ナデシコは和平祭を挙行する。
優華部隊+αも追加され、それらしいものになった。
そしてー。
第12話「和平祭一日目その一。〜もしくは思いを告げるLOVERS〜」
「あの・・・イネスさん?」
「何?」
チハヤとライザは医務室を訪れた。
「私達、和平祭で歌を歌いたいんですけど・・・。
この声では歌えないんです。
何か解決策はありませんか?」
「そうねえ・・・」
イネスは少し考え込んだ。
この二人はまだ利敵行為を行う疑いがあるので小さいままだ。
だが、和平祭に出たいのにそれを邪魔するのはいささか抵抗があった。
「・・なら時間制限で元に戻る、これでどうかしら」
「あ、そんなものが?」
「ええ、無理じゃないわ。
現にウリバタケさん達も一ヶ月で元に戻っているし」
4人は元に戻ったようだ。
「和平祭中だけ。
・・・とは行かないからステージ中だけ。
10分間、これだけよ」
「「お願いします!」」
「よろしい。
では、ステージで渡すわ」
二人は医務室を出て行った。
「・・・さって、私も撮影に行かなきゃ♪」
「チハヤ、あなたも歌うの?」
「ええ、ジュンには伝えたいもの」
・・・二人とも4歳児の格好で言われると凄い違和感がある。
「・・はぁ。
良いわね、伝えられる人が居る人は」
小さい溜息をつくライザ。
「ライザ、あなたは居ないの?」
「シーラちゃんと一緒に探すわ。
今回も一緒に出ようって誘ったのは彼女よ」
・・・シーラもライザにかなり心を開いているようだ。
「え?セレスの構造を知りたいから貸して?」
「ああ、ちょっと参考にしたいんだ」
・・・白々しくハヤシダはシーラに頼み込んだ。
「手伝わせたい事があるんで1時間ほどでよければ」
「それで十分だ!」
心の中でガッツポーズをとるハヤシダ。
「セレス、おいで」
「はぁーい」
シーラがセレスのへそに指を突っ込む。
すると、セレスは崩れ落ちるように倒れた。
「どうぞ」
(ふはははは!大成功だ!)
・・・ハヤシダは内心、邪悪な笑みを浮かべながらセレスを担いだ。
そして・・・和平祭の日はきた。
格納庫に作られた特設ステージにアカツキが立つ。
「みんな!今日は和平祭だ!存分に楽しんでくれー!」
わああああああ。
アカツキの一言と共に、歓声が上がる。
そしてアカツキ自身はすぐにステージから降りる。
『映像作品の上映に入ります。
「機動戦士ガンダム0083」監督、シーラ・カシス。
製作指揮、ウリバタケ・セイヤ。主演、テンカワ・アキト』
びーーーーー。
開始のブザーがなり、拍手が起こる。
ぱちぱちぱちぱち・・・。
『勝利者など居ない〜戦いに疲れ果て』
「・・・勝利者の居ない戦いか」
流れ出した主題歌に アキコはボソリと呟いた。
そして、アキトとゴートが対峙する。
『ガトー!お前が忘れても俺は忘れはしない!』
『いつぞやの男か』
「・・・妙に北辰を思い出させるな」
『ガンダムでも磨いておくんだねえ』
「すげえハマってるなイズミさん」
厚化粧を仕込んだイズミの演技。
『コウ!』
『とめないでくれ!ニナ!ガンダムでやるんだ!』
「・・・イネスさん」
『これがモビルスーツだって言うのか!?』
ウリバタケ(女)が叫ぶ。
「・・・デンドロバリス・・・これが元ネタだったか」
『何の為に戦ってきたんだ・・・これまでのことは!』
「・・・昔の自分を見ているみたいだ」
そして上映終了。
「お待たせしましたー!
今世紀最大最後の美男子・美少女争奪戦、「一番星歌合戦」!
