〇地球・佐世保市・町食堂『星天』・店舗スペース──ユリカ
私達は呆然とテレビモニターを見つめるしかなかった。
…アキト君が『アギト』ってアキト君のクローンと相討ちになってからすでに五分が経過してる。
お互いのアサルトピットを一撃して、海に墜落した二台のブローディア。
カグヤちゃんの戦艦カグヤが救助に向かってるけど、到着にはもう五分かかる…。
ショックを受けているユリちゃんをなんとか励ましたい。
でも絶望的すぎる状況で、言葉が全く出てこない。
私もアキト君がこんなことになるなんて思ってなくて、ショックで何も考えられない…。
救助が来たとしても、海底に沈んだブローディアにたどり着くのに、どれくらいかかるか分からない。
一緒に乗り込んでいた北斗ちゃんは助からないかもしれないけど…。
もしかしたらアキト君はナノマシンの効果で生きてるかもしれない。
アイちゃんの見立てでは、一時間程度なら持ちこたえられるって。
でもアサルトピットに直撃を受けたってことは、助かってないかもしれないし、
一時間以内に発見されても引き上げの時間が足りなければ、結局は…。
ユリちゃんはうつむいて涙を流していた。
もう何もかもが終わりだと思っているような…魂の抜けたような顔で…。
ううん、ユリちゃんだけじゃない…全世界が同じなんだ。
あのアリーナに集まった人たちも、みんなショックを受けてる。
も、もしかしたら自殺しちゃう人もいるかも。
アキト君が、自分のために誰も死んでほしくないってお願いしてても、これじゃ…。
…私は言葉が出なかったから、ユリちゃんの手を強く握った。
私も涙で前が全然見えなくなってきた。
きっと私もアキトが死ぬようなことがあったら、同じ気持ちになる。
だから…。
そうするとユリちゃんは弱々しくだけど握り返してくれた。
ユリちゃん…死のうなんて思っちゃダメだよ…。
ユリちゃんは、私の大事な妹なんだから…!
テレビモニターのワイプにアクアちゃんの姿が見えた。
アクアちゃんは涙をボロボロこぼしながらも、
しっかりとした表情で、そして大きな声で、全世界に呼びかけてる。
ユリちゃんはアクアちゃんの言葉にバッと顔を上げて目を見開いた。
そして呼吸を整えながら、いつものような表情を取り戻して…。
「……情けないですね、私。
アキトさんがいつかこんな風になるかもしれないって分かってたのに…。
このところ会えてなかったのもあるとはいえ、覚悟はしてたはずなのに…。
…あの死にたがりのアクアに説教されなかったら、
戻ってこれないところまで行くところでした…」
「…ユリちゃん。
そ、そんなことないよ…。
大事なアキト君のことだもん…」
「いえ…お腹の子を巻き込んで死ぬわけにはいかないのに…。
そもそも、アキトさんが生きてるかもしれないのに、こんなじゃ…」
ユリちゃんはまだ取り乱してはいるけど、なんとか踏みとどまった。
自虐的なことばっかり言ってるけど…そこまで思わなくてもいいのに。
だって…。
「ユリちゃん。
私達の前で強がらなくてもいいんだよ…家族なんだから。
何があっても、ずっとずっと支えるから、ね?」
「…はい」
ユリちゃんは私に抱き着いてくれた。
私もそっと抱きしめ返して、支えようとした。
…でも、私もユリちゃんも涙が止まらなかった。
この六年のユリちゃんとアキト君との思い出。
アキト君が地球圏全体に残した奇跡。
16216回繰り返された、悲劇の歴史。
それが走馬灯のように頭の中にめぐって…。
こんな、こんなことが起こったら…。
いくらアキト君の事を信じていても耐えられないよ…。
それから、アキトがお冷を持ってきてくれて、
私とユリちゃんはちょっとずつ落ち着いていった。
そして私達はアキト君の生存を信じて、じっと待った。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
それからアキト君の捜索は日が暮れてからも続いたけど、結局ブローディアは発見されなかった。
0時を回る頃になって、やっぱりだめなのかと思ってユリちゃんは泣いた。
私はユリちゃんと自室に戻って、ユリちゃんを休ませようと、落ち着けるようにお話をした。
ユリちゃんは私に抱きしめられながら、静かに、ただ静かにいろんなことを話した。
ずっと泣きながら、ユリちゃんはただ話し続けた。
でもさっきの絶望的な泣き方じゃなく、悲しんではいるけどまだ生きる気力を感じる泣き方をしていた。
この五年の事も…ユリちゃんが、ユリちゃんになる前の、ルリちゃんだった頃のことも、全部…。
今までは積極的に話そうとしてくれなかったことだったけど、
短く語られるその言葉の端々に、この世界でどれだけユリちゃんが救われてきたのかが感じ取れた。
そして…。
「私、PMCマルス襲撃事件の時ね…。
アキトさんが死んだと思って…アキトさんのブラスターで死のうとしたんです…」
「え…」
「…あの時は、大事なユリカお姉さんとミスマル父さんのために生きようって思えなかった…。
薄情で、情けなくて、最低なこと考えてました…」
突然の告白に、私は戸惑った。
ここまではユリちゃんの言葉を受け入れることしかできてなかったけど、明確に私はうろたえた。
「でも…テンカワさんが、助けてくれました。
…やっぱり、ダメでした。
もう、私とともに生きたアキトさんと別の人だって分かってても、
結局テンカワさんに言われちゃうと、もうダメダメです。
…命の恩人です、テンカワさんも」
「そ…っかぁ…」
「あの時死んでたら…。
アキトさんが生き返って、私だけ早とちりして死んでたかもしれないんです。
…そんなことになってたら、ホント笑えないことになってました。
アキトさんの方が、メンタル弱いのに置いてっちゃ…。
…今回もそうであってほしいです。
だから絶望的でも、今回も待ってみます。
アキトさんは、昔と違って生きてたら絶対帰ってきてくれますから。
それに…私、まだまだ大事な人がいっぱい居るんです。
これからの人生、もっと面白く、楽しくできるはずなんです。
こんなところで死ぬなんてもったいないこと、できません。
…だからもう大丈夫です。
二度とそんなバカなことしません。
アキトさんが帰ってこなくても…。
アキトさんとこの子のために生きていきます。
…大事な家族が、居てくれますから」
ユリちゃんは私を見つめてにっこり笑ってくれた。
強がりじゃない、まだ頑張ろうって気持ちを感じる…。
…ユリちゃん、まだなんとか持ちこたえてくれてる。
アキト君の事を信じて…私達の事も信じてくれてる。
…良かった。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
それからユリちゃんは、胸の中にしまい込んでいた想いをすべて吐き出したせいか、
不安がだいぶ和らいでくれたみたいで、力尽きて眠そうになった。
お布団を持ってこようとしたら、ユリちゃんは迷惑かけてるんじゃないかって遠慮してたけど、
私は「ユリちゃんは強い子だから我慢し過ぎちゃうし、無理に我慢しないでほしい」って言った。
ユリちゃんは小さく笑って、すぐにお布団に横になると眠りについた…。
ユリちゃんを布団に寝かせると、私はもう一度お店の方に戻ってきた。
午前の三時になったのに、アキトとナオさんはまだテレビで捜索状況を見ていた。
…進展は、ないみたい。
「…ユリカ、しばらく店を休もう。
ホシノは助からなかったかもしれないけど…。
だからって…ユリさんまで死なせたらダメだ。
