「いきなりなんだ、お前ら」

アキトは人相の悪い黒服に囲まれていた。

彼は自室に戻る途中であった。

「テンカワ・アキト、グラシス中将が一度顔を見たいそうだ。ついて来い」

「・・・軍ってのは銃を突きつけて人にものを頼むのか?」

「いいからこい!」

一人、アキトに手をかけようとするが、


ばきっ。


殴り飛ばされた。

「・・・場所を言えば一人で行ける。さっさと言わないか」

「ちょいと待ちな、テンカワ・アキト」

アキトが後ろを振り向くと、そこにはヤガミ・ナオとヤガミ・イオリが立っていた。

「自分で人にものを頼む時は銃を向けるなって言っておいてそれは無いんじゃないか?」

「・・・場所を言え」

構えを解き、ナオに向きかえった。

「わかった、わかった。ここの3階に居るよ」

「・・・どけ」

アキトは走ってグラシスの元に向かった。

「ふぅ〜いつ見てもあいつは威圧感があるね〜」

「・・・俺はこの間あいつに似た奴を見かけたぞ」

「え?何処でだよ兄貴」

兄・イオリからすればまだ未熟な弟・ナオに言う。

「あのクリムゾン家の警備の戦闘の時だ」

「男か?」

「女だ。この俺が負けるとは思わなかったぞ」

「兄貴が?・・・とんでもないな・・・」

二人は軍のガードに再就職していた。

イオリからすれば不本意である。

イオリは昔、世界規模の格闘大会に出ていたこともある。

が、大衆の前でくだらない戦いをするよりはこっちのほうが向いているらしい。

翌日ー。

「・・・君達に少し頼みたい事があるのだが」

「はいはい、何でしょうか?」

軽いノリで将軍に話かける肝っ玉はある意味驚嘆に値するがーあるいはただの阿呆か。

「昨日、アキト君と話をしたのだが彼はいい男だ。

サラとアリサの目にも掛かるほどの男のようだ。

・・・二人はアキト君と結ばれる事を望んでいるようなのだが・・・。

そこで、だ」

「愛のキューピットでもやれってことですか?」

「・・・ひらったく言ってしまえばそうなるな」

「分かりました、やってみましょう」

「ついでといっては何だが二人の事を護る事も依頼に入るぞ」

「はいはい、了解いたしました」

二人はーグラシス中将の依頼でアリサとサラの警護を頼まれた。

「さて・・・お仕事を始めますか」

「・・・ああ」

二人は動き出した・・・・。




最終話「アキトの平和な一日。誰がどう言おうと平和な一日」




「・・・・」

アキトが目を覚ますとー

そこには二人の少女がいた。

シェリーとマリー。

彼女たちは未来のルリとラピスだ。

「お〜い・・・何してんのかな二人とも」

マリー・・・ラピスはアキトの腕にしがみついている。

シェリー・・・ルリはアキトの横で静かに寝息を立てている。

「あ・・・おはようございます、アキトさん」

「何で俺の部屋にはいってんの?つーかどうやって入った?」

「マシンチャイルドの手にかかればすぐ開きますよ」

そういってIFSのタトゥーを見せるルリ。

やられた・・・・。

そういえばこの二人はこういうことは軽くやってこなす少女だったのを

アキトは思い出していた。

アキトが動揺していなかったのは、ルリとは以前川の字で並んで寝ていたりとか、

ラピスとはいつも添い寝していたとかそういう経緯がある。

「なんで俺のベットでねてんの?」

「あ、はい。

アキコさんはコウタロウさんに貰われてしまうので。

アキトさんは私たちが・・・・」

「・・・おいおい」

アキトはすごい冷や汗を掻いていた。

確かにルリは年齢で言えばもう問題のない歳だ。

ラピスはーまだそういう年齢ではないが、

こういうことに関してはすごく無知である。

実際はしてはいけないことではあるだろう。

「ライバルも多いみたいですけど、アキトさんは私がもらいます!」

「・・・」

「アキト〜」

ラピスはまだ眠っているが、寝言でアキトを呼びつつ、

すごい力でアキトの片腕をロックしている。

「・・・マジで逃げ場なさそ〜」

アキトの逃げ道は蟻一匹すら逃げられなさそーだった。



「おはよう、アキト」

「おはよう・・・コウタロウ」

