注意書き。
1.この話はネタバレが含まれている可能性が高いので第3章・第1話ぐらいまでは読んでからこちらをご覧になってください。
2.物語と言うよりはその時のモブ(失礼)の心境を描いているので、正直言えば本編に組み込めたかもしれないものもあります。
3.一応、「時の流れに」に準拠しているキャラ性格を意識していますが、筆者のイメージ付けの為に性格が一部違う恐れがあります。
ご了承下さい。
・・・これは、本編で描けなかった(もしくは描き忘れた)物語の一つである。
サブ・ストーリー集
「時の流れに・reload」サイドストーリー「シェリーの日記」
−ボソンジャンプで過去に行く前のシェリー。
・・・う〜ん、凄い作戦にのってしまいましたね。我ながら。
それでもユリカさんを一人で行かせるのは凄く不安です。
もちろん、成人で20も半ばの女性ですからそれなりに一人で行けるとは思います。
けど、ハッキリ言って危険です。
まず、社会生活の基礎がなってません。
・・・私が言うのもなんですが、ナデシコA時代より少々マシ程度で、
幼稚園から小学校に上がったばかりのようです。
確かに状況に応じた行動をとるとか、相手の気持ちを考える事くらいは出来るようになりましたけど。
それでも、屋台生活で観察したように・・・まだ非常識な人間の領域ですし。
あ、でもナデシコクルーはみんなそうでした(汗)。
もちろん、私も含めて(泣笑)。
そもそも戸籍がどうにもなりません。
・・・どう考えてもナデシコに乗る事は出来ません。
とにもかくにも関係が逆のようですが保護者としてといていかねばなりません(笑)。
・・・さて、もうひとつ気になる事がありますね。
イネスさんに渡された・・・というか私宛の手紙に同封されていた小さいノート。
これにユリカさんの観察日記をつけて欲しいと言う事ですが・・・。
正直、乗り気ではないですけどね。
でも、やっぱりお礼・・・ではないですけど、日記はつけましょう。
では、今日のことから。
○月◎日(過去に飛んで間もない日)
今日はユリカさん・・・コウタロウさんの観察日記を付け始める事になりました。
もちろん私の意思ではありません、イネスさんの指示です。
・・・それにしても私とイネスさんしか読まないはずの日記に何を書いてるんだか・・・馬鹿ですね、私。
あ、それと。
私達は新しい戸籍を作り、名前を変えました。
上に書いた通り、ユリカさんはスミダ・コウタロウと名乗りました。
私とラピスはコウタロウさんの義妹、シェリーとマリーです。
・・・・と、それよりもジャンプ先が凄い事になってました。
何と運の悪い事に・・・いえ。
イメージングが完璧でなかったのに地球上に出れたことはまあ、幸運でしょう。
現在の激戦区、西欧地方に出てしまって命からがら脱出する羽目になりました。
・・・生きていけるのか不安になりました。
死ぬ気はありませんけど、自信は無いです。
後は、私達を助けてくれたシュンさんという方に感謝をしたくらいです。
コウタロウさんの変化は・・・特に見られませんね。
○月◇日(コウタロウが軍の学校に通って卒業をしようとした頃)
・・・確かに単位のスキップですぐに階級を取れたのは流石です。
それでも、正直拙いとは思います。
私達がナデシコに乗り込むにはもう少し工夫が必要ですし。
何より、私達が居なかったらコウタロウさんはどうする気だったんでしょうか?
