ナデシコブリッジ

「スズカさん、補給はどれ位済んでいたんですか?」

「一応一通りは終わってたみたいよ、後は他のところで順に補給していけば充分よ」

「プロスさん、ちょっとお話が・・・」

「はい、なんですかな」

プロスがアキトによばれ近くまでいく

「実は・・・ルークさんですが・・・多分次々と新武装を開発しようとするでしょうからそれを黙認してもらえませんか?」

「それは・・・・流石に我が社の備品を使われるのですから・・・」

「俺の給料を五分の一にしてもらっていいですから」

「わかりました、その件はちゃんと引き受けましょう」

流石はプロス、損得計算を一瞬で済ませアキトの申し出を受けた

損は勝手に武器などを開発されること

得はその武器が実戦で使用可能ならそのまま使えること、

もう一つはアキトの給料を大幅にカットできることである

まあそれでもアキトの給料はパイロットに近いものではあるのだが・・・・

「ホウメイさん、ちょっとブリッジに宅配頼めますか?」

「ああ、まかせな!!で、何を注文するんだい」

「とりあえずこれだけを・・・・」

「ふんふん・・・・・わかった、少し待ってな。ちょっと時間はかかるけど最高の物をもっていかせるよ」

アキトは次に食事を頼んでいた。次々と別の行動をするアキト、それはある意味行動力の表れだろうか?

『プシュ』

「アリサ、ただいま帰還しました」

「えっと・・・ルミ、ただいま帰還しました」







刻まれゆく神話
第二話
廻り続ける一つの歯車





アリサが見事な敬礼と共にブリッジに入り、ルミがそれを見よう見まねで真似をする

「二人共、ご苦労様」

アキトがバイザー越しの笑顔で二人を出迎える

「さて・・・テンカワ・ルミだったな。君のとった行動ははっきり言って問題だらけだ」

「と・・・・言いたいところなんですが・・・・何故か貴方の契約書がパイロット用のものになってまして・・・

今回貴方のとった行動はパイロットとしての責務といたしますので特に追及はいたしません、はい」

「アキト・・・・ラピス・・・・またやったんじゃないでしょうね?」

「(ふるふる)なにもやってない」

「そうそう、アリサはちょっと神経質だからな、もうちょっと気楽にいこうよ」


プロスとゴートがルミに対して話をしている間にアキトたちは小声で話をしていたりする

「さて・・・ルミ、これからどうする。コックとして再契約するか、パイロットに専念するか

それともコック兼パイロットになるか・・・・。

まあパイロットをやるんだったら俺とアリサが訓練をつけてやるよ」

「本当・・・・・だったら・・・・コック兼パイロットで・・・雇ってもらえますか?」

「そうですな・・・戦力は多いほうがいいですからな」

その後プロスはすでに書かれていたパイロット用の契約書を少しいじってコック業もできるようにした

『プシューー』

「ううーーーー、アキト酷いよーーー」

「ユリカ・・・・・」

ちょうどプロスが契約をしなおしたところでユリカとジュンがやってきた

「ジュン、今まで何をやってたの。職場放棄はいただけないわよ」

「ね・・・姉さん・・・・・ごめん」

ジュンはスズカに睨まれて一気に小さくなった(シュンとした)

