おはこんばんちわ。
どうも、ルリです。
二作目、私もアキト兄さんもヒール。
ちょっとあったかいところもあるけど、ホントすんごいヒールで。
ユリ姉さんも割とマジに演技中、昔を思い出してるみたいで、辛そう。
…私もあの黒いアキト兄さんをちょっと思い出しちゃって複雑。
ま、『心根の優しい愚かな王様』には親近感を覚えるんで、あってる気もするけど。
でもあんなラストじゃ、映画を見に来たアキト兄さんファンの子たち、阿鼻叫喚じゃない?
……三作目まで持つかな。
そんなわけで三本目、いってみよー。
それじゃカウントダウン、よーいドン。
黒龍との戦いから数ヶ月が経過した。
静かに、しめやかな結婚式が行われていた。
限られた人間しか呼ばれていないが、その中には国王と王妃すらも参列していた。
ユリカ団長の死に沈んでいる中、彼らは婚姻を結んだ。
アキトとユリは──。
「新郎、アキト。
あなたはここにいる新婦、ユリを健やかなる時も病める時も、
富める時も貧しい時も、妻として愛し、敬い、いつくしむことを誓いますか?」
「誓います」
「新婦、ユリ。
あなたはここにいる新郎、アキトを健やかなる時も病める時も、
富める時も貧しい時も、妻として愛し、敬い、いつくしむことを誓いますか?」
「誓います…っ」
牧師の問いに二人が答えると、誓いのキスを促されてアキトとユリは口づけた。
その後、国王と王妃に祝福の言葉をかけられると、
お葬式のようにしめやかな結婚式は終わり、アキトとユリはハネムーンに出た。
もっとも、このハネムーンはまだアイアンリザードの脅威が去っていないため、
休暇扱いで一週間、何キロも離れていない保養地にて簡易的に行われるものと決まっていた。
脅威がなくなってから、もう一度本格的なハネムーンを行うことにはなっていたが…。
「…アキト兵長もユリ兵長もまだ心の傷が癒えていないのに…。
無理に出て行ったわね…」
食堂でぼそりと一人の兵士がつぶやいた。
構成員のほとんどが女性ばかりの『百合の騎士団』は、
婚約者だったユリカ元団長の死に揺られるアキト兵長、
そして団長とアキトの婚約者の座を任されたユリ団長の二人の静かな表情の下の沈痛な心境を感じ取っていた。
「町の噂では『ユリカ元団長の死に付け込んだユリ団長』とか、
『薄情なアキト兵長』とか好き勝手なことを…。
…確かにあまりに早い期間と思うかもしれないし、
なによりアイアンリザードとの戦いも終わってはいないけど…」
「…もう公然の秘密状態になっちゃったもんね、
兵長と団長の事…」
「それでも…ユリカ団長の叶えたかった夢を、
死ぬかもしれない戦いの前に叶えたかったんだよ…」
彼女たちも二人の考えは聞かないでも分かっていた。
だが城下町や国内の人々はあらぬ噂で盛り上がっていた。
ユリカ団長の急死の原因は秘匿されていた。
裏切者の作り上げた甲冑騎士を使用して、アキトが操られてしまったと公にはできず。
また明らかに自分の剣で自害しているように見えたこと、
少なくともユリカ団長の件で誰かが殺害したということは間違いないと情報が漏れてしまったため、
世間的にはユリカを失った側のアキトとユリが批難の対象になっていた。
そしてこの大事な時期に婚姻を結んだとあって、
何かしらの政治的な意図があるのではないかと噂された。
これはアキト兵長とユリ団長の血筋が王家の血筋であると、
しかもそれぞれ国王と王妃のものであるという情報が漏れたことに始まる。
何者かがアキトとユリの出生について知り、暴き立てたのだ。
王妃姉の息子、アキト。
そして国王の娘、ユリ。
ユリがルリに尋常ではなく慕われていることから、姉であることはうすうす勘付かれていた。
情報が洩れる要素はなかったが、どこからかその情報はもたらされた。
一説にはアイアンリザードに与する人物のせいではないかということだったが、
真相は不明である。
これについては本人たちの希望もあり、国王、王妃ともに否定することにはなったが、
アキトの容姿があまりにルリ似であることから疑いを拭い去れず、
尾ひれがついて収拾がつかないままになってしまった。
国が一丸となってアイアンリザードに対抗する姿勢だったのが、
ユリカの死によって脆くも崩れ去ろうとしている状態だった…。
「たぁっ!」
「わきが甘いよ、王子っ!」
「かはっ!?」
地龍は王子たちの剣術の指導を行っていた。
地龍の木剣が王子のわき腹を打った。
ルリ姫の弟である五人の王子たちは、
優れた王になるべく王位継承権の争いを課せられている。
そして五人のうち最後の一人になった時、ルリ姫と最後の王位継承権の争いを行う。
そのために強くあらねばならないと、アキト兵長に指導を受けていたものの、
アキト兵長がハネムーンに出ている間、王子たちの指導を請け負ったのが副団長の地龍だった。
さらに、彼らの胸中はまた別の気持ちに揺られていた。
「王子…このような手荒な鍛錬などアキト兵長も望みませんが…」
「でも…悔しいんです!!
