機動戦艦ナデシコSS・テンカワアキトのレトロゲーでこう!


寒いお山の頂上(てっぺん)で…




火星の後継者蜂起より一年…。

アキトはまだ逃げ続けていた。


そして…親しき人たちの前から姿を消したアキトが再び姿を現す。

だが、そのとき彼は…。



…。


ビュー…ビュー…

凄まじい突風が吹き荒れる中、アキトは防寒具を身に纏うエスキモーの格好で雪山に居た。


「…なんでこんな事に…。(呆然)」


…そして、数十秒後…彼は全てを思い出した。


「そうだ、山崎に土下座までしてスペラン化を解いてもらって…それで…。」


どう言う訳だか判らないが、その代償がこれだったらしい。

因みにこれは平行世界の話であり…前回のような情けない全滅は、


無かった事にされている事を追記しておく。(爆)


…。


ビュー−−−−。


だが、彼の想いとは裏腹に周囲の気温は下がるばかり。

…このままでは凍え死ぬ…。


そう考えたアキトは近くにあった洞窟に入り込んでいく。

…それが何なのか考えもしないで。(爆)


…。


そこは広い洞窟だった。

…みると、上部は硬い氷で覆われている。


「ふう、ここなら安心だ。…さて、それにしてもどうやって脱出しようか…?」

「テンカワ…なら、あたしについて来なさい。


…ビクゥ!!

いきなり背後から話し掛けられ、怯えるアキト。(笑)


「ど、ドチサマサマデスカァ!?」

「おいおい、師匠の顔も忘れたのかい?」


良く見ると、洞窟の奥から出てきたのはホウメイさん。

…しかも、防寒具はピンクだ。(爆)


「…ほ、ホウメイさん!?…なんでここに?」

「いやね、食材を仕入れようと思ってさ。」


…なんで食材探しで雪山に来るんだろうかこの人は。(汗)

だが、そんな疑問を挟む余地が無いほど、世間の流れは速かった…。


「ま、いいさ…一応脱出方法は知ってるよ。」

「…本当ですか!」


「…ていうか、もうそれ以外では逃げられないしね。」

「…は?」


…突然の爆弾発言。


唖然としたアキトは驚いて、取りあえず今来た方向に走っていく…が、中々出口が見つからない。

…そして…気付くと前方にはピンクの防寒着。(爆)


「こ、これはぁっ!?」

無限ループさ。…ま、地球は丸いって事だね。」


…あっさり言う事ではない。(汗)

だが、ホウメイさんは事も無げに続ける。


「ほれ、テンカワ…お前もこれ使うんだよ。」

「…マジでですか?(汗)」


…ひょいと渡される巨大ハンマー。もうアキトは声も出ない。


そして、それを尻目にホウメイさんはおもむろに飛び上がると、

自分のハンマーを天井の氷に叩きつける!!


…バキィッ!!


「ヒィッ!!…て、天井が崩れる!!」

「崩れるんじゃない!…崩すのさ!!」


…パリィィィイイン!!


穴の空く天井…そして、ホウメイさんは数メートルはあるであろうそれにひょいと飛び乗ると、

上から声をかけてきた。


「ほら、ここで氷漬けがいやなら早く上ってきな!」

「…は、はひぃ!!」


…ヒョイ。

アキトも上層の階に飛び乗る。…やっぱ人間じゃないよこの人たち。(汗)


…。


「…ああ、俺は一体何処に迷い込んでしまったんだ…。(呆然)」

「何言ってるんだい。」


「だって…だって…。(滂沱)」

「ええい。…アンタもアイスクライマーなら覚悟を決めな!」


…アキトもそんなモノになったつもりは無かろう。(笑)


まあ、何にせよ…それ以外に脱出法はないということでここまで来ているが、

アキトの脳裏からは嫌な予感が消えなかった。


…それも特大級のが。(爆)



「…ま、あたしは先に行くよ。…早速食材を仕入れなきゃね。」

「あ、はい。」


「あたしから離れすぎると、下のほうにいるあんたは死んじまうかも知れないけど…。」

「…はひ?」


強制スクロールの関係(注1)と言う奴だ。

何気に酷いルールではある。


「死んで点滅してる時は絶対に動いちゃならないよ…。」

「…なんで…?(泣)」


『死んでる奴はそれ以上死なない(注2)』って事さ。」

「…ノォォォォおおっ…。(滂沱)」


あっさり言うが、何気に酷い話である。

そして…。




…。(30分経過)





「うぐっ…ひぐっ…ホウメイさん酷いっす…。」
「ほら、何体育会系になってんのさ。…目的地は近いよ!」


…山の八合目…つまりクリア地点まで辿り着いたアキト達。

勿論アキトの残機は一機減っているが。(爆)


「第一、あの青いアザラシ何なんです!?」

「…普通のアザラシだろ。」


「アザラシが氷柱持ってきて、氷の床を補修するなんて話…聞いた事無い…。」
















「そりゃあ、ここはあのハリ坊の山だしねぇ…。」
















…とんでもない事実発覚!(爆)

ここはあの魔境の一角だと言うのか!?