ちなみにジュンはスズカの双子の弟で(二卵性双生児)今まで姉に勝ったことは一度もないのである

ジュンはユリカの補佐、スズカはアキトの補佐として乗り込んでいる

「さてさて・・・・人数はそろいましたな。そろそろナデシコの本当の目的を伝えますか」

「ほえ?どういうことですか?」

「それはですね・・・・すいませんルリさん、艦内放送で流してもらえますか?」

「わかりました」

「これまでナデシコが目的地を秘密にしてきたのは妨害者の目を欺く為です、

ネルガルは木星蜥蜴と一戦交える為だけにナデシコを作ったわけではありません」

プロスの言葉に事情を知っているもの以外は驚いていた

「これより、ナデシコはスキャパレリプロジェクトの一環を担い軍とは別行動を開始します」

「俺達の目的地は火星だ!!」

プロスの言葉にアキトが続く

「そんな!!地球が今受けている侵略を見過ごすと言うのですか!!」

副艦長補佐である影の薄い青年アオイ・ジュンが反論する

「木星蜥蜴が侵攻を開始した頃、多くの人たちが火星や月に移民していました。

しかし連合宇宙軍の多くはそれらの人を見捨て、地球に逃げ帰り、地球周辺にのみ防衛ラインを引きました

火星や月に残された人、とくに火星の人たちはどうなったのでしょう?」

「きっと、全滅しているさ・・・」

やや弱気な口調でジュンが反論する

「しかし、確かめるだけの価値は「無いわねそんなもの」」

その声と共に四人ほどの銃を持った軍人とキノコがブリッジに入ってくる

「キノコ!!血迷ったか!!」

「提督・・・・キノコってあたしのことではありませんよね?」

「さてと・・・火星に向かうとしたらビッグバリアを超えなきゃいけないんだよね」

「地球に被害を出させない為にもなるべく穏便に済ませたいわね」

「やっぱり交渉になるのかしら・・・・・」

乱入してきたムネタケ達を無視するかのようにアキト、スズカ、アリサは話をしていた

「ちょっとあんた達!!なに人をむ『プシュー』「ナデシコ食堂です」」

ムネタケの言葉を遮りミリア、メティス、サラの三人が料理をそれぞれの容器に入れて持ってきた

「はい、おにいちゃんサンドイッチだよ」

「ありがとうメティちゃん」

「はい、アリサはホットドッグでラピスはオムライスでよかったわよね?」

「ええ、ありがとう姉さん」

「うん・・・・」

「えっと・・・・ライスボールとチキンライス、チャーハンは誰のですか?」

ミリアが困ったような口調でブリッジを見渡しながら言う

「ああ、オニギリは私のだ」

「チキンライスは私です」

「ああ、チャーハンはルミに渡してくれ」

「あらら・・・・私たちも頼めばよかったわね」

「そうですね・・・」

上からフクベ、ルリ、アキト、ミナト、メグミの順である(ルリはラピスとアキトに促されて注文した)

「ちょっとあんた達、なに人を無視してんのよ!!それになんで食堂から配達がきてるのよ!!」

キノコが頭を赤くしながら言う

「モグモグ・・・・・・どうぞ」

ルリが少し前の食堂の様子を映し出した



ナデシコ食堂

「さってと・・・・ざっとこんなものだね。誰か持ってってくれないかい」

「メティがいく!!」

「ホウメイさん、メティだけじゃ流石に不安なので私も行きます」

「それじゃあ私も手伝います」

そうして三人がブリッジに向かおうとした時

『プシューー』

「動くな!!」

軍人が約三人食堂へと入ってきた

「おやおや・・・物騒だね・・・」

「迂闊に動くなよ、この女達がどうなっても知らんぞ」

軍人達はちょうど近くにいたミリア、サラ、メティスを人質にする形で投降を促す・・・・が

『バリバリバリ!!』

「うぎゃあああああああ!!」

軍人二人が急に叫び声をあげて倒れた

「な・・・・なに『ゴン』ぐはぁ・・・・」

もう一人の軍人もサラがその手にもっている赤い円筒状の物体で殴り倒した

「ふう・・・・・何とか助かったわね」

「お姉ちゃん・・・・怖かったよう・・・・」

「はいはい・・・・しかしこのスタンガン効きすぎですね・・・お父さんにもう少し出力を弱めてもらいましょうか」

その後三人は何事もなかったかのようにブリッジへの配達に移った

次にルリは物のついでとばかりに格納庫の状況も映した



「おい・・・何だよこのフレーム、これをお前はあの『黒衣のロキ』に使わせてたのか?

確かに空は跳んでるが速度は重機動とほとんど同じじゃねえか!!」

セイヤが対艦戦用フレーム(正式には追加装備)の詳細データを見て開発者であるルークに詰め寄る

「お前は何もわかってないのか?戦うのは一人じゃないんだ。

アキトの部隊はエースで固められている、その中でアキトのおもな役割は敵部隊長の破壊だ

バッタならまだしも戦艦級が来たら並の装備じゃ歯がたたねえ。

そこで他の味方に背中を預けてアキトは一気に戦艦の破壊に向かう、これがこの装備のコンセプトなんだよ

実際の戦場をしらない奴が口を出すな!!」

「なんだと!!それじゃあこっちの装備はなんていうつもりだ!!