ユリカ姉様の命が…あいつらに奪われたのが!!」
「…王子たちにも姉と認めていただければ、ユリカ元団長も嬉しがってくれるでしょう。
しかし、あなた達が血を流すかもしれないと思ったら悲しみますよ。
…ユリ団長も、アキト兵長でさえも」
「僕たちは…ルリ姉様とユリ姉様の悲しむ顔をもう見たくないんです!
お願いです、副兵長!
僕たちをアキト兵長くらい強くしてください!!
地龍は小さくため息を吐いて、短い木剣を両手に持った。
通常の鍛錬で使う長剣を模した木剣ではなく、この国で唯一と言っていいほどの、
ホシノアキト独自の型、拳を構えるような独特の構えを取った。
「なら…アキト兵長直伝のこの技を受けて下さい。
いいですか、王子たち。
五人同時にかかってきてください。
そして…」
地龍は眼を布で隠すと五人全員に自分を囲むように言った。
「…この技を身に着けるのに何年かかるか分かりませんが、
身に着ければ百の敵、千の敵にも負けないという、奥義です」
「「「「「…!!」」」」」
「しかし─。
この技を身に着けるなら心技ともに完璧でなければいけません。
怒りや悲しみに支配された心ではとてもできはしません。
地龍に言われるがまま、王子たちは地龍にとびかかる。
だが──。
霧の深い中を、馬を引いてアキトとユリはしずかに歩いて行く。
夕暮れも近くなり、日が沈む前に宿に戻ろうとしたが、それも間に合わず、
濃霧になってしまい馬を走らせるのも危険なので、
川沿いに歩いて道を見失わないように歩いていた。
アキトとユリが旅立って四日目。
二人はそれぞれの重責から解き放たれて、久しぶりに羽根を伸ばすことができた。
だが二人の脳裏には解き放ちようのない深い悲しみがあった。
「ユリカさんも連れてきてあげたかったです…」
「…そうだね」
ユリはユリカが死ななければ自分の想いを叶えることはできなかったが、
この悲しみを味わうくらいだったら生きていてほしかったと語る。
アキトは小さく首を振った。
「…俺は君が居てくれて良かったと思ってるよ。
ユリカもきっとそう思ってる。
君が居なかったら、きっと憎しみに狂って…あの黒龍王鬼にもう一度乗り込んでいた。
そしてあのアイアンリザードを追って、おそらくは良くて相打ちだった。
それに…君の事を、ユリカと同じくらい愛している」
「…慰めてくれなくてもいいです。
ユリカさんが私にすべてを託してくれたから…」
「嘘じゃないよ」
アキトはユリの頬を両手でつかむと、その目をじっと見た。
「…たまに俺を見る君の瞳の奥に気づいていた。
何か特別な気持ちで俺を見てくれてるんだって…。
ユリカが居るから応えられない…ユリカによく似た、
でもちょっと大人しくて、かわいい女の子と一緒に居るとね…。
ユリカが居なかったらユリちゃんを好きになっていたって、思ったんだ」
「…そんな口説き方ずるいです。
でもそうなると…。
とんだ浮気者ですね、アキトさんは」
「ちょっと!?
それは言い過ぎじゃないか!?」
「ふふ、ごめんなさい。
…なら安心しました。
ユリカさんの遺言に縛られてるんじゃないかってちょっとだけ不安でしたから」
「…ああ、俺自身そう思ってた。
でも…君といるとユリカと一緒に居る時と同じくらい、心が温かくなるんだ。
きっと大丈夫…やっていけるよ」
「はい…!」
二人の心の中にはまだユリカが居た。
だがその分をお互いに補って、手をとって前に進んでいこうということを自然と意識し始めていた。
そして、機械帝国アイアンリザードを倒そうと二人が意を決する言葉を言おうとした、その時。
「!?
危ないっ!!」
アキトがユリを抱いて飛ぶと、火球が馬に当たる。
すると同時に炎に包まれ、すぐに息絶えて倒れてしまった。
よけようとしなければ、アキトとユリが同じように炎に焼かれていた。
しかし奇妙だったのは魔法の類にも見えない、物理的な炎が直線的に飛んできたことだった。
火矢だったら一瞬で対象を燃やすまでの炎を起こすことは難しく、かといって砲弾の類ではない。
この奇怪な現象を目の当りにして、二人の緊張は高まった。
「良くかわしたな」
「…誰だ!?」
アキトは剣に手をかけながら相手を呼ぶと、もう一度火炎の弾が飛んできて、それをかろうじて回避した。
ユリをもう一度抱きしめて飛んだが、その直後に再び飛んできた火炎の弾を、
剣の鞘を地面についてギリギリで回避して見せる。
「…さすがだな。
国一番の兵士というのもまんざら嘘じゃなさそうだ」
「…お前は!?」
霧の中から現れた男は、片手が機械がむき出しになっていた。
そしてその片手…右手にはかなり大きな炎が噴き出しており、
直撃すれば大やけどは免れないほどの炎に見えた。
「俺の名か?