開催ぃー致します!」
プロスの開催宣言とともに歓声が上がる。
(・・・いつになく乗ってるな〜プロスさん)
アキトはステージ上の特設席に座って思った。
「ところでセレスちゃんは何でそこに居るの?」
「あ、はい。
整備班の人にここで立ってろって」
真後ろに立っていたセレスにアキトは疑問顔だ。
「今回は、歌合戦という事でいくつか部門別に分けてあります!
まず、『「漆黒の戦神」争奪戦部門』
次に歌いたい人が歌う『喉自慢部門』
最後に、ゲスト扱いの人が歌う『ゲスト部門』
などなど多彩に催す予定です!」
わああああ・・・・。
歓声が響く中、二人の美女がステージに立った。
「エ〜ントリーNO1番、エリナ&レイナのキンジョウ・ウォン姉妹!!
ユニット名「万年筆とスパナの登場です!」」
二人はチャイナドレスを露出度を高くアレンジしてある服を着ていた。
水着審査をなくした、ということで自ら露出度を高くしている参加者が多いらしい。
「「アキト君、見てて〜!」」
(はいはい見てますよ。見たくなくても見えますよ)
・・・二人の美女が肌を露にしてアピールしているのに失礼な。
ここからハヤシダの評価。
「「-Mystery-」」魔性を映すプラチナの月明り
かすかに微笑むくちびる 鮮やかに染めた…」」
魔性・・・あいつは確かに天性の魔性の仮面持ってるな。
「「見つめていて そらさないであなたのその視線で封印は解かれる」」
・・・はーーー。
そんなこと言われてえな。ホント。
「「素顔を見せたいの あなただけにあげる Secret」」
見てー。
すまし顔のエリナさんの素顔見てー。
つーか見せれ。
「「ズルイVenus仮面捨てて 優しくて残酷な
素顔を見せるのは 誰も知らない一瞬のCarnival
I want to hold you, Surrender in my heart
愛に溺れた野獣 夢見心地のままね息絶えるまで」」
・・・いや、確かに愛に溺れてるよなあいつは。
漆黒の戦神・・・裏に何があったかは知らんが、
ここまで人をひきつけるやつは見たことが無いぞ?
舞台裏。
「アキコちゃん、早く早く!」
「あ、はい」
(しかし、ここでも参加って・・・)
アキコ自身も個人参加を頼まれているが、
ホウメイガールズで参加を申し込んでいる為、
ほぼ彼女の意思に関係なく参加する事は決定していたらしい。
「続いてはっ!エントリーNO2、食堂の天使、ホウメイガールズ!」
ふがああああああっ!
暑苦しい男達の叫びが響く。
彼女達はなんとも謎めいた衣装を着込んでいた。
フリルのエプロン・・・なのだが何故か背中に小さい羽が付いていた。
どこぞのヴィジュアル系コスプレを思い出すような羽だが、
彼女達はそれに超ギリギリのミニスカートを履いている。
露出度が高いんだか低いんだか。いやどちからかといえば断然高いが。
・・・当然アキコは乗り気ではない。
で、ハヤシダの評価。
「「「「「「屋根の上で空を仰ぎ日差しは麗らか」」」」」」
その服が際立って中々だな。
・・・しかし人数を集めるのはどうかと思うぞ。
アイドルグループってのは人数が多ければ多いほど認知度は下がる・・・。
このナデシコ内で生活してるとそう言うことも少ないがな。
・・・まあ十分、いや十二分にいいけどな。
「「「「「「手を伸ばしてー手を伸ばしてー両手上げてー!」」」」」」
わあああああああ!
