地球連合統合作戦本部、総司令部内大会議場
「ふむ・・・・・・ナデシコは火星に向かおうと言うのか」
「艦長がアキト少佐である以上迂闊に干渉はできないと思われます」
「グラシス中将、説得はできませんかな?」
「私はアキトがナデシコに乗るのを認めた身だ、今更説得はできない」
連合軍の高官達は防衛ラインを突破してでも火星に向かうであろうナデシコの処置に頭を悩ませていた
そんな時・・・・
「総司令、緊急通信が?」
「何?何所からだ」
「それが・・・・・・ネルガルのナデシコからです」
≪突然の通信失礼します、西欧方面軍所属アキト=ファー=ハーテッド少佐であります≫
女性通信士の言葉と共に黒尽くめの男、アキトからの通信ウィンドウが開かれた
「久しぶり・・・・と言うべきかな?」
≪ええ、お久しぶりですガトル大将、早速で悪いのですが此方の用件を伝えさせていただきます
このナデシコは火星方面の避難民救助の為に地球大気圏を離脱します
その際に最大の障害となりうるビックバリアを通過する間だけでも停止していただきたいのです
このナデシコのフィールドでなら破壊も可能ですが地球に被害を及ぼしたくはありませんから≫
「ふむ・・・・・・・わかった・・・・といいたい所だが此方から要求するルートでいってもらいたい
それがビックバリア解放の交換条件だ」
その言葉と共にナデシコ側に航行ルートが描かれているマップが開かれる
≪・・・・・なるほど、それとついでで悪いのですが・・・・そちらにミスマル・ユリカ並びにアオイ・ジュンが残っていると思います
その両名をこのナデシコに戻していただきたいのです。
特に、副艦長ミスマル・ユリカはナデシコのマスターキーを持ったままですから・・・・・・・・・・
今ナデシコはダミーキーで動いているのですが主砲の発射に不都合がある状態なのです
この航行ルートを確実に通りますので・・・・・・お願いします≫
「ふむ・・・・・・・了解した」
≪ありがとうございました、では此方は早速準備に取り掛かりますので・・・・失礼いたします≫
その言葉と共にアキトからの通信が途絶えた
「グラシス中将、分かっていますね?」
「ええ、獅子は千尋の谷に我が子を突き落とす、私も獅子になりましょう」
ガトル大将の言葉を受けたグラシスは鋭い顔つきをしていた、まさに・・・・歴戦の将といった顔つきを・・・・・
刻まれゆく神話
第三話
漆黒の『空』への旅
ナデシコブリッジ
「いやはや、交渉お疲れ様でした」
「そうのんびりもできませんよ、連合軍が要求してきた航行ルートはある意味一番過酷なんですから」
「むう・・・・・・・我が神のお告げでもそうなっている・・・・・・だが・・・・詳しくは分からん」
「ゴート君は置いておいて・・・・・どういうことなのですかな?」
「このルートにおいて、ナデシコに起動する防衛ラインはたったの一つ
でもその一つが最悪です、高度は第三防衛ラインと同じ・・・・」
「まさか・・・・・・デルフィニウムの大部隊?」
スズカがアキトの言葉から予測して言う、しかし、アキトはそれに首を振って応える
「そんなのよりも、もっと最悪です、この航行ルートは西欧軍の領空を通るルート・・・・・
西欧方面軍特別先行部隊、通称第零防衛ライン・・・・・・」
アリサがアキトの変わりに起動する防衛ラインを伝える
「それの何所が恐ろしいんですか?たったの一つなんでしょ?」