俺は、カエン。
機械帝国・アイアンリザードを取り仕切るうちの一人だぜ」
「人…!?
俺の、育ての両親以外に人が!?」
「機械なんだから誰かが作ってるに決まってるだろーが。
もっとも工場を仕切ってるのは確かに機械なんだがな」
カエンはくつくつと笑うと、炎を弄びながらアキトをにらんだ。
「まあ…俺たちの親玉、いや指針を決めてるのは確かにコンピューターだ。
お前らみたいな石器時代もいいところの魔術オタクの集団じゃ思いつきもしない、
オーバーテクノロジーを満載してる…『遺跡』の守護者ってところか」
「何…!?」
アキトは続くカエンの説明に驚いた。
この戦争は、かつて地球上で滅亡した古代人の作り上げた遺跡であり、
自立したコンピューター『神機』によってもたらされた。
古代人たちは数千年以上の文明を築いたものの、
ある時に科学技術の過信により地球環境の悪化で絶滅に追い込まれた。
しかし、彼らの滅亡までの間に全人類の遺伝子は、
人類の英知でありよりどころだった『神機』に託されており、
地球環境の回復を待って、人間たちの『再生産』そして文明の『再構築』を担った。
彼らを教育した人造人間たちは老いぬ神として崇められたが、人類の成長を感じると、
それぞれが自らを破壊し、海の中に姿を消した。
だがその後、人類は化学ではなく『魔術』に傾倒した。
この魔術こそ、『神機』が予想しなかった人間の可能性だった。
魔術は物理法則を無視することが出来る上に、人間の生命力を軸に大きな力を得ることが出来る。
『神機』はこの可能性に、生まれて初めて恐怖を感じた。
そして、化学によらない世界の構築を良しとしなかったため、
魔術を信奉する現在の人類を再び絶滅させ、改めて人類をもう一度作り直そうとした。
そのために『神機』に集められたのがアキトの育ての両親であり、
人間としては死んだも同然の人生を送ってきた五人のサイボーグ・ブーステッドマン達だったと。
「公平に人を導く感情を持たない正確な秤だったんだが…。
ま、数千年の時を過ごしたコンピューターだ。
神機も人格を持っちまうほど自己進化しちまったんだよ。
自分の理解できないことを始めたのを否定するくらいな…。
こいつはいわば『老い』って奴だろうぜ」
「…たまらないなそれは。
たかが鉄の塊の、しかも人間に近くなった奴の、『老い』に巻き込まれて…。
人生をボロボロにされ自分を失いかけ…。
ユリカを奪われたんだからな…!」
「怒るか?
ホシノアキトよぉ…。
「くっ…!」
アキトの心は揺れていた。
ユリカの死を目の当りにし、憎しみに狂う苦しみを知ったアキトは、
自分の手で人を殺す行為に耐えきれないと分かっていた。
それでもカエンを止めなければダイヤモンドランドだけではなく、大陸を超えた国までもが亡びる。
しかも最初に死ぬのはおそらく自分とユリだ。
そう考えると、剣に手が伸びたのは当然のことだった。
「抜けるか…?
だったら黒焦げにしてやらぁっ!!」
「…お前を止めて見せる!」
カエンが声を発すると、一つ目の人造人間が五体現れ、
アキトを取り囲んだ。
(この精神状態で…やれるのか、俺は…!)
アキトは彼らが取り囲んでもなんのけん制もしないことから、
飛び道具の類はないと判断した。
だが素手でも金属製の手で、しかも人間の四倍の腕力があるとしたら対抗する術はない。
それでも、アキトはユリを背にかばいながら、眼をつぶった。
「アキト…さん…」
「大丈夫…そこから絶対動かないで…。
俺を信じてくれ…」
アキトは一度引き抜いた長剣を鞘に納めると、
短剣二本を抜くと、両手に構えた。
とびかかる五体の人造人間。
すると、その瞬間。
アキトは何もしなかったように見えたが、五体の人造人間は吹き飛ばされ─。
しかもその体の胴の部分がひび割れて砕けていた。
へこんでいたのではなく、金属だというのに砕けていた。
「何だと!?」
「…できたか。
この技は精神が安定していない時には打てない…。
不安だったができた…」
アキトは冷や汗をかきながら再びカエンに向かって構えた。
「この威力は魔術…しかも王家の力か…!!」
「…ああ。
俺は王家のような魔術は使えないが…。
剣や甲冑騎士を介すれば魔力を使用できる。
故にその威力を格段に増すことができる…。
もっとも…五体同時に当てたのは俺が磨いた技だ!」
「なるほど…こいつは楽しめそうだな…」
「…!