二人は食堂で顔を合わせた。

ここの食堂はオペレーター達の持ち回りだったが、

アキトが来てからは4人に固定された。

「・・・起きたらルリちゃんたちが・・・」

「ははは・・・災難だね」

「止めていおいてくれよ・・・頼むから」

「いや、止めたんだけど・・・・聞く気なし。止めるだけ無駄だよ」

「そうだけどさ〜」

アキトはかつての恋人に話をする。

もちろん、男なので(元は女でも)ただの親友程度の扱いである。

次元が違うならしかるべき処置かもしれない。

「お〜い、こっち中華丼!」

「はい、了解!」

・・・アキトは今日も料理を作るのだった。



さらに翌日。

「う・・・う〜ん」

アキトは目覚める。




「・・・・なんじゃこらー!?」




「あ、おはよアキト」

「おはようじゃなくて・・・なんで俺のベットに居るの?」

「お父様に頼んでマスターキーを作ってもらったんです」

昨日のこともあって・・・少々焦っている。

アキトの腕にはサラがしがみついている。

「煩いですよ・・・アキトさん」

さらに・・・アキトの脇にもう一人。

アリサがいる。



「何ですとー!?」



「おい、アキトどうした!?」

悲鳴を聞きつけ、シュン隊長他数十名が現れた・・・。

「あ・・・」

アキト・・・凍る。



「「「「なぁにしてんだテメー!!」」」」





「ご、誤解ですよ!」

「どうやったらこれが誤解に見えるんだ!?あ!?」

メンチをきって男達は吼える。

その横でーシェリーとマリーは舌打ちをしている。

(強敵が現れた)と。

コウタロウは・・・にやついていた。なぜかは分からないが。

誤解を解くことは無理っぽかった。



「アキトさん、これで今どんな位置にいるか再確認できましたね?」

「ああ・・・いやってほどね」

シェリーが話しかけるものの、アキトは料理を作りながらあらぬ方向を見ている。

手のほうが無意識に動いてくれるのだが。

「兄貴、なんにする?」

「肉類でいい」

「・・・体によくないぞ」

「人のことを気にするな」

「ステーキとチャーハン」

「はいよ!」

アキトは注文を受けた。

「どうぞ!」

「よお、アキト」

「・・・今日はなんのようだ?」

・・・エプロン姿で身構えるアキト。

「おっと怖い顔すんなよ。

せっかく再就職先が決まったんだからよ。

つまんないことでまた職探しはいやだぜ」

「就職だと?軍に入ってたんじゃ・・・」

「ガードだよ。グラシス中将じきじきに

頼まれた。それに軍には入ってない。

今回はサラさんとアリサさんの警護だ」

「ほう・・・」

「一応自己紹介をさせてもらうか。

俺はヤガミ・ナオ。

28歳独身、趣味は釣りと日曜大工。

で、こっちは俺の兄貴のヤガミ・イオリ。

30歳独身。趣味はバンド」

「勝手に紹介するな」

イオリは少し怒気をはらんだ声で言い放つ。

怒っているわけではないがーイオリはこういう口調でしか喋らない。

「とにかくよろしく」

「分かりました。よろしくお願いします、ナオさん」

「おー?」

さっきまで放っていた殺気を消し、

アキトは改めて挨拶をした。

いきなり態度が変わったのでナオは驚いた。

まー特に変わりはないが。




「よし、発進だ」

この日、敵襲があった。

『アキトさん、気をつけてくださいね』

「ああ、分かってる!」


ばしゅん・・・。


カタパルトから黒いエステが発進した。

「敵の戦力は?」

『チューリップが3、機動兵器が400です』

『アキトはチューリップを破壊、その他のエステはチューリップを破壊するまで機動兵器を町から遠ざけてください』

コウタロウの作戦指示が飛び、アキトはチューリップに向かって飛ぶ。

『アキト、そういえばよ』

ナオがいきなり通信を入れてきた。

「何ですか?」

アキトはこれくらいならば別に戦闘に支障をきたすほどでは無かったので別段気にしていなかった。

だがー。

『サラちゃんとアリサちゃんをお前にくっつけるように依頼されているんだが』

と、婚姻届をモニターに引っ張り出した。



どごんっ!



