機動戦艦ナデシコ  アナザーストーリー


                             世紀を超えて

                        第46話 「聖教団」の脅威

 

「くっ…ゴキブリか?…幾らでも沸いて出てくる!」


アキトが、テロリストの一人を殴り飛ばした!

だが、その間にも建物の内部から数人が飛び出してきた!!


「ホントだね…ヨイショ!」


アキトと同様のナノマシンを投与された山崎も、敵をそこいらに放り投げる。

だが、上空に浮かぶ輸送ヘリから、また何人かが降下して来た…。


「きりが無い…。」

「ほーんとに。」


ドガッ…バキッ…グシャ…!!


「そう言う貴様等は…何者だ…!!」


…周囲に折り重なる仲間達を背に、

テロリストの一人が叫んでいる…が二人とも一切無視。


ポイ…ゴスッ!
…ドタッ。



…あ、アキトの投げた石が、顔に…。(汗)

そして、周囲を黙らせた二人は奥に進んでいく…。


…。


「おーっ…お前は!!」


その時…大声が周囲に響き渡る!


いきなり話し掛けて来たのは…ヤマダ・タロウ大尉。

言うまでも無く、あのヤマダのご先祖で、白鳥五十六の兄でもある。


「無事だったか?」


顔をボコボコに腫らして聞いてくるヤマダ。


「…アンタはどうなんだ?」

「俺か?…む!」


…ドゴォッ!!…ドサッ。


突然襲いかかってきた敵!

…しかし、ヤマダのクロスカウンターが敵の顔面に突き刺さった!!


「ふ、俺様のカウンターは世界一!!」

「…まさか、今まで全部?」


「おお、今ので丁度100人目だ!!


…そりゃ…顔がボコボコにもなるはずだ…。

だが…

つよいぞヤマダ!
いけいけヤマダ!
もうじき君は
アンパンマンだ!!


…。


さて、ヤマダ大尉と合流した二人は、取りあえずの状況説明を受ける。


「あいつ等…今日になって、イキナリ攻めて来やがったんだ。」

「…何者だ?」
「そうそう…訳わかんないよ。」


…そして…ヤマダは暫く瞑目すると…決心したかのように顔を上げる。


「奴らは…『聖教団』だ。」


「聖教団!?」
「…山崎…知ってるのか?」


ピシ…。


その時…周囲の時が一瞬止まった!
山崎とヤマダは信じられないといった目でアキトを見る。


「え、テンカワさん知らないの?」
「お前…世間知らずだな!?」



「…しょうがないだろ。(泣)」


…嗚呼、逆行者!!

でも…これからはニュースぐらいチェックしような…。


…。


で、