ちっ、馬鹿が。
騒ぎゃいいってもんじゃねえだろ。
黙って見てろ。
「NO3!スバル・リョーコさんっ!」
シスターの服を着て日本刀を担ぐ・・・なんともミスマッチな出で立ちだな。
露出度は少ないが・・中々マニアックでいいな。
おっと、顔が緩んじまった。
「引き裂かれた二つの魂(こころ)行き場のない想いが胸をしめつけ」
・・・一心同体にでもなりたいのか。
くそっ、羨ましい・・いやいや。
「揺らぐ事ない強さなどなく」
・・・まああいつがどんなに強くても弱い部分の1つや2つあるよな。
「君の決意 僕の迷い めぐり逢いが指し示す」
あいつについて行って迷わない事のほうが難しくないか?
「愛も罪も夢も闇も今すべて身にまとって
君の力 僕の心重なりあった瞬間
何が生まれる…Do you believe in destiny?」
・・・いや、確かに愛も罪も闇ももってそうだが。
何が生まれるって・・・?
「エントリーナンバー4番!! ハーテッド姉妹のユニット、「プラチナ」!!」
「こわれやすい願いだけ なぜ こんなにあるんだろう」
和平や平和みたいにか。
・・・うーん。ブレザー。
セーラー服が王道だと言うが。
俺はこっちの方が・・・(ニヤリ)。
「いつだって本当は さがしつづけていた まっすぐに見つめること こわがっていた」
・・・・まっすぐに見ることを怖がる。
確かにこれ位の歳の娘ってのはそんな感じだよな〜。
「あなたがいるから 歩きだせる明日へ どんなときも おそれないで」
あー!言われてーっつーの!こんな事!
「“同じ夢がある” その輝きの中へ 少しずつ 近づいてゆく 二度と迷わないで」
おいおいおい。
それは無理だろ。
現にあいつ迷いまくってるし。
某同盟のせいで(笑)。
「エントリーナンバー5、メグミ・レイナードさん!」
ほほう。
まだちょっと背伸びした感じの女の子に見えてたが。
今日はワイルドにタンクトップにジャケット、それにハーフパンツ!
たまんねーな、この華奢な体がぶかぶかの服を着る姿ってのは!
「恋はスリル、ショック、サスペンス見えない力頼りに」
おおう。
そうくるかい。
「たとえ涙を流したとしても私も何も壊れないと知ったから」
そうそう、泣いていいだろ。
あいつに泣かされたら整備班全員でぼこってやるよ。
「エントリーNO6!マリー&ラピスちゃんのユニット「チェリー」!」
うおおっ!
マリーちゃん、カツラかよっ!
ラピスちゃんと並ぶとそっくりじゃん!
・・・そして服装が、なんとパイロットスーツ!?
特注品だろ、それ!
「「歩くならここでいいのー寂しさも時々はやりきれないけど」」
いつものイメージだとラピスちゃんは明るい、マリーちゃんはアンニュイな感じが・・・。
二人の対照的なイメージが・・・それぞれ爆発してる!
がーーー!最高だ!
「「傷つけてしまう事も傷ついてさらけ出す事もないから」」
傷つかせねー!さらけ出すのは後でいい!
「「光を与えてやり方は分からないけど違う場所へ行く為に」」
何処へ行くんだー!ここに居てくれー!
「「欲しいものの形は何もないけど最期の宇宙壊して今明日へ」」
うおおおおっ!俺もテンション上がってきたぁ!
「ありがとうございました!
さて、エントリーNO7!イネスさん!」
イネスさん・・・なんすかその出で立ちは・・・。
赤くて胸だけ隠しているようなその上の服・・。
鼻血もんでしょう!
「言葉見つけられず 思わず触れた肩先 君は何も言わずに 冷たく振りほどく」
振りほどいたんかぁ!アキト、てめえぶっ殺す!
「夢さえ無くしてもその微笑だけ捨てないで」
そんなに大切ですか!?その鬼畜の微笑みがぁ!?
「だけど今は二人切なく逸らした瞳出会える事を信じて」
つーか今居るでしょ!
「ありがとうございました!
続いてはエントリーNO8!アイちゃんです!」
「よろしくお願いします!」
よほうっ!
おいおいおいおいおいおいおいっ!
