おはこんばんちわ。
どうも、ルリです。
なんかPMCマルスのみんなが中心だった一作目とは打って変わって、
二作目はナデシコのみんなが中心。
私は一作目に出たせいか、ラピスが代わりに入って仲間外れ。
ちなみにちょび髭のおっさんとごっついおっさん、誰?
え?
ナデシコのホシノルリなら知ってて当然の二人だって?
…私、知らないんだけど。
視聴者のみんなのツッコミはさておいて、
二本目の映画も後編。
アキト兄さん、なんか大やけど負ってるヒールっぽい立ち位置だけど。
あのアーパー爆弾娘といい映画監督といい、
なんでかアキト兄さんをヒールにしたがるのよね。
ま、意外性はいい感じなんじゃない?
この間の姿を茶化すのは気に入らないけど、
ナデシコ内での撮影も多くて、ある意味じゃドキュメンタリー映画なみのリアリティだし。
とはいえ協力を要請した出演者たちも、
色々要求して大変だったみたいだけど。
そんなわけで二本目の後編もみんなで見よー。
それじゃ、カウントダウン。
よーい、ドン。
「艦長ぉ、火星が見えてきたわよぉ」
ナデシコは90日ほどの宇宙航海を続け、ついに火星を目の前にしていた。
そこまでのあまりに長い期間、彼らは戦艦の中に居ながらリラックスした時間を過ごした。
敵の攻撃は散発的な様子見だけで、部隊クラス、艦隊クラスの敵は現れなかったのである。
彼らは忙しくなる前の休暇と思って各々の趣味に没頭し、
ユリカはアキトを相変わらず追い回し続けるが、ガイによるゲキガンガー愛好会の発足により、
近くに居るのに離れ離れの日々が続いてユリカはいじけていた。
だが仕事を押し付けられているジュンはもっといじけていた。
「いよいよ火星だね」
ユリカはアキトに放っておかれて沈んだ気持ちを引っ込めて、懐かしそうに火星が映るモニターを見つめた。
彼女はアキトと共にここで育ち、幼い時に地球に転属になったミスマル提督についていった。
ユリカは十年以上ぶりに見る火星を感慨深く見つめる。
だが…。
「ユリカ、敵襲。
…大艦隊だよ、土偶どもの」
「ッ!!
思ったより早かったね」
「うん。
敵が思ったよりステルスが上手だった。
オモイカネがこの距離まで接近を許すなんて…」
「敵もボケっとしてないってことだよ、ラピスちゃん!
各自、出撃準備!」
ナデシコのレーダー関係は通常の戦艦よりも受信できる範囲が広く、
また詳細に感知することが可能なものの、
敵が隕石群に紛れて進行してきたため接近に気が付くのが遅れてしまった。
もっともユリカも敵がせっかく占領した火星を手放すとは想っていなかった。
火星に入るというのはもはや敵の本拠地に攻め込むことと同じだった。
だからこそ、火星が見えるだいぶ前から戦闘配置についていた。
これまでのだらけ切った空気からようやっと抜け出せるとばかりに、
土偶の大群が押し寄せ、不利な状況を背負っているにも関わらず、
一種の躁状態に近いほどにナデシコのクルーの士気は高かった。
『はん、足を引っ張んなよコック!』
『命はひとつしかないんだから、浮かれてんじゃぁないわよ。
たったひとつの命を弾にして人魂に~…なんてシャレにならないわ』
『そうそう、命は大事に!』
『ユリカ、エステバリス隊全機、スタンバイOKだよ』
『じゃっ!エステバリス隊、発進お願いします!』
ユリカの声とともにエステバリスが次々に出撃していく。
彼らの役割はナデシコの直掩とグラビティブラストの範囲内への敵の誘導である。
だが、一機だけ突出するエステバリスが居た。
ガイのエステバリスだった。
『こらぁヤマダ!
一人だけ前に出たってしょうがねぇだろ!』
『うるせぇ!俺ぁダイゴウジガイだ!
こんなに敵が多いんじゃ固まったら敵の主砲につかまっちまうっての!』
『ヤマダさんの言う通りです!
エステバリス隊、各機一時散開して下さい!
アキトは…ナデシコの直掩をお願い!』
『お、おい…いいのかよ』
ユリカの明らかにえこひいきする発言にアキトはさすがに注意しようとするが…。
『いいんじゃねぇのか?
コックに無茶させるわけにはいかねぇだろ?』
『だよねぇ~。
訓練時間も半端で、ちょっと宇宙は下手だしぃ~』
『トーシローをカバーする余裕なんてないわよ。
危なくなったらナデシコに戻る余裕がある場所に居なさい』
『テンカワアキトぉ!背中は任せたぜぇ!』
『…どーせ俺は半端もんのよわっちぃ臨時パイロットだよ』
アキトはいじけていたが、誰一人その声を聴いているものは居なかった。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
その後、ナデシコとエステバリス隊は敵の大艦隊を前に、必死に前に進んでいった。
既に三万以上の土偶たちを撃破し、戦艦クラスも百を超える数を撃破している。
だが…。
『ぜーっ…ぜーっ…く…。
こいつら何機居るんだ!?