ユリちゃん、下がってくれ!
こいつは今ほど容易く倒せない!」
カエンは両手に炎を灯すと、アキトをにらんで小さく笑った。
「今度は二つだ…。
兵士たちは眼上導師になにか封印の地に不穏な反応があったという話を聞き、
ここに駆け付けたが…彼らは驚愕するしかなかった。
「…バカな!?」
「厳重な封印が、破られてる…!
どんな者であろうと、この結界は破られるはずがないのに!!」
「王に報告だ!
アキト兵長たちも呼び戻すんだ!!
黒龍王鬼が盗まれてしまったと伝えろ!!」
ここに厳重に封印されていた、アキトを憎しみの檻にとらえた黒龍王鬼が無くなっていた。
どんな人間でも立ち入れないほどの強力な結界を、どうやって、何者が破っていったのか。
魔術に対抗策がないはずのアイアンリザードであればなおさら入ることは難しい。
だとすれば味方の誰かだが…この結界は厳重にするため、国王と王妃が直々に封印を施した。
破ることが出来るのは国王と王妃…もしくはルリ姫…そして…。
アキトとユリの二名だけだった。
宇宙空間のように星が見える空間だが、
煙が複雑に絡み合うようにエネルギーが蠢いている、
異様な風景を悠々と飛んでいく黒龍王鬼。
アクアマリンは黒龍王鬼に乗り込み、門を通過していた。
『お前は、何者だ…。
王家の人間ですら俺の乗っ取りを防げないはずだ。
だがお前は易々と…』
「おほほ。
大和の結界技術はあなた方の知るところではありませんから。
急いでいたのでご挨拶が遅れて申し訳ありませんわ。
私の名はアクアマリン。
別世界にいる私である紅水晶がこの門を潜る技術を発見し、
協力して門を隔てた世界同士の衝突による世界の破滅を目論んでいます」
アクアマリンは黒龍に事情を説明した。
この内容には黒龍ですらも驚いた。
並行世界が複数あり、同一人物がその数いる。
そしてその中の特異点となる人物の死が、門を開く。
紅水晶は独自に既に開いている門を利用して新たに門を開き、
通信を通して、ある程度行き来ができるようになっている状態だと。
「それで、あのホシノアキトと同じ人物である、
我が大和の世界のスサノオ…アマガアキヒトを殺したいのです」
『何?』
「あなたがたの世界の事情は紅水晶が渡した『異次元の水晶』で見ています。
…あなたはホシノアキトを打倒してあの世界を手に入れたいのでしょう?
そのためには肉体が必要なのでなくて?」
『そうだ…肉体がないと俺も黒龍王鬼を操れん。
それを知っていて、俺にスサノオの肉体をくれるというのか?
なぜそこまでする?』
「理にかなってるからです。あなたはスサノオを奇襲して殺害し、体を手に入れる。
私はスサノオの死による門の不安定化を狙っています。
通常、門はせいぜい三つの世界を繋げるので限界のようです。
四つ以上になれば不安定さが増して、崩壊につながります。
…この世界を発見するのにかなり骨を折りましたが、
スサノオの死で四つめの門が開く可能性が高いのです。
WINWINの関係でしょう?」
『──願ってもない最高の条件だ。
早速、向かうとしよう』
黒龍は弾んだ声で答えた。
「では手筈通りに…。
終わった後の門の行き先は…」
「ぜえっ…ぜえっ…」
「息が切れて来たか、ホシノアキト!
その程度で国一番の兵士とは笑わせるぜ!!」
アキトとカエンの死闘は三十分以上続いていた。
カエンの操る炎術はその威力もさることながら、
熱による体温の上昇、そして酸素の消耗が激しく、
積極的に攻めなくても優位に立てるカエンより、アキトの消耗が激しくなるのは必然だった。
何より──。
「そっちのお姫様のなりそこないを庇いながらいつまでもつかな!」
「ぐっ…」
アキトが消耗している最大の理由がユリを背負って戦っていることだった。
ユリも剣を構えてはいるが、攻撃に回りようがない。
剣術に長けるとはいえ、アキトの実力にはとても及ばない。
そしてカエンの体が、先ほどのアンドロイドとは比較にならないほど頑丈だった。
アキトは有効打を何度も何度も当てたが、倒せない。
さらに生身の部分への攻撃をしないのが致命的だった。
(生身の部分を当てれば…だが…!)