メグミがわからないといった感じの声で訊ねる、それに応えたのは・・・・・
「第零防衛ライン・・・・・エステバリス搭載型の戦艦『アルメリア』が待機している防衛ライン・・・
アルメリアの搭載可能数は十五、ほとんどのチューリップはこの防衛ラインで大打撃を受けてる
アルメリアの所属はヴァルハラ・・・・艦長は総司令官オオサキ・シュン・・・・・・
事実上西欧最強の戦艦部隊・・・・・」
ルリの隣に座っていたラピスだった
その言葉を聞いてプロスたちも事の深刻さが分かった
「いやはや・・・・・地球最強の部隊と闘うことになるとは・・・・・」
「一応出撃部隊数に制限はかけておいた、相手はユリカ、ジュンを含めて六機
此方は俺にアリサ、ガイにルミの四人だ、とりあえず・・・・・・何とかなるだろう」
「勝率は五分と五分、戦艦は参加できないから機動兵器戦になるわね」
「まあどちらにしてもしばらくはゆっくりできる、今のうちにルミを鍛えないとな」
アキトはそう言うとブリッジから出て行こうとした
「おや、どちらへ?」
「暇なうちに飯を食っておきます、後はルミを鍛えておかないと」
「私も行く」
「私も食事をとっておこうかしら」
アキトに続きラピス、アリサがブリッジから出て行った
ちなみに・・・・疑問に思う方もいると思うのでどうやってユリカ達がナデシコからいなくなったのかは・・・以下の通りである
アキトがグラシスと会話している間・・・・・・・
『お父様、今日は何の用事ですか?』
『うむ、連合軍も苦しくてな、この艦を連合軍に組み込む事になったんだよ』
『へえーーーーそうなんだ、でもお父様・・・・・ナデシコは火星にいくんですけど』
『なにい!?いかん、いかんぞユリカ!!火星が今どうなってるか知らないわけではあるまい』
『ええ・・・・でも・・・・・・アキトは行きたいみたいだし・・・・だったらユリカも行きます!!』
『アキト・・・・・おお、彼か!!うーーーむ・・・・・なら一度トビウメに来ると良い。
私が持っている蜥蜴の軍の情報をそちらに渡そう』
『本当ですかお父様!!』
『うむ、しかし艦長がみだりに艦から離れるわけにも行くまい、そこでユリカが直接来てくれんか?』
『わかりました!!今すぐ向かいます!!・・・・・・けど置いていかれたらどうしよう・・・』
ユリカはグラシスと会話をしているアキトを見ながら言った(スズカは被害状況を確認中)
『だったらマスターキーを抜いておけばいいんだよ、マスターキーが無ければ船は動かないだろう?』
『それもそうですね、じゃ抜いちゃいま――す』
そう宣言しながらキーを抜くユリカ、そしてそのまま格納庫へジュンを連れて向かいトビウメへと飛んでいった
ちなみにアキト達はそれに全く気付いておらず、ルリとプロスも自分のことで精一杯だった
さらに格納庫の整備員はルーク以外は起きておらず、そのルークも他の連中を起こすので精一杯だった
ユリカ達がいないことに気付いたのは通信を入れる一時間前だったことを蛇足として伝えておく
ナデシコ食堂
「いらっしゃい・・・・ってお兄ちゃん、どうしたの?」
「飯を食いに来たんだよ、ついでにルミ、食事が終わったらシミュレーションルームに来い
これからいく所はかなりの強豪が待ってるから少しは鍛えた方が良いだろう」
「・・・・・うん、わかった。ところでご注文は?」
「私はオムライス」(ラピス)
「私はミートスパゲティをお願いします」(アリサ)