火星は目の前だってのに…』
ガイもこの五時間以上の死闘に消耗していた。
エステバリス隊は何度も着艦し、0G戦フレームを何度も入れ替え、
修理して出撃を繰り返していたものの、限界が近くなりつつあった。
素人に毛が生えた程度のアキトはとうに限界を迎えて着艦する事もできずに逃げ回っている。
もう少しで火星に飛び込めるというのに最後のひと押しが出来ず、大気圏に入れない状態が続いていた。
『…メグミちゃん、エステバリス隊に帰還命令を出して』
『どのみちこのままじゃジリ貧だよ。
みんな限界だもん、ここは逃げないと。
…多少の損害は覚悟して突っ込まないと全滅しちゃうよ』
ユリカはこの状況で、かなり危険な賭けをしなければいけない事に歯噛みした。
艦長としては賭けを行わないといけない状況に来た時点で愚かだ、と自分を責めている。
その苦渋の選択に、全クルーは黙り込むしかなかった。
フクベもムネタケも火星での戦いを思い出した。
だが…。
リョーコたち三人のエステバリスがナデシコに戻ると、
アキトのエステバリスが続いて入ろうとしたところで、彼らは異変に気が付いた。
ガイが一人、戦い続けている。
それも弾切れを起こして、フィールドをまとった拳だけで戦い続けている。
『……艦長、このまま逃げるってもよ。
五分五分の賭けなんだろ?』
『それは…』
『…行けよ、みんな。
俺がここに残るぜ。
そうすりゃ確率は十になるだろ』
ナデシコの全クルーは息を飲んだ。
ガイの言ったことは、正しかった。
敵戦艦を最も多く撃破していたのは意外にもエステバリスだった。
数多の土偶たちをナデシコが片付けているそばで、
小回りの効かない戦艦に素早く接近し、その中枢を破壊し、急速に離脱する。
ナデシコの直掩を担っていたアキトを除く四名すべてが、
百以上の敵戦艦撃破の八割以上をたたき出している。
そのために、敵の攻撃はエステバリスに集中し始めている。
ナデシコは土偶型戦闘機のみを攻撃して、火力が意外と低いというように見せかけている。
それはいつでも逃げ出せるようにという配慮と、
あくまで敵陣を突破する目的に絞って戦っているからだった。
全ての敵を全滅させて進む必要はない。
的を絞った戦いを続けて、火星の一歩手前まで来てはいたが、それも限界に近づいていた。
──全クルーを助けるために、生贄が必要だった。
「艦長」
フクベ提督は、ユリカに代わって命令をしてやろうかと思った。
だが、ユリカは大きく息を吸って声を出した。
「ヤマ…。
ダイ…ゴウジガイ、さん。
私達のために…最後まで戦って…下さい…」
『へっ…お安い御用だぜ!』
ガイはあえてアキトに強い言葉で、馬鹿にするように警句を発した。
アキトは、怒りにも似た、だが自分でもよく分からない感情に揺さぶられて、
エステバリスをガイのほうに向けて動かした。
ガイは戦いながら、自分のエステバリスがいつ爆発するかも分からない中、
それでも笑顔を絶やさなかった。
自分にとって、人生最高の瞬間が続いていると、涙すら流していた。
ガイが、叫んだ直後──。
ナデシコのクルーには、ガイのエステバリスが敵戦艦のミサイルサイロに突撃していくのが見えた。
そしてそのミサイル全てが大きく爆発するのを見て、ただ、茫然と自分たちの無力さに立ち尽くしていた。
ミナトとラピスだけが、その中で粛々とナデシコの制御を行っていた。
ユリカは涙を流しながら状況を確認していた。
その瞳の中に、リョーコのエステバリスに抱えられてナデシコに収納される、
傷ついたアキトのエステバリスが見えたが、それを特別に気に掛ける余裕など、今はなかった。
パイロットの三人は休養のために自室にこもっていた。
大気圏からのレーダーで、地上の敵もいないことが明らかになり、
一時的にクルーの休息、そしてナデシコとエステバリスの整備に時間を費やした。
ナデシコは無事とはいえ、決して軽い損傷ではない。
エステバリスは地上に降りたこともあり、0G戦フレームの修復は急務ではなかったものの、
場合によっては宇宙に逃げる可能性もあるため、整備を必要とした。
だがガイの死は全クルーに小さくない衝撃を与えていた。
たった一人で戦い抜き、自分たちを生かすためだけに命を捨てた。
その事実は、彼らにとっても想定外に重たかった。
「ヤマダ君…死んじゃったね…。
バカ…ホントに死んじゃうことないのにね…」
「あーあ…ったく…。
せいせいするとも言えねぇよ…。
あんな風に助けられちゃな」
「…あんた達、同じ状況で同じことできた?