…なんとか守らないと」
「…うん」
「お前もだ、ユリカ。
しばらくお義父さんのところにお世話になった方がいいかもしれない。
ここよりは安全だ」
アキトとナオさんは私達の警備についても話し合ってくれてたみたい。
…私、ユリちゃんのほうばっかり見てたけど、アキトも、ナオさんでさえも目がちょっと赤い。
そう、だよね…。
悲しいよね、みんな…アキト君の事を大切に思ってるもんね…。
「…しかし、ラピスちゃんの仕込みがあっても敵がアキトのクローンってなると、
勝手が違ってくるわけか…」
「…そうっすね。
敵はアギトの背後の連中だけじゃないし…」
「…ううん、そっちはたぶん大丈夫。
ラピスちゃんの見立てだと…私達が「大人しくしてる姿」を見せている間は安全だって。
つまりお父様の家にいるとか常に動きが把握出来る状態で、
それで『アキト君の仇討ち』とか『アキト君に代わって世界を動かす』とかそういう動きさえなければ、
敵もそうそう手を出してこないんだって。
…もっともアギトのバックに居る人たちの目的が分からないから、
そっちの襲撃があったらどうなるか分からないし…。
絶対安心ってことはないんだけどね」
「そりゃそうだな…。
目的が分からないし、ほかに何をするのか分からないし、
ホシノのクローンが作れるってことは戦力面でも油断できない。
それにユリさんだけは急に動かなくても危ないかもしれない。
何しろホシノの子供をお腹に抱えてるんだからな…」
「…だな。
ホシノの世継ぎが生まれるってことは、
こちらが二十年後にアキトに代わって英雄として擁立する可能性があるってことだ。
敵がユリさんからの逆襲する恐れをつぶしたいって考えているとしたら…。
どの敵勢力も間違いなく狙ってくると考えるべきだろうな。
アギトの背後組織も、それ以外も」
…そう、だよね。
どうにか、ユリちゃんを守り切らないと…。
アキト君が居なくなっちゃって、寂しいし、悲しいけど、立ち止まってられないもん…。
もう、可能性はかなり…絶望的に低いけど…。
アキト君が無事だったら、一番いいな…。
…でもラピスちゃん、本当になにも仕込んでなかったのかなぁ。
アギトって人自体がラピスちゃんの仕込みだったら、助かってるかもしれないけど…。
ラピスちゃんからのレーザー通信のメールがさっき届いた。
「あっちも大変だからこっちに構ってられないからごめん」って、
こんな時にこんなそっけない短文が来たってことは、
ちょっとだけ何か仕込んでた可能性があるんだよね。
ラピスちゃんだって本当にアキトが死んだって確信を持ったら取り乱すはずだし。
ルリちゃんだってすぐにレーザー通信で通話してくると思うし。
そう考えると…。
でも、ラピスちゃんはこの間『アギト』について聞いた時、きっぱり知らないって言った。
そうなるとラピスちゃんの仕込みじゃなくなるってことで…。
ううん、今は絶望的な状況だけどアキト君が生きてる事にして動こう。
何か起こったらそうすることになってたし、ラピスちゃんが何か仕込んでる可能性もゼロじゃなさそうだし。
私達が思ったより落ち着いていられるのは、この一つの希望があるからだと思う。
まだ、可能性があるって思えるから…。
…でも、もし死んじゃってたらって考えると、やっぱり辛い…。
その時は…。
〇宇宙・火星⇔木星航路・ナデシコD・サブロウタの部屋──リョーコ
…ホシノが相討ちになってから一晩が経過した。
ホシノの応援でお祭り騒ぎ状態だったナデシコ艦隊も、完全なお通夜状態だ。
ホントにホシノが死んじまってたら、お通夜そのものだし、
死体が上がってねぇからどっちともいえねぇが、
普通は死んでるような状況だし、仕方ねぇよな。
「…こんなことが起こったら自殺者が出るかもしれないって言ってましたが、
出てないみたいで良かった」
「ああ、アクアの説得が効いたらしいな」
あたしとサブロウタはサブロウタの部屋で、軽く酒を飲んでいた。
もちろん酔いを醒ます薬はすぐ隣にあるけどな。
なんであたしたちが暢気に酒なんて飲んでるかって言うと、
ホシノの死亡でショックを受けた連合軍士官が多すぎるのでもう一日休んでからの出発になったからだ。
…さすがにあたしたちも、これから地球圏がどうなるか考えると気が重かったしな。
だけどナデシコ艦隊も地球も火星も、とりあえず自殺者は出なかった。
元々ホシノが自分が死んでも自殺してほしくないとファンや世の中に働きかけてくれていたからだ。
それでも迷いながら死ぬ方法を考えていた連中も、アクアの説得がダメ押しになって、
とりあえずは誰も死者が出ていない。ホシノもホッとしてるだろうよ。
どっかに潜んでんのか死んでんのかは分かんねぇけどさ。
「しかし、ラピス艦長もルリ艦長も精神的にタフだ。
…こんなことになっても、いち早く立ち直っているなんて」
「サブロウタ、お前はホシノが死んだと思うか?」
「…いえ。
あの状況ではさすがに助かっているとは思えませんが」
「あたしは…直感だけど、生きてる気がするんだよな。
いや、直感だけじゃない。根拠だってある。
あのラピスが、涙を見せながらもいつもの強気な態度を崩してないだろ。
ラピスがいくら強いって言っても人間だ。
弱ってたりから回ってたりすりゃ目に見えてわかるさ。
弱ってねぇってことは、何かあるのかもしれないだろ?
今んとこ、これだけしか根拠はねぇけどな。
それに…」
「それに?」
「…一晩経っても遺体も機体も上がってねぇのが気になる。
いくら深海とはいえ、ブローディアの性質を考えると見つけるのは楽なはずなんだよ。
それなりに大きなサイズだし、着水した場所は特定できてるし、海流に流されやすいほど軽くもない。
しかも潜水用エステバリスを持ち出して、それなりに設備は整ってるはずなのにだ。
そうなると…」
「機体ごと持ち去った者が居るか、
そもそもホシノさんが捜索しているカグヤ隊に口止めをしているか、と」
「そういうこった。
…ま、暗い方向に考えるならホシノの死体を手に入れようとした連中がいたってのもあり得るけどな。
アギトの背後組織がそうしていた可能性はなくはないが機体ごと回収する理由もねぇだろ」
「確かに…。
ブローディアのデッドコピー品が作れるなら機体は要らない…」
サブロウタは頷くとグイっと缶ビールを傾けた。
ま、こんぐれえのことは捜査を開始したらすぐに気づくだろうが…。
逆にホシノが、あの場をどうやって戦艦カグヤに気付かれず、
撮影していたドローンにも捕まらずいられたかもわからねぇから、そう楽観的にもなれる感じでもねぇけどな。
傷も負わずに生きてるならすぐに顔出さねぇアイツじゃないし。
光学迷彩で隠すにしても戦艦カグヤのレーダーには引っ掛かるしな。
戦艦カグヤが協力していたと考えることもできなかないが、到着が遅れすぎてる。
それじゃ助からねぇし。
戦艦カグヤが協力していて光学迷彩で隠してたってのも無理だ。
ブローディア二台の損傷、あれはマジでぶっ壊れてた。
仮にアサルトピットが無事でも身動きは取れない。
回収が間に合わないし、身動きもとれねぇだろう。
そうなると最初から海に誰かが隠れていた可能性だけど…。
あの時、ホシノの関係者はほぼすべて動けない状態だった。
外部の協力者を募るにしても、情報を外に出さずに出来る可能性は低い…。
アギト側の背後組織が準備していたのもありえるが、
あの場所まで連れ出したのはホシノだ。アギトじゃねぇ。
それなのにその場所に駆けつけて準備できるか?