『アキト機、被弾!左脚部にダメージを負いました!』

「・・・ナオさん、後で覚えておいてくださいね」

『ははは・・・・はっ!殺気!』

アキトの一言には笑っていたが、ナオは周りの女性からの圧倒的な殺気に顔を青くした。

『あ、兄貴・・・』

『・・・・・』

イオリはナオの肩に手を置き、首を横に振った。

そして戦闘終了後。

「HELP ME〜!」

謎の部屋に引き込まれ、悲鳴を上げるナオ。

「かんべんしてくれ〜」









「悪いね、レイナちゃん」

「いいえ、本格的にアキトさんの機体を修理したのはこれが初めてですから」

アキトは優秀なメカニックとして有名になっているレイナ・キンジョウ・ウォンに詫びていた。

彼女はエリナの妹であるが、19で整備班長になるほどの腕前である。

「ところでアキトさん、明日暇ですか?」

「まあ暇だけど」

「じゃあ、一緒に・・・」

「アキトさん、暇ですか?」

「アキト、暇?」

「暇なんですね?」

「暇かしら?」

その一言にシェリー、マリー、サラ、アリサ(今のセリフ順)が反応した。

・・・というかどこに居たんだ?

「・・・ごめん、そういえば明日は食料物資の受け取りがあったんだ。また今度」

うまく言い訳を作って逃げたようだ。



翌日。食堂。

「アキトおにいちゃ〜ん」

ここは戦場であるはずなのに少女が入ってきた。

いや、マリーも少女だが。

全く関係なさそうな少女だった。

「やあ、メティちゃん」

「・・・こういうことですか、アキトさん」

「?どういうこと?」

・・・鈍い。

メティと呼ばれた少女は入ってくるなりアキトに飛びついた。

やはりアキトにべったりのようである。

・・アキトスマイルの発動条件が簡単すぎるからかもしれない。

「こら、メティ。大人しくしなさい」

「あ、お姉ちゃん」

「アキトさん、いつもすいません」

「いいえ、いいですよ」

アキトスマイル発動・・・だが、ミリアは・・・なぜか掛からない。

まあ、アキトにほれる人間に共通しているのは思い込みが強いことである。

何か強烈なインパクトを受けないと引っかからない女性もいる。

「で、食料の事なんですが・・・」

「あ、はい」

ミリアはアキトからリストを受け取った。

「・・・ずいぶん少ないんですね、前回の3分の1じゃないですか」

「ええ、実は部隊が分散される事になったんですよ。

俺が受け取る食料の補給は恐らく最後になります」

「そうですか」

「・・・お兄ちゃん、もう会えないの?」

メティは10歳程度であったがアキトの言葉の意味するところは理解できた。

「いや、また会えるよ」

アキトは再び微笑み、メティの頭を撫でた。

「今度暇があったら顔を見せるよ」

「うん・・・」

アキトがメティと話しているとー。

「お名前は?え?ミリアさん?いい名前ですね〜!」

・・・ナオがミリアをナンパしていた。

「さようなら」

「またね〜」

二人は帰っていった。

「よっしゃ!電話番号ゲット!」

・・・ナオの方はなかなかの好感触だったようだ。




その二週間後。

アキトたちは遊撃隊「moon night」として各地を転戦する事になった。

遊撃部隊とはいえ、アキト達の隊は小隊である。

エステバリスが二機あるのみで、後は整備班くらいしかない。

漆黒の戦鬼と白銀の戦乙女がいる為、戦力のとしては一個大隊並と言われている。

今は最初にアキトが派遣された場所からそう離れていない。

「おい、アキトこんな場所まできて料理か?」

「・・・こうしていないと自分が保てないんです」

「?どういうこった?」

するとアキトはテントのほうを指差した。

「あれです」

「・・・なるほど」

あのテントでは・・・2人用なのに5人がひしめき合っている。

外では男組、アキト、イオリ、ナオ、コウタロウ、シュン、カズシが焚き火を囲んでいる。

「・・・手伝おうか?」

「・・・いい」

コウタロウはアキトが少し不憫だった。

ナオは羨ましそうだった。

イオリは・・・炎を見つめていた。

「ナオさん、そろそろあの5人を呼んできてください」

「あいよっと」

ナオが立ち上がって5人を呼ぶ。

しかしそこで待っていたのは・・・


ばりっ!ごずっ。ばきっ。


見事なコンビネーションであった・・・。

レイナがスタンガンで動きを封じ、

アリサがハイキックを決め、

サラが駄目押しにもう一撃ストレートをテンプルに。

ナオが目覚めたときには晩飯は消えていた。

「メシ〜(泣)」

と、ナオが嘆いていると、

二つの影がぶつかり合っていた。

「あ・・・兄貴?」

二人はアキトとイオリだった。

実はナオが眠っている間にこんなやり取りが。


「・・・」

「あの・・・イオリさん」

「・・・なんだ」

「・・・いつも黙ってますけど何か気に障ることでも?」

「・・・そういうわけではない・・・話すこともないから黙っているに過ぎない」