「俺は・・・・カツ丼五人前」(アキト)
「わかった、ちょっと待っててね」
「あいよ・・・・って誰が五人前も食うんだい?」(ホウメイ)
「ああ、アキトですね。アキトならこれくらい普通ですよ」(サラ)
「ええ、アキトさん、以前十人前を平らげてましたからね」(ミリア)
「お兄ちゃん凄いんだよ、この間大食い選手権で圧勝してたもん」(メティス)
しばらくして各自注文の品が届いた
ホウメイも五人前を本当に食うのか疑問だったがそれは十分後には解消された
その十分後に・・・・・アキトは米粒一つ残さず綺麗に平らげたのだ
「ふぅ・・・・・・・たまにはこういう丼物も良いよね」
「・・・・・・アキト凄い」
「ははは・・・・やっぱりお兄ちゃんの大食いは変わらないんだ・・・・・むしろ凄くなってる」
「ご馳走様・・・・・・さて、ルミちゃん、三十分後に訓練をするからそれまでにきてね」
アリサがそう言うとアキト達は立ちあがりそれぞれの食器を所定の位置に返すと食堂から出て行った
「ははは・・・・・・本当に食べるんだね・・・・一体どこに入ってるんだか」
ホウメイは顔色一つ変えず平然としていたアキトを見てやや呆れていた
それと共に食材がどこまで持つか悩んでもいた
「アキトがよく食べる日はほとんど出撃がある日なんですよ」
「それ以外は普通の人と変わりませんよ」
サラとミリアがホウメイの悩みを感じ取ったのかアキトのことを報告する
「そうかい、まっ、戦場に出る奴には特に腹いっぱい食わせてやらなきゃね
それぐらいしてやらないとこのホウメイの名が廃るよ!!」
ホウメイはアキトが食べる日は戦場にでる日が多いと聞き一層使命感に燃えていたりする・・・・・
約三十分後・・・・・・
「もっと落ち着け、IFSは操縦者のイメージに左右される
冷静にならないと機体が勝手に動き出すぞ!!」
アキトの指示のもと、ルミの特訓が始まっていた
まずは基本的な動作の訓練から始まり、その後は敵を交えての行動訓練
最後に空戦フレームでの戦闘方法の訓練と実戦だった
実戦相手は初期空戦フレームのアキト、当然の如くルミは完敗だった
「うう・・・・・お兄ちゃん手加減ぐらいしてよ」
「機体性能差があるんだ、そう簡単に手を抜けないよ、それよりそろそろだな・・・・・
格納庫に向かおう、機体の最終チェックだ」
アキトの言葉にアリサが頷きルミは二人の後を追う形で格納庫へと向かった
西欧方面軍所属『ヴァルハラ』旗艦『アルメリア』
この中では各パイロットに当たる面々がそれぞれの思いを話し合っていた(一名は暴走していたが・・・)
対アキトチーム
「さてと・・・・・今日の相手はアキトか・・・・・相手にとって不足は無いな」
「・・・少佐ともあろう人が・・・・どうして・・・」
「さあな、まあ火星に行きたいって気持ちは俺にもわかるがな」
「テツヤさんも・・・・・ですか?」
「もって事はイツキもか・・・・・・まあ俺はあくまで地球に残るし、全力で相手をする
イツキは自分で考えると良い、ナデシコに合流するか、それとも地球に残るか
どちらにしても戦闘で手は抜かないでくれよ」
「わかってますよ、私だって軍人なんですから」
対アリサチーム、
「エステは基本的に操縦者の思った通りに飛びます、燃料の恐れは基本的にありませんから
弾薬には気をつけてください」
「ふんふん・・・・・・・・・ありがとう」
「いえ・・・・・・・・ジュンさんはどうしてIFSをつけたんですか?