最初からホシノとアギトが示し合わせていたなら話は合うが…。
あの大根役者のホシノが演技していたとは考えづれし。
…となると。
助かってるって推測は間違ってねぇけど矛盾になってる場所をなんかの方法でクリアして、
何かしらの理由があってどこかに逃れているか連れ去られたか、
もしくはマジに相討ちしてたか、ってことにはなりそうだな…。
…まぁホシノの場合、何があっても驚かねぇし、
ラピスが何を仕込んでたって今更驚かねぇけどよ。
距離とかタイミングを無視する方法がない限りは無理難題な気がするけど…。
この戦争の発端になった例のボソンジャンプ、とかな。
例のイツキ姉妹がそれがらみで命を弄ばれそうになってたわけだし…。
だけど生体ボソンジャンプっていうのは、五年前に火星の遺跡の…なんだっけか、
ボソンジャンプのなんたらユニットに封印をほどこしたとかどうとか火星で言ってたよな。
この封印の話はナデシコAで火星に向かった俺たちと、
当時火星に居た人達、そして一部地球の高官や政治家しか知らねぇ。
火星に残されたロストテクノロジー、そしてボソンジャンプが戦争の直接原因だった事は広まってはいるが、
戦争開始前の地球と木星の和平を潰して戦争のきっかけを作った連中と、
そのあと戦争を煽った連中の方が集中的に避難を浴びたんだよな。
だからネルガルは批難を受けても存続し続けたし、だからこそホシノは評価され続けたってことで…。
まあ生体ボソンジャンプが封印されてるならそれで脱出するなんてできねぇだろ。
そもそもサブロウタ曰く、遺伝子の改造がなけりゃ生体ボソンジャンプなんてできねぇらしいし。
…そういやホシノもイツキ姉妹の一件がきっかけでピンチになり始めたんだよな。
今回の事だって…風が吹けば桶屋が儲かるっていうが、何がきっかけになるかわかんねぇもんだ。
しかし…。
「…サブロウタ。
お前、いつあたしに手を出すんだよ」
「うっ…しゅ、祝言を挙げてからではダメですか…?」
「…お前、今まで付き合ってきた女にもそう言ったのかよ?」
サブロウタはバツが悪そうに視線をそらした。
…あきれ果てるぜ、全く。
元々こういう性格なのは分かるけど、そんな極端になるんじゃねぇよな。
この間から時々部屋に遊びに来てたのにそういう素振りがなくて、
緊張したこっちがバカを見るってことばかりだった。
だから今日はあえてホシノをしのんで一杯やろうって口実で酒まで持ち込んだってのに。
大体、あのナンパな態度だって演技ってわけでもなくサブロウタの一面だろうにな。
はぁ…。
『あたしに女らしさがねぇせいだろ』ってなじりたくなってくるぜ、ったく。
まあ、やる気になってねぇ奴をけしかけんのもまだ時期尚早って奴かな。
そうじゃなくても、今日はホシノの生死の方が気になっちまってるのはあたしもだし…。
〇???
とある特殊な暗号化されたプライベート回線に通話が開かれている。
軍の上層部の人間をも含む、かなりの大企業の要人、政府要人などが集まっている。
クリムゾンを筆頭とする、木連と手を結んで利益を共有するために同盟を結んでいる人物たちである。
この五年ほどホシノアキトに煮え湯を飲まされ続けていた彼らが、これ以上ないほど浮かれていた。
ホシノアキトの生存が絶望的な状況になっている今、彼らの悲願は達成されたも同然と思われていた。
『ははははは…!
実に愉快だ!
あの若造、ついにくたばりおったわ!!』
『アギトとかいうやつのクローンには感謝せねばな!
くくくく…』
『うろたえていた娘や孫も、ホシノアキトがわざわざ警告しておいてくれたおかげで無事だ。
つられて自殺する者が出ていたら、地球圏もボロボロになるところだったろうがな』
『我らの手で始末できなかったのは残念だったがな。
…ん?
クリムゾン、お前は黙ってるな?
祝いの席くらい、喜んだらどうだ?』
『…貴様ら、本当に奴が死んだと思っているのか?』
彼らの笑い声がぴたりと止まった。
クリムゾンの声色が硬いのが、油断をするなという戒めからではなく、
何か重大な懸念を抱いているのだとすぐに気づいたからだった。
『…なんだ?
また何かのトラップだと言いたいのか?』
『それもある。
…状況的に不自然なのは確かだ。
深海に沈んだ二機のブローディアがまだ見つかってない…いやこちらはまだあり得るが…。
ラピスラズリがわざわざ地球を離れたことが気にかかる。
奴がホシノアキトのブレーンである可能性は、いまだ高い。
にもかかわらず、なぜ地球を離れたのか…』
『それは何かのたくらみがあったのことかもしれないが、
あの状況ではトリックを仕込むようなことはできないと思うが?
衛星からの映像でも、それは分かっていることだ』
『…では、一番の懸念を言おうか。
貴様ら、ホシノアキトと影守北斗のクローンが量産されたらどうなると思う?
二人のオリジナルと相討ちに持ち込めるほどの、あの完成度だぞ?
ブローディアも量産できる状態だったらどうなる?
地球上の、どこかの勢力がそれを目論んでいたとしたら、我々とて手も足も出ないぞ。
ナデシコ艦隊が出払っている今、それに対抗できる戦力など地球上にありはしない。
地球圏に残ったシャクヤクも、戦艦カグヤも、物の数ではないだろう。
パーツ交換で多少の近代化改修はしているとはいえ、すでに五年前の艦だ。
ブローディアと、ホシノアキトと影守北斗の組み合わせが一組あれば、間違いなく撃墜できる。
…どうやって対抗するつもりだ?
例えばだがその組み合わせのクローンたちが、
三機から五機の小隊規模でブローディアコピーとともに現れたとしたら…。
恐らくナデシコ艦隊でも苦戦を強いられる可能性は高いだろうな。
良くても全滅に近い状況での勝利といったところだろうか』
『『『『ッッッ!?』』』』
クリムゾン以外の同盟メンバーは絶句した。
特に連合軍上層部は呼吸が荒くなった。
クリムゾンの話した内容が、簡単に想像できたからだ。
『地球上の勢力ではなかった場合はさらに深刻だ。
ヤマサキ博士がそれを持っているとすれば、バッタだの鳥獣機だのじゃなく、
ホシノアキトと同程度の戦闘能力・DFSの発生能力を持った集団が襲ってくることになる。
圧倒的戦力差を覆せないだろう。
…そんなことも考えなかったのか、貴様ら』
『だ、だ、だが、ホシノアキトが支配する世界よりはマシではないか!?』
『それこそ愚の骨頂だ。
何しろ例のアギトというクローンが、どこの勢力の支援を受けているのかすら分かっていない。
目的も!
資金源も!