アキトの迷いが、彼自身の命を危険に晒していた。
生まれて初めて相手にする生身の人間がどんな悪人であっても、
彼の生きた人生が殺すことを容認させなかった。
あるいは、それは育ての両親の呪いのひとつだったのかもしれない。
そのうち、ついに──。
アキトはついにカエンの炎を受けてしまった。
直撃ではなく、マントの一部に引火してしまった。
だがその炎の強さは凄まじく、先ほどの馬のように全身に広がりかけ、
急いで近くの川に飛び込んで消火したものの、
重体に近いほどの重度の火傷を負っていた。
「はン…仕留め損なったか。
川のそばでよかったな。
だが…ここまでだ!」
「ぐう…こんな痛みなど…!
アキトの体が青白く輝いて、魔力を発している。
火傷の傷が少し癒え、そして先ほどとは比べものにならないほどの剣気を放つ。
その気迫に、優位だったはずのカエンさえも冷や汗をかいた。
「なるほど…魔力の一部である精神力が爆発を起こしたか。
だが…惜しいな」
カエンは小さく笑うと、後ろに飛んだ。
輪に取っ手のついたようなドローンが現れ、
カエンはそれを掴んで宙に浮いて離れていく。
「!?
逃げるつもりか!?」
「ああ。
今日はちょっと挨拶に来ただけでな。
ぶっ殺せればぶっ殺して良いと言われたが時間切れだ。
…それにそこまでボロボロになっちまったら、
甲冑騎士に乗るのもおぼつかねぇんじゃねえか?
こっちの目的は両方果たせた!
お前は指を咥えてこの国が滅びるのを見てることしかできないのさ!
「ぐ…くそ…ま…て…」
「アキトさん!?
カエンが遠くに飛び去る中、カエンを追おうとしたアキトだったが、
体力魔力を著しく消耗した上で、魔力を増幅した反動が来て倒れた。
ユリは倒れ込んだアキトを抱えると、
自分の涙を拭うこともなく、アキトを担いで歩き出した。
「…アキトさん!死なせません!
安心して下さい、城まで連れて帰ります!」
「ぐ…ごめん……」
「しゃべっちゃダメです!
急げば助からない怪我じゃありませんッ!」
「うん…」
「このくらいどうってことありません!
私は誓ったんです!
ユリカさんの分までアキトさんを支えることを!
あなたと、幸せになることも…!
「そう…だね…。
頑張ろう…二人で…」
「はは…うん…」
アキトは自分の怪我や状況の厳しさに全くへこたれていないユリをみて、
痛みをしばし忘れたように笑っていた。
そして二人は城に向かった。
本来死んでもおかしくないほどの火傷を負っているにもかかわらず、
二人三脚のようにユリに支えられながらもアキトは無事に城に戻った。
「はーあ。
本当に退屈しちゃうわよね、こんな調子じゃ」
「不謹慎ですよう、ミナトさん」
「だぁってねぇ。
対策が取れないし、当事者だから留まらないといけないのはわかるけどぉ?
あれから一ヶ月、何の動きも無いままでしょ?
しかも艦内はお葬式状態で…らしくないわよ、こんなの。
艦長もこんな状態をみたら気にしちゃうわよ」
「それは…」
「ラピラピだってそう思うわよねぇ」
「うん、らしくないよ。
…ヤマダのバカが死んだ時だって、忙しい中、
みーんなバカやって心を落ち着けて頑張ってきてたのに。
世界が終わるかどうかって時で、なにもできそうなことがないんなら、
ちょっと遊んだりしてた方がマシだってのにね」
ラピスは話を振られて一目ミナトをチラッとみたあと、
プレイしていたゲーム画面の方に目線を戻した。
黒龍にスサノオの身体を奪われてからすでに一ヶ月が経過していた。
ナデシコ、戦艦カグヤはこの地に留まり続けている。
すでに打てる手はなく、ただ門がもう一度開く可能性があるので、
火星で両艦ともに待機し続けている。
一方で量産型ナデシコ艦隊はその八割ほどが地球に帰還している。
その中にはフクベ提督も含まれていた。
この複雑な事情を協議するために、一度戻ることを命令されたのだった。
すでに地球・火星間の通信はクリアになっているので、
通信での簡易的な協議こそ行われていたが、信じられないという声の方が多数だった。
だが土偶たちがモノリスから出現しなくなった以上、その話にもかなりの信憑性はあった。
この点について、フクベ提督も帰還しながら何度も何度も報告を重ねたが、
軍上層部、そして各国政治家を納得させるに足ることはなかった。
エンターテイメント作品に溢れた現代ですらも、
別の世界、並行世界というSFさながらの状況を理解するのは難しかったのだ。
「それに、ミスマル提督もこっちを追っかけて来てるんでしょ?