こっちは明らかに武装が貧弱すぎるだろうが!!」

セイヤがもう一つの特別製フレーム、マジシャンフレームについて抗議をしだす

「ああ・・・・・こいつはお偉いさんが作らせたフレームでな・・・・俺もこいつはあんまり気に入ってねえんだ

大体このフレームは空戦、0G両方のフレームに追加でつける形なんだが・・・・

お前の言うとおり武装が貧弱すぎなんだよな・・・・カトンボならまだしもヤンマを落とすのは一苦労だからな・・・

まあこいつはジャミングシステムとダミーバルーン射出能力、後は最新鋭のステルスシステムがメインだからな・・・

アキトの奴にはこんな時間稼ぎ用じゃなくもっと破壊力がある奴に乗せてやりたいんだが・・・」

「ほう・・・・それじゃあこんなのはどうだ?」

セイヤがルークの正直な意見に何か感じるものがあったのか自分が考えていた設計図を見せる

「ふんふん・・・・ちょっとこのあたりはきついと思うぞ、ここはこうしたら・・・」

「なるほど・・・・でもソフト面で欠陥が出るかもしれねえぞ?」

「ああ・・・ソフトはラピスに任せりゃ何とかなるだろ」

「そうか・・・・それじゃあこのあたりは・・・」

二人が設計図の改良に集中しだしたとき・・・・・

『ドタドタドタドタドタ』

「動くな!!」

軍人が五人ほど格納庫へと入っていった

「なるほど・・・こういう方法もあったのか」

「へへへ・・・俺だって伊達に改造してねぇぜ」

他の整備員が両手を挙げている中セイヤとルークは設計図にかかりっきりだった

「おい、貴様ら両手を挙げろ」

「少し黙ってろ!!ふんふん・・・なるほど・・・アキトの奴はそんな癖があったのか」

「ああ、おかげでたまに整備にいってるがいつもこのあたりのパーツは酷く消耗してやがる」

「貴様ら!!両手を挙げろといってるだろうが!!」

「黙ってろっていってるだろうが!!」

『ドガン!!』

セイヤとルークは叫んできた軍人に向かって全く同時のタイミングでスパナをぶん投げた

そのスパナは見事な直線起動で軍人の頭に直撃した

「いくぞ!!ルークさんと班長に続けーーーー!!」

「おおーーーーー!!」×整備員

『ビュンビュンビュンビュンビュンビュン』

「う・・うわああああああ!!」×残った軍人

『ガン、ガン、ガンガン、ガン、ガン、ガン!!』

残っていた整備員達も二人の姿に触発されたのかスパナやハンマー等をぶん投げた

軍人達はそれをかわしきれず・・・・見事に死体(死んでません)の山を築いていった・・・・





ナデシコブリッジ

「な・・・な・・・な・・・・」

ムネタケは顔面蒼白で呟いていた・・・・

残る軍人達は両手を上げて投降の姿勢をとっている・・・・

流石にあんなものを見た後では戦う気もなくなったのだろう

「ああ、投降する人は格納庫にでも向かってて、無論銃を捨ててね」

アキトの言葉に大人しく従う軍人達、キノコは反論しようとしたが部下の裏切りにより気絶していた

軍人が立ち去った後、ゴートは一つの箱に気付いた

「何だこれは・・・・・音はしない・・・・・開けてみるか」

「あ!!ゴートさんそれは!!」

アキトの制止の声もむなしくゴートは箱を開けてしまった・・・

『ボン・・・「ムゥ」』

「ぬ・・・う・・・・・・」

『ドターーーン』

いきなり箱から飛び出してきた何かにゴートは驚き気絶してしまった

箱から飛び出してきたのは・・・・・

「・・・・これは・・・・ゴート君ですかな?」

プロスが箱から飛び出している上半身のみの物体を見て言う

「はい・・・・・名付けて『飛び出すゴートびっくり箱』です・・・キノコ副提督に渡そうと思ったんですが・・」

「自分の顔を見て気絶しちゃったわけ?」

「なんて言うか・・・・・間抜けですね・・・」

気絶したゴートを見てそれぞれが思い思いの言葉を言う

アキトは気絶したゴートをとりあえず眼に入りづらい所へと持っていった

「ふぅ・・・さて・・・そろそろいこうか?」

「待ってください、海中より連合軍の戦艦が浮上してきます・・・通信はいってますが・・」

「開いていいよ」

アキトの言葉と共に連合軍の戦艦からの通信が開かれる・・・・その第一声は

「ユゥゥゥゥゥリィィィィカァァァァァァァァ!!!」

「ああ!!お父様ぁぁぁぁ!!!」

ミスマル親子のダブルボイスから始まった、それにより多くのクルーは怯んでいたが

アキト、アリサ、メティス、サラ、ミリアといった面々は平然としていた

「か・・・艦長は平気なのですかな?」

耳を抑えながらプロスがアキトに問う

「ええ・・・この程度は・・・・」

「も・・・もう一隻戦艦が近づいています・・・識別信号確認

西欧方面軍旗艦、『アリウム』です・・・通信開きます」

「アリサーーーー!!
サラーーーーーーー!!
アキトーーーーーーー!!!!!」


ウィンドウに老人の姿が映ったかと思うとその老体に似合わぬ物凄い音量の叫びがナデシコを揺らした

それにより大半のクルーが気絶、意識を保っているのはかろうじて保っているルリとプロス

コウイチロウで免疫があったスズカ、ユリカ、ジュン

いい加減に聞きなれてしまっている西欧組の面々+アキトに耳栓をされていたルミだけであった

「ふぅ・・・・義父上、相変わらずですね。今日は何か急用でも?」

「いや・・・・特に急ぎではないのだが補給が完全に終わってないという話を聞いてな

近くを巡回していたのでこのアリウムに補給物資を積んできた、今からそちらに運ばせよう」

「ありがとうございます」

アキトとグラシスはすぐに軍人の顔に戻った

「ところで・・・・・アキト、妹が見つかったそうだが・・・」

「ははは・・・そこまで知ってましたか・・・はい、この子が俺の妹、ルミです」

アキトはそう言うと隣にいるルミの頭を撫でる、ルミはすぐに顔を赤くし俯いてしまった

「ふむ・・・そうか・・・では補給部隊をそちらに送ろう」

グラシスは嬉しそうに微笑むと再び軍人の顔に戻る

「わかりました、フィールドを解除します・・・ってあれ?」

アキトはそこで異変に気付いた、何故かナデシコのエンジンが停止していたのだ

「うーーん・・・・俺いつの間にかマスターキーを抜いてたのか?