政治的なバックボーンがあるかどうかすら!
分かっていないのだぞ!
そんなのんきでいて、どうするんだ!?』
クリムゾンの叫びに、同盟のメンバーは黙り込むしかなかった。
今まではホシノアキトが生きていることこそが最悪の状況だと思ってきただけに、
それ以上の出来事が起こることを想定できなかった。
ホシノアキトと互角以上に渡り合えるクローンを造り、
さらにブローディアの完全なるコピーを完成させた勢力の存在も信じられていなかった。
かつての地球最高の機体であるブローディアも完成から五年が経過しており、
近代化改修されて、現在でも最高クラスの性能を持つとはいえ、既存技術の塊になっている。
五年前の段階でさえ、ヤマサキがヤマタノコクリュウオウというデッドコピーを完成させている。
ちなみにこれはホシノアキトやネルガルが木連に与している可能性を示していたが、
クリムゾンが抱えるステルンクーゲルでさえも敵がデッドコピーを作っている事実もあり、
現在クリムゾンに属している開発者のシーラも元ホシノアキト陣営だったとはいえ、
情報漏洩を堂々とする余地は全くない。その経歴のためクリムゾンからの監視はかなり強いからだ。
本人もそんな素振りも見せている様子はない。
この事実から、単にヤマサキ側の解析・コピー技術が優れているということで決着している。
ヤマタノコクリュウオウを量産しないヤマサキの姿勢には謎が多かったが、
月にある特殊資源が少ないせいだと推察されている。
そうなると、アギトの一件はヤマサキが絡んでいない可能性も高いと、クリムゾンは睨んでいた。
だからこそどの勢力なのかが不明で、不安要素であった。
『…とにかく、今はバール少将を暗殺した暗殺グループに、
ホシノユリ…いや、ミスマルユリを暗殺させることにしよう。
テンカワアキトが近くに居ないタイミングであれば何とかなるだろう。
奴の血筋を残しておくことはデメリットしかない。
…最もクローン技術で増えてしまう今となっては、本質的には無意味になりつつあるだろうがな』
『…そうだな、奴の子が生まれてしまえば我々の支配が及ばなくなるかもしれん。
ミスマルユリが子供とともに、各勢力にすり寄ってしまえば手が出しづらくなる。
ついでにミスマル総司令もできれば消しておきたいが、まずはミスマルユリだ』
『…ホシノアキトが死んだことで、
逆にこれからの流れが読めなくなってしまったのは手痛い。
だが、こちらから流れを作りやすい状況ではある。
ネルガルも元ナデシコAクルーも、元PMCマルスのメンバーも、
ホシノアキトの死でしばらくは身動きが取れなくなる。
少なくとも一ヶ月はマスコミが抑え込んでくれるだろう。
その間に、我々が先んじて動いて行けばいい。
アギト対策が難しい今、出来ることは先んじて手を打とう。
アギトに関する推測はメディアに推測させないようにして、
ホシノアキトを利用したネガティブキャンペーンで、徹底抗戦と反木連を煽るぞ。
…分かっているな?』
『も、もちろんだ』
彼らは頷くと、次々と解散していった。
祝杯の酔いも醒めてしまったが、
世の中を再び自分たちのコントロール下におかねばならないと考え始めていた。
そしてホシノアキトの捜索、アギト関係の背後組織の調査を続けることになった…。
〇地球・東京都・ネルガル附属病院──ユリ
…あれから一ヶ月ほどが経過しました。
世の中は、大きく動いていました。
アキトさんの死亡がほぼ確実だと言うことで、
アキトさんの今までの活躍を見直す機会が生まれました。
今まではネガティブキャンペーンを打っていたメディアも、手のひらを返しています。
懸念事項なのはクリムゾン系のマスコミを中心に、アギトを木連の手の者として報道し、
火星に生き残っている木連勢力、地球に移住している木連出身者をバッシングする動きを見せていることです。
今は表立ってのトラブルは起こっていませんが、つもりに積もっていくと危ないかもしれないですね…。
それに木連がアギトを生み出したという与太話に関しては、
夏樹さんの一件があるのでないとは言い切れませんが…準備に数年かかるはずです。
突発的に始められる話じゃありません。
最初っから草壁さんとヤマサキ博士が裏切るつもりでなかったら成立しませんし。
そのつもりがあったらヤマタノコクリュウオウの大群でとっくに攻めてきてます。
だから違う…はずです。
…確信を持って言えないのがつらいです。
あの時の言葉が嘘じゃないとは思っていても、あり得ないとは言い切れません。
夏樹さんの死という…裏切りが起こってもおかしくない出来事があったんですから…。
事情を知っている私でさえこれくらい疑っているんです。
世間がどれだけの疑いを持ち始めているかは想像に難くありません。
アキトさんが憎みあわないようにと言ってくれていたのが救いです。
戦争がすべてが終わっていないから、抑えられているだけかもしれませんけど…。
…でも、一番嫌なのはそんな事情ではありません。
外部の事はどうしようもないですし、そんなにどかっと背中を預けるほど他人は信じられません。
…アキトさんがどうなったのか考えたくないって弱気な私自身が一番嫌になります。
…自信を持って、アキトさんを信じていられない。
あの状況を見てしまったら仕方ないとみんなは励ましてくれてますけど…。
アキトさんが居ない悲しみは、マスコミ対応の忙しさで抑えられる一方で、
インタビューとか、記者会見が終わるとすぐに噴き出してきます。
アキトさんに会いたい気持ち、もし死んでしまっていたらと言う不安に泣いてしまいます。
大きくなっていくお腹を見ると、この子たちがアキトさんに会うことがないかもしれないって思うと…。
…この間のラピスとの話も、不安の原因です。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
一ヶ月前、アキトさんが生死不明になって二日後に、
ラピスにいつもの仕込みじゃないかと問いました。
でも、ラピスはむっとしたように言い返しました。
『…私でもこんなに離れてたらなんも仕込めないって。
ユリ、五年前にも言ったけど、もう流れが分かんない状態になってるの。
すでに歴史は私達が知らないところに来ている。
すでに運命は私達の手から離れている。
もう分かってる事でしょ?
…っていうか、レーザー通信って盗聴の恐れがあるから、こんなこと聞かないでよ。
私だってアキトが死んだかもしれないから眠れてないのに…』
ラピスがむくれてしまったので、私は無神経なことを聞いたのを謝りました。
確かにラピスも寝不足なようで、目にクマが…。
いえ、アキトさんの一件だけじゃなさそうです。
夏樹さんの一件のこともあって、まだ眠れてない日が続いてるんです、きっと。
となると…ラピスの仕込みでもないと判明した以上、アキトさんの生存は絶望的なんです。
それが分かっても、分かりたくなくて…。
でも…。
『ぐす…。
アキトが死んだなんて思いたくないけど…。
きっと生きてるって、信じてるけど…。
…もし、ホントに死んじゃってたら、
私がユリちゃんと結婚してあげる。
だからぜったい、死んだらダメだよ…?』
「…くすっ。
そう、ですね…。
そんな話、してましたもんね…。
…待ってます。
アキトさんと一緒に迎えに来れないようなことがあったら、
ふつつかものですが、お願いしますね」
ラズリさんも、ボロボロ泣いてましたけど…私を励ましてくれて嬉しいです。
…あの五年前の約束があるから、私も何とか我慢できそうです。
冗談めいた、でも結構マジな約束してくれましたもんね…。
…応えたいです。
どんな結果になろうとも、生き延びて見せます…!