「・・・何かなさっては?」

アキトはイオリと一緒にいるのが苦手である。

話をしたのもこれが初めてかもしれない。

「・・・俺には趣味というものがない。

いや、バンドをやってはいるが一人でできるものでもない」

「・・・ちなみに何が得意なんですか?諜報戦とか」

「俺は・・・諜報戦よりは格闘戦の方が得意だ」

「なら一度お手合わせしてもらえますか?」

アキトは立ち上がった。

「・・・ふん。暇つぶしぐらいにはなるか。だが・・・・」


ぼしゅ。


「火傷ぐらいは覚悟しておけ」

「!はい!」

イオリは炎を手からだし、握りつぶした。



そういうわけで二人は戦っている。

イオリはアキトに手加減されているのが少し気に食わなかったが、なかなか楽しんでいる。

「・・・なあ、コウタロウ」

「はい?」

「あの二人に俺は追いつけないよな?」

「・・・どーでしょ?」

ナオは悲しそうに二人を見つめていた。

それを見ながらナオはアキトが自分をあの5人を呼ぶように仕向けたことに対する復讐を考えていた。

「よし、あれだ」

ナオは何かを思いついた。

「あ、ミリアさん?明日空いてますか?実は・・・」





翌日ー。

「なあアキト、かくかくしかじかでメティちゃんの相手をしてほしいんだよ」

「ええ、別に構いませんけど」

(くく・・・掛かった!)

「あ?アキト、どっかでかけんの?」

「ああ、コウタロウも行くか?」

「行く行く」

ここ最近出かけることがなかったらしく、コウタロウも乗り気である。

だが。

「アキトさん、出かけるんですね?」

「出かけるの?」

「出かけますよね?」

「出かけるのね?」

「出かけますか?」

・・・例の五人までが反応した。

「兄貴は行くか?」

「・・・少し行きたい所がある」

こうして彼らは街に繰り出していった。




街では各自行動、となっていたのだが・・・。

アキトには6人の女性と、1人の男性が常について行った。

個人行動をとったのはイオリだけだった。

一度集まってから解散、という形になったようだ。

軍のメンバーは軍用車で、ミリアとメティはその足で帰る。

そしてーアキトは大型の軍用車でぐったりしていた。

「は・・・はは。つかれた」

後部座席では女性軍五人が眠っている。

「ご苦労様」

コウタロウがねぎらいの言葉をかける。

「そういえばイオリさんは?」

「ああ、兄貴なら少しぶらついてから帰るってよ」

運転していたナオが呟いた。


・・・・ばぅん・・。



「・・・またかよ」

この車がパンクしたのは3回目だった。

だが、明らかにおかしい。

軍用車は多少の悪条件でも走行できるように設計されているのだ。

それを裏付けるように男が現れた。

「テツオ!」

「テツヤだ!」

テツヤという男が現れた。

この男は、裏の世界で有名なヤガミ兄弟と違い、

裏の世界でも名前自体があまり知られていない。

だが、かなりいい位置にいるのだ。

実力もさることながら、その卑劣さにも定評がある(ナオ談)。

「・・・で?車パンクさせてまで顔を出すために来たわけじゃねーよな」

「それはそうだ。

俺の所属するクリムゾン・グループがテンカワアキトを

引き抜くように命令してるんだ。

・・・言っておく。これは脅迫だ。

この要求をのまない場合は・・・

今日お前が可愛がってた子供が死ぬぞ?」

「テツヤ!貴様・・・」

「そろそろ連絡が来るはずだ。ほら、電話が掛かってきたぞ?」

ナオは携帯をとった。



ぴっ・・・。



「もしもし?」

『あっ・・・ナオさん?イオリさんがメティを助けてくれたんだけど誘拐に会いそうだったんです』

「・・・おい、失敗したぞ」

「なぬっ!?」

「運がいいことに俺の兄貴が近くに居たそうだ」

「・・・テツヤ、未遂でも俺の身の回りの人を殺そうとした罪は大きいぞ」

アキトはテツヤの方を睨む。

「ち、ちくしょう!おぼえてろよー!」

三流悪役の台詞を残して立ち去ろうとするが・・・

アキトはそれすら許さなかった。



しゅん・・・。



アキトはテツオの前に回りこむ。

「言っておくが・・・お前にまだ俺に対する復讐心が残っているなら今のうちにお前を殺す」

「はっ!戦鬼でもこいつは避けられるか?」

テツヤは銃を取り出し、アキトに向けようとした。

だが。

「どこを狙ってる?」

「なっっ・・・!?」

アキトはテツヤの真後ろに回りこんでいた。

「地獄で後悔してろ・・・!」

アキトは刻んだ。




どか、ばきっ、ざしゅっ、ずばっ・・・。



「やべでぐれー!!・・・」

テツヤ・・・再起不能(リタイヤ)。

服が真っ赤になってしまい、アキトは仕方なく、さっき買ってきた服を着るのだった。






「そういえばなんであんなタイミングよく兄貴が居たんだ?」

・・・それはナオ、お前のことを聞き出そうとしていたんだぞ?