…一緒の艦隊の人たちも気の毒だね」
ユリカが別世界に転移させられてしまったということで、
ミスマル提督も極東方面軍の任を一時的に離れ、
かつてのフクベ提督のポジションだった火星駐屯地の司令に転属、
ちなみにその後、同じ地球のポジションに戻れるかは不透明にも関わらず、
ユリカを追うためだけに辞令を要請した無鉄砲さは軍内でも話題になったらしい。
「…でも土偶の正体が人間だったなんてショックです」
「地球でもかなり問題になってるみたいよね。
スサノオ君が一方的に攻めて来たとはいえ。
それも呪術的な兵器って聞いてガックリきてる人も多いし」
地球圏では土偶たちの正体が人間だったということで、議論が噴出していた。
交渉の余地はなかったのか、宣戦布告は本当になかったのか、など。
軍や政治家がもしかしたら自分たちの利益のために、
彼らの交渉・和談・宣戦布告を握りつぶしたのではないか、と疑ったのだ。
当然身に覚えのない軍や政治家は泡を食った。
彼らもほとほと困り果てた。
何しろ何の声明もなく戦争を始めるということはありえないのだ。
戦争の後のことや利益を少なからず考えて、
自分の戦いの正当性を広めるのがセオリーである。
それをやったスサノオという男のデタラメな戦いに巻き込まれた彼らを、
事情を知るナデシコ、戦艦カグヤの両艦のクルーは同情すらしていた。
「そういえば…テンカワ君はまだずーっと鍛えてるの?」
「そうらしいですよ。
食堂班の仕事をほっぽって、ずーっと。
最近ではゴートさんでも相手にならなくなっちゃったとか。
なんか近づきがたい雰囲気になっちゃって…話しかけられない空気で。
…変っちゃいましたね」
「ま、しょうがないよ。
テンカワって不器用だし、本当は二つのことを同時にできるタイプじゃないもん」
三人のため息がブリッジを満たした。
アキトの踏み込んだ肘鉄がゴートの鳩尾に突き刺さった。
その場に崩れ落ちるゴートを支えて、アキトはゴートを抱えて医務室に向かった。
「こんなもんじゃダメだ…。
もっと強くならなきゃダメなんだ…」
アキトはゴートをベットに寝かせると、
自分の腕や脛に刻まれた青痣を撫でると、無傷で勝てない自分を責めた。
「…テンカワ、そこまで行っても足りないのか。
俺もさすがに傷つくぞ」
ゴートが目覚めていたことに気付いて、アキトは小さく首を振った。
「俺が強かったら、ユリカは…」
「あの場面ではお前がどれほど強くても結果は変わらん筈だ。
…自分を責めたくなるのは分かるが、それこそが弱点になるぞ」
「プロ意識…っすか。
…プロ意識くらいじゃたどりつけない場所に来てから言って欲しいっす」
テンカワはふてくされたように、
ゴートから自分に勝てない程度の実力で説教を言われるのを拒絶した。
そしてアキトは医務室から出て、もう一度トレーニングに戻ろうとした。
「確かに…お前のいう通りだ。
お前に満たない実力の俺が物言いをつけるのは間違っているかも知れん。
だが…物事には限度があるんだがな、テンカワ」
部屋を出て行ったアキトに対して、独り言のようにゴートは呟いた。
「テンカワ、ちょっと顔かしな」
「ホウメイ…さん…」
医務室を出てきたアキトに、ホウメイが仁王立ちして待っていた。
食堂班の仕事を休業している手前、罰が悪そうにアキトはそっぽを向いた。
だがホウメイはそんなことはどうでもよさそうに自室に案内した。
「テンカワ。
食堂に出ないのはいい。
艦長を取り戻そうと鍛えるのもいい。
けどね、自分が何をしてるか分かってるのかい?」
「…ホウメイさんまで説教っすか」
「説教されるほど無愛想になったあんたが悪い」
すっぱりと自分の言い分を切られて、アキトはなお無愛想にホウメイを睨んだ。
「ゴートに習ってる技術は人を殺すかもしれない技術だ。
…お前みたいな不器用な奴が人を殺したら戻れなくなるよ。
ほとんど人付き合いまで断って、食堂にすら来やしない。
もう半分そうなりかかってるじゃないか」
「…余計なお世話っすよ」
「強くなって天狗になってる若造に余計なお世話焼かないでいつ焼くんだい」
アキトの鋭い視線を受けてなお、ホウメイは引く様子を見せなかった。
「あんた、ガイのこと忘れちまったのかい。
あいつがあんなに屈託なく笑って、迷いなく生きたあいつを。
ガイは今の、人を傷つけそうになってるあんたをみたらどう思う?」
「ガイは…関係ないっすよ」
「いやあるね。
テンカワはガイの分まで生きるつもりだったんじゃないのかい。
…今のあんたじゃ、艦長を取り戻すために自分の命を投げ捨てかねないよ」
「あいつは命を捨てたんじゃない。
やけっぱちになって死んだんじゃない。