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
それから一ヶ月…。
一ヶ月も戻ってこないアキトさんの死を…いつか受け入れるしかないのかもしれません…。
でも、信じていたい。
私が世界の誰よりもアキトさんの生存を信じてないといけないんです。
…また、アキトさんの棺が空っぽのお葬式をするなんて、嫌です…。
大反対です、最低最悪です、やりたくないです。
だから、生きていてほしいんです…。
「…?…ユリ?」
「…あ。
な、なんですか?
アイ?」
「ちゃんと診断結果が出たから説明しようとしたのに聞いてないんだから。
…母子ともに健康、ストレスと寝不足はちょっとあるけど大きな影響なし。
ひとまず問題なさそうよ」
「あ、はい。
ありがとう…。
…ユリカさんたちのおかげですね。
押しつぶされそうなほど不安ですけど、何とか眠れてます…」
私は主治医のアイに、妊娠経過の検査と診察を受けにネルガル附属病院を訪れていました。
単独で佐世保に居続けるのも危ないので、ユリカさんとテンカワさんともども、
ミスマル邸で護衛してもらいながら、日々を過ごしていました。
元々信頼できる医師も限られているので、アイにお願いしている状態ですが…。
…『ホシノお兄ちゃんの子供は私が取り上げるもん』って張り切ってて、こっちはげっそりしてます。
まあ、信頼はしてるんですが…。
で、この一ヶ月はユリカさんもテンカワさんも食堂はずっとお休みして、私のそばにいてくれてます。
護衛なんかのこともあるけど、マスコミの応対はすごいストレスですから…。
でも、そのおかげでお腹の子も、私自身もかろうじてなんとか保ててます。
ちょっとだけホッとしました。
しかし、アイもタフですね…あんまり不調な様子がありません。
これまでの苦労を知ってますから元々タフなのはあるでしょうけど、
アキトさんが死んだかもしれないって時に、ここまで…もしかして何かを握ってる?
いえ、それならこのセキュリティの十分な場所だったら言ってくれるでしょう。
…私と同じでアキトさんの子供のことがあるから、まだ頑張れてるだけかもしれませんし。
「…そういえば、ユリ。
あなた、ピースランドに行くって本当?
確かにもしもの時は避難することになってたそうだけど…。
今更そこまでしない方がいいんじゃない、かえって危ないわよ」
「いえ、だからこそ行かないといけないんです。
アキトさんが死んだと思われてる今、一番狙われるのは私です。
私のせいで、大切な人が傷つくのは嫌ですから…」
「…まあ、仕方ないわね。
そうせざるを得ない状態だものね。
一応、ペンダント型通信機は持っておきなさいよ。
とはいえ、ラピスの件でもうバレバレだから、奪われないように気を付けて」
「分かってます。
…後を頼んでいる眼上さんたちには悪いですが、行ってきます」
…あの一件で、ペンダント型通信機の事はバレてるんですよね。
ラピスがどうしてハーリー君に連絡できたか説明しなきゃいけなかったりで。
そもそもあの事件さえドラマ化してるので、ほぼ常識レベルで知られています…。
バージョンアップしてあって、前回の反省を踏まえてGPS装置もついてますから、ある程度は安全です。
で、なぜピースランドに向かうかというと…。
私はラピスに指定された通り、アキトさんに何かあった時はピースランドに非難することになってます。
何かあっても追いかけやすい状況にはしてありますし、最悪の事態は避けられると思います。
ネルガルのプライベートジェットを借りて、最低限の人員にしか知らせないで行けば、何とかなるからと。
そして私は表面上では「行方不明になる」の形を数日とってから、ピースランドに到着してから関係者に連絡する…。
そうすることでしか身の安全を確保できないからと、こういうプランを教えられていました。
…まあ、ちょっと腹立たしいこともいくらかあるんですが、致し方ないでしょう。
〇地球・埼玉県・飛行場・プライベートジェット客室──ユリ
「よし、ユリ殿。
蓋を開けるぞ」
「…ぷはっ。
クッション入りで丁寧に運んでもらったとはいえラクじゃないですね」
私はそうっと起き上がって棺から出ると体を伸ばしました。
かれこれ二時間ほど寝かされて、じっとしないといけないのは大変でした。
あれから私は東京都のネルガル附属病院を正面から出ず、特殊合金製の大きな棺に寝かされ、
外箱として「特殊機材」表記の段ボールで包み、医薬機材用の丈夫なトラックに乗せられて、
ここまで運んできてもらいました。
私は表面上、まだ病院で検査中と言うことになってます。
お父さんにもユリカさんにもこのことはまだ秘密になっています。
このことを知っているのは、護衛のために病院に付き添っていたけど別ルートで飛行場入りした北辰さんと、
手配をしてくれたアカツキさんとアイ、そしてトラックの運転手をしてくれたゴートさんだけです。
親しい人にも関係者にも、秘密ですべて進めてしまいました。
全て事後報告になってしまうのは申し訳ないことですけど、そのレベルでようやく秘密が守れます。
しかしラピスも思い切った方法を考えますね。
これだったら確かにそうそう敵に割り込まれないで済みます。
北辰さんも私のガードと言うことで顔が割れてはいますが、
私ほどは警戒されていないので、ちょっと変装するだけでも脱出できました。
かろうじて私がピースランドに向かうまでの時間くらいは稼げるでしょう。
「一応、さな子にブラックサレナ改を持ってくるように言ってある。
ステルス性能が向上しているのでプライベートジェットの護衛は出来る。
敵に感づかれないで全てなんとかなったはずだ」
「ありがとう、北辰さん」
敵だと恐ろしい北辰さんですが、この慎重さも、護衛の腕も超一流です。
本当に頼りになります。
…?
「…待て、何か居る」
!?
北辰さんが刀に手をかけて構えています…。
ここまで滞りなく来れたのに、どうして!?
突然、私たちの前に小柄な男の人が現れました。
中肉中背に見えますが、武術は一通り修めていそうな鋭さを覚えます。
「おやおや、バレてしまいましたか」
「貴様…!
光学迷彩を使っていたとはいえ、これほどまで接近できるとは…」
「我々は暗殺専門ではありませんが、
諜報技術においてはかなりの自信を持っておりますよ。
気配の消し方は手慣れたものです」
「く…」
「ご安心ください、殺す気などありませんから。
…ま、うかつな真似をするようであれば自爆するくらいはしますがね。
あなたにぜひ、お会いしてほしい人がいます」
「…どこの所属ですか。
何の予告もなく、脅してまで…。
まさかアギトを仕向けたのはあなた達ですか?」
「いえいえいえ、あのようなクローンが作れるようならわざわざこんなことはしないでも、
世界制覇もできるでしょうに。
…ま、あの人が到着してからお話をしましょうか。
このジェットの行き先は変更させてもらいますが」
現れた男は、ひょうひょうとして私達をなだめにかかってます。
足元に転がっているトランクに爆薬が入っているようですね…。
…しかし、どういうことです?
