か?」
「うんなんとか・・・・・アキトのほうは?」
「俺は頑丈だからな。それよりブリッジに向かおう」
「わかった」
アキトは何も無かったのかのように立ち上がり、イツキに肩を貸してブリッジに向かう
ムネタケとサツキはしばらくその場に立ち尽くしていた・・・・
ナデシコブリッジ
「クロッカス、浮上します、・・・クロッカスから通信」
「この距離、その状態のナデシコならこのクロッカスでも撃墜する事が可能だ」
「提督!!どうなさったのですか!!」
「前方のチューリップに入るように指示しています」
「何のためだ」
「あのクロッカスの船体を見たでしょう、ナデシコだってチューリップに吸い込まれれば・・・・」
「・・・・・ユリカ、提督の指示に従おう」
「副長!!それはいけませんよ、貴方は契約違反を犯そうとしてらっしゃるのですよ」
「じゃあこのままじっとしていろって言うんですか!!こんな状況下で敵に見つかったら」
『ドゴーン、ドッゴーーン』
「敵の攻撃!?ルリちゃん!!」
「敵戦艦部隊、後方より接近中」
「・・・・・ミナトさん、チューリップの侵入角を大急ぎで!!」
「艦長!!貴方まで何を仰ってるんですか、ここはクロッカスと戦った方が・・・」
「貴方が認めた提督を信じられないのですか!!」
その声は、ブリッジに入ってきた青年・・・・アキトが発した声だった
「アキト!!もう大丈夫なの?」
「艦長、迷惑をかけました」
「アキト君まで・・・チューリップに入ったら私達は・・」
「確実に死ぬ・・・とは言い切れませんよ」
プロスの言葉をアキトが遮る
「ナデシコはクロッカスとは違いディストーションフィールドを搭載しています
このフィールドがあれば・・・おそらくは・・・・・」
アキトには確固たる自信があった・・・かつての自分も同じような状況で無事に脱出していたのだから・・・
「・・・・ミナトさん。チューリップに急いでください」
「わかったわ」
ユリカの指示のもと、ナデシコはチューリップへと侵入する
「クロッカス反転、敵に攻撃を仕掛けています」
「・・・・・提督・・・・」
≪ナデシコの諸君≫
クロッカスのフクベ提督から通信が入る・・・・時折揺れる画面が戦闘中だと言うことを証明しながら・・・
「提督・・・・どうしても死ぬおつもりですか」
アキトに続いてブリッジにきたムネタケがフクベに向かって話し掛ける
≪すまんな・・・これが私の独りよがりである事はわかっている・・・だがもう疲れたのだよ・・・≫
「偽りの英雄でいる事が・・・・ですか?」
≪ああ・・・他にも色々とあるがな・・・だが、最後に若い者たちを救えるのは本望だよ≫
「提督・・・・必ず・・・再会しましょう」
≪ふ・・・・無理だとは思うがね・・・・私のような我侭なだけの大人では・・・奇跡など起きんよ≫
「ユートピアコロニーのことをまだ気に病んでるんですね・・・・・・
もう提督は偽りの英雄としてその罪を償ってきました・・・・・
ですから・・・もうそのことで気に病む必要は・・・無いはずですよ」
≪ふふふ・・・そう言ってくれると助かる・・・最後にこれだけ・言っておく。
ナデシコは・・君達の艦だ・・怒りも憎しみも・・・・・・愛も、全て君たちだけ・物だ。言葉・・何の意味もない。それは・・・・・・≫
通信が途切れ・・・もうモニターには何も映ってはいない・・・・・・
そして・・・レーダの反応も消える・・・・
それは・・・クロッカス撃沈と言う・・非常な現実だけを指し示す・・・・・
アキト、イツキ、ジュン、ムネタケの四人は・・・何も映ってはいないメインモニターに敬礼をしていた・・・
そして・・・ナデシコは進む・・・チューリップと呼ばれし・・・悪魔の門を・・・・・・
あとがき
今回の反省点・・・・・名前が思いつかないーーーーーーーーーーーーーー!!
今回出した『ホップ』にしろ『ボケ』にしろ単なる花の名前だし・・・・『コブシ』もそうだし・・・
・・・・話考える以上に・・・名前を考えるのって難しい物なんですね・・・・・・・・
次回・・・・サイドストーリーやるかそのまま八話にいくかは決めてません(激爆)
これを出す頃には・・・書きあがってると思いますが・・・・・・(どちらか)
では・・・次回お会いしましょう
(追伸)ちなみに今回クロッカスに向かったのはダイゴウジ・ガイでした
調査班はリョーコたち三人組です、サツキはナデシコ護衛の為に残っていました
代理人の個人的な感想
「デュミナス」よりはまだ「ボケ」の方がマシではないかと(核爆)。