死なないように一生懸命に生きて、最後に選んだ道なんだよ。
自分の家族を泣かせる覚悟で頑張ったんだ。
でもあんたは今からすぐにでも自分の命と引き換えに助かるならすぐに投げ捨てる。
追い詰められていようがいまいが、関係なく。
「ぐっ」
アキトは言い返そうとして言葉に詰まった。
ユリカがどんな目に合っているか分からず、
ユリカを奪った相手がどんなことを考えているか分からない。
そう考えた時、アキトは相手を殺してでも取り返すことを、
そして自分の命を投げ捨ててでも助けることを考えていた。
それを見透かされて、うろたえるしかなかった。
「あんたと同じなんだよ、艦長は。
自分の命と引き換えであんたが助かるならその方がいいって。
…だからそんな考えは今すぐ捨てな」
「…そんな覚悟でユリカを助けられるわけないっす」
「…テンカワ、あんた何も学ばなかったのかい。
身近な例が、それもあんた自身ともいえるあいつがどうなったのか覚えてないのかい。
「ッ」
アキトはぐうの音も出せなかった。
スサノオはどんなことをしてでもヒミコ、ユリバナを取り戻そうとしていた。
だが最後には全てを失ったと思うほど追い詰められた。
その全てが誤ちだったと後悔をしていた。
アキトは自分がスサノオと同じ道に行こうとしている可能性を感じた。
「…」
「だから銃をむやみに振り回すのはやめな。
鍛えるのは勝手にすりゃいいさ。
最後の最後まで悩んで、自分で責任をもって戦いな。
それができない兵隊は早めに死ぬか、ロクな余生を過ごせないんだからね。
ましてあんたは兵隊になりたいんじゃないんだろ」
「う…す」
「分かったら皿洗いくらい手伝いな。
身体鍛えてるからって休んでる時間が長いのはいいが、全部サボるつもりかい。
あんたみたいなのは手を動かさないとロクなこと考えないんだから」
アキトは自分の悩みすらも考えすぎと言い放つホウメイに、
ついうわずった声を上げて抗議してしまった。
だがその声と表情がいつもどおりに戻ったのを感じて、ホウメイは小さく笑った。
「普段はそういう間抜けな顔してな、テンカワ。
艦長もその顔の方が安心してくれるさね」
ホウメイはアキトを自分から突き出すと、食堂に連れて行った。
アキトは小さく頭を下げて厨房に入るともくもくと皿を洗い続けた。
ほんのすこしだけだが、この一ヶ月張り詰め続けたナデシコの空気が緩んだ。
ルリは深く眠っていた。
スサノオの遺体を取り戻そうとして黒龍王鬼に立ち向かった際、
手酷い打撲を受けて重傷だったものの、命に別状はなかった。
だが、彼女の傷の治りは芳しくなかった。
「ルリ、遊びに来たよ。
元気になった?」
「ん…ごめんなさい、ちょっと起き上がれそうにないです」
「いいよ、無理しない程度にちょっとお話ししに来ただけだから」
ルリは目も開けずに、開けられずにラピスに答えた。
まるで深い眠りのまま話しているように見えた。
「…あんまり良くなってないんだね。
治らない怪我じゃないのに…」
「全部…なくしちゃいましたから…」
ルリのか細い声が、ラピスには痛ましかった。
励ましに来ても何を話しても、
ルリの心はスサノオとユリが死んだ日から止まったままのようだった。
ラピスはルリがすべてを失くした反動で、心も体も生きることを諦めようとしているように感じられた。
「…まだ何も始まってないよ、この世界でのルリの人生は…。
このまま死んじゃったらダメだよ…?
最近じゃ心臓が何回か止まっちゃったりしてるんでしょ…」
ラピスはこの年頃の近い、そして自分の境遇に近いルリを気にかけていた。
カグヤから励ましてほしいと頼まれたこともあったのだが、
ラピス自身の気持ちとしてルリは他人に思えなかったからだった。
そしてなんとか立ち直って欲しいと考えていた。
「…黄泉の国で…アキヒト兄様とユリ姉様とユリバナ姉様にも怒られました。
心臓が止まって、死にかけて…あっちに逝きかけてた時に…。
一緒に逝きたいですって何度も言ったのに…。
一人にしないでって、お願いしたのに…」
「だったら、頑張らないと…」
「でも、でも…」
ルリは目を開けられないまま、涙をこぼした。
寂しそうに、悲しそうに、一人で生きていたくないと懇願するように。
「ダメです…ダメなんです…。
アキヒト兄様の代わりに大和を助けなきゃって思ってるのに…。
あの黒龍を許せないって思ってるくせに…。
生きなきゃいけないって…三人の分まで生きなきゃって思うのに…。
生きたいって思えないんです…。
私──あっ……」
心電図が直線を描くとともに、医務室のスタッフが即座にベットに近づき、
ルリに心臓マッサージを始めた。
だが──。
「だ、ダメです!!