私の命を狙っているわけでもなく、かといってモルモット扱いするような人達でもない。
何か、私を丁重に扱おうという柔らかさすら感じる相手です。
不穏な空気も感じてはいますが…。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
そして現れた男は、機内の設備を使ってノンカフェインのお茶を淹れて、私に差し出しました。
北辰さんが毒味のためにティースプーンですくって一口飲んで、異常がないことを確認してくれましたが…。
私はどうにも口をつける気分になれず、北辰さんの方を見ました。
この男を倒せるかどうかを視線で問いました。
しかし北辰さんは首を横に振りました。
恐らくですが、お茶を淹れるのを止めなかったことから考えても、
爆弾はスイッチを入れなくても男の脈拍がなくなったら爆発するタイプのようですね。
北辰さんは相手の態度と荷物から勘付いていたようです。
…プライベートジェットの狭い客室の中であれば、
北辰さんならスイッチを前にみねうちで気絶させるか、切り捨てることすらできるはずです。
それもしないということは、間違いないんでしょう。
…草壁さんが裏切っていない場合で、北辰さんもそういう話をされていない前提にはなりますが。
でも、なんとなくですが目の前の人は木連系の人には見えませんね。
木連にはこういうタイプはあんまり居なかったと思います。
「初めまして、ユリさん。
こうして、お会いできるのを楽しみにしていましたよ」
「…!?
あ、あなたは!?」
私はプライベートジェットの中に入ってきた、
二名のボディーガードを伴っているチャイナドレスの女性の姿に驚きました。
私の…育ての義母さんに、そっくりです…!
ま、まさか…!?
「…気付いてくれたようでうれしいわ、ユリさん。
それではプライベートジェットの行き先を変更して、出発しましょうか」
「…今更なんの御用ですが、
お義母さんを見捨てた、一族の人が」
「叔母さんにずいぶんないいようね、ユリさん。
…あの子、教育がなってなかったんじゃぁないかしらね」
「あなた達のせいで…!
お義母さんがどれだけ心を痛めていたか知らない人には言われたくありません!」
「そう、あの子は『出来損ない』だった。
人としても、私達『清い血の一族』の一員としても…。
子を産めぬ身体に生まれただけではなく、
人体実験に使われるための子として他人の子を孕むなど、汚らわしい。
生まれた国を捨て、偽りの家庭を、偽りの人生を歩むなど恥知らずなことを…。
…正直、首を吊ってくれた方が幾分かマシだったわ。
でも…そのおかげでこうして素晴らしい娘と、その子を残してくれた。
最期の最期に、我々の一族に最高のプレゼントをしてくれたわ。
…いい、ホシノユリ。
世界が認める英雄『ホシノアキトの子』を、我が一族に加えるのよ」
「誰が…そんなことを!」
…そう、目の前に居るのは私の、『ホシノユリ』としての人生の育ての母親の、お姉さんです。
お義母さんによく似た顔と、口ぶりからすぐに分かりました。
最初は丁寧だった態度が、段々豹変してきて…。
お義母さんに似ていた顔は、ひどく歪んできました。
…お義母さんは排卵能力がなく、ネルガルが違法に手に入れたミスマル夫妻の受精卵を使って、
私を代わりに産んで育ててくれました。
戸籍を日本人に偽装しており、日本暮らしになじむためにかなり努力していたそうです。
そして、その原因を造ったのが…。
お義母さんの実家の、一族の価値観のせいだった。
生まれた子供の数と、出来、出世で言えの価値が決まってしまうと、遺書に書いてありました。
しかし自分で『清い血の一族』というなんて、ずいぶん滑稽です。
ここまでの事をして見せたあたり、かなり権力がある一族なんでしょうが…。
…お義母さんと同じような顔で、こんなことを言われるなんて、嫌です。
「…そもそも、どうやってここを突き止めたんですか。
ネルガルが情報を流すとはとても考えられません」
「我が一族を見くびってもらっては困るわね。
その首にかけてあるペンダント型通信機のおかげなのよ。
あなたの近くに近づいて、信号を調べて、GPSの信号をたどった。
そしてGPSの信号を追いかけて、ここに向かっているのに気づいて、慌てて追っかけてきたの。
通話の暗号化は見事だったけど、GPSの方は周波数が分かってれば衛星の方を抑えてしまえばすぐ分かる。
私もホシノアキトが死んだころから日本で見張るように言われててね。
妹の忘れ形見ってこともあって、直々に迎えにきたの。
私の顔を見たら、あなたもついてきてくれるかもって」
「…こんなやり方をする人には従えません!
お義母さんにひどいことをしたのも許せません!」
「…あんまり我々をコケにしない方がいいわよ。
あなたの命はこっちが握っているし…。
…この注射一本で、その子を堕胎させることだってできるのよ」
「!!」
叔母は一本の注射をちらつかせると、私を見下すように見ています。
…このお腹の子は私の泣き所です。
妊娠しているために自由に身動きはとれませんし、
アキトさんが死んだかもしれない今、
この子たちは私の生きる意味…最後の希望なんですから…!
「もっとも、今はとなりのボディーガードがそれはさせてくれないでしょうけどね。
でもプライベートジェットが到着してからは、こちらの方が有利になる。
…分かったら、大人しく我が一族に加わりなさい。
そして自分の意思で、自分から一族に加わった、と世間に発表しなさい。
そうすればあなたの命と、子供の命、両方助けてあげるわ。
安心なさい、一生面倒見てあげるわ。
不自由はするかもしれないけど、あなたの身の安全は保障する。
あなたの子供が、成人する時になったら…。
ふさわしい許嫁をあてがって、本当の意味で一族に入ってもらう。
あなたの子と我が一族が、血の盟約を交わすのよ」
…そんなことになるくらいだったら、子供ごと死んだ方がマシです。
私とアキトさんの子供を、こんな傲慢で卑怯で、強欲な人たちに奪わせるなんて…。
そんなことしたらきっとひどいことになります。
アキトさんがして来なかったひどいことをして、世界中の利益をかすめ取るようなひどいことをします。
こんな強引なやり方で、私と子供の人生も、人格も蹂躙するような人だったらきっとそうなります。
「…まあいいわ、時間はたっぷりあるし。
あっちに着いたらかわいがってあげるわよ。
お腹の子を傷つけずに出来る拷問なんていくらでもあるもの…」
「っ!」
「…一度だけチャンスをあげるわ。
この飛行機から降りる時にもう一度だけ聞いてあげる。
ちゃんと『一族に入ります、お願いします』って言うのよ。
そうしたら、あなたにも何もしないわ。
子供の盟約以外は、一生、無理強いをすることはしないであげてもいいわ。
部屋からは出せないけど、ちゃんと一族の一員として、あの子の娘として扱ってあげる。
金にも不自由しないし、生活にも口出ししないし、育て方もあなたの自由でいい。
…でも一族に入ることを誓わずに飛行機から降りたら、
それはそれはひどいことになるわよ?
頷くまで死んだ方がマシなくらいに拷問するし、頷いても赤子と引き離すわ。
どれだけ泣き叫んでも、絶対に許してあげない。
最期は…まあ、病死に見せかけてあげるくらいにしてあげましょうか。
私の一族に欲しがる男が居たら、側室くらいになれたら生き残れるかもしれないけどね?」
私は耐えかねて北辰さんに声をかけると、北辰さんは刀に手をかけてにらみを利かせました。
距離がまだありますし、相手は叔母を含めて四人。
この距離では北辰さんでも相討ち覚悟でなければ、勝てないでしょう。
叔母のボディーガード達も、銃を引き抜いて、北辰さんに向けています。
北辰さんも、さすがに爆破スイッチを押すより早くは倒せません。
しかし、相手も叔母の立場を考えるとそうそう容易く爆破スイッチを推すことはできないでしょう。
だから私達は機会をうかがいながら、攻撃に転ずることにしました。
…最初の段階でこうするべきでした。
相手の数がそろってこちらが不利になる前に、こうしておくべきでした!