私は…ごめんだわ。
自分の世界が閉じる時は、世界が消滅するのと変わらないもの」
「イズミちゃん、そんなふうに言わなくても…」
「…悪いわね、性分なの」
イズミはバツが悪そうに片膝を抱えてうつむいた。
「それより、半壊とはいえ無事なナデシコはいいとしてな…。
…コックの事だろ、気になるのは。
怪我の方は大丈夫なのかよ」
「一時的に視力を失ってはいるそうだけど、
一生見えないってほどじゃないらしいわ。
一ヶ月くらいあればリハビリも終わるレベルだって。
…もっとも、心の方が重傷かもね」
「テンカワ君、ヤマダ君と仲良かったもんね…」
アキトはひとり、医務室で顔中を包帯に包まれながら、
顔に傷を負って、涙が滲みるのも気にせずに悲しみに暮れていた。
ナデシコ内部がガイの戦死で揺れる中、
アキトはこのナデシコの内部でゲキガンガーの楽しさを共有した友達を失ったことひどく動揺し、
自分の負傷すらもどうでもいいかのように悶えていた。
ホウメイはアキトを見舞いに来ていた。
落ち着くまでは放っておいてやろうと退室しようと考えていたが…。
「…アキト」
「…ユリカ…かよ」
急に入室してきたユリカの声に、アキトは急に冷静になった。
だが、その表情は険しかった。
ユリカはそれに気がつく前に俯いて話し始めてしまった
「ごめんなさい、アキト。
私がもっと早く撤退命令を出していたら、
アキトも怪我しないで済んだんだよね…。
ほんとに、ごめん。
でも大丈夫、ちゃんと治るってお医者さん言ってたもん。
だから今はゆっくり休んで──」
「ちょっと待ちな、艦長──」
アキトが激昂し、ユリカはひどく狼狽えた。
ホウメイが止める間もなく、アキトはユリカに怒りをぶつけ始めた。
「アキ…ト…」
「テンカワ、やめな。
あんた、その時に艦長を止めたのかい?
あんたも、艦長も、そしてヤマ─ガイも、私らも、
全員納得して火星への片道切符になるかもしれないナデシコに残ったんだ。
立派に戦ったガイの気持ちを踏みにじるつもりかい」
「だ、だけど──」
アキトはホウメイの声を聞いて、声を詰まらせた。
「艦長、テンカワもショックを受けてるんだ。
…今はそっとしてやんな。
あとでお互いに謝ってそれで終わりさね。
過剰に気にするんじゃないよ」
「…すみません、ホウメイさん。
アキト、ごめんね…。
ダメな艦長さんで…」
ユリカは二人に謝ると足取り重く医務室を出て行った。
ホウメイはため息を吐くと、アキトの頭を撫でた。
「テンカワ、艦長の気持ちは分かってるんだろう?
…ガイのことは残念だったけど、これは戦争なんだよ。
回避できないことだってある。
──もしあんたがガイの代わりに残っても、ナデシコは沈んだ。
…分かってるんだろ、テンカワ?」
「わかっ、ってます…けど、どうしたらよかったんすか…。
ガイが生き残る方法は、なかったんすか…」
「無い食材は調理できないんだよ、テンカワ。
餓死しそうな兵士に何か食わせたかったって食材がなきゃ無理だよ。
…テンカワ、生き残ったあんたにはやれることがまだあるんじゃないかい?」
「俺の、やれる、こと…。
そ、そんなこと、なにも…」
「ナデシコが直るのと同じくらいの時間でお前も治る。
…火星から地球に戻るくらいの間、ガイの分までナデシコを守るんだ。
地球に戻ったらどうなるかわからないけどね。
それだけでいいんだよ、テンカワ」
「ホウメイ、さん…」
「それに艦長もお前がいないと元気がなくなっちまうよ。
…今はゆっくり休みな。
クヨクヨしたいなら時間はたっぷりあるだろ?
でもねぇ、ガイもお前が泣いてたら怒るんじゃないかい?」
「そうっ、すね」
「そうだろう?