私はラピスと一緒に屋台をしながら・・・あ、これは半ば趣味ですけど収入源です。
私達が居なかったら、お金をどうやって工面する気だったんでしょう・・・。
それと、屋台の方にシュンさんが来てくれました。
アキトさん直伝のラーメンの味は抜群です。
美味しいと言ってくれて嬉しかったです。
・・・早くアキトさんとラーメンを作りたいものですね。
コウタロウさんの変化は・・・ちょっと冗談がうまくなった程度ですか。
皮肉めいているだけに笑えませんけど・・・。
・・・ラーメンを作れない理由が「昔死ぬほど不味いって言われちゃって・・・」って。
・・・・・・確かに舌が悪いとか暗い話をするよりはいいですけどね・・。
■月○日(シュンの部隊に配属された日)
今日は、軍に配属された日です。
コウタロウさんの希望でシュンさんの部隊に入りました。
・・・本当に軍の評価でナデシコに乗り込めるのかは分かりませんけど。
私とマリーはそれぞれ通信と索敵を担当する事になりました。
私達は忙しかったんですけど、コウタロウさんは暇を持て余していました。
・・・作戦を立てるのがうまいのは分かりますけどずるいです。
コウタロウさんの変化は・・・ありませんね。
ただ、今までどおり前向きなことを言ってくれてマリーを励ましてくれました。
■月◎日(キンダイチ達と出かけた日)
今日は、キンダイチ・レンさんとアヤノ・サヨさんと出かけた。
私はサヨさんに進められて言葉遣いを少し変える事にした。
ちょっと遊びに出かけたけど・・・問題があって。
私とコウタロウさんはアサルトライフルを模ったコントローラーを持てなかった。
鍛えていないせいだなーと思いつつ、ぼーっとキンダイチさん達の姿を見ていた。
コウタロウさんは一人称を「俺」にしたらしい。
△月○日(コウタロウがエステバリスに乗った日)
・・・ちょっとピンチに巻き込まれた。
この時期に居ないはずのダイマジンが出てきて、戦力的には負けていた。
そこでコウタロウさんが立てた作戦で迎撃をする事となった。
けど、コウタロウさんは自分が立てた作戦だからと自ら出撃した。
・・・・・・無理はして欲しくなかったけど。
コウタロウさんは・・。
ダイマジンのグラビティブラストに巻き込まれ・・・。
本当に死んでしまったと思って、私は泣いた。
けど・・・生きていた。
運がいい事にポケットに潜ませていたCCのお陰で脱出できたらしい。
・・・凄い強運。
コウタロウさんが勇敢になった気がした日でした。
・・・・・・・無謀とも言います。
△月■日(アキトが西欧方面にきた日)
今日はアキトさんが来た。
絶望的な状況の中、敵を一人で殲滅してくれた。
・・・・けど、違った。
アキトさんはアキトさんでもこの世界のアキトさん・・平行世界の。
・・・・・はぁ。
△月◎日(アリサが配属された日)
今日は「白銀の戦乙女」と呼ばれるエースパイロット、アリサさんが配属された。
・・・それがアキトさんのせいらしい・・。
私達が食堂の手伝いをしていると、アリサさんが現われてアキトさんに勝負を挑んだ。
当然、アキトさんの圧勝。
コウタロウさんはそれをのほほんと眺めているだけで特に何もしてなかった。
・・・・・・・・あまり変化が見られない今日この頃。
△月△日(moon nightとして遊撃中、街に出かけた日)
私は一つの決意をした。
それはアキトさんを私に・・・これ以上は言わなくても分かるね。
私達のアキトさん・・・今はアキコさんとなっているだけど、
やっぱり私にとってアキトさんは憧れで、初恋の人。
そういう訳で宣戦布告です、ふふふふふ。
なので、今日はアキトさんについて行ってアピールする事になった。
・・・しかしこちらですらライバルが4人ほど・・・。
ナデシコでは・・・もっと居るんだと確信。
それを見てコウタロウさんは困った笑いを浮かべていました。
・・・・・・そんなにおかしいかな。
帰り際に、眠っちゃったけど・・・起きたらアキトさんが今日買った服を着ていた。
それと少し車の中が生臭かった気がする・・・何だろう?
◇月◎日(ナデシコへの出向が決まった日)
アキトさんが帰っていく・・・少し寂しくなると思いつつ、追おうとした。
ナデシコにはアキコさんが居るから。
と、そんな心配は要らなかったようでmoon night総出で追っかける事になった。
もうすぐ、アキコさんの心の曇りも・・・きっと、晴れるよね。
医務室。
「・・・うーん、コウタロウさんはそれほど変化がなかったようね」
アイはシェリーの日記を眺めていた。
「・・・・それにしてもお兄ちゃんがたった一ヶ月で撃墜数をここまで上げてたなんて・・・恐ろしいわね。
対策を練らないと」
コーヒーカップでオレンジジュースを飲む。
そして、今は一緒に寝ているであろう、アキコとコウタロウの事を頭に浮かべる。
「アイちゃん、そろそろ寝なさい。寝不足はお肌の天敵よ?」
「あ、はい。寝まーす」
アイは顔を出したイネスに呼ばれて部屋に戻る。
「・・・さて、明日は同盟の会合だもんね、よく寝よっと」
呟くと彼女は怪しく笑った。
9歳の少女に似つかわしくない、その年齢の少女では浮かべられない笑みを・・・。
作者から一言。
・・・・・・・・・・微妙。
アイの日記を書いたからには書かない訳にはいかないとは言え・・・。
駄目駄目だ・・・。
代理人の感想
んー・・・・・・閑話ですね。
特に必要性のある話でもないので、まぁ、パラパラと。