やっぱり・・・・・あのミスマル・ユリカのため・・・ですか?」
「うん・・・・・・・多分そうだと思う・・・・・でもよくわからない・・・・・
もしかすると・・・・・・ナデシコに戻りたいからかもしれない・・・・・
家にも何にも縛られる事がないだろう・・・・・あの艦に」
「そう・・・・・・・ですか」
「そういうチハヤちゃんはどうしてつけたの?」
「私は・・・・・もう失いたくなかったから・・・でしょうか・・・・・兄とも和解できましたし・・・・」
「ふーん・・・・・・まあ深くは聞かないことにするよ、誰にだってふれてほしくないことはあるだろうしね」
「ありがとう・・・・」
対ガイ用パイロット
「さてと・・・・・・あいつと戦うのは久々だが・・・・今日も勝ってやる!!」
「カズシ、そろそろナデシコがこの空域に入る、出撃の準備をしてくれ」
「了解、黒髪のフェンリルは俺の獲物でいいんですね?」
「ああ、好きにしろ」
「ありがとうございます、それじゃあ出撃準備をします」
暴走しているパイロットの場合
「アキトーーー待っててね―――!!今、ユリカがいくからねー―――!!」
「ナデシコ発見、エステバリス部隊は出撃してください」
その通信士の言葉と共にハッチが開いていく
「アキトー―――!!今行くよ――――――!!」
そんな中、編制をまるで無視して一体のエステがナデシコの方に突撃していった
ナデシコ、格納庫
「艦長、接近してくる機体を確認しました」
ルリがアキトに報告を入れる
「了解、出撃する!!」
そのアキトの言葉と共に四機のエステは出撃していった
「さて・・・・・相手の状況は?」
「一機が急激に接近してきています、残り五機は編制を組んでいます」
ルリの報告と共にその接近してくる機体をアキト達は確認した
その機体はアキトの乗る漆黒のエステに向かって突撃してきていた・・・・・その結果
『ヒュオン、ガシャアアアン!!』
あっさりと突撃をかわされ、ソード斬られ、突撃してきたエステは移動能力を失った
「ううーーー、アキト酷いよ・・・」
アキト機に支えられる形で高度を保っているエステから直接通信が入った
「なんだ・・・・ユリカか・・・・・・・
ナデシコ、いまそっちに一機送る、ユリカが乗ってるから降ろしてマスターキーを入れ替えておいてくれ」
アキトはそう言うとナデシコのカタパルトにユリカが乗る機体を投げ入れた!!
幸い、横たわる形でカタパルトを通過した為エステに損害は無かったが・・・・・・・・
「さて・・・・ルリちゃん、残り五機の映像を手に入れられるかい?」
「はい、・・・・・・・どうぞ」
ルリから渡された映像には夕日のような朱金のエステ、血のような禍々しい赤のエステ
青と黒、黄色の三色カラーのエステ、そして・・・紫一色のエステと量産カラーのエステが映っていた
「・・・・・・御爺さま・・・・本気でこないでくださいよ・・・・・」
アリサはその映像を観るとそう呟いた
「どういうことですか?あの五機がそんなに恐ろしいのですかな?」
プロスから通信が入る
「ええ・・・・・・ヴァルハラの中でも最強クラスの三人に極東方面からの出向兵・・・その人もエースクラスです
朱金の機体は『黄昏の戦乙女』チハヤ・カタオカ、真紅の機体は『紅(くれない)の死神』テツヤ・カタオカ・・・・
あの三色の機体はシュン提督の副官、タカバ・カズシ・・・・『黒衣のトール』
後もう一人はあの紫色の機体・・・・・『極東の戦乙女』イツキ・カザマ・・・・
量産機はおそらくジュンでしょうが・・・勝率はこのままなら三分・・・正直苦しい戦いになりますね」
アキトはブリッジにのみ通信を開いて報告した、ルミに余計な不安をかけないようにするために
アキトの言葉にブリッジクルーは言葉を失った・・・・
正直、全員アキトの力があれば何とかなるだろうと楽観視していた部分があった
それをアキト自身の口で苦しい勝負になると言われたのだ・・
「何を悩んでんだアキト、真正面から闘う以外に何も無いだろうが!!」