胸もないのに胸を隠す布とスカートだけってどうよっ!
その背伸びした感じがさいっこうっ!
「暗闇に走る君は 自分を傷つけ帰る家さえ見失う私の胸で眠れ」
・・・そういやアキトの野郎実家がないらしいな。
おっと、今はそんな事を考えている場合じゃない。
「もしも今この世界が 消えてもきっと君は戦いが正義と信じ走り続ける」
・・・そこまで極端じゃないだろ。
「自分を傷つけないでYou're lookin' for how they live
その痛みを分かちあいYou're searchin' for you should be激しさに震えれば」
・・・こんな小さい子に痛みを分かち合ってもらうなよ。
「ああ もう一度確かめあおうよ安息(やすらぎ)の時代が来れば君だけだきしめられるから」
・・・つーかまだ9歳そこらだろ?
なんだ?この包容力のありそうな物言いは。
だが・・・あー。
ちょっと暴走したのが冷めたな。
正当な評価が下せそうだ。
「そしてぇ!NO9!メティちゃんです!」
「はぁ〜い!」
前言撤回!
可愛いフリルの服〜!
年相応って感じだぜ〜!
「忘れかけた夢が今動き出す
胸の隙間少しずつ埋めるように」
ふぉうっ!
小さい声が、この可愛い声が〜!
脳を破壊していく〜・・・。
「お次は!NO10シェリー&ルリさんのユニット、「フェラリオ」です!」
暴走しきった俺の目の前に二人の妖精が降り立った。
・・・マジで妖精だぜ。
真っ白なドレス・・・それも飾りなど一切ついていない。
そのシンプルなドレスは二人の肌の白さを際立たせてる。
厳正・・・・?
いや、神聖って感じだ。
奴等
さっきまで騒いでた整備班も黙りこくってやがる。
「「信じる心が あるなら勝利の到達点(ゴール)に辿り着く」」
・・・シェリーちゃんにルリちゃん。
二人が信じる心・・・信じるものってなんだ?
やっぱりあいつなのか?
「「過酷な現実 暗い運命 断ち切る Gravity Impact」」
過酷な現実・・・暗い運命?
本当にそんなことが?
「Never give up fighting」「それがエースの条件」
あいつは諦めないだろうな。
だからエースなのか?
「Fight with sad memories」「過去の記憶を胸に」
・・・ルリはどれくらい前からアキトと知り合ってたんだ?
「「生と死の 狭間で 想う夢は一つ」」
・・・夢を共有してるのか。
・・・・・じゃあ勝てるわけねーよな。
そんなこと毛頭承知だがな。
「「I'll be ACE ・・・ACE ATTACKER!」」
純粋に拍手を贈れるよ、この二人には。
「ありがとうございました!それでは、「漆黒の戦神争奪戦」参加者最後の方!ミスマル・ユリカ艦長です!」
艦長はマイクを取ると、静かに歌い始める。
・・・白いワンピース。
名前の通り百合の花を思い出すな。
・・・・・・そういやあいつの機体ははブラックサレナ・・・黒百合か。
「life goes on 満足してた 少しの希望だけで待ってれば 誰かが未来決めてくれていた」
そうだな。あいつは俺達に道を示して未来を決めてくれてたな。
「なんて小さい自分なんだろう? bust it up! move it up and break it!今すぐ夢まで走ろう!」
おっ。これからはあいつに頼らないでも進めるってかい。
強くていい女だねぇ、艦長。
「本命の君の愛以外はいらなくて 少しでも迷うもの 捨てましょう it's gonna feel so fine!」
クルーの命までは捨てんでくれよ?
「Gamble, you gatta chance to make a Rumble!ギリギリのステージ」
ギリギリで綱渡りしてんのは全員同じだからそこまではしないよな?
「一瞬の選択ですべてを失くしても後悔は見せないで 明るく負けて泣きましょう」
・・・いや、それはちょっと。
・・・ふー。しかしこれで全部か。
録画はまだ終わってねえけど追っかけ再生で編集するか。
部屋に戻る・・・。
「さあさあ、続いては喉自慢部門です!
