機動戦艦ナデシコ アナザーストーリー
世紀を超えて
第45話 再会
アキトは…月に跳んだ。
アムのように、ジャンパーでない人間がいる訳でもないので、楽な物だ。
…今のアキトには、CCどころか…遺跡の演算すら必要無いのだから…。
すたっ…
「どああああっ!?…あ、テンカワさん!?」
そこには…座敷牢で、設計図に囲まれる山崎がいた…。
…。
「よ、山崎…酷い扱いだな…。」
「あー、天国からのお迎えがテンカワさんとは…凄いや…。」
「…こら、勝手に殺すな。」
「…あれ、生命反応がある?」
「だから生きてるっつーの。(汗)」
…どうにか山崎の誤解(?)を解くと、アキトは何でこんな事になったかを聞いた。
「しかし…なんで座敷牢なんだ?」
「…いやあ…量産型エステバリスの欠点を何とかしろって五月蝿く言われて…切れちゃった。」
「…切れた?」
「うん、稼働時間を延ばせって言うから…嫌味をこめてケーブル式にしたんだ。」
…エヴァ…もしくは犬…。
そんな光景がアキトの脳裏に浮かぶ。(笑)
…その報復が、この扱いだと言うのだろうか?
「流石にそれだけでとは思えないが…。」
うんうんと頷く山崎。
「…あと、コストを下げろって言ってきたから…。」
「何をした?」
「…腕を大砲にして、足を取り払った。」
…そんなのエステじゃ無い!!
「…でさ…文句が来たから…言ってやったんだよ。」
「何て言った?」
−−その日−−
「ふざけないでくれたまえ、山崎博士?」
「ロボットは男の浪漫…足も手も無しでは格好がつかんよ!!」
「第一、前回のも…ケーブルとは何かね?…犬じゃないんだよ?」
「僕は技術者であって、博士じゃないんですけど…。」
「…じゃあ、博士号だ、ほれ…書き書き。」
「…いえ、そんな事より一言良いですか?」
「うん?」
「足なんて物は飾りです!!」
…おお、伝説の名台詞だ…周囲が山崎の方を一斉に向く!
偉い人達には泣いている奴まで…!!
「偉い人にはそれすら分からんのです!!」
それ…少し違うぞ…。(汗)
ギャッハッハッハ…
格納庫内に全作業員の爆笑が響く。
…作業員達も、ノルマがきついんで上層部を憎んでいたのだ…。
…良い人山崎…今日は作業員達のストレスを解消…。(爆)
…そして…次の日、目覚めたら山崎はここに監禁されて居た…。
…。
「…と言う訳。」
「…山崎…結構、度胸あったんだな…。」
「そうかな?…でもお陰でコレから外されたし…。」
ゴソゴソと山になった設計図から、山崎は一枚の計画書を取り出す。
「これは…!!」
「地球攻撃用の作戦案だって。」
「…な、なんでそんな事を…?」
「うーん、建前上…地球と同等の権利を得るには…地球の一部を手にする必要があるんだって。」
「…詭弁だ!!」
「そうだね…僕もそう思う。」
…アキトは愕然とした…人の欲望に限りなど無いのだ。
…それを、忘れていた訳では無かったが…。
「しかし…無茶な真似を…。」
「でも、上層部はエステバリスの量産が済み次第やるつもりだよ。」
…これは、ある意味でアキトの所為であった。
実際の所…アキトの戦闘能力はずば抜けている。…無論、機動戦も。
だが、月の上層部は、それをエステバリスの高性能さ故の事だと固く信じているのだ…。
確かにエステバリスは高性能だ…。だが、絶対に撃墜されない訳では無いし…。
操縦系を変え、IFS無しで操縦するには難しすぎる。
(性能の2割も生かせない)
…第一、今は既に地球側にもエステバリスは存在するのだ!
100年後の機体と言えど、両陣営にある以上…何のアドバンテージにもならない。
実際には、地球側の物は劣悪なコピーゆえに性能面ではかなり劣る。
だが…それ以前に、物量で押しきられるのは目に見えているはずだ!!
「…バカな事を…。」
「今は、地球もテロ・反乱が雨あられみたいだし…良いチャンスだと思ってるのさ…きっと。」
…この時点でアキトの腹は決まった。
「山崎…ここを出る気は無いか?」
「やっぱりそう来るんだね…勿論だよ。」
…そして、山崎は設計図を残らず焼き捨て、火事に見せかける。
無論、自分は焼け死んだと言う設定だ。
「さあ、行くか。」
「あ、待って…その前に、戦争を遅らせるから。」
「え?」
…。
…ドッコーーーン!!
…その日、エステバリスの量産工場が謎の爆発を起こした。(ヲイ!)
これにより、施設の全機能が失われ、量産体制は一時停止を余儀なくされる。
だが、その直前に大量の煙が発生し、全員が避難した為…奇跡的に死者・怪我人は無かった…。
「…これで、上層部も無茶な考えは捨てるかな…?」
「テンカワさん…でも、製造に関わった技術者達が僅かながらに覚えてるはずだから…。」
「何時かは復活する・・・と?」
「うん、でも…後、数年は大丈夫だろうけど…。」
…暫く「うーん」と唸って居たアキトだが、
後の事は後回しにして脱出を図ることにする。
「そうか…じゃ、行くか?」
「うん…向こうでは、兵器とは関わらない事を祈りたいよ…。」
「そうだな…そうなるといいな…。」
…そして、二人はジャンプした…。
…。
そして、数日後。
ここは地球…サセボにある連合軍基地…。
…アキトは大佐のいるこの基地を訪れていた。(アキトもここに所属している事になっている)
が…、
ドゴーン…バーン!!
ズズーン!!
そこは…戦場だった!
テロリストに襲撃され…ものの見事に押されまくっている!!
アキト達は群がるテロリスト一同を、殴り倒したり蹴り飛ばしたりしながら突き進んでいく!!
…吹っ飛ばされる連中が哀れに思えるほど…それは圧倒的な戦力差だった…。
「何故だ−ッ!?」
「…凄いや!…でも、嬉しくない…。(泣)」
イキナリ戦場に投げ出された、アキト・山崎コンビの運命やいかに!
「神の軍勢と…聖教団に栄光あれ−ッ…ぐふっ。」
「ホーリー様ッ…私は神の元に参りますっ…ガハッ!」
「…先を行く者よっ…我等を導き給えっ!!…ゴホッ!?」
…そして…何気に怪しげな敵の正体とは?(爆)
続く
::::後書き::::
BA−2です。
遂に来た…新興宗教系テロ組織!
その名も「聖教団」!!
コテコテではあるが…謎多きこの組織(爆)が、アキトに立ちふさがるのは必至!
アキトは勝てるのか!?(ヲイ)
…て言うか、歴史はどうなる!?
…こうご期待!
…とは言った物の、こんなのでも応援頂けるなら幸いです。
では!
代理人の感想
いや〜、ホンマコテコテでんな。
・・・・・・・・・・・・・・これ以外何を書けと(笑)。