「うむ、ヤマダの言うとおりだ。我が神もこの戦いは勝つといっている!!」
「ふっ・・・・そうだな・・・・・・ヤマダはカズシさんと、アリサとルミはタッグを組んでジュンとチハヤに
俺が残る二人を引き受ける!!」
「俺はダイゴウジ・ガイだ!!」
アキトが最善と思える陣形を伝えた、・・・・しかし・・・・これは相手も予測していたのは言うまでもない
互いの機体が接近しあい、遂に交戦可能範囲に入った
ガイVSカズシ
「よう、久しぶりだなカズシ」
「そうだな・・・・・もう二ヶ月近いか?」
「んじゃあ・・・・始めるか?」
「そうだな・・・・勝ち逃げされんのは嫌だからな!!」
『グワシャアアアアン!!』
互いに拳を繰り出し、それぞれのエステを殴る
「流石に一撃じゃあおわらねえか!!」
「それはこっちの台詞だよ!!」
二人は互いに接近しては離れ、離れては接近し格闘戦をくりひろげていた
アリサ&ルミVSチハヤ&ジュン
「チハヤ・・・・貴女と勝負をすることになるとはね」
「それは私も同じよ・・・・・・手加減はしないわよ」
その言葉と共に朱金のエステはレイピア状の武器を取り出した
「ふぅ・・・・・・アリサ・・・・・・いきます!!」
アリサは持ってきたイミディエットランスを構えると戦闘に入っていった
「くそ!!まるで当たらない!!」
「お兄ちゃんに比べると簡単ね・・・・・・これなら私にも!!」
ジュンはルミの乗るエステに攻撃を仕掛けるが
短時間とはいえアキトに鍛えられたルミにはかすりもしていなかった
アキトVSテツヤ&イツキ
「これで!!」
「この程度で・・・・・ちぃ!!」
イツキの乗るエステからのライフルの攻撃をかわしていたアキトは横からの一撃を回避する為
急激に方向転換をするはめになった、その攻撃してきた方向には・・・・・
「流石だな・・・・・そうでなきゃ面白くない!!」
死神の鎌のような武器を持った真紅のエステがいた
「こいつでどうだ!!」
アキトはマジシャンフレームに搭載されているダミーバルーンを射出する・・・・・
「その戦法はもう見切ったんだよ!!」
テツヤ機はダミーを完全に回避しながらアキトの乗る漆黒の気体に迫っていった・・・・・
ナデシコブリッジ
「ふむ・・・・・戦力は互角ですか・・・」
プロスの言葉の通り、戦況は互角、どちらも決定打を出せずに戦いが続いていた・・・・・
ルミがジュンを攻撃しようとしたらチハヤがかばい、チハヤを落とそうとすればジュンが
アキトはイツキとテツヤの混合攻撃に反撃の機会をうかがうのがやっと
ガイはカズシとほぼ互角の戦闘を繰り広げている
「む!!・・・・・・・神からお告げがあった・・・・・『まもなく戦況が大きく動き戦闘は終了する』・・そうだ」
ブリッジクルーはゴートの言葉をまるで聞いていなかった・・・・がゴートが発言してまもなく戦況は本当に動いた
「それ!!」
「なっ!!しまった!!」
『グワシャアアン』
ルミがワイヤードフィストでジュン機の動きを奪ったのだ、
しかもチハヤはアリサに足止めされジュンを助けることはできない
「ルミ、よくやった!!そのままジュンをナデシコに入れろ!!」
「わかった!!」
ルミがジュンを捕らえたことを知ったアキトはすぐにルミに通信を送った
しかし・・・・流石のアキトも戦闘中に余裕が無かったのか全方面に向かっての通信だった・・・
その結果・・・・敵にもこの通信は流れ・・・・・・
「え?この声・・・・・・ルミ!?そのエステに乗ってるのはルミなの!!」
「え・・・・もしかして・・・・・イツキお姉ちゃん!?」
知り合い同士が会話を始めた
「ん?ルミ、知り合いなのか?」
「うん・・・・・十年前お兄ちゃんと離れ離れになった時に助けてくれた家がイツキお姉ちゃんの家だったの」
「え?・・・・ルミ・・・もしかして・・・あなたが言っていたお兄ちゃんって・・・・」
「うん、アキトお兄ちゃんの事だよ」
もう戦闘をしているのは通信を聞いていないガイとカズシだけ・・・・他の面々は戦闘を中断している
