どうも、ルリです。
ぼちぼち完結が近いっていうので、色々盛り上がってるわけで。
ナデシコって劇場版のせいなのかどうなのか、
二次創作でもハッピーエンドになりづらいらしいのよね。
一回成立したカップルだから別れると再開するのは難しいってことなのかな?
ゲームで客演するときは割とハッピーエンド寄りになるみたいだけど。

そこんとこ行くと、このナデシコDはどうなるのかな?
だいぶ不穏な要素は排除出来てるけど、まだ完全に安全圏ってわけじゃなさそうだけど。
作者さんも自分の過去との決着をつけたいとかで頑張っちゃってるみたいなんで、
どうぞみなさん、最後までお付き合いください、ってね。

そいじゃ、今日も行きます。
本番開始、よーいドン。

















『機動戦艦ナデシコD』
第九十五話:Drop it! -もうよせ!-

















【現在】
〇宇宙・木星宙域・木星軌道上───イズミ
私達は最後のヤマタノコクリュウオウを追い詰めるために、必死になってライフルを連射していた。
敵はもうこの一機だけ。
それでも艦隊は満身創痍もいいところで、DFSを扱えるタンデム機たちもすべて戦闘不能の状態だった。
アリサ・サラ組、リョーコ・サブ組は残ってるけど、長時間の戦闘が祟って疲労困憊。
だから私達、ゲキガンファイブ小隊で追い込んできたんだけど…。

『ぐあっ!?
 やられたっ!!』


『下がってろぉい!
 
 ここはこのゲキガンファイブ小隊隊長、ダイゴウジガイ様に任せやがれっ!』



木連出身の隊員がジェネレータに直撃を受けてしまい、アサルトピットを射出して脱出した。
ヤマタノコクリュウオウはすでにディストーションフィールド発生装置を失っているし、
機動兵器サイズにあるまじき威力の高収束グラビティブラストも潰せているから、もうあと一息…。

ただ剣の形をしているフィールドキャンセラーは健在で、こちらの攻撃を無効化する。
機動力も落ちてはいるものの、並みのパイロットではとらえるのがまだ困難。
ナデシコ級、ユーチャリス級のグラビティブラストも当たらないし…。

だからどうやってもエステバリスかステルンクーゲルMk3で落とさないといけないのよね…!

ミサイルもホシノアキトのように綺麗に回避する、本当に厄介なヤツ!
油断してるとアサルトピットに直撃してくるはずだし、
この機動力なら戦艦の艦橋潰すくらいわけないもの!

ここで私達が抑え込まないと!!

「ヤマダ!
 強がってる場合じゃないでしょう!?
 リョーコとサブロウタが来るまで持たせるのよ!」

ヤマダは自信満々に強がっているものの、状況は良くなかった。
リョーコとサブロウタの位置はだいぶ離れていて、私達のエステは中破に近い。
…私達が艦隊から遠ざかっているのも問題ね。
艦隊に被害を出さないために離れていたんだけど、
このままじゃ救援が間に合わないかもしれない。

この中破に近い機体の状況では、スラスターをふかして制御しようにもバランスが悪い。
かろうじてかわしてはいるけれど…。

できれば一度着艦してから再出撃したいけど、
そうなると艦に直撃しにいくかもしれないし…。
にっちもさっちもいかないって感じね…!


『へっ!

 あっちのグラビティブラストは潰してあンだ!

 だったら、このゲキガン・ナックルで互角にやり合えるってもんだぜッ!

 時間稼ぎじゃなくてぶちおとしてらぁっ!
 
 援護頼むぜ、イズミ!』



「…ちっ、勝手にしなさい」

ヤマダはやたらにいきりたって攻めに転じようとしている。
カスタム機であるヤマダのエステバリスは、
ディストーション・アタック用の大型ナックルガード…通称『ゲキガンナックル』を装備してある。

ヤマダはガンガン打ち鳴らして、命の危険があるのに楽しそうにしている。
相談もなしに突っ込まないだけましだけど、こっちの負担も考えなさいよ。
私達二人だけでリョーコとサブロウタの到着まで持ちこたえればいいだけの話で…。

…って!?


「ッ!?」


『イズミーーーーッ!!』


ごあっ!!どぎゃっ!!


「くっ!ああっ…!?」



私の乗り込んでいるエステバリスカスタムは、
ヤマタノコクリュウオウに体当たりされて吹き飛ばされた。

ヤマタノコクリュウオウはヤマダを狙っていたと思いきや、
私の援護が邪魔になると判断したのか、
無人機だからGを一切気にしない直角カーブで、私に向かってきた。

私はスナイパーライフルで狙いをつけていたので反応できず、
大きな衝撃と内臓に響く震動に呻くしかなかった。

ヤマタノコクリュウオウがディストーションフィールドをまとっていたら、即死だった。
こちらだけがディストーションフィールドをまとっていたから機体のダメージは大きくない。
でもヤマタノコクリュウオウはこちらのディストーションフィールドにその身を削らせながら、
無人兵器らしく無遠慮に私を追い込もうとしていた。
もう一撃受けたら…このままじゃ…!


どごっ!


『ゲキガン・フレアーーーーッ!』


ヤマダがすぐに突撃してきて、ヤマタノコクリュウオウの顔面に一撃の拳を当てた。
けど、ヤマタノコクリュウオウが私のエステバリスを押し込んで突撃し続けていたので、
直撃であれば重装甲のヤマタノコクリュウオウでも撃墜できるはずの威力が半減以下になっていた。


がつんっ!



ヤマダの一撃が、ヤマタノコクリュウオウの頭を半分だけ潰す結果に終わって、
反撃の肘鉄がアサルトピットにかすめるように直撃して、ヤマダのエステバリスが吹き飛んだ!

『ぐああーーーーっ!!』

「ヤマダ!?」

『こ…んなもんで、くたばるかよっ!』

ヤマタノコクリュウオウの馬力が高いとはいえすでに半壊、
しかも密着状態での反撃は、かろうじてヤマダのエステバリスを突き飛ばす程度の威力しかなかった。
致命傷は避けられたけど、危険な状態は続いている。

すぐに立ち直ったヤマダのエステバリスが再度殴り返すものの、
ヤマタノコクリュウオウはホシノアキト顔負けのスウェーバックで回避していく。
私はというと、先ほどの体当たりでオシャカになったライフルを投げ捨てて、
エステバリス本体のミサイルで攻撃を試みた。


どひゅぅっ!



『うぉわっ!?
 イズミ、あぶねぇよ?!』

「謝るのは後にするわ!
 油断してると直撃を受ける前に舌を噛んで死ぬわよ!」

後ろを向いていたヤマタノコクリュウオウは背中に目でもついているように回避し、
その奥にいたヤマダのエステバリスをかすめるようにして、
二発のミサイルは虚しく遠くに消えていった。
ホントにホシノアキト顔負けじゃない…!
どうやって追い込めばいいっての!?
私もヤマダも武器らしい武器はもうないっていうのに…!

本格的に死神に見えてきたわね、目の前の悪鬼のような機体が!
天使と呼ばれる翼の龍王騎士を模して造られた死神は…。

自らが死にかけてなお鎌を手放してくれないわけね!

『イズミ、ダブルゲキガンフレアだ!
 デカい一撃が当たればやれるはずだ!』

「バカ言ってんじゃないわよ。
 大技が当たるような相手じゃないでしょう」

『バカ!
 当たらねぇなら、当てさせんだよ!』

…言うじゃない。
でも、それしかないかもしれないわね…。
リョーコとサブロウタの到着まで、あと三分はかかる。
このまま呆けていたら、その間にこっちがやられるわね。


がしょっ!


『とったぁ!』


「え!?嘘でしょ!?」



と、思ったら、ヤマダはいつの間にかヤマタノコクリュウオウをホールドしていた。
ラッシュを仕掛けて反撃を誘って、うまく腕を抑え込んだ。
でも、地のスペックで負けてるだけにヤマダのエステバリスは至近距離で殴られて、
機体がだんだんと歪んでしまっている。


『イズミーーーーッ!

 ゲキガンフレアで俺ごと撃てぇっ!』


「…!
 
 しっかり押さえてないと死ぬわよっ!」


『よっしゃ!来い来い来い来いーーーーッ!

 来た来た来たぁーーーーっ!』


「沈みな!」


どごっ!


『うほぁーーーっ!!

 いい一撃だァアーーーーッ!』


私はディストーションフィールドを拳に収束させ、ヤマタノコクリュウオウに打ち付けた。
ヤマダのエステバリスごと吹っ飛んでふらつきながらも、体制を整え直し、
動きをほぼ停止したヤマタノコクリュウオウを私の方に投げ返した。

そして私とヤマダのちょうど真ん中くらいの距離にヤマタノコクリュウオウが浮かんだ。

『さて…決めるぞ、イズミ!
 
 今度こそダブルゲキガンフレアだ!
 
 一緒に叫べっ!』

「は?なんでよ」

『いいから叫べよ!』

「はぁ…」

私はそんな場合じゃないと思っていたけど、
これ以上の押し問答を面倒くさがって仕方なく付き合うことにした。
ヤマダって本当にこういうところがヘンに強情なのよね…。

『ゲキガン!』

「…げきがん」

『声がちいさーい!
 もう一度だ!
 
 

 ゲキガーーーーンッ!』

「ちっ。
 …ゲキガーーーーン!」


「『フレアーーーーッ!!』」


どがっ…!どごーーーーん!



私達のディストーションフィールドアタックが交錯するように炸裂すると、
ヤマタノコクリュウオウはついに大爆発を起こした。
とはいえ、元々が頑丈すぎて機体の原型はまだとどめているのはさすがだけど…。

『やったなイズミ!
 俺たちがこの戦いを締めくくってやったぜ!』

「…ええ」

ちょっとめんどくさいことをやらされたけど、そこそこスッキリしたわね。
本当にこれで終わったなら、それはそれでいいわ…。

…また死に損なった。
私みたいな女が、生き延びてしまった。

もう二度と死地に出ることも、なくなる…。

私のような滑稽な生き方しかできない死を呼ぶ女が、生き残ってしまった。
誰のためにも生きられない、私が…。

…少しだけ、嬉しかった。
いつもなら自嘲気味に、世の中の不条理に苦笑するところ、だけど…。
価値のある者を死なせて、価値のない私なんかを生かす意地の悪さを、笑うところ、だけど…。

少しだけ、ほんの少しだけ、私は心の底から嬉しくなった。
二度もフィアンセを失った時から失われていた、温かな心持ちになれた。
きっと、それは──。

『ンだよ、もう終わっちまったのかよぉ。
 DFSも使わずにやるじゃねぇか、てめーら』

『ご無事で何よりです。
 それにダイゴウジガイ先輩ほどのゲキガン魂の持ち主を失うのは、
 木連にとっても大きな損失ですから』


『なーーーーっはっはっはっは!!
 
 ダイゴウジガイ様は不滅で不死身だぜェーーーーッ!!』


…相変わらず、底抜けに元気よね。
ホント、付き合いきれないわ。

でも、きっと…このバカで、殺してもしなないような、男か…。
私を…。


『…!?
 
 イズミ、後ろっ!』
 

「え?」


『っ!間に合えっ!』


がしょっ!



私のエステバリスの後ろに向かって、ヤマダのエステバリスが…。
握りこぶしを握っていたヤマダのエステバリスが、
さっき撃墜したはずのヤマタノコクリュウオウに捕らえられていた…!

「…!?
 まだ動くの!?」

『ちっ、悪いイズミ、またゲキガンフレアだ!』


『ざ……ざざ…っ』


私達の会話に割り込むように、ノイズ交じりの通信が入った。
その通信から見えたのは──。

佐世保で見た、ブラックサレナを操ったあの亡霊。
ホシノ兄妹とユリ、ラピスの活躍で消え去ったはずの…。

英雄と呼ばれるずっと前、地獄を味わった時代のホシノアキトの亡霊。
狂気と悪意に満ちた『ホシノアキトの劣化コピー』の姿だった。

『お、お前…!?
 デリートされたんじゃなかったのかよ!?』

『く、くく…。

 くははははははは…!
 
 あの時はさすがに俺も死んだと思ったんだがな!
 運よくヤドカリが連合軍基地に潜んでいた…。
 俺は意識のデータだけをヤドカリに移植して生き延びたのさ!
 チューリップでひそかに木連の都市に戻った俺は、情報を集めながら時を待ち…。

 そしてついに、この最高の機体…!
 ヤマタノコクリュウオウの身体を手に入れた!』

『なにぃ!?』
 
『五年前に造られたヤマタノコクリュウオウを、
 気が遠くなる時間をかけてプロテクトを破ったのさ…!
 
 地球でホシノアキトが死んだ今、
 ナデシコ艦隊を壊滅させるために、俺は出撃した…!
 
 だが…それでも敗れた…。
 乗り移れる機体も…もう無い…。
 
 なら…。
 
 ガイ、お前ひとりでも道連れにしてやる!』


『『『なっ!?』』』


「や、やめなさい!」


『誰が、やめるかっ!!

 俺は、俺は…テンカ──ァ…っ!
 
 ざ・ざ…ざざざ…』


どがぁぁぁぁぁぁあぁぁぁん……!!


私が叫んだ、直後──。
ヤマタノコクリュウオウは、もう一度大きな爆発を起こした。

どこにあれほどの爆発を起こすものが残っていたのか分からないほど、大きな爆発。
当然、抱き着かれていたヤマダのエステバリスは巻き込まれて、吹き飛んでいった。
ボロ雑巾のようにズタズタになったヤマダのエステバリスは、遠く遠く…。

はるか彼方に飛んで行ってしまった…。


『うそ、だろ…』


『ガイ先輩!?』


『ヤマダ……。

 ヤマダーーーーーッ!』



『待てよ、イズミ!?
 艦隊から離れすぎてんだぞ!!
 こっから離れたら重力波エリア外だ!
 五分もとんでたらバッテリーが…』

『だったら艦隊を連れて来なさい、私が先に行くわ!』

私はなりふり構わず、リョーコを無視するようにヤマダを追った。
一秒でも早く行かなければ、ヤマダは死ぬかもしれない。
この中破したエスタバリスが、急に爆発する可能性があったも、行かずにはいられなかった。

私の脳裏には…最悪のケースがいくつもよぎった。

もし、アサルトピットに亀裂が入っていたら、そしてヤマダが気を失っていたら?
もし、頭を強く打ってしまっていたら?
もし、そもそも爆風がアサルトピット内部に届いていたら…?

そんなことがあってほしくない、死んでほしくない…。

どうして、こんなことになったのよ…。
私なんかを、助けようとしてヤマダが…。
ヒカルの、大事なパートナーなのに…。

やっぱり、私は…。















〇宇宙・木星宙域・木星軌道上・ナデシコC───ルリ
…!
私はヤマダさんがレーダーの外に出てしまったことに気付いて、
ムネタケ提督に慌てて捜索をお願いしました。

今回の作戦は…かなりの無理を強いていた作戦でした。
ヤマタノコクリュウオウ八機は、ムネタケ提督の艦隊戦では対応しきれず、
ナデシコ級と言えどもフィールドキャンセラー剣でディストーションフィールドを破られては、
艦橋を直撃されてしまっては意味がないと言うことで、

本命と思しきヤマタノコクリュウオウ八機に対応する機動兵器パイロットたちは、
敵を艦隊から遠ざけるように戦っていました。

ナデシコ艦隊のほとんどは、戦闘OSの弱いヤマタノコクリュウオウの大群を退けた後、
戦力分析ではすでに尽きていたはずの敵戦力が現れ、
完全閉店・出血大サービスとばかりに飛んでくる敵を処理するために移動してしまい、
そのせいでゲキガンファイブ小隊もライオンズシックルも、孤立状態での死闘、
ほぼ大破している機体が、味方のアサルトピットを抱えてひょろひょろ戻ってくる、
というような惨状でした。

最後のヤマタノコクリュウオウが撃墜された時点でナデシコ艦隊は、
木星に突入する班と、軌道上で有事に備えて待機する班を分けているところで…。

ピンチなヤマダさんとイズミさんも、
リョーコさんとサブロウタさんがサポートすれば問題なく、
そうでなくてもすぐにナデシコ級なら追いつけると踏んでいただけに、
この事態に、私達はかなり焦っていました。

いざという時には私達が電子制圧をこっそり仕掛けようと思ってはいたのですが、
敵がアサルトピットへの攻撃は避けるのが分かっているだけに、
ピンチになるとは言っても限度があります。

実際、死闘ではあるものの今のところは戦死者を出してませんし。
けど、こんなことって…。

「…ムネタケ提督、私がこちらに残ります。
 ラピスの支援を…」

「艦長、待って下さい。
 ここは僕が居れば大丈夫です。
 ナデシコCとナデシコDのドッキングをして、直列で全開で捜索すれば、
 きっとなんとかできます!」

「でも、ハーリー君…」

私はこの責任をハーリー君に押し付けてしまうことを躊躇いました。
もし、ヤマダさんが助からなかったら…ナデシコCとナデシコDの能力をもってしても、
見つけることが出来なかったら…私が離れたせいで、ハーリー君のせいで死なせたことになる。
でも、私の胸中を察したように、ハーリー君は自信に満ちた目で私を見てくれました。

「僕に任せるのは不安ですか?
 …ヤマサキ博士の説得をしに行くんですよね?
 だったら、ここは僕が受け持ちます。
 任せて下さい」

私はハーリー君のしっかりとした声に、つい目を丸くしてしまいました。
いつもちょっとだけ自信がなさそうな、子供らしいところもあるハーリー君が…。
胸を張って私を送り出そうとしてくれている。
でも…本当は少し不安がってる。
不安に負けないように、心を強く持とうと頑張っている…。
ヤマダさんの命がかかっていると、分かってるから…。

…私は、大人になり始めているハーリー君に背中を押されて、ただ頷きました。

「…急いでますから、お任せします。
 ハーリー君」

「はいっ!」

『ルリ少佐、木星に乗り込む準備をしなさい。
 護衛が付いたらヒナギクで向かって』

「はい!」

ムネタケ提督から促されて、私は身の丈にあっていない装甲服を担いでブリッジを抜け出ました。
…これで最後です。
もう、戦いは起こらないんです。

そして…。

ユリ姉さんの代理人の私と。
ホシノ兄さんの代理人の、ラピスと、ラズリさんが。

ヤマサキ博士を連れて、胸を張って帰るんです。

もうすぐですよ…。

ユリ姉さんとホシノ兄さん…。

あなた達が死んでいるなんて、思ってませんから。
元気で、会いましょうね…!
















〇地球・日本海・機動兵器試験用特設実験島行き用・特別飛行船──ライザ
私達はテツヤを捕縛して、帰還するために準備を始めていた。
もうテツヤの仕込んだことは、全部潰せたはず。
あとは飛行船をチャリティーコンサート会場に戻らせればいいわけだけど…。

「ち、ドアが開かないじゃない…。
 ちょっとアンタ!
 さっさと開けなさいよ!」

「はン、ドアのスイッチはぶっ壊しちまったよ。
 閉じたら開かねぇようにな。
 勝手に何とかしてみやがれ」

「ふざけないでよ、開ける方法くらいあるでしょ?」

「無ぇよ」

青葉がドアを開こうとしてるけど、壊されてたみたいで開かない…。
テツヤは相変わらず意地の悪いことするわよね。
…でも、死ぬ気で来てたってことよね。
だってドアを壊したら自分でも出られないのに。
私かチハヤに撃たれるつもりがあったから…。

…!?
って、ことは…!

「青葉!
 テツヤにさるぐつわをして!!」

「え」

「遅いな」


かちっ…どぉんっ!



「く…ククク…」

テツヤが奥歯をかみしめると、飛行船が爆発音とともに大きく揺れた。
唖然とする私達を尻目に…テツヤが、声を殺して笑い始めた。


ピッ!


『アオイさん!?
 今の爆発、何が…ざざざ…』

「重子君!?
 応答が…どうして…」

ジュンのコミュニケに着信した、重子の通話がすぐに切れた。
テツヤはまた愉快そうに私達を見てにやけている。

「テツヤ!?何をしたの!?
 何のスイッチを、奥歯に仕込んでたのよ!?」

「…なぁに、ちょっとした仕掛けだ。

 この飛行船の行き先を、お前らの望み通りに特別アリーナに戻して…。
 行き先が固定されたら制御不能になるように、航行・操舵機能を爆破してやった。
 まあ…ギリギリ、アリーナには戻れるだろうぜ。
 ついでに電波妨害装置をオンにして、助けを呼べなくしておいてやった」


「「「「なっ!?」」」」



そ、それじゃ救助を求めることもできないの!?
アリーナのアキト達どころか、扉を隔てて分断されている重子たちにすら…。

「オマケに、この飛行船には火薬がぎっちり詰まってんだぜ?
 墜落の衝撃で爆発するようにしてある…。
 
 あと五分もあれば会場に戻っちまうだろうがな」

「なんてことすんのよ!?」

「くく…お前らは相変わらず甘いよなァ…。
 さるぐつわもせずに縛っておしまいとは。
 
 お前らのことだから会場に被害をもたらすくらいなら、
 この飛行船ごと撃たれる覚悟はあるんだろうが…。
 
 事情を知らないアリーナの連中が、この飛行船を撃墜できるか?
 人が乗ってるかもしれないのに、撃てるのかよ?

 

 お前らの人命尊重のせいで、十数万の命が消えるんだぜェ!?
 
 くく…ははは…笑いが止まんねェよ…!
 
 平和主義ってのは!
 
 人命尊重ってのはなぁ!
 
 こういう時に脆いんだよォッ!」



「あんた…!」

「怒ってる場合じゃないよ、青葉君!
 なんとか、何とかしないと!!」

やられた…!
テツヤがここまでしてくるなんんて…。
いつもの手口以上になりふり構わず、私達を殺しにかかるなんて…!
後がないからって、こんなやけくそな方法で…!

「…うっ!?」

「チハヤ、どうしたの!?」

突然、チハヤがもがき苦しみだした。
テツヤも…それに、何か空気が…軽く息苦しい、けど…。

「くく…気が付かなかったか…?
 
 お前たちが入った時点で…ドアを壊したほかに…。
 この部屋の酸素濃度を少しずつ落とすように換気システムを変えた…。
 
 も、もう…酸欠で意識を失ってもおかしくねぇ濃度のはずだ…。
 
 お、お前らのお仲間も、今の会話は聞いちゃいねぇ…。
 この場にいる人間が死ねば、飛行船の爆弾の事も、墜落することも、知らねぇままだ。

 アリーナの連中はこの飛行船を破壊するかどうか躊躇して、
 その間にタイムオーバーだぜ…?
 
 お前ら、ホシノアキトのナノマシンを入れてるから、
 脳へ酸素が届かなくても多少マシだろうが、うかうかしてたらまとめて死ぬ…。
 
 もっとも、その前に…。
 
 俺と…チハヤが先にあの世行き、だが、な…」

「て、テツヤ!
 しっかりして!
 チハヤは!?」

「く…こんなところで…」

テツヤが息も絶え絶えに説明した。
チハヤも何とか落ち着いて呼吸を整えようとしているけど、酸素が少ないので苦しんでる。
アキトと同じナノマシンを入れている私とジュン、
青葉の三人は息苦しさは感じているけど、まだ倒れるほどじゃない…。
こ、このままじゃ…。

「…!
 青葉、ジュン、その『ダイヤモンドダスト』ってナノマシン、持ってきてないの!?」

「い、一応、持ってきてはあるんだけど、チハヤ君の分の一本しかないし、
 今から打っても効果が出るまでは時間がかかるし、
 しかもアンプルは重子君がもってて…」

「そんな…!?」

うそ…重子の占いでも、読み切れてなかったの!?
これじゃ…飛行船が落ちる前に、二人が窒息死するかもしれない…。
で、でも…。

「テツヤ!
 お願いだからこんなことはやめて!
 この場をなんとかしてくれるなら…。
 命を助けてくれたってことでチャラに出来るから、だから!」
 
「は、はは…。

 ライザ、お前と同じように、ってか…?
 
 ば、バカなこといってやがる…。
  
 お、俺は、俺の望む通りに…してきただけだ…。

 お前とは、違う……」


「違うからどうだっていうのよ!?

 私が、どんな気持ちでここに来たか、分かってないの!?

 自分が最低最悪の男だからって甘えてんじゃないわよ!!」


「な、に…?」

「私は…。
 あなたを殺したくなかった…。
 今までの罪を、償ってほしいとも思ってない…。
 死んでほしいなんて、思ってないの…。
 チハヤがいるのに、こんなことを言っちゃいけないけど…。
 
 私に寄り添ってくれなくてもいいから…。
 ただ、生きてほしかった。
 
 …あなたが居なかったら、私はここにたどり着けなかった。
 一人じゃ生きていけなかった…。
 失いたくない、大切な人を、得ることもできなかったの…」

「…同情してんのか…。
 それとも、恩義でも、かんじ…てん…のか…」

私は首を横に振った。
そうじゃない。
きっと、そうじゃない。
…私は、まだ迷っていたんだ。
自分の本当の気持ちに…目を背けて…。
チハヤに殺されるくらいなら、私が殺してやろうとは思っていたけど…。

「あなたの言った通りよ、テツヤ…。
 私はアキトに、家族になった人たちに、
 ゴールドセインツのみんなに、アイドル仲間のみんなに、
 私達を応援してくれる人たちに、変えられたの。
 人殺しの、最低な私をどこまでも助けてくれた…信じてくれた。

 だから…みんなが想ってることが、少しずつ分かってきた。
 
 本当は世界平和なんて願ってない。
 そんな大それたことじゃないのよ、テツヤ。
 
 大切な人を、失いたくないだけなの。

 だから『誰も死ななくていい世界』が欲しい。
 大切な人を失う人がいなくなるように、奪い合い、殺し合いが起こらないようにね…。
 
 世界中のみんなは、アキトに、アキトの思想に賛同したから戦争を放棄しようとしてるんじゃないのよ。
 自分の大切なものを二度と失いたくない、戦争の不幸を味わうのは自分たちで最後にしたい…。
 憎んだ相手でも、殺さないことを選んだの。

 私も…もう二度と誰も殺したくない。
 いえ…殺せない…。
 
 テツヤ、あなたを…憎んでるけど…。
 あの、外道な両親だって…殺したいほど憎んでるけど…。
 
 …私に関わった人たちを、誰一人死なせたくない。
 私を信じてくれた人を、裏切るようなことをしたくないの…。
 
 私は…本当はあなたを止めたいだけなのよ…。
 …そこから先は、干渉する気はないから、だから…」

「…バカ、ライザ…。

 そんな、ことしたら…。
 
 あ、あんた、犯罪者を逃がしたってことに、なるじゃない…。
 
 こいつを、生かしてたら…また何かするわよ?
 
 それでも…はぁ…っ…。
 
 そう、するの…?」

チハヤは息も絶え絶えに、呆れたように私を見ながら問い詰めた。
…そうよね、馬鹿げてるわよね。
でも、本心ではそれを選びたかった自分に気付いてしまったの…。

「…ええ。
 テツヤ、あなたとアキトは本当はそうは変わりはないのよ…。
 自分の大切な人を守りたい、法に、倫理に、運命に、逆らってもそうしたい。
 そんな風に考える人…」

「く、くく…じゃあやっぱり、人殺しじゃねぇか…。
 ラピスラズリと同じ、二重人格、か…?」

「…そうとも言えるけど、違う。
 そのあたりの事を聞かせてあげるから、
 今はここから逃げる方法を教えて、テツヤ。
 
 …私達を助けて手を引いてくれたら、手打ちに出来るわ。
 ここに来たのは、説得できれば、って少しだけ期待してたから…。
 あなたの事だから説得なんて出来るとは思ってなかったけど…」

「ち…舐めやがって…。
 イモ引いて、手打ちにするはずねえだろうが…。
 それに、逃げる方法を教えろだ?
 
 …ねえよ。
 
 俺が、こ、この期に及んで、退路を準備するかよ…」

…テツヤは、嘘をついてないみたいね。
それはそうか…やぶれかぶれの、ヤケになって起こしたような方法だもの。

「…ライザさん、今は何か策を考えないと。
 脱出する方法ぐらい、あるはずだ!」

「そうよ、迷ってる暇なんてないわよ!」

「…ええ」

…でも、テツヤが仕組んだことってなると、本当に抜け出せるかどうかは不安だわ。
恐らくテツヤと言えどもこれ以上の仕掛けはできないはずだけど…。
通信妨害が続いている状態で、残り時間が九分そこそこじゃ脱出できても、
通信可能範囲に出れるところまで行けるかどうか…。

「…せいぜいあがけよ。
 無理だろうが、な…」
















〇宇宙・木星宙域・木星軌道外───イズミ

「ヤマダ、起きて、起きてよっ…!
 まだ、何とかなるはず、なのに…っ!」


どすんっ、どすんっ。


「ふうぅっ…ふうぅ…」

…あれから五分ほどして、私のエステバリスがバッテリー切れになる寸前で、
かろうじてヤマダのエステバリスを発見、乗り込んだ。
ヤマダのエステバリスにはまだバッテリーが残っている。
だから二人で乗り込んでも少しは時間が持つはず…。

…でも、ヤマダはあの時アサルトピット内で大きな衝撃を受けたのか、
頭を打ったのか、ショック状態なのか、心肺機能が停止してしまっていた。
死んでしまったのかと…考えたくないのに、脳裏によぎり続ける。

エステバリスには『意識がある人間の』生命維持に関わる設備や装置はある。
出血、低体温、栄養失調、眠気などはある程度何とかできる。

でも、エステバリスはタンデム機でない限りは一人乗り。
一人で意識を失う、イコール死の世界。

意識を失うと電気で起こしたりはするけど、心臓の停止に合わせてAEDを動かしたりはしない。
AEDを必要とするレベルであれば、意識が立ち直っても操縦はできないから…。
だから、こんな事態にはどうしようもない。
私が直接心臓マッサージをして、人工呼吸をして、蘇生させるしかない。

私はいくつも後悔していた。
無理をせずに、リョーコたちの到着まで逃げ続けるべきだった。
ヤマダとのダブルゲキガンフレアの時、もっと徹底的に破壊するまでやるべきだった。
気を抜かずに、ヤマダ機に近づいて、ヤマタノコクリュウオウを観察するべきだった。
そもそも、私はこの場にいるべきではなかったのかもしれない。

…私が愛した人は、絶対に死ぬんだもの。
二人も亡くして、またこうして…。

愚かに、身の程知らずにまた人を愛した。
しかも既婚者のヤマダを、好きになってしまった。
そんなこと、許されるわけないのに…。

私は…呪われた女なのに…。

死ぬべきは、私だったのに…。
神様なんて…いないと…知っていたのに…。
少しでもヤマダと居たかった…。
ゲキガンガーバカのこいつを、なんで好きになったのか分からないのに…。

不死身と言い張ってる、殺しても死ななさそうな、ヤマダが…。
本当に死なない、タフガイだったらいいって…思ったからだっけ…。

でも…でも…。


「バカ。
 
 ヤマダの馬鹿、バカ野郎…。
 
 私なんかのせいで死ぬんじゃないわよ…。
 
 ヒカルになんて言ったらいいのよぅ…。
 
 不死身なんでしょ、不滅なんでしょ。
 
 ヒーローになるって言ったじゃない…。
 
 ゲキガンガーを目指す、本気でバカなことばっかり考える…。
 
 バカは死んだって治んないわよ、だから戻ってきなさいって…」

私は、どんどんと心臓を叩いた。

…ヤマダは目覚めない。
脈も、戻らない。
奇跡なんて起こらない。分かり切ってる。

もう、蘇生が間に合わない時間になっている。
諦めるしかない。

私には、奇跡なんて似合わないわ…。

でも…。

「…ガイ。
 起きてくれたら、一生ガイって呼んであげるわよ…?」

少しだけ、私は抗おうと思った。
この人が、最愛のヒカルからも呼ばれない名で呼ぼうと思った。
そんなことで、目覚めるわけがないと分かっているのに…。

「私ね…あなたのこと、好きだったのよ。

 私は不幸を呼ぶ女だから、あなたを好きだと言ったら、
 死んじゃうと思って距離を置いてたのに…。
 ヒカルを悲しませたくないって思って、たのに…。
 
 あなたって…本当にヒーロー気取りのバカなんだから…」

私は、ガイの頭をそうっと撫でた。
まだ温かくて、顔色だって悪くない。
死んでるなんて、思えない。思いたくない。

嫌、死んでほしくない。

私、あなたに助けられた命を捨てられないのに、
こんなに苦しいまま、ヒカルを悲しませて生き続けるなんて拷問じゃない。

「ガイ…」

私は、ガイに口づけた。
人工呼吸のフリをするでもなく…。
独りよがりの行為だと、死体を弄ぶ最低の行為だと知りながらも…。

そうしなくちゃ、胸が張り裂けそうだった…。

「………。

 …んむっ!?

 ふぃ、イズミ!?」

「ふえっ!?」

突然、うんともすんとも言わなかったはずガイが目を開けて、
私はびっくりして体を起こしてしまった。

い、生き返った…!
奇跡が…。
ガイは心臓マッサージのせいで痛んでいるだろう胸のあたりを、
さすりながら、顔を真っ赤にして私の事をみつめて…。

「あ…えっと…。
 

 し、心臓マッサージと人工呼吸だ、だよなぁ!?
 
 あ、ありがとなイズミ!!
 
 俺の命の恩人だなぁ!?」


「い、いいのよぉ!?
 
 ガイ!?
 
 私こそさっき助けてもらったから、お返しでね!?」


「な、なはははは!

 だったらあいこだな、は、はは、は…」



…私達は顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
ガイも、鈍いとはいえ既婚者だから、気づいてないはずがない…。
当然、人工呼吸呼吸とキスはやり方が全然違う。
気道の確保も、口の付け方も、何もかも…。
それに、私がわざわざガイって言ったのも、こんなに焦っているのも、
全部合わせたらガイだって気づく、わよね…。

気付かれて、しまっていた。
本気でキスをしてしまっていたことに。
私、つい嬉しくて顔が緩んでると思う…。
それに、嬉し涙がぼろぼろこぼれて止まらないし…。

「…イズミ、その」

「…ガイ、黙ってて。
 ヒカルには、言わないで…」

「…い、言いたくても言えねえよ」

そう、よね…。
私とのことは、これっきりで…。
横恋慕も、私には似合ってないし…。
でも、これでいい…。

私の愛した人が、生きてくれてる…。
私が…私の手で助けられた…!
運命に見放された私が、愛した人を助けられた…。

こんなにうれしいことないわ…!

「……イズミ」

「な、なに?ガイ…」

「……あ、あの…。
 ずっとガイって…呼んでくれるか?」

「…ええ、約束したもの」

「だ、だよなぁ、何度もすっぽかされたけど……そか、そーか…」

ガイは、そっぽを向いて…耳まで真っ赤にしてる…。
なんか、すごくうれしそうで…あ、あれ?意外と脈あり…?
って、そんなこと、ないわよね…?
ガイって呼んであげるって、約束しただけだもの。
それくらいじゃ…。

「…イズミ、帰ったら飲もうぜ。
 全部、終わったんだ。
 祝杯、な」

「…うん」











〇宇宙・木星宙域・木星軌道上・ナデシコC───ハーリー

「あ…………」

「…ハーリー君、ハーリー君?」

「あ、は、はい!?」

「ヤマダ大尉見つかった?」

「あ…えっと、はいっ!
 イズミ少尉が見つけて介抱してるみたい…です…。
 距離的にも、エステバリスのバッテリーが無くなる前に追いつけます!!」

「よかった!追いかけなきゃね!
 顔真っ赤だよ、熱でもあるの?」

「あ、だいじょう、ぶ、ですっ!」

ブリッジに居た通信士の人に心配されて、
僕自身はやましいことなんて何もないのに焦って狼狽えていた。

…僕は聞いてしまった。
ヤマダさんがイズミさんに蘇生されるところを。
イズミさんが意識のないヤマダさんに愛の告白をしてしまったところを。
別れ際のキスをしたことでヤマダさんがイズミさんの好意に気付いてしまったことを。
しかもヤマダさんが意外とまんざらでもなさそうな反応をしていたことを。

…僕は、かろうじて音声だけ拾えたので確認しようとしていたら、
一部始終が聞こえてしまって、つい聞き入ってしまっていた。

だ、大丈夫、だよねぇ…?
まだ、ギリギリ、不倫じゃ、ないよねぇ…。

う、うう…とんでもないこと聞いちゃった…。
でもこれ、誰かに相談するのもなんかおかしいし、僕にはどうしようもなさそうだし…。


うう~~~~!
ルリさんに残ってもらえばよかったぁ!!


『…カッコつかないねぇ、ハーリー』

『だねぇ』

ああ~~~~~うるさい、オモイカネブラザーズ!!
黙っててくれよぉ!!
















【現在】
〇木星・都市・プラント制御室──遺跡ユリカ

「やめて、ヤマサキさん!
 もう死ななくてもいいよぅ!
 
 もうすぐ夏樹さんに会えるんだよ!?

 死ななくてもいいって言ってくれてるんだから…!」

「だ、ダメだって…。
 僕が、ここで死ななければ…木連も、夏樹も…」

ヤマサキさんは、自分のこめかみに拳銃を押し付けようとしていた。
私が必死で止めようとしても、すごい力で抵抗している。

「お願いだからやめて!
 私が間違ってたから!
 一緒に言い訳を考えようよ!
 夏樹さんを、少しでも幸せにしてあげてよ!!」

「今更そんなことできるわけないだろう!?
 嘘をついたところで、押し通せるわけがないんだから!!」

「できるよぅ!!」

「さっきの通話で気づいたんだよ!!
 
 僕は嘘を突き通せる人間じゃないって!!
 
 夏樹のためを本当に想うなら死ぬべきだって、分かったんだよ!!
 
 やめてくれ、遺跡ユリカ君…。
 僕は…彼女を抱きしめる資格などとうにない。
 君の考えに乗ってしまったから、世界最悪の男になってしまったから、じゃない。
 
 …君を抱きしめてしまった。
 
 愛して…しまったから…!
 
 僕が君を愛しいと、失いたくないと、心の底から、思ってしまった時点で…!
 
 君が愛した人たちを救いたいと願って…。
 彼らに二度と遭えないと分かっていながら、
 救おうとしていることに共感してしまった時点で…!
 
 僕は、彼女の元に帰る資格がなくなったんだ…」

──私は、ヤマサキさんに本当の意味で取り返しのつかないことをしてしまったことに気が付いた。

ヤマサキさんを慰めるために、抱きしめて…期限付きの恋人になることを選んだ。
その中で、私は一方的にヤマサキさんを好きになったつもり、だった。
ヤマサキさんは私に応えてくれたけど、
愛していると、言ってもらえたことは一度もない…。
夏樹さんがヤマサキさんの心の中にはいつも居た。
だから私をちょっとだけ好きでいてくれる以上の事はないと思っていた。

でも、ヤマサキさんとの間には…夏樹さんへの愛ほどではないけど、
それでも決して軽くない、本当の愛が生まれてしまっていた。

分かって…いなかった…。
私は…何も、分かってなかった…。
ヤマサキさんは私を捨てて、夏樹さんと一時でも幸せになることを許せないんだ。
私が未来永劫、ヒトの心を抱いたままひとりぼっちで生き続けることに耐えられない…。
そんな、ことをするくらいだったら…。

「私を愛してしまったから、夏樹さんをまっすぐ見れなくなるから…。

 私の、願いを叶えて死ぬつもりなの…?
 四万年以上の時を苦しんで、これからも何億年以上を生き続ける私のために…」

「…そうさ。
 僕たちの関係は『最愛の人を失った者同士の、慰め合うための愛』愛じゃなくなっていた…。
 君を愛してしまったから、僕は…もうどこにも行けないんだ…。
 
 僕は、君の願いを叶えてここで死ぬんだ。
 
 君のために…死ぬ男が、すべてを捧げる男が、居てもいい。
 君が、死ぬことを本当に望んでいないと、分かっていても…」

「…嬉しい」

私の目から、涙が零れた。
古代火星人が私を作った頃から数えて、何億年か…。
ユリカの心を得てから、四万年とちょっと。

私は、決して誰にも愛されない。
誰にも、知られていない。
誰にも、覚えてもらえない。

私はユリカの心を持っていても、ユリカそのものじゃない。
ヒトに、ましてアキトに愛される資格なんてなかった、私が…。

ここまでヤマサキさんに愛されてしまった…。
人生を、奪い去るほどに…。
大事な人を置いて死ぬことを選ぶほどに…。

私は、それが嬉しいと思ってしまった。
ひどい、よね…。
ヤマサキさんを愛してるくせに、そんな風に思うなんて。
でも、私には止められない、止める資格も何もない。

私が繰り返した歴史の中で、消え去った命たちんも無念を抱えて行った。
だからその一人にヤマサキさんが入ることを、止める資格はない…。
私の、終わりのない戦いを止めてくれる、命を捨ててくれるこの人を、止められないよ…。

『黒い皇子』のアキトも、もしかしたら…。
エリナさんとのことは、負い目じゃなくて…。
こんな風に思ってて、まっすぐユリカを、一心に愛せないからっていうのも、
戻れなくなった理由の一つ、なのかも…。

「…ね、ヤマサキさん。
 一つだけ、教えてあげる」

「…何だい?」

私は最後の抵抗を、試みようと思った。
これを聞いて止められないんだったら、もう、受け入れるしかない。
ヤマサキさんが死ぬ運命を…。

「…ごめんね、ヤマサキさん。

 ──本当の歴史のあなたは、夏樹さんと結ばれないの」

ヤマサキさんの目が、大きく見開かれた。

そう、これは──私が仕組んだこと。
世界を変えるために、絶対に必要なことだった。

草壁春樹という人間の野心は、とてつもなく大きかった。
本来は軍人というよりは政治家に向いており、木連を統率するのに十分な素質があった。
ボソンジャンプを止めようとしたのも、木連のため、ひいては人類のため…。
その礎になる覚悟のある、信念も確かにあった…。
けど、それを達成するためには幾千幾万幾億の屍を築き上げることに躊躇がなく、
時には実の息子さえも撃つことのできる異常性も兼ね備えていた。
直接的な加害以外では草壁さんを止めることはできない、四万年の検証でそれがよく分かった。

まして私がボソンジャンプの応用で創った、
『ホシノアキト』という甘い英雄では、太刀打ちできない。

木連を止めるためには、まだ仕込みが必要だった。

「…考えても見てよ、ヤマサキさん。
 体育会系の木連社会で、いくら優秀な科学者だったとしても、
 あなたと夏樹さんが許嫁になれるって、変じゃない?」

「…あ」

「優秀な軍人であり、政治的な指導者になれる草壁さん、の娘…。
 普通だったらコネクションを作るために、どこかの勢力と結びつけることが出来る、
 そういう人間と、選択権のないお見合いをさせるのが、木連だったら普通d所?
 でも、非人道的な実験に参加しているあなたとの婚約を破棄しなかった。
 つまり…」

「…僕は、
 君に人生をすべて操られていた、ってことだね…」

「うん。
 あなたは本当は生まれながらのサイコパスで、
 色々理由をつけて、笑いながら人体実験が出来る人。
 
 草壁さんは、自分の信念のためなら死ねる思想の人で、
 そのためなら全人類の半分だって殺せる、肉親だって手にかけることが出来る人。
 
 私はアキトのために、あなた達の人生を狂わせたの。
 
 戦争を終わらせるのを手伝ってくれるような…。
 アキトに共感できる、愛情のある人に変えるために」

そう、これは嘘じゃない。全部本当のこと。
草壁さんとヤマサキさんはそこまで強い結びつきが本当はなくて…。
草壁さんの目的を叶えるための、お抱えのマッドサイエンティストにすぎなかった。
でも、歴史上では本来いないはずの『夏樹さん』を生み出す因子を作り、
夏樹さんという接着剤を用いて関係を持たせて…。

夏樹さんを通して、草壁さんとヤマサキさんは人間らしい愛を学ぶことが出来た。
彼女が生まれる条件を整えた時、夏樹さんの性格が母親似で良かったこともあって、
私は病院船と化した、あの木連の船に乗り込ませて…わずかでも人を助けようとするように仕向けた。
あの相転移砲で死ぬ運命に引き込むことも簡単だった。

…ここまでうまく行っちゃったのは本当に意外だったけどね。
まさかマッドサイエンティストと狂った思想家が、
ここまで愛情深くなるなんて思いもしなかった。
平凡すぎる人生を送ったアキトがあそこまで狂った例があるから、納得はしたけど。

きっかけが違えば、結末は大きく異なる。

『黒い皇子』誕生に関わる人体実験は同じく起こるけど、
草壁さんとヤマサキさんのメンタリティは全く違うものになっていた。
負けた場合も見越して、ボソンジャンプを本当の意味で止めるための行動を起こしていて、
ボソンジャンプと電子世界の制圧のための、アキトとルリちゃんのクローン作成まで及んで…。
それが、アキトのボソングレネードでのランダムジャンプを引き起こす、という筋書きが作れた。

そしてこの世界でついに、この目論見は完全に成立した。
ついに、ここまで来れてしまった。

だから…アキト達にはこの世界にリセットし直す時に色々書き直したと話したけど、
正確には『二つ前』の世界から、私は仕込みをしていたってことなんだ。

アキトにはこんなこと言えないけどね…。

「…だから、ヤマサキさん。
 私を愛してくれて、本当にうれしいけど…。
 でも、私の仕組んだこと、だから。
 
 こんな世界最悪の悪女に、これ以上付き合うことないよ。
 人間のあなたがそこまで気にしないでいいの。
 
 …私の目論見通りになる必要、ないんだよ。
 死ななくてもいいの…」

「それじゃあ…。

 …僕も、一つだけ聞きたいな。

 少し前に聞かされた『並行世界』の話…。
 何かをするたびにIFの世界が生まれ、少しのずれが、
 無数の、そして無限の数の世界を生み出すという説…いや、君はすでに観測していたんだったね。
 君が二万回以上繰り返した世界で生まれた、『黒い皇子』を超える『漆黒の戦神』…。

 その存在は、本来は別の並行世界で生まれた。
 そして見事、すべてを取り返したという並行世界もあったと…。
 この世界の繰り返しに余波を与え、因果律を狂わせた原因の一つだったと…。
 
 じゃあ…。
 君は、一つ前の世界で夏樹を生み出したと言っていたけど…。
 
 つまり『夏樹という人間が不幸になる』世界は、
 もう二度と生み出されないんだね?」

「!!」

私はヤマサキさんの問いに、身体をこわばらせた。
これは、問いじゃない。

これは──。
夏樹さんを悲しませてでも、自分の命ですべてに幕を引くという覚悟を込めた、答え。

ヤマサキさんは、もう心を決めている。
銃を降ろしたのは、死ぬのを諦めたからじゃない。
私を説得して死ぬから止めてほしくないと、懇願しているから。

私は、抵抗を諦めるしかないことに気付いて、素直に答えるしかなかった。

「…うん。
 この世界は、並行世界を生み出さないようにリセットを繰り返してきたの。
 私が仕組んだ繰り返しから抜け出すまでは他の並行世界に影響を与えられないようになってる…。

 ここは『閉じられたボソンジャンプの箱庭』。
 優れた完成品が生まれるまで崩され続ける、砂が詰まった砂場。
 
 草壁夏樹は、この世界にしか存在できない。
 
 …もっとも、今回でリセットを禁じてしまった以上、もう少しで繰り返しは終わる…。
 そうなったら、並行世界が始まってしまうかもしれない。
 夏樹さんが、悲しむ状態でしか始まらないような…」

「そっか……最後の最後で、悩ませてくれるね」

「ヤマサキさんには死んでほしくないもん」

私が微笑むと、ヤマサキさんも応えるように苦笑をしていた。
でも、気持ちは変わってないように見えた
ヤマサキさんは、息を大きく吸って拳銃をこめかみに突き付けた。
私は、答えを変えられなかったことにうなだれるしかなかった。

「…ヤマサキさん、ごめんね」

「謝ることじゃないよ、僕が選んだ道だ。
 …無意味な戦いじゃなかった。
 後悔は…あるけど…」

「…でも、引き金を引けないでしょ?
 やめても、いいんだよ…?」

ヤマサキさんは震えながら引き金を引くのを躊躇っていた。
本当は、自決なんてできる人じゃない。
本当は…誰にも傷ついてほしくなかった。
でも、誰も傷つかない未来のため『戦争』を選んだ。
心を擦り減らしてしまうのが分かっていても、人を傷つけることを選んだ。
……アキトと、同じに。

「っ…くぅ…」

私は、そっとヤマサキさんの手を取った。
ヤマサキさんは拳銃を取り上げられると思って体をこわばらせたけど、
拳銃に触れないように、ヤマサキさんの指に、私の指を引っかけた。
私の意図に気付いたヤマサキさんの、今にも泣きだしそうな困った顔が、安堵に変わった。

「こんなことしかできないけど…。
 
 …ありがと、ヤマサキさん。

 あなたとの暮らし、すっごく幸せだったよ」

「ああ…。
 
 僕も…幸せだった。
 
 …僕みたいな男が、ここまでやれたんだ。
 
 地獄に落ちても、本望さ」

…嘘つき。
本当は、今のアキトみたいに私と夏樹さん両方と付き合いたいくせに。
どうしても素直になれない、それで損ばっかりして…。

…私も夏樹さんも、不幸にする、ひどい人。

昔のアキトそっくり。

でも…。

そんなあなただから、生きていてほしかったんだよ…?


「さよなら、ヤマサキさん…。
 良い旅を」


「…ありがとう、遺跡ユリカ君」


ぱんっ…。























〇地球・佐世保市・クリムゾン機動兵器研究所・主任室──マエノ

「おいおいおいおい、マジかよ!?」

「まさかガードしてた人に襲われるなんて思ってなかったよね!?」

「ちぃっ!義手にディストーションフィールド発生装置を隠していたとは!」

「あのサイズでは何分も持つわけがないだろう!
 逃がすなよ!!」

俺とシーラは、ガードをしていたおっさんと、その部下たちの強襲を受けて、逃げ回っていた。
元軍人とか特殊部隊っていうよりは単なるガードマンの延長線上にいる連中らしく、
サブマシンガンの連射でこちらを蜂の巣にしようと即連射してきた。

その様子になんとか気づいていた俺たちは、義手のディストーションフィールド発生装置で防御、
そして拳だけをすっとばすロケットパンチでかろうじて蹴散らして部屋を抜け出すことには成功した。
けど、ひるませることしかできなくて、五人中一人しかKOできてねぇし…。

しかし、ホントにクリムゾンってのは露骨な連中だよな!
俺たちがPMCマルスの関係者だって分かってるから、
なにかされる前に始末しようなんてよ!

「シーラ、ほかに武器はないのか!?」

「木連から技術提供されたバッタの試作品を隠してあるけど、
 そこまで何とか逃げ切らないとーーー!」

「うおおお!?
 格納庫かよ!?遠いな!?
 バッテリーが持つか!?」

俺たちは、必死に走って格納庫をめざした。
幸い、俺たちを襲った連中以外には俺たちを狙ってる連中はいない。
…っていうか、みんなそうそうに退社してやがる!?

俺たちだけ軟禁状態で、襲う計画があるからってとっとと帰ったのかよ!?

「「「「待てーーーーっ!!」」」」

















〇???
とある特殊な暗号化されたプライベート回線に通話が開かれている。
軍の上層部の人間をも含む、かなりの大企業の要人、政府要人などが集まっている。
クリムゾンを筆頭とする、木連と手を結んで利益を共有するために同盟を結んでいる人物たちである。
やけくそになって、足が付く覚悟でチャリティーコンサート会場を襲撃しようとしたが、
それもアギトのせいで失敗、それどころかホシノアキトも完全復活、
死亡していたと思われていたユリも、さつきも、レオナも復活。
新生ナデシコAが応援に駆け付け、テンカワの駆るブローディアの登場、
さらには北斗まで戻ってきて深紅のブラックサレナ改で戦っている。
もはや、作戦失敗どころか、自分たちも証拠をつかまれてしまう可能性が高くなってしまっている。
全員がもう意気消沈で、黙り込んでいた。
そんな状況で、さらに彼らの気持ちを落ち込ませる連絡が届いた。

『…ネルガルのアカツキの襲撃に失敗した。
 それどころか、佐世保のマエノ夫妻も襲撃し損ねて今は逃走中だ。
 この調子では殺せる可能性は低いだろう』

『…傷すら負わせられないというのか』

『…ああ。
 アカツキの次男坊が反撃で殺しをする映像が取れればまだよかったが、
 非殺傷のゴム弾で切り抜けた。
 それどころか、手りゅう弾で致命傷を与えたと思ったら、
 ホシノアキトのような姿になって反撃を始めたと…。
 
 …ホシノアキトのナノマシンの解析が進んだんだろう。
 銃弾を受けても、毒を受けても致命傷にならない、
 化け物じみた耐久力を得られるあのナノマシンで…。
 
 あのステージにいるアイドルどもも、持っていると考えるべきだろう』

『て、敵が殺しても死なない連中ばかりになるというのか…』

彼らはすでに戦意を喪失している状態だったが、
それに追い打ちをかけるようにターゲットにすべき人間すべてが、
『大抵の暗殺方法を無効化できる』状態になってしまったことが、彼らをさらに落ち込ませた。

自分たちが生きている間は、平和ブームが続く。
それだけではなく、手傷を与えることすら難しい敵ばかりになる。
彼らは、生まれて初めて自分の存在が、人生が完全に否定され、敗北していると自覚せざるを得なかった。
クリムゾンだけは、絶叫した。


『この…忌々しい偽善者どもがっ!!』
























〇地球・日本海・機動兵器試験用特設実験島・特設アリーナ──ホシノアキト


『この…忌々しい偽善者どもがっ!!』



俺たちがステージ上で色々なことに応えていると、絞り出すような絶叫が聞こえた。
振り向くと、大きなモニターに、老人の姿が見えた。
写真でしか知らない、クリムゾングループの会長の姿だった。
自分たちの姿が放送されていることには気づいてないみたいで、
俺たちに対する罵詈雑言を続けて叫んでる。

「…あんたらか!
 世界を弄ぶだけじゃ飽き足らず、俺の命を狙ってきた連中は!
 クリムゾンの会長に…連合軍の副長官まで!
 
 どういうわけか分からないが…やっと顔が拝めたな!」


『『『なッ!?!?!?』』』



俺の問いかけに、クリムゾンだけじゃなく、
モニターに映っていた落ち込んでいる老人たちまで振り向いた。
これは…まさかラピスの策なのか…!?
だけど、今は木星で決戦中のはずなのに…。
どうやったんだ、あいつは…!?





















〇作者あとがき
どうもこんばんわ、武説草です。
ついに完全決着へ王手をかけた我らがホシノアキト。
とはいっても彼はな~~~~~んもやってないんですがね。
もしかして「もうよせ」って、サブタイトルはホシノアキトに言ってたりとか。
アキトが自発的に行動すると、その場は助かっても後々ひど~~~いことになりがちだから(ぉ
なんてことはありませんが。
そしてまさかのガイにイズミが急接近。
この話のガイは時ナデ同様、TV版の反動かとにかく死なないので、
そんなところに惹かれてしまうイズミでした。
テツヤも最後のあがきを始めちゃってますね~。

さらにヤマサキも自分の結末を決め、遺跡ユリカも自白。
ちょっとサブキャラも決着に向かいつつ、
ついについに最後の敵への王手!
しかし、本当に丸く収まるのか!?
最後の最期に笑うのは誰だ!?

ってなわけで次回へ~~~~~~~~!!













〇代理人様への返信
>ネタバラしお疲れ様でした。
>まあネタを思いついたら書きたくなるのが物書きのサガw
ありがとうございました。
ネタを思いついたらどうにかこうにかして成立させなければ気が済まないのですよね。
ただ、やりたいことが増えてどんどこ沼ってくのもセットですね!!!!
(一年くらいで連載終わる予定が三年近くに伸びた)

>そしてどんどん収拾がつかなくなるのだorz
まさにこれですね。
しかし、そこまで行きつくこともなく筆を折ってしまう時があったりで…。
でも諦めなければいつかはたどり着ける…と思ったのでこの話を書いていたりw












~次回予告~
さあさあ、ついに来ました最終局面!
笑っても泣いてもこれが最後!
本当にナデシコの人々は世界を革命して、ハッピーエンドを迎えることができるのかぁ?!
ヤマサキの無念をムダにしちゃぁいけないぞ!!
彼らを待ち受ける、最後の試練とは!?

夢を叶えるために命を燃やす彼らの姿を、嗚呼ッ!!君は見たかッ!?

ナデシコ二次創作でも(たぶん)屈指のおちゃらけ度でお送りするナデシコD!
最終回は、間近だァ~~~~~~~!?



この作品を作るために、サブタイトルを全部「D」始まりで作ろうとして英単語を調べまくった作者が贈る、
ナデシコ世界を革命する系二次創作、












『機動戦艦ナデシコD』
第九十六話:drop scene-劇の最終場面-














を、みんなで見よぉうっ!!

























感想代理人プロフィール

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代理人の感想
OK、てめーはそこで死ね山田w

> 最後の決着
いやー、黒幕の姿がテレビ中継されたらもうおしまいでしょ。
ガハハ、勝ったな、風呂入ってくる!(フラグ)


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