良くても、銃創の一つは負うかもしれません。
悪くければ、爆弾で死ぬかもしれません。
助かっても、もしかしたらお腹の子を死なせてしまうかもしれません。
私の、最後の希望を失うかもしれない…。
…それでも!
アキトさんと、子供を利用して成した悪事で人が死ぬよりは百万倍マシです!
私とアキトさんが子供を大事に思っていたように、今生きる人たちは望まれて生まれて来たはずです。
人の命を吸って生きるような一族に、渡すわけにはいきません!
私達の希望が、誰かの絶望になってはいけない!
私の子を利用して…アキトさんの名前を使われたら…。
政治的、経済的、軍事的面のどの方面に利用しても最悪の事態が起こりえるんです。
人を苦しめるようなことをするのは、間違っているんです!
そんなことになったら、アキトさんに顔向けできません!
…ごめんなさい、アキトさん。
無理にこんな風にしないで、お父さんの家に居ればよかった。
そうすれば、私の身も、子供たちも守れたかもしれない…。
でも…最悪の事態は避けて見せますから…!
私たちが一瞬、膠着状態を発生させそうになった瞬間、
プライベートジェットに突然誰かが入ってきました。
ネルガルから助けが来た…そう一瞬思いました。
でも──。
「う、撃てっ!」
突如入ってきた黒い服、黒いマスクの男たち五人ほどに、
叔母のボディーガード達は発砲しつづけましたが…。
弾切れになっても、侵入してきた男たちは倒れませんでした。
「な、な、な…」
「拳銃弾程度ではこの防弾装備には対抗できんぞ。
…捕らえろ」
「く、くそぉっ!」
「隊長、爆発物がありますが」
「外に放っておけ。
…スイッチを押そうなんて思うなよ、ド素人。
もっとも手が震えて押せないようだがな」
突如入ってきた男たちは…ネルガルのシークレットサービスではなさそうです。
ゴートさんはすでに帰ってしまってますし、ネルガルにも連絡は行ってないはずなので…。
いえ、この人達、私たちにも銃を向けてます。
北辰さんは私の前に割って入って、守ろうとしてくれています。
でも、不利なのは変わらなさそうですね…どうしたら…。
「ミスマルユリだな。
…死んでもらうぞ!」
北辰さんの振りかぶった刀を、一人の男が手刀でへし折りました。
そ、そんな…!
「木連暗部最強の男が、この程度とはな…。
でやあっ!」
「ぐっ!?」
一人の男は、北辰さんの腹部に一撃すると、北辰さんは気絶して…。
う、嘘でしょ…こんな、ことって…。
男たちは叔母たちを気絶させ、拘束しているようでした。
その一人が、私に近づいてきました…。
「ミスマルユリ…。
悪いが死んでもらうぞ」
「…そう、ですか」
…ここまで、ですか。
拳銃を向けられて、私はうつむくことしかできませんでした。
もう、動揺するのも疲れてきました。
死ぬ恐怖に耐えられるタチでもないですけど…。
さっき死ぬ覚悟をしてたせいか、妙に落ち着いています。
…アキトさん、ごめんなさい。
自分の身も、子供も守れない、情けない妻で…。
きっとアキトさんも…そっちで待ってくれてるんですよね…。
だから、こんな風に運命が変わって…。
だったら、私、怖くないです。
ここまで信じられないほど幸せでした、だから、だから…!
後悔なんて…!
…嘘です。
後悔はいっぱいあります。
アキトさんにもう一度会いたかった…。
アキトさんの子供を産みたかった。
子供を見てほしかった。
大事な家族と、年老いて死ぬまで暮らしたかった…!
もっともっといっぱい、幸せが欲しかった!
私は欲張りですよね…ホント自分でも呆れちゃいます…。
ここまでの幸せだけじゃ、足りないって思っているんですから。
でも…一個だけは叶うはずです…。
〇東京都・池袋・アイドルプロダクション『大和』合宿所・大広間──アサミ
「「「「「「はぁ…」」」」」」」
…ホシノアキトさんが行方不明になってから一ヶ月と一週間が経過しました。
あれから、この『大和』合宿所は、完全に意気消沈状態です。
いえ、世間の女の子たちも、生きる気力を失ったようになってしまってます。
テレビもホシノアキトさんの特集番組で食いつないではいますが、
芸能人でさえもショックで寝込んでる人が多くて、番組が成り立たないような状況が続いているとか…。
それに比べると、気力はなくても日々のトレーニングを欠かさないだけ、
私達はまだ動けている方かもしれませんが…。
私とイツキ姉さんも、ホシノアキトさんとの付き合いは短いですが、
私達を守ろうとしてくれたことも、落ち込んだ私達を優しく励ましてくれたこともあって、
ひどく落ち込んではいました。
「…重子、占いは変わった?」
「…いいえ。
ただ、アキト様が生きてるかもしれないっていうのも、
手放しで喜べる状況じゃないよね…」
頼りの重子さんの占いも、良い方には転じていないようでした。
的中率が100%と言われる重子さんが何度占っても、正確に運命が読めないとかで。
こんなことは初めてだと重子さんも悩んでいるようで…。
占いではホシノアキトさんと、ユリさんの生死は、まだ不明だそうです…。
これは生死の境をさまよっているのか、そもそも死んでしまったのかも不明と言うことだそうで…。
死んでいる可能性も高い。生きていたとしても、無事とは限らない。そんな意味になります。
特に、敵が二人を捕らえてしまっているとしたら、かなり最悪です。
人質にしても、二人を研究材料にしている可能性があるにしても、明るい状況ではない可能性が高い…。
かなり世間でも騒がれている、数日前のユリさんの失踪事件。
ユリさんはネルガルのプライベートジェットでピースランドに避難しようとしていたものの、
ユリさんの養母の姉…叔母さんが襲撃しユリさんを連れ去ろうとしたところ、問答している最中に別の勢力が乱入。
ユリさんの叔母さんたちの証言では、殴られて意識がもうろうとしている最中に発砲があり、
襲撃してきた人間の発言によると、おそらくユリさんは暗殺された可能性が高いと…。
実際、ユリさんの血液が現場で致死量程度検出されたこともあり、
もしかしたらユリさんを殺して、その場で腹を割いて子供を取り上げていたかもしれない、
遺体は研究材料にするために持ち去られていたか、どこかに捨てられてしまったかもしれない。
そしてその罪を、ユリさんの叔母さんたちに着せようとして、犯人たちは彼女たちは殺さなかったのではないか、と。
…そんな推測がされていました。
とても、救いのない話です。
血液が致死量あったと言うことは、少なくともユリさんは死んでる可能性が高いんです…。
死体が上がっていないホシノアキトさんのほうが、まだ可能性があるくらいには…。
でも、二人ともバラバラに解剖されて、標本みたいにされちゃってるかもしれなくて…。
…ずぅっと、ここのところそんなことばかり考えています。
助かってる可能性はないのか、ずっと…。
「…アサミちゃん、ちょっと来てくれない?」
「ミカコさん?」
私は、とても解決できそうにないことを考えていたところで、ミカコさんに呼ばれて振り向きました。
そしてミカコさんの部屋に呼ばれると、イツキ姉さんもそこに居ました。