喉自慢部門は上手ならば最後のフレーズまで歌えます!
しかし、少しでも下手なら途中で切ります」
「・・・シビアだな」
ゴートはボソリとつぶやいた。
「では、思いを歌に乗せて!エントリーナンバー1、スミダ・コウタロウさん!」
コウタロウは学ランを羽織って登場。
「アキコの為に歌います!」
ぶーぶー!
堂々と言い切るコウタロウに即座にブーイングが・・と。
ばきっ。ごすっ。
アキコの腕づくの制止によって会場内は(色々な意味で)静まった。
ここからアキコの評価。
「まだ見果てぬ先に 浮かんでは消える幻をこの手にする為 瞳そらさずに」
確かに浮かんでは消えるよな、追いかけるたびに。
「巻き戻せない時代(とき)の流れに 流されて 逆らって 傷ついて
希望(のぞみ)の全て砕け散っても生まれる夢があると信じたい」
・・・時の流れに流されたのはあるし。
望みが砕け散って生まれた夢・・ユリカと結ばれる事だったなー。
「風より早く 君の心へ すべり込んで根こそぎ包みたい
空より蒼く すんだ瞳が 見つめる全てを今感じたい
繰り返される 戦いの果て 信じるものがたとえ揺らいでも
力の全て ぶつかりあって 生まれる愛もあると信じたい」
うーん、過去にあった事を全部思い出しそうだな。
「エントリーナンバー2!シーラ&ライザさんのユニット「ホワイトアルバム」!」
「私達、恋人募集中でーす!」
うおおおおお!YESっ!
・・・何がYESだ?
まさかこう来るとは思わなかったか?
で、シーラ&ライザの思い。
「「新しい朝だ また始まるGOOD DAY」」
いい日はいつでも来るよ。ライザさん。
「「さあもっと素敵な明日を目指そう!
本当の始まりはこれから!」」
・・・私の始まりは・・・ここから・・・。
シーラちゃんのように良い男性に会えるのかしら?
「「探して求めて傷ついても再生」」
そう、心は傷ついても治せるよ。
「「流した涙無駄ではないさ」」
流した・・・枯れたと思った涙もいつか嬉し涙になって流れてくれたら嬉しいわね。
「「笑って転んで I LOVE YOU〜」」
「ではエントリーNO3!カタオカ・チハヤさん!」
「私はジュンに救われました。真っ暗な道を抜け出させてくれました」
「ち、チハヤ?」
じろり、と整備班の視線が突き刺さる。
「ジュンに・・・私の気持ちを伝えます」
大きく息を吸い込み、チハヤは歌いだした。
ここからジュンの評価。
「もう傷ついてもいい 瞳をそらさずに 熱く 激しく 生きていたい」
・・・うん、復讐を考えてた時よりいい方向性だね。
「あきらめない強さを くれる あなただから抱きしめたい」
・・・僕はそんなに強くないよ?
「I JUST FEEL "RHYTHM EMOTION"
この胸の鼓動はあなたへと続いてる SO FARAWAY…」
・・・ごめん、チハヤ。
今は君の胸の鼓動が届く以上に整備班の視線が痛いよ・・・。
「エントリーNO4!ヤガミ・ナオさん!」
「ミリア〜!」
・・・名前を叫ぶのか、そこで。
いつものやくざっぽい黒いスーツで登場。
で、ここからミリアの評価。
「君に夢中な事にわけなんて無いのにその腕はからむ事は無い」
ナオさんって結構一途なんですね。
・・・私に夢中な事にわけなんてないなんて(ポッ)。
「いつのまにか瞳奪われて始まった」
そんなに私の事を見ててくれたんですか?