じゃ、私は仕込みに戻るよ、テンカワ。
整備班も徹夜仕事になるって張り切ってるからねぇ、負けられないよ」
ホウメイは立ち上がるとすぐに出て行った。
アキトはしずかに頷くと、ガイがこの場にいたらどう言うか考えた。
「そうだよな…あいつの場合、あの場面で止めたら怒るよな」
アキトは小さく笑うと、枕に頭を預けて、
自分勝手を突き通して自分の生きたいように生きた親友の姿をもう一度思い返した。
「…悔しいほどかっこいいよお前。
ったく…」
アキトはついに体力の限界を迎えて、意識を眠りに落とした。
その顔には、戸惑いも迷いもなかった。
女子パイロット三人とプロスとゴート、そして保安部の数人は、
ナデシコ付属の揚陸艦、ヒナギクで先んじてナデシコの修理パーツ、
そしてナデシコをスーパーナデシコ級に改装するパーツがあるかを探した。
幸い、機材関係が積まれている倉庫はほぼ無傷で残っていた。
「はー、地上は全滅だが地下はだいぶ無事だな」
「ここは元々研究成果を保護する目的がありましたからなぁ。
何しろ火星はテロも起こりやすかったりもありまして」
「とはいえ生命反応はなさそうだねぇ〜」
「非常用の食料にしたってそんなに蓄えがあるわけじゃないし…。
まさかネルガルは研究成果の引き上げだけが目的?
ドライなのは構わないけど、人命救助をお題目にしておいてそれはないんじゃない」
「は、は…イズミさん手厳しいですな」
「自分の命を張るんだからいい加減じゃ困るわよ」
「お、コールドスリープ部屋があるな。
ってことは非常用の食料がなくても生きてる奴はいるんじゃねぇか!?」
「そ、そうです!
いや〜ようやく見つけられましたなぁ!」
リョーコが部屋を発見すると部屋の存在を忘れてたらしいプロスは調子を合わせた。
部屋の中に入るが、その中で稼働している装置は一台だけだった。
「なんてこった…思ったより設備が傷んでる。
あんま見ない方がいいぞ、ミイラと白骨ばっかだ」
「SFのお約束ぅ〜って感じだけど、実際見るとかわいそうね。
ナムナム」
「…弔うのは後になっちゃいそうね。
火星を取り戻すのに何年かかるか」
イズミは装置をそっと撫でると、静かに動いてる一台に近づいた。
「さっさと助けてあげない?
スーパーナデシコ級への改造も、技術者なしじゃ厳しいんでしょ?」
「そうだな。
IDと中の人間の称号…シーラ、とあるな」
「ほお、たしかエステバリスの初期製作に携わったことがあるそうですな。
お若いですが、この人もプロですからなぁ〜」
装置の操作をプロスがおこなう側で、
ゴートはIDの認証を端末で行って、中の人間を確認した。
十分ほどが経過して、シーラという女性が目覚めて、
お互いの情報を交換して、彼女はため息を吐いた。
「はあ…私以外は全滅でしたか。
で、ナデシコを改装して火星を脱出、
スーパーナデシコ級になったナデシコと、その設計図を持ち帰り、
戦力の増強に努めると」
「そうだ」
「まあ、一応ナデシコ級のドックは一隻分準備があるし。
こんなこともあろうかと、って具合にね。
さっそくナデシコを呼び寄せて、修理をはじめましょう。
…で、ついででなんだけど」
シーラはパイロットをじっとみると、悪そうな笑いを浮かべた。
「な、なんだよ?」
「ナデシコが来るまで、パイロットのみなさんには私にお付き合いしてね。
新型エステバリスも作ってあるってわけなの。
その名も──。
その後、ナデシコはネルガル研究施設に入り込んだ。
スーパーナデシコへの改修作業、そして一時的な避難を行うために。
スーパーナデシコになれば、加勢から脱出するのも容易になる。
希望的観測としか言いようがなかったが、それに賭けるしかないような状態だった。
そして─。
「おおーすごいですなぁ、エグザバイトの操縦システムは」
「直に脳のほうにリンクするから、リアクトは。
ま、目の方がやられてても脳の方につないじゃえば関係ないから」
シーラの持ち込んだ新エステバリス『エグザバイト』は新システムである、
『リアクトシステム』によって、人機一体を実現する機構を備えている。
それを利用することで、アキトが一時的に視力を失っているのを補おうとしたのだった。
「よぉし、俺、頑張るっす!!
怪我が治らない間他にできることもないし、
エステバリス─じゃなくてエグザバイトの操縦、
頑張ってみます!!」
「およっ、なんかテンカワ前向きだな」
「いい感じに立ち直れたのかもね」
「死に急ぐのはやめなさいよ」
その効果は絶大だった。
アキトはガイの死から立ち直っても何もできず気持ちだけが焦っていたが、
このエグザバイトとのリアクト接続により、パイロット訓練に復帰できることになった。
その効果はアキトの気持ちを想像以上に回復させてくれたようだった。
・・・・・。
・・・・。
・・・。
・・。
・。
──それから一ヶ月。
ナデシコは修理を続け、スーパーナデシコへの改装もほぼ終わり、
予定どおりに出航できる状態になりつつあった。
クルーたちもさらに強くなったナデシコで地球に戻れる希望が見え始めた。
そして─。
『くっ!テンカワやるな!』
『伊達に四六時中エグザバイトとつながってないよ!