・・・・まあいいか、よっと」

アキトはラピスとルークに頼んで造ってもらった予備のマスターキーでエンジンを再びつけた

「な・・・・なぜマスターキーが・・・」

「ははは・・・プロスさんには言ってませんでしたね、

念のためにもう一つマスターキーを作っておいたんですよ。

キーが壊れたら発進できない、じゃあ話になりませんから」

アキトがプロスにコピーマスターキーの詳しい話をしている間・・・

「ところで・・・サラ、アリサ。アキトとは上手くやっとるか?」

「ええ・・・・まあ今までと変わらないって所です御爺様」

「ふむ・・・そうか・・・・まあまだそれでいいとするか」

グラシスは孫娘二人と世間話をしていた・・・・





約三十分後

何とか他のクルーも復活しナデシコは今までどおりに動き始めた

「はい・・・わかりました。艦長、補給物資の運搬終わったそうです。

後ついでにキノコ達を持っていってくれたそうです」

作業の状況を確かめていたスズカがアキトに報告をする

「了解、それじゃあナデシコ「待ってください、海中にあったチューリップが機動開始」」

ルリは今にも飲み込まれようとしているクロッカス、パンジーとチューリップを映し出した

アキトはルリからの報告を聞き少し考えるとすぐに命令を出した

「ラピス、レールガンシステムを起動させてくれ、ルリちゃんは戦況の報告を

ミナトさん、チューリップにとらわれないように浮上を

メグミちゃんはアリウムのほうに避難するように伝えておいて

ルークさん、例の奴を用意してください。

パイロットは全機空戦フレームで出撃!!」

全員がアキトの指示に従い作業を開始した・・・瞬間

「おい、ブリッジ!!あの馬鹿を止めろ!!あいつ陸戦で出て行きやがった!!」

「馬鹿?」×ブリッジクルー

「あ・・・・ヤマ「ダイゴウジ・ガイ」か・・・・ふぅ・・・お前陸戦で出るなよな」

「そんなことより援護を頼むーーーーーーーーーー!!」

勝手に出撃したヤマダ「ダイゴウジ・ガイ!!」はピョンピョン跳ねながらチューリップの触手をかわしていた

「ふぅ・・・・三分以内には出撃する、それまで持ちこたえろ

ラピス、狙いはここだ、脇腹に二発打ち込んでやれ」

ちなみにナデシコのレールガンユニットはブレードの外側についている

弾丸の予備庫はナデシコの後部であり、現在約五発分温存している(最高十発)