・・・でもナオさんくらいの腕前だと私の事をストーキングするくらい出来そうで怖い・・。
「君が好きだと叫びたい勇気で踏み出そうこの熱い思いを受け止めて欲しい」
ありがとう、ナオさん。
是非、その思いを受けさせてもらいます。
「では、ゲスト部門に行きたいと思います!」
「おっと、いけね」
アキコは走ってステージに向かう。
「それでは「マーズ・オブ・マーズ」テンリョウ・アキコさんです!」
アキコはステージに立った。
アキコの衣装は・・・赤いセーラー服だった。
ここからコウタロウの評価。
「かけがえないものへ ヤッホー
この元気届けたい いつかも一度 ねえったら きっと言葉は要らないね」
うん、言葉より行動で・・・だったね(笑)。
「冷たいビルに飲み込まれ膝が立たなくなったら
二秒だけ目を閉じて勇気を呼び起こそ」
アキト、本当に寂しがってたよね。
「砂の山登ったらヤッホーこの気持ち伝えたい
あの日の誇りも抱いてここで頑張ってるから」
・・・頑張ってたみたいだね。
アイちゃんにアキトが無理してた事色々聞いたから。
「さて、お待たせしました!「漆黒の戦神」アキトさんです!」
「いきます」
アキトは当然のようにあの黒装束だった。
「漆黒の戦神」を名乗る所以だが。
ここからルリの評価。
アキトさんは大きく息を吸い込み・・・歌いはじめます。
そして後ろのスクリーンに白い翼をもったロボットが映り、
地球に落下する隕石を・・・ビームで打ち落とす。
・・・・・・どこか儚げな動きでした。
「見えない翼はばたかせ君を守り続けよう
光と影は背中合わせ
時代(とき)を越えて闘う In My Justice 」
アキトさん・・・一人で皆を護りきれるなんて思わないで下さいよ。
時を越えて戦う、まさにそのとおりですけど・・・。
「生まれ落ちた時に人は誰も
心に翼を持ってた
生きる為の嘘を飾りすぎて
いつか飛べなくなってゆく」
・・・・悲しいですよ。
アキトさんは自分の事をそう言う風に思っていたんですか?
「君の指が影をさがす You can fly
'Cause you are free, You can fly
誰も胸に蒼い宇宙を抱きしめてる
俺が天使になれるなら望むことはひとつさ
見えない翼はばたかせて君を守り続ける Hold your pain」
・・・死んで天使になって護りつづけるとかだけはやめて下さいよ?
「優し過ぎる君は背負うだろう 夢と誠実な罪を
甘やかされすぎた時代(とき)は今涙の熱さ忘れてる」
・・・・・・それってアキトさんのことじゃ?
「俺が天使になれるなら望むことはひとつさ
見えない翼はばたかせて君を守り続ける Hold your pain
俺が天使になれるなら出来ることはひとつさ
輝く未来創るために君を愛し続ける Hold your dream」
・・・・・アキトさんって結局誰を愛するんですかね。
私を愛して欲しいです。
こちら、舞台袖。
アキトが歌っている時。
「あ、あの・・・三郎太さん・・・」
「あ、ああ」
何故ここまで三姫が大人しいのかといえば、これが本性だからである。
いつも九州弁を混じらせ強気に振舞っているのは弱い自分を見せない為らしい。
で、この二人がこの状況に至っている理由は二年前の約束なのだが・・・。
三郎太自身はすっかりこっきり忘れていた(爆)。
最近(ピースランド潜入のとき)やっと思い出して今、話している。
・・・が、何故軟派な三郎太が見えないのかといえば・・・。
女になっていて「月基地でナンパ」フラグが消えていたからだった(笑)。
「私・・・ずっと待ってたんですよ」
「・・・あ、いや。ごめん」
・・・2年前の約束、三郎太にとっては7年前の約束なので覚えているはずが無い。
そして、三姫は大きく息を吸って叫んだ!