「それに、あの赤い鳥は?…氷の床をすり抜けてくるなんてあんまりだ…。」

「ハンマーで叩き落せるから問題ないよ。」


…そう言う問題でも無いような気がする。


「それにここの白熊…なんでジャンプするだけで一つの階が潰れる(注3)んです!?」

…アレに助けられる時もある。(注4)…めったな事を言うんじゃないよ。」


…話半分だけでも凄まじいところのようだ。

そして、そこまで言ったホウメイさんは更に上へと進む。


「ほら、そんな細かい事(これが?)気にしてたら次は進めないよ!!」

「は、はひぃ!?」


…そして、未知なる階層(ボーナスステージとも言う)へ、二人は進んでいく…。

…既にアキトの顔に血色が無いのはご愛嬌と言う事で。(爆)


…。


「…。(呆)」

「何ボォーッとしてるんだい…制限時間あるんだからさっさと行くよ!」


…さっ。

アキトは手を上げる。


「ホウメイさん、質問。」

「…なんだい。」


…きょろ…きょろ…


「なんで宇宙空間なんです…?」

星空と思ったほうが幸せだよ。」


…真実は…?(汗)


「…じゃあ、なんで野菜が宙に浮いてるんですか…?」

「凍ってるんだろ。」


…それは絶対に違う!(汗)


「ついでに言えば足場は?」

「…そこにがあるだろ。」


「…無理っす!!(滂沱)」

「あんた、それでも漆黒の戦神かい!?」


…一応、もう気付いてるかも知れないけど、この世界は「時ナデ」系列の世界である。

そして、ここのアキトは比較的劇場版準拠。


…無論、マスター化したホウメイさんはその事実に気付いてなど居ないが。(爆)


…。


そうして、マスターホウメイに襟首掴まれる形で最上階まで上ったアキトは、


「あ、母さん…。」


…臨死体験していた。(爆)

…が、ホウメイさんのビンタで意識を取り戻す。


「ほら、テンカワいくよ。」

「…何処へ?」


…周囲は満天の星空。

そしてここは雪山の山頂…。



…どこに行くというのだ?


彼らの他には、頭上を飛び回る巨大な鳥…。

プテラノドンにも見えかねないような巨大な奴が飛んでいるだけ…。






…まさか。(汗)








































「…さて、飛び移るよ。」

「…無理でゴザル!!(即答)」




































…そして、次の日。

何時も通りハーリーが山の上で朝食用のを仕留めた時だ。


「おや、あれはホウメイさん。」


…彼は巨大な怪鳥に掴まり宙を行くホウメイさんの姿を見つけた。


「…大漁っぽいな…。」


そして彼女の背中には、大量の野菜や鳥・ついでに熊の肉が詰まった網が背負われ、

そして、小脇には何故か涙目のアザラシが抱えられていたと言う…。



…。



…アキトがどうなったか…知るものはもういない。(爆)





































「テンカワ?…掴まりそこなって奈落の底落ちてったよ。
残機は減らないから良いだろ…。」(注5)







































…お後が宜しいようで。(爆)

おしまい


《《 解説 》》

注1 強制スクロールの関係

アイスクライマーにおいて、画面に表示されていない下方向に行くと言う事は死を意味する。
…これは自分が登ってきた穴から落ちて死ぬこともあると言う事。

そして2PLAY時に自分がただ突っ立っている時、味方が先(上)に進みすぎると、
画面が上方にスクロールし、結果的に奈落の底行きとなるのだ…。(汗)

故に、上手い方は少し上で待っている必要があったりする。(爆)



…。


注2 死んでいる奴はそれ以上死なない

…死んだキャラは点滅状態で生き返る。…無論、その時は無敵状態である。
ところが、アイスクライマーではこの無敵時間が事実上∞なのである。

なお…無敵はキャラを操作した瞬間に解除されるようになっている。

そして、それを利用し他のプレイヤーに上層の階に連れて行ってもらうというセコ技が存在する。
…初心者がなまじ真面目にやるよりもいい結果が出たりする禁断の技でもある。(ヲイ)


…。


注3 ジャンプするだけで一つの階が潰れる

これは一つの階層に長く居続けるプレイヤーに対するペナルティ。
…まぁ…時間切れの一種だと思えばいい。

…同じ場所に長くプレイヤーがいすぎると、白熊が上層の階に現れ地響きを立てる。
すると、階層が一段強制スクロールするのだ。


…。


注4 役に立つ時もある

…上の白熊を使ったズル技の一つで、一度死んだらあとはずーっとキャラを放っておく。
すると、白熊地響きによる強制スクロールで自分のキャラはジワジワ頂上に近づいていく。(爆)

…最上部が見えたら初めて動き出せばよい。
…待ち時間は暇だが、結構使える手である。

但し、ボーナスステージの入り口が見えたらそれ以上は白熊の強制スクロールが無い。
流石にそこからは自分で解かねばならないのだ…。
 

…。


注5 残機は減らないから

ボーナスステージはあくまでボーナスステージなので落っこちても残機は減らず、
そのまま次のステージに進める。

因みにボーナスステージは通常ステージの各階の横に1〜8の数字がついている事から、
恐らく山の9合目と10合目であると思われる。


…。


::::後書き::::

どうも、BA-2です。

今回はアイスクライマー。…ご存知の方はどれだけいるでしょうか…?


言っておきますがこれがまた中々面白い代物です。

…機会があったらやってみるのも良いかも知れませんよ。(やる機会などあるとは思えないが…。)


さて、ご存じない方でも楽しんでいただけたでしょうか…?

今後も精進するんで暖かく見守っていてください。

では!

 

 

代理人の感想

いや〜、本当に寒いです、今回(笑)。

さすがに元ネタの差のせいか前回ほどのインパクトはありませんが

それはまぁ、次回でリベンジしてもらうとして。

では次のレトロゲーのタイトルを気にしつつサヨナラ、サヨナラ。