お前が思っている以上にミリアはお前のことが好きなんだぞ?

・・・アキト並とは行かないが、結構鈍いナオであった。




「実は今回の俺の出向にはクリムゾンが絡んでいた」

アキトはみんなを集めて話を始めた。

この話はーラピス達に頼んでどういうことなのか調べてもらった。

発端はアキトに来た通知だった。

『今回は多大な戦果を上げてくれてありがたく思う。

君を手放すのはもったいない、と言われそうだが

上から君をナデシコに戻してもよい、といわれたよ』

というグラシス中将直筆の通知。

これに疑問を抱いたアキトはマシンチャイルドの二人に調査を依頼した。

すると、アキトがここにつれてこられたのはクリムゾンが

アキトを引き抜くために連合軍を買収したという結果が返ってきた。

戦線はー激戦区を選び、アキトが生き残れるかどうかのテストをし、

その上でアキトが親しくなった人を人質にとればーと考えたそうだ。

しかし、その手のことでは一番のテツヤが失敗したことで、

もう必要がないということになったのだ。

「俺は軍は嫌いだけどここにいて楽しかったよ。また、どこかで会おう」

アキトは去って行った。

「行っちゃいましたね」

カズシは呟く。

「ああ。あいつはこんな器には大きすぎるな。

戦鬼じゃなく戦神だ」

シュンは腕を組んで見守っている。

「・・・はぁ〜」

レイナはため息をつく。

「何くらい顔してるの?」

アリサは明るい顔をしていた。

「だって・・・」

「これを見て」

アリサが取り出した封筒。

それには「moon night」の出向通知であった。

「この部隊はナデシコに出向せよ・・・・

おじい様からよ」

「ってことは・・・」

コウタロウは驚く。

「追いましょう!」

「「「「「お〜!」」」」」

こうして、ナデシコに向かうことになった。

・・・そうでなくともコウタロウ以下三人は軍を抜けてでも行くつもりだったが。

とにかく、アキトの出向は2ヶ月もしないうちに終わったのだった。



「時の流れに・reload」

〜第2章SIDEーA・「俺の帰るべき場所はナデシコ」漆黒の戦神とその軌跡〜

完・・・そして続。






文・武説草良雄

絵・武説草良雄

感想・BEN様

  ・ノバ様


CAST

コウタロウ役・緒方恵

ナオ役・山崎たくみ

シュン役・梁田清之

カズシ役・井上和彦 

サラ&アリサ役・ 雪野五月

ミリア役・永島由子

メティ役・こおろぎさとみ

レイナ役・富永み〜な

テツヤ役・高木渉




主題歌

「BE YOND THE TIME〜メビウスの宇宙を越えて〜(機動戦士ガンダム逆襲のシャアより)」

OP曲

「烈の瞬(エアマスターより)」

挿入歌

なし。

エンディング

なし。







作者から一言。

あー最後になって申し訳ないんですが、A−SIDEのマスコットキャラはマリーでした。

「私はアキトの手、アキトの足、アキトの耳、アキトの目・・・・」

彼女では会話が成立しませんでした。

「・・・てー抜きすぎー」

すいません、成立しました。




本当に作者から一言。

第2章はパート分けしてあるだけに短いです。

今回は復讐鬼にならずにすみました。アキト君。

テツヤはうっとおしいの一言に尽きるので死んでもらいました。

個人的にはキノコ以上にうっとおしく思ってんで。

ではなく、テツヤをコミカルに描きたかったんです。死んでますが。

あと、ナオは苗字を矢上から八神に変えました。

実は確信犯でした。

字が変わっただけでナオの人生にもストーリーにも関係ありませんですから(爆)。

のちにこれを利用したサイドストーリーも予定したりしています。

あと声優のほうは勝手にイメージ付けしてますけどあってますか?

では次回へ。




改定後の一言。

・・・すいません、ED無しにしました。

短いし、なくてもいいかなーとか。

04年2月26日武説草良雄。