「私、三郎太さんの事が・・・。
大好きです!」
大好きです・・・・。
大好きです・・・・・・・。
・・・・・・・・。
三郎太の耳にその一言が木霊する。
三姫は顔を真っ赤にしていて今にも倒れそうである。
三郎太はその告白に果たして答えた。
「・・・ありがとう」
ここで答えないなら男ではないだろう。
いや、この男の場合自分の後のことを案じてこう答えたのか?
(・・・俺にもこんないい娘が付いていたなんて・・。
三郎太、一生の不覚ッ!
・・・・・・・あー、ナンパしてたのは言わないほうがいいよな)
・・・とりあえず自分の過去は隠蔽する気らしい。
「三郎太さんっ!」
恥ずかしさを紛らわせる為か、三姫は三郎太に抱きついた。
騙されてるぞ!三姫!
その様子を見ていた二人が居た。
「ふふふ〜三姫ちゃん、うまくやったね」
「あれで答えなければ男ではない」
北斗と枝織だ!?
「・・・北ちゃん。もうちょいいい言い方とかないの?」
「ふん。俺は自分の思い人が出来ん限りは男で行くぞ」
「・・・・・・そんなだから零ちゃんに好きになられちゃうんだよ」
「・・・放っておいてくれ」
・・・駄目っぽさマックスだ。
「木連、優華部隊の代表、神楽 三姫さんです!」
「私はある人に告白しました」
真っ赤になりながらも言う。
「その人に・・・歌を贈ります」
大きく息を吸い込んで三姫は歌いだした。
ここから三郎太の評価。
「運命のルーレット廻してずっと君を見ていた」
・・・うーん、ほとんど面識はなかったんだよな。
三姫君は僕が優人部隊になった時に見送りの花を贈ってくれたそうだけど。
・・・・・・よくよく考えると凄い子だな。
引っ込み思案の割に。
「ほら 運命の人はそこにいるずっと 君を見ていた」
・・・そこまで思われてるとは思わなんだよなー。
三姫君ももっとはっきり言ってくれれば忘れなかったのに・・。
って、のは無理だけど手紙くらいは欲しかったな。
「運命のルーレット廻して旅立つ時の翼はbravery
ほら どんな時も 幸運は待ってるずっと 君を見ていた」
・・・幸運が待ってたねえ。とんだ所に。
まさかここで出会うとはねー。
そして、全ての部門が終わり、プロスは手を広げて言った。
「では漆黒の戦神争奪戦部門の結果発表です!」
「「「「うおおおおおお!!!!」」」」
整備班の歓声とともに1位から3位までの順位がスクリーンに発表された。
作者から一言。
インパクト不足です。
・・・単純に文化祭チックにしてみたいとか言うあれですけど。
あー、ハヤシダの壊れ具合がむずかったです。
「ホワイトアルバム」はジョジョのスタンド名から命名しました。
あの二人は自分を真っ白にして新しい恋人を探したいそうです。
・・・で、シリアスにって話ですけど・・・少し決まりました。
1.reloadではギャグは極力少ない方面で行こうと思います。
2.・・・ですが、「ナデひな」系統の話も後で作る予定なので全部は無理です。
3.ただし、シーラが主役の物語でかなりギャグ部分を無くす、という方面で、
割り切ってギャグ無しの超シリアスな物語を書くことも決定しました。
4.reloadはこれから俺がナデシコSSを書く上で下地にしたいと思っているので、
「らしさ」が優先になってしまう恐れあり。
・・・・これくらいが今後の活動方針ですかねー。
ぶっちゃけ、ギャグは向いていないと思ってんですけどね・・・。
今回はイメージソングの検索、選曲が大変でした。
ならやるなって言わないで下さい。
でも最期に言わせてください。
あーしんど。
では、次回へ。
代理人の感想
ホワイトアルバム?
あの作品のスタンドの名前はバンドの名前から持ってきてますから、これもどこかのグループの名前だと思いますが・・・・・そっちは疎いんですよね(苦笑)