俺だって!!』
「うわー、テンカワくんがリョーコと互角にやりあってる」
「意外と才能あるみたいね。
調子に乗らなきゃ、私たちも危ないわ」
「あー、テンカワくん意外と調子乗って深追いして負けるもんね」
アキトはこの一ヶ月の間、エグザバイトに乗ってる間は視力が戻ることもあり、
ほぼアサルトピット内で生活し、起きてる間はエグザバイトをほぼ肉体代わりに使っている。
漫画やアニメをみるロボットということで、整備班からは奇妙な視線を向けられている。
「そういえば艦長、まだ塞ぎ込んでるの?」
「結構重症みたいね。
って思い込んでて、テンカワが説得に通信しても全然聞いてくれないみたいね」
「早い段階でさっさと謝らないから誤解が誤解を生んじゃってるんだ。
厄介だね、それ」
「ヤマダのことはすっぱり忘れてるあたり、
いい性格してるわ。
…ま、艦長はそういう人のほうが信頼が置けるけど。
ひとり助けようとして全滅なんてシャレにならないわ」
「イズミちゃん、相変わらずクールぅ」
「…人ひとりなんて軽いものよ。
どれだけ想っても、助からない時は助からないわ」
ユリカはゲキガンガーぬいぐるみを抱きしめながらパジャマ姿でうなだれている。
『ユリカ、今日も代行する?』
「うん…ごめんね、ジュン君」
『それはいいから…テンカワとも話した方がいいんじゃないか?』
『だからそうじゃないってば…。
ああ、もう。
もう少ししたら顔の包帯も取れるし視力も戻るから降りてくるって。
そうしたら会いに来てくれるだろ?』
「会いに来てくれるかなぁ…」
『大丈夫だって。
…ユリカ、君は間違ってないよ。
僕が保証する。
艦長としても人間としてもなにも間違ってない。
命をかけたっていい』
「ジュン君…」
『あ、そ、それじゃ。
仲直りできたら、また、ね』
ジュンが通信を切ると、ユリカはぬいぐるみを抱きしめてまたうなだれた。
「…甘えちゃってるなぁ、私。
アキトはこんな私なんて、嫌いだよね」
ユリカはコミュニケの着信に気づいた。
そのモニターの先には顔の包帯がまだ取れないアキトの姿があった。
『ユリカ…ちょっといいか』
「アキッ…だ、だめっ!!」
ユリカはアキトの振り絞るようなさけびに体を震わせて、
コミュニケの通話を切ることが出来なかった
『…俺、お前のこと…好きだから…』
『分かったんだ、お前が俺と会ってくれない間、ずっと寂しくて…。
ユリカは突然のアキトの告白に驚いてしまい、嬉しがる暇がなかった。
だが、声にとまどいがあったように思って続く言葉を待った。
『…だけど、顔にひどい傷が残っちゃって…。
エグザバイトに乗りすぎて色々変わって…それでも受け入れてくれるか、不安で…』
「アキト…やっぱり、私のせいで…」
『それはいいんだ、
とにかく見てくれるか…』
ユリカはアキトの不安そうな声に耐えられず、
そして自分にもアキトへの想いを伝えるチャンスがようやく来たと気づいて、叫んだ。
『ありがとう、ユリカ…』
そしてしばらくすると、アキトはユリカの部屋を訪れた。
ユリカが座るベットに近づいて、アキトは隣に座った。
「……包帯、とってあげるね、アキト」
「…ああ」
ユリカはそっとアキトの顔に巻かれた包帯を取り始めた。
だが、その下に見えた素顔に凍りついた。
アキトの顔は別人のように変化していた。
顔に大きな火傷の痕がのこっており、片目が潰れている。
そして残った片目は金色に輝き、髪の色は真っ白になってしまっていた。
ユリカは愕然として床に膝をついた。
「アキ……」
「…やっぱり、こんな顔じゃ…」
「だ、大丈夫だよ、アキト!
ちょっとだけびっくりしただけだから…私のせいでこんな…」
ユリカはアキトをそっと抱きしめると、
潤んだ瞳でその火傷を見つめ、そして優しく撫でた。
「痛くない…?
私がずっとアキトのそばにいるから…」
「いいんだ、ユリカ。
それより頼みたいことがあるんだ。
お前にしか頼めない、大事なことだ。
ナデシコのみんなにも関わることなんだよ」
罪悪感に駆られるユリカの償いを求める言葉に、
アキトは微笑んだ。
─だがそのほほえみにどこか歪んでいたことに、
ユリカは気づくことが出来なかった。
『ご、ごめんね…私、自信がなくなっちゃって…』
「らしくないよ、ユリカ!