どうしたんだろう、思っていたら、思わぬ事を聞かされました。
「…私のお母さんね、実はウォルフさんに利用されていたみたいなの。
月の小競り合いのころ、軍に利用されるアイドルとして、働いてたみたいで…」
「「ええっ!?」」
突然の告白に、私達は驚きました。
ミカコさんとは、私達がこの大和合宿所に来る前から少し話したことくらいはある仲ではありましたけど、
詳しく話す機会は、そんなになかったんだけど…。
「…イケダさんがね、私のお母さんのファンだったの。
一番最初に好きになったアイドルだったんだって。
私にそのことを話してくれたんだけど…ウォルフさんが当時も関わっていたって、
ウォルフさんの企みを調べる中で、偶然、知ってしまったって…詳しく教えてくれたの。
…私、お母さんの事を病死だと思ってたけど、
イケダさんの口ぶりと、イツキさんとアサミちゃんの身の回りで起こったことから考えると…。
きっと、何かの秘密を守るために殺されたんだと思うの…」
私とイツキ姉さんは呆然とするしかありませんでした。
イケダさんは、このことを話すかどうか悩んでいたみたいですね。
こんなことを知っても、ミカコさんのためにはならないって…。
「でも芸能界に入ったら、お母さんの事を知ってる人がいっぱいいてね…。
噂で聞いちゃったの。
お母さんは、軍に利用されてたアイドルだったとか、実は殺されたんだ、とか…。
ウォルフさんのことも、疑ってて、憎んでたんだけど…。
…でも、やっぱり悪い人だったから、口封じされちゃったんだなって。
正しく裁かれなかったのは悔しいけど、
因果応報みたいなことって起こるんだなって思ったの。
人が死んだのに、こんな風に思うの良くないけど、ちょっとだけスッキリしたの。
…ううん、ホッとしたんだと思う。
もう、あの人を恨んでいる自分の醜い部分を見なくていい、苦しまなくていいって…。
そう思えたんだと思うの…」
「…何故、そんなことを私達に?」
「…ホシノアキトさんと、さつきさん、レオナさんが、
そしてイツキさんとアサミちゃんが…。
ウォルフさんの事を暴くきっかけを作ってくれたから。
…知るのが遅くなっちゃったから、みんなにお礼を言いそびれちゃった。
でも、二人には言えるから…」
「…ミカコさん」
ミカコさんは、私達なら話せると思ってくれたんだ、きっと…。
ウォルフ先生に殺されそうになった私達だったら…。
それに、あのホシノアキトさんがこんなことになってしまって、
いつ言う機会を失うか分からなかったから、
急いで、私達に話そうと思ったんですね…。
「…でも、ウォルフさんにそれを命じた人たちは暴くことはできないと思う。
ホシノアキトさんに、アギトって人をけしかけた人たちにも…。
私じゃ、そんなことは一生できない。
…一生かかっても、きっとできないと思う。
でも、せめて…。
お母さんの無念のためにも、ホシノアキトさんが願っていた…。
戦争のない世の中のために、歌い続けようと思うの。
私、弱いから…誰かに言わなきゃ、つぶれちゃいそうで…」
「弱くなんてないですよ、ミカコさん…。
…私達も、同じ気持ちです。
一緒に頑張りましょう!」
「そうね、アサミ!」
「二人とも…」
私は、思わず立ち上がって叫んでしまいました。
イツキ姉さんも同じ気持ちだったみたいで、すぐに頷いてくれました。
…そう、私達は落ち込んでる場合じゃないんだった。
今、ウォルフ先生が、かつてミカコさんのお母さんを利用して戦争を煽ったように…。
一部のメディアはホシノアキトさんを利用して戦争の継続を促している。
ホシノアキトさんの死で落ち込み、アギトの背後組織が不明なために混迷した世の中で…。
ヤマサキ博士と木連がまだつながっているという情報を流したりして、また戦争をさせようとしている。
木連を利用して、差別と対立をもう一度盛り上げて、消えない戦争の因子を作ろうとしているのかも…。
だったら、負けちゃいけない!
そんなことを二度とさせちゃいけない!
人が人を殺す、憎む、恨む…そんな戦いの種を、未来に残しちゃいけないんです!
ホシノアキトさんが居ないなら…。
私達が、平和を望んだ人たちが、平和を作らなければ…ホシノアキトさんも犬死にです!
私達は気持ちが盛り上がって、合宿場の敷地内を力尽きるまで何週も走りました。
ちょっとだけ…力のぶつけ先を見つけて、気持ちが軽くなってきました。
それからみんなも、少しずつ立ち直ってアイドル活動をかろうじて再開することになりました。
もうグループがどうっていうよりは、この大和合宿所に残った人たちで、
世の中にいい影響を与えようと、努力することになりました。
…もちろん、ホシノアキトさんほどの影響はないけど。
でも、少しずつ元気を取り戻してくれている人たちの声も届いている。
…私も、後悔ないように生きよう!
私の人生は私のもので、たった一度しかないんだから!
〇作者あとがき
どうもこんばんわ、武説草です。
アキトにつづいて、ユリまで襲撃される事態に。
そして英雄を失った世の中は、少しずつ立ち直れるか、な展開でした。
色々な憶測はありますが、真実はいかに。
ってなわけで次回へ~~~~~~~~!!
〇代理人様への返信
>あしゅら男爵わろすw
>他にも時々見る演出ですが、具体例がぱっと思いつかないなー。
>しかし相打ちかあ・・・正直こうなりそうな気はしてたが。
ラピスとラズリはもう付き合いが長いというか半々な生活なんでこんなことになってました。
想像してじわってましたw
>>シンエヴァ
>正直Q見て見捨ててたんですが、評判を聞いてセットで見直してみようかという気にはなりました。
>映画館に行く気はないですがw
状況的には劇場に行くのはためらわれましたが、空いてる時間を狙って行きました。
評判通りというか、なんというか腑に落ちた気分でした。
>うん? シン仮面ライダー? ははは、エイプリルフールは過ぎましたよ。
発表にもビビりましたが、島本先生のリアクションの方に期待を寄せてしまった自分が居ましたw
とはいえ公開を楽しみにしておくことにしますw
>え、グラブルでは継続してるって?
ボーボボが出てきてエイプリルフール継続を宣言するという謎展開があったそうですね。
令和、どんな時代だ。
ボーボボ二十周年というのも何気に衝撃でした。
~次回予告~
ライザよ。
アキトが死んだとかどうとかでこっちも騒がしかったけど、
ようやっと落ち着いてきた…けど、世の中がまた動いてきたわよね。
例のアギトみたいなクローン軍団が現れたらどうなることやら…。
とにかく、まだ収まりそうにはないわよね。
…こっちも気を引き締めておかないと危ないわよね。
基本的に書きたいように書いてる作者が贈る、
原作の流れを使わない系ナデシコ二次創作、
をみんなで見なさいよ?
感想代理人プロフィール
戻る
代理人の感想
昭和は最近(エミヤ感
それはさておき北辰弱いw
このインフレについて行けなくなった亀仙人感よw
※この感想フォームは感想掲示板への直通投稿フォームです。メールフォームではありませんのでご注意下さい。