効果がありません!!」
「もう一度─」
「耐えて…!!」
ルリはすでに衰弱し切っており、体力の回復が見られないため、
電気ショックによる心臓マッサージに耐えきれなくなりつつあった。
「ルリ!この…!
「ら、ラピスちゃんやめて!
ルリちゃん死んじゃうわ!!」
ラピスはルリの胸ぐらを両手で掴むと叫んだ。
「う、動いた!?」
「こ、この子なんで心臓マッサージ止めたとこで息を吹き返すの!?
いつもいつも…」
「は…あはは…」
ラピスはルリに抱きつくと、涙を流しながら満面の笑顔で彼女を見つめた。
「ルリ……聞いてる?
…ルリ、死んじゃダメだよ。
私がルリの分まで頑張って…。
スサノオのバカがしでかしたことで起こったトラブル、やっつけてきちゃうから!
そしたら友達になってあげる!
だから、良くなってね…!
またね!!」
ルリは返事をしなかった。
だが心電図が先ほどとは比べ物にならないほど規則正しく、強く鼓動を刻んでいた。
ラピスが部屋から出て行ったあと、呆然とした医療スタッフたちは、
呆然としながらもルリの生命維持の処置を行った。
彼らからも、ルリがほんのすこしだけ笑顔になっているように見えた。
そしてルリが完全な昏睡状態になってから二週間が経過した頃─。
もう一つの『門』が開いた。
〇作者あとがき
どうもこんばんわ、武説草です。
外伝が五本目に入ってしまった。
何を目論む、紅水晶の一族。
そして重傷を負ったホシノアキト兵長と、説教喰らうテンカワアキト。
うごめく黒龍、ルリとラピスでお送りしました。
同時進行的に進んでるとちょっとどこに注目していいかわかりづらいのが難点ですね。
ホウメイさんのお説教は、
ナデシコ乗船時で独り立ちしてない頃にアキトが黒くなりそうなタイミングだと発生しそうかなと、
ちょっと入れてみました。
劇場版ではホウメイさん冷たいな、と昔思ったもんですが、
歳食うと、間違っていようがどうしようが独り立ちしたアキトに水を差さなかったんだな、
って気づきますね。
ってなわけで次回へ~~~~~~~~!!
〇追伸
トップの言葉に反応し忘れてたんですが、
実写版シティハンター、良かったですねぇ。
終始ニヤニヤしてました。
〇追伸2
スパロボDDをようやっと再開したんですが、
「あれ、これってあんましガチャって重要事項じゃない?」
ってちょっと考え始めてしまってます。
でも…必殺技もっと見たい(´・ω・`)
〇代理人様への返信
>直前に風都探偵を読んでたせいか、「土偶・・・タブーメモリやな!」と何か連想が行ってしまったw
>まあある意味では近・・・くもないかw
仮面ライダーWはまだ未履修なんですが、いずれ見たいなーと。
ナデシコDもやってることは同キャラが居る意味でいうとダブルだし(こじつけ
>しかし遊撃戦艦やっぱり懐かしいなー。
>あれはあれで好きだった。
テレビ版とは別路線で色々ぶっ飛んでて、
でもそれがナデシコ感あるっていうのがいい感じですよねー。
テレビ版に馴染んだ後だとミナトさんがアキトと付き合うのは意外過ぎたようにおもうけど、
よくよく考えると別にミナトさんとアキトが付き合ってルリが付いてくる展開ってあり得るな…。
そういえばあんまし遊撃戦艦版をフューチャーしてる作品がないのがちょっと寂しいですね。
それもあって今回入れたりはしたんですが。
action内でもBA-2さんくらいしか見なかった覚えが。
ラピスだよっ!
映画、アキトとユリは落ち込んでるけど私は割と楽しんでるよ。
…ちなみに二人してお話を通じて仲良くなっちゃったみたいだけどね。
ま、お話って人が見た時に感情移入するくらいなんだから、
当人たちの思い出やらを思い出す事でこういうことしてりゃそうなるか。
ん、そうなると…。
……アキトをうまく騙して、昼ドラに出てもらって不倫シナリオとか作っちゃおうかな。
…ありかもしんない。
戦争と愛情と友情と信念が交錯する映画を、でもこれ仮にもハリウッド出身監督が書くかねぇ?
なシナリオで進行するこんなんでいいのかなぁな、ナデシコ二次創作、
をみんなで見てよねっ!!
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代理人の感想
まあ割といつも通りというか・・・(ぉ
ホウメイさんは大人なんですよねえ。
好きなキャラではあるんだけど、それ故にメインは張れないキャラでもありますわな。
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