君は間違ってない、クルーのみんなだってそう思ってる!
君が艦長だったからナデシコは無事だったんだ!」
ユリカからの突然の通信にブリッジは揺れていた。
確かにノイローゼか鬱のような状態になってしまったユリカに不安定さを感じていた。
だがそれが一時的なものだと全員が思っていた。
ガイの一件についても、アキト以外の人間は誰も責め立ててはいなかった。
にもかかわらず、ジュンに相談ではなく、辞職を一方的に告げてきた事が異常を感じさせた。
『…ジュンくん、ごめん。
それに、やらなきゃいけないことができたの。
アキトがね…』
「テンカワ…!?
あいつがどうしたっていうんだよ!?」
『そ、それは…』
『ユリカ、もういい。
構っている場合じゃない。
早く行かないとナデシコが……』
『自分で考えるんだな、ジュン。
お前が艦長でユリカが副長だったらこういうことをする必要もなかったんだ』
「なに!?」
突如、通信に声だけで割り込んできたアキト。
ジュンは激昂するが、アキトは鼻で笑うようなため息と、冷めた声しか返さなかった。
『ジュンくん、私は大丈夫だから。
ナデシコのこと、よろしく──』
直後、通信が途絶した。
ブリッジには失望半分、心配半分の空気が漂っている。
「艦長、責任感ある方だったと思ったんだけどどうしたのかしらねぇ」
「なんかテンカワさんとトラブルがあったみたいですけどねぇ」
「…アホらし、どーせまた恋愛沙汰でしょ」
ラピスの呆れた声にブリッジは脱力した。
だが、彼らの脱力を止めるかのようにフクベ提督は声を発した。
「アオイ副長、すまんがしばらく艦長代行を続けてくれ。
私とムネタケが補佐をする。
そうすればしばらくはもつだろう。
艦長とて、辞めたところで艦内に残るしかない。
説得の機会が全くないわけではない」
「は、はあ」
「──そうも言っていられないんです、提督」
直後、ムネタケがブリッジに入ってきた。
銃を持った数人の戦闘員らしき人物を引き連れて現れた。
「改修の済んだ、このスーパーナデシコ…。
私、ムネタケサダアキの支配下に置かせて頂きます」
「私は至って冷静です、提督。
…少し前にこの戦争の真実を知らされてしまったんです。
そして確信しました。
『ほほほ、ようやく追いつきましたわ。
一ヶ月で月をとりもどしてナデシコの増産にも成功しました。
ムネタケ提督、お疲れ様です。
これで確実に私達は勝てます。
──そしてついにそのオリジナルのナデシコをこの手に納める時が来たのです!!』
「待ってくれ、カグヤさん。
そしてムネタケ副提督!
僕たちは事情が飲み込めてない!
けど説明してくれれば協力できる、話し合う余地はあるはずだ!!
なんでこんな強硬策を…!!」
高らかに宣言するカグヤを前に、ジュンはナデシコを支配下に置こうとする二人を批難した。
細かい事情はともかく、強硬策をとる理由はまったくなかった。
確かに火星に逃走したことは問題だったが、カグヤの態度にも問題があった。
かといって仕返し目的ではナデシコをジャックさせる必要性を感じなかった。
『時間がないのです、アオイ副長。
スーパーナデシコが完成したこのタイミングで、
あのミスマルユリカを奪いにあの男がやってくるはずです。
ですからナデシコを私達の手元に戻して、
この量産型ナデシコであなた方を護衛して、地球に連れ帰る必要があるのです。
ミスマルユリカとスーパーナデシコが揃うこと。
それがこの戦争に地球が勝ち、生き残る最低条件なのです』
「なぜユリカが?!
確かにユリカは戦術の天才ですが、戦争を終わらせるほどとは…」
「説明したってわかりっこないわよ。
…私だって火星にたどり着くまで信じられなかったんだから」
『あら、重子さん。
ミスマルユリカの保護は完遂しましたか?』
『そ、それが…!』
数名の保安部員が、アキトの前にたちはだかっている。
だが、アキトに触れることもできずに殴りかかった側から吹き飛ばされていた。
それどころか、躊躇いながら引き抜いた拳銃もレーザーブラスターも通用しない。
保安部長のゴートも困惑しながら抗戦を続けるほかなかった。
「くっ!?
なんだあのバリアは!?