「アキト・・・お前妹がいたのか?」
「テツヤ・・・・・以前お前には話したと思ってたけどな」
「うん・・・・・・・・ああ、あの時のか!!」
「はぁ・・・・・っとシュン提督、聞いてるんでしょう?もう此方が取り返すべき人は取り返しましたから通らせてくれませんか?」
アキトの言葉が終わると同時にシュンからの通信がアキト機に入った
≪ふむ・・・・・まあ別にいいだろう、流石に戦果なしは嫌なんで・・・・・一人回収しておくぞ≫
「誰を回収するんですか?」
≪先ほどカズシから連絡があった、ヤマダ機を大破させたのでこちらにもってくるそうだ≫
「・・・・わかりました」
≪後ついていきたいやつはナデシコに乗れ、パイロットは多いほうがいいだろうしな≫
シュンは次にテツヤ達に通信を入れた・・・・・
「俺は残る、イツキ、チハヤ、お前達は好きにしろ」
「私は・・・・・・乗る・・・イツキさんはどうする?」
「そうですね・・・・・ルミもいるし・・・・・私も・・・・・乗ります」
≪話は決まったな、テツヤ機を回収後、我が艦は戦闘空域を離脱する!!≫
「シュン提督・・・・・ありがとうございます」
その後、新しいパイロット二人を連れアキト達はナデシコに戻り
ナデシコは入れ替えたマスターキーにより100パーセントの出力で大気圏から離脱していった
その後・・・・ナデシコ格納庫にて
ルミはエステから降りるとアキトと話をしているイツキのほうに向かった
「おねえ・・・・じゃなかった、イツキさん、これからよろしくお願いします」
「ふふふ・・・・・今更他人行儀は無しよ、今までと同じでお義姉ちゃんでいいわよ」
「うん・・・・・わかった、イツキお姉ちゃん」
二人は微笑みながら握手をしているがその身体からはなにやら不思議な瘴気のような物がでている
しかし、アキトはそんなことはまるで気付いておらず・・・・・・・
「とりあえずブリッジに急ごう、新しく加わったメンバーを紹介しないといけないしな」
そう言うとすぐに格納庫から出て行った・・・・・・無論、女性メンバーの大半はその後を追ったが・・・
「ちくしょお・・・・・・アキトのヤローーー」
アキトが去っていった後、何故か怒りの感情を抱いている整備班がいた・・・・・
「お前ら何怒ってんだよ、アキトはあれが普通だ、何も狙ってやってるわけじゃあない」
ルークはその連中を見かねてアキトの弁護をしようとしたが・・・・・
「ふふふ・・・・・そうか・・・・・・なるほどな・・・・・・・・・
俺は今ここにアキト抹殺組合を結成する!!
同志達よ!!今こそ立ち上がるときだ!!」
「おおーーーー!!」×整備員(ルーク以外)
とまあ今日もナデシコはこんな感じで幕を閉じる・・・・・・
なお、この組合は何度かアキトに夜襲をかけたが
その全てがアキトが設置したブービートラップに撃退されている・・・・
まあ、整備に職人としての誇りが働いたのか機体の異常は何一つなかったことは記しておく・・・・
蛇足
新クルーの自己紹介のときユリカはある一人の女性に激しく睨まれていたりする・・・・・・
それが誰かは・・・・・・まあ言うまでもないだろう
後書き
・・・・・テストも近いのに私は何をやってるんでしょうか・・・・・
なにやらSSを書かないといけないSS中毒にかかりつつある私・・・まあそれはともかく
真の後書き
今回は時ナデオリキャラをさらに出してみました
今回は戦闘シーンを大幅カットするはめに・・・・自分の力の無さを痛感します
さて・・・・・・次回は三人娘の登場です・・・・
あと・・・・・ある方がメイン級の活躍をするかもしれません・・・・・・
では・・・・・次回はおそらくテスト終了後だと思います・・・・
しばらく執筆速度が落ちる為、どうか気長にお待ちください
管理人の感想
B−クレスさんからの投稿です。
おお、最近テツヤの活躍が続きますが・・・チハヤまで出てくるとはねぇ(苦笑)
その上、何気にジュンと良い感じだし(笑)
・・・・ガイ、負けたんかい(爆笑)