「わかった」

ラピスはアキトの言葉に頷く、アキトはそれを見届けるとすぐに格納庫へと向かいだした





ナデシコ格納庫

全員がそれぞれ自分の搭乗機に乗っていく、アキトは漆黒の両肩にバズーカを背負ったエステに乗り込んだ

「アリサ、空戦フレーム出ます!!」

「ルミ、いっきまーーす!!」

「アキト、対艦戦フレーム行きます!!」

各自がそれぞれ出撃の旨を伝えてカタパルトから発進していく

「アキト、どうやら敵は触手型の様ね」

「そうだな・・・無人機もいなさそうだ・・・」

「アキト、援護射撃いくわよ!!」

『バシューー・・・・・ドゴン!!』

サラの声がしてまもなくナデシコからレールガンが放たれチューリップの脇腹に当たる

「・・・・触手に防がれたか・・・・アリサ、触手を頼む。

ルミはガイの奴を回収しておいてくれ」

アキトはそう言うとまっすぐにチューリップへと向かっていった

その後ろにアリサが続き、ルミは途中でガイのいる方向に向かった

「さって・・・・チューリップ相手は久々だけど・・・いけるか!!」

『ドン、ドン、ドン、ドン!!』

アキトはピンポイントでレールガンが当たったところに向けバズーカに搭載している

月面フレーム用の対艦戦大型ミサイルをチューリップに向けて放つ

『ドッガーン!!!!!』

チューリップにミサイルが当たり大爆発が起こった・・・・・・が

「くっ、流石は・・・触手で威力を軽減したか・・・・・アリサ!!バズーカを頼む!!」

アキトはそう言うとちょうどほぼ全ての触手を破壊し終えたアリサに向かって肩のバズーカを投げる

「きゃあ!!・・・・・・もうちょっと優しく投げてよね」

「悪い・・・・・『バシュ』・・・・・『パシッ』次はこいつでいく」

アキトは背中の部分に搭載されていた円筒状の筒からイミディエットランスを射出しそれの手に取った

「ブースター起動・・・・・行くぞ!!」

そのアキトの言葉と共にアキトの乗るエステバリスはチューリップの周りに円を描くような軌道で加速しだした







ナデシコ格納庫

「な・・・・何だあの速度は・・・空戦よりはええぞ!!」

「あれがあのフレームの最終形態、超高速度によるDFとイミディエットナイフのシステムを応用した 大型の槍・・イミディエットランス

流石のチューリップもレールガンの一撃とこいつには耐えれないぞ」

ルークがそうセイヤに向かって言い終わった時、外ではアキトがチューリップの被弾していたところにランスを突き刺していた



「・・・・・やったか!!」

アキトは突き刺したランスを抜くと再び加速しチューリップから離れる

『ドン、ドン、ドン・・・・・・ドッゴーーーーン!!』

チューリップがランスの突き刺さった所から、三度火を噴き、大爆発を起こした

「ふぅ・・・・チューリップの破壊を確認、ただいまより帰還する。

全エステ帰還後は即座にこの宙域から離れる、エンジンを温めておいてくれよ」

「了解しました」

その後、アキトが到着すると共にナデシコは最大加速でこの宙域から去っていった



「ふう・・・」

「よお、流石だなアキト」

「ルークさん、プロスさんに一応許可は取っておきましたよ・・・けどやりすぎないでくださいね」

「ははははは・・・・・わかってるよ、あと・・・わかってると思うがしばらく対艦戦装備は使えんぞ

案の定ブースター周りがやられてる」

「ははは・・・仕方ありませんね・・・もう片方は使えるでしょう?」

「あいつか・・・・あんまり好きじゃないだけどな・・・・まあ仕方ないか」

「まあナイフ十個と剣一本じゃあ攻撃力がなさすぎますからね・・・・

まあ、バッタ達相手なら何とかなるでしょう、ナデシコもありますしアリサもいてくれますしね」

「そうだな・・・まあなるべく早く直しとくよ」

アキトはルークに頭を下げるとブリッジへと向かっていった







アキトが向かっているころ・・・ナデシコブリッジ

「む・・・・・・むう・・・」

「おや、ゴート君、おきましたか」

「・・・ミスター・・・・・私は・・・」

「?・・・・どうしたのですかな?」

「私は神を見たああああああ!!」

ごつい顔をした男性・・・ゴート・ホーリーが覚醒をはたしていた・・・・・





大きくゆがんでいく一つの歴史、それにより生まれていく一つの世界

このゆがみが後に大きなことを引き起こすことになろうとはまだ誰も知らなかった・・・・・

















後書き

・・・・あんまり壊しきれませんでした・・・・

先に話に出た二つのフレームの補足説明をします

対艦戦追加装備フレーム(対艦戦フレーム)

名前の通りエステに追加装備をすることで対艦戦能力を持たせた

装備は対艦戦大型ミサイル搭載のバズーカが二つとイミディエットランスのみ

バズーカをはずしランスを装備した後は空戦を凌駕する加速度で敵に突撃を仕掛ける

主にチームで使われ、ミサイルでほぼ大半の敵を殲滅しランスで敵部隊長を破壊するのが基本戦法

速度はバズーカつきでは重機動とほぼ同じ、その為護衛がなければバッタ相手でも苦戦する可能性もある

なお、ランス突撃は某魔神兵器のブースターを思い浮かべていただくとありがたい



後方支援型フレーム『マジシャンフレーム』

アキトが『黒衣のロキ』の二つ名と少佐の階級を与えられた時に同時に与えられた機体

ダミーバルーンとジャミングシステムにより無人機を撹乱するのがおもな仕事

ダミーバルーンには内部爆弾が装備されておりそれを攻撃した際に広範囲に熱をもった金属が飛び交う

それとジャミングシステムを最大限に使用することで敵を一時間近く足止めする事ができる

ステルスシステムとは・・・ラピスがソフト面を担当しルークが造り上げた『ステルスマント』のことである

簡単に言うと劇場版に使用されていたステルスシートのマント版

視認することもできず、レーダーにも反応しなくなるがモード発動時は半分の速度で動くくらいのことしかできない

武装は投擲用のイミディエットナイフ十本と中型のイミディエットソードが一本

アキトは主にレールガンが整うまでと民間人避難の時間を作る為にこの機体を使っている

なお、この機体はIFS処理能力が高いアキト以外には使いこなせないタイプである

他の人間が乗っても戦うことはできるが、ジャミングシステムを起動させた状態で動くことなどができない

なお、初期の状態でつけられていたのはダミーバルーンと武装のみ

他の装備はアキトにあわせて造られていった。武装が貧弱なぶん速度面は強化されており空戦の1.2倍の速度で動ける





なお、アキトは固定砲台のレールガンで一撃加えさせた後でチューリップなどの破壊に向かっています (西欧時代)

さて・・・・次回は・・・・・・メイン級ヒロインがまた一人増えます・・・

では・・・・次回・・・・お会いしましょう・・・・・

 

 

管理人の感想

B−クレスさんからの投稿です。

いやぁ、この時点で西欧組みが乗ってると、結構違和感ありますねぇ(笑)

何よりメティちゃんがねぇ(爆)

あ、誰か足りないと思ったら、ナオさん忘れてたよ・・・

まだ出合ってませんからねぇ、ミリアと添い遂げる事は出来るんでしょうか?(苦笑)

では、次の投稿を楽しみに待っていますね。