超能力かなにかか!?」
「兵器にしても原理が分からん…!」
「あ、アキト…どうしてみんな攻撃してきてるの!?」
「…あいつらジュピトリアンだ。
ナデシコに潜んで機会をうかがってたんだ。
ナデシコがスーパーナデシコになるタイミングで奪いにきたんだよ」
「だ、だけど!」
ユリカはアキトの行動が理解できなかった。
アキトはユリカを連れてナデシコを降りようとしたところで、
火星に降りるのを引き留めた保安部員と戦い始めた。
普段のアキトと明かに違う行動をとったことに、ユリカは驚いた。
それどころか、バリアを生身のまま展開するアキトに何か異質なものを感じた。
だが…。
「ユリカ、この力について気になるかもしれんが…。
…俺を、信じてくれ」
ユリカはアキトの言葉に強く頷いて、
それ以上深く考えることをやめてしまった。
『表立って行動できないと思っていましたが…。
まさか顔を隠して保安部に潜んでいたなんて…』
単なる生活班に過ぎない重子が、何故カグヤとユリカの事で話し合っているのか。
そして何故ユリカを奪われることが世界の終わりにつながるのか。
ジュンにはそれが理解できず、混乱した。
だが、カグヤはそんなことを気にする様子がなかった。
気にする余裕がなかったという方が正しいだろう。
「…了解」
オペレーター席に座っていたホシノルリと呼ばれた少女は、
ラピスラズリにどことなく雰囲気が似ていた。
姿が似ているというよりは、その特異さが似ていた。
『カグヤ様、私の力なら対抗はできませんが時間稼ぎはできます!
あのスサノオ相手では何分もつかわかりませんが…』
「お願いします。
こちらもじきに追いつきます。
…死ぬんじゃありませんよ」
『はっ!!』
通信を終え、戦艦カグヤの総員は出撃準備、保安部の降下準備、戦闘態勢の再チェックを行い、
これから起こる戦闘に備えているうちに、戦艦カグヤはナデシコの停泊しているドックの上空に近づいた。
そしてカグヤは全員を鼓舞するように、声をかけた。
「総員、聞きなさい!
説明した通り、この戦いに勝てなければ世界が終わります!
荒唐無稽に思えるかもしれませんが、ミスマルユリカ一人失うだけで!
なんとしても彼女を──」
彼女が言い終わらないうちに、乾いた音がブリッジに響いた。
ホシノルリがカグヤに銃口を向けており、中からは煙が上がっていた。
カグヤの太腿に刻まれた弾痕から溢れる血が、ブリッジの床を染めていた。
「そうはさせません」
「ホシ、ノ…ルリ── 」
ルリの金色の瞳がカグヤを冷ややかに見つめていた。
カグヤの人生を否定するかのように、ただ興味なさそうに。
「明日香カグヤ、いえオニキリマルカグヤ。
あなたはよくやりましたね。
この世界の明日香カグヤが死んだのを良いことに、
入れ替わるように養子として潜り込んで、
この世界での立ち位置を確保するなんて」
「ま、さか…」
「そして我ら『邪馬台国』の送り込んだ土偶に対抗できる兵器を作り上げ、
そして独自のシャーマニックデバイスを完成させ…。
あなた達の宗派の願う『まつりごと』を優先させるための下地を作った」
冷ややかなルリに対して、カグヤは激昂した。
ブリッジのクルーは事情が呑み込めない様子だったが、
重傷のカグヤを助けるために医療班を呼び出し、ルリに拳銃を向ける者が出始めている。
だがそんなことは全く気にしない様子でルリはカグヤだけを見つめていた。
「同族嫌悪ってご存知ですか?
もし、自分に近い人間が出会ったら何が起こるか…。
人は一つしかない椅子があったら奪うことしか考えられない。
生死を賭けた椅子取りゲームをしてかろうじて生きているのが私たちです。
同じ顔と同じ心を持った人間が出会ったらなおさらです。
自分の幸せと命を奪い取るドッペルゲンガーにしか見えないでしょう。
自分から消えたい人間なんていません。
消えるくらいなら奪ってでも生き延びるのが人間です」
「でもそれもこれも全部おじゃんです。
あなたがこの世界で生きた人生をすべて賭けた準備も、
この世界そのものもおしまいです」
ホシノルリに対して、ブリッジクルーのうちの一人が発砲した。
だが、その銃弾は弾かれてしまった。
「あれは、あのスサノオと呼ばれた男と同じ…!?」
「そう、『結界』です。
スサノオ兄様と同じ、相手を拒む気持ちが生む、
私を守ってくれる聖域…」
ルリはブリッジにいる人間を見つめると、小さく呟いた。
「─総員、この戦艦カグヤから出て行きなさい。
カグヤ艦長の傷は放っておけば致命傷になります。
けどすぐに降りてナデシコで治療すれば助かる程度のものです。
彼女を助けたかったら、出て行きなさい」
「な、舐めるんじゃないわ、ホシノルリ。
私たちの部下が、こんなことで怖気付くとでも…」
「いえ、おりますよ。
このまま地球にもどれるわけがありません。
十一歳の子供オペレーターにカグヤ艦長を殺されて、
でも自分たちは助かりたいからなにもしないで逃げました。
そんなことを報告したらどうなります?
会社をクビになればまだ良い方で、
今の映像を全世界に撒かれたらどうなるか、
わからないわけじゃありませんよね。
…もっとも、そんな事情抜きであなたを助けたい甘ちゃん揃いみたいですけどね」
「くっ…」
「…すみません、艦長」
ブリッジクルーの一人がカグヤの太腿を圧迫して、一時的な止血を行った。
致命傷になりかねない急所への銃撃だったが医療技術的になんとかなる負傷だった。
それでも、残り時間は短い。
躊躇っていたら間に合わなくなるのは明白だった。
カグヤのクルーが全て降り、ナデシコに向かうと、
他の量産されたナデシコ級の艦隊は、戦艦カグヤに集中的なロックオンをかけていた。
たったひとりだけが乗り込んだ戦艦を落とすことに躊躇いはなかった。
それが、まだ年端の行かない少女であったとしても。
撃たない理由にはならなかった。
だが──。
「無駄ですよ。
量産型程度では百隻相手でも変わりません。
シャーマニックデバイスと巫女のないナデシコ級なんて、
豆鉄砲と障子紙で守ってもらってるだけの泥舟です。
試しに撃ってみますか?」
各ナデシコ級の艦長は彼女の言葉を信じなかった。
─だが、内心ではこの少女の言葉を何故か信じている自分にうろたえていた。
『か、艦長…』
『今は様子を見るしかない…。
落ち着け』
ルリは内心、ナデシコから離れ、脱出するときに後ろから撃たれることを確信していたが、
そんなことを意に介する様子もなく、ただひょうひょうとたたずんでいた。
「早くお帰り下さい、スサノオ兄様…。
〇作者あとがき
どうもこんばんわ、武説草です。
今回は火星までたどり着いたナデシコでした。
ガイ、散る!
しかも彼の好きそうなシチュエーションで!
どうせ散るならこれくらい景気よく逝きたかっただろうなぁ、テレビ版ガイ。
そして遊撃戦艦版をアレンジしつつも、ちょっと展開の順序を変えて勢いで押し込んでみました。
あとイネスさんが居ないんでシーラちゃんで代替してます。
本編ではユリカの奪い合いがなんでか勃発!
そして『邪馬台国』とは!?『大和』とどう違うの!?な展開で次回に引きです。
うーむ、本編ほどは好き勝手に書けないだけにちょっと大変だ!
今年最後の更新!できれば作中でも年末進行させたかったけど無理だった!
ってなわけで次回へ~~~~~~~~!!
〇代理人様への返信
>出演者の要望聞いてシナリオ書いてもろくなものにはならないと思うの(真顔)
普通そうですし、この話に関しても別にまっとうにはなってないっていう…。
でももろもろなんだかんだまとまってくれるようにはしたようです、クリスさん。
>しかしカグヤとかなつかしいなあ。
漫画版はあれはあれで好きだったw
彼女らの恋の争いに巻き込まれるクルーに幸あれと思いましたわw
あれが理由でテレビ版の『オートマ化された現代の戦艦の場合、艦長が誰でもいーってことです』
ってことなんじゃないかなーって思ってしまったり(艦長に判断をゆだねるとえらいことになるから
とはいえナデシコ内でも艦長の判断でいろいろ変わることは描かれてるので、
現実的にはそうならないんですけどねw
…実を言うと書く前にちゃんと読み返したくせにカグヤの出番が意外と少なくて、
カグヤの名前を素で間違えました(爆
で、ついでなんでそれもネタにしてみました。
明日香カグヤってなんや…アクアクリムゾンに引きずられたか…。
その理屈だとネルガルナガレになっちまうだろ…。
あと、戦艦名がカグヤだとややこしい。
戦艦カグヤって常に書かんと行けなくなる。
~次回予告~
ホシノアキトっす…。
は、ははは……なんかヒールっす。
なんていうか過去を呼び起こしかかって毎日泣いてるんだ、とほほ。
…断るべきだった、借金まみれになったとしても、なんとしても。
でも俺、ユリちゃんにやれって言われると動けなくなっちゃうんだよなぁ。
うう……尻に敷かれ過ぎだ…。
ってルリちゃんまでなんかヒールになってるけど大丈夫かな。
お義父さん、ユリカ義姉さんが死ぬ一作目で血管切れそうになるほど怒ってたし、うう…。
お、穏便に終われるだろうか…。
なれないことするとさすがに時間がかかるよ!
でも乗ると級に書けちゃう系ナデシコ二次創作、
をみんなで見て………欲しくないなぁ…。
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代理人の感想
確かにアキトが普通のと黒いのといたら、片方スサノオになれますなw
>ガイのかっこいい死に方
そのへん否定するのがナデシコの作風ですからねー。
まあ結局逆張りだけに終わってしまった感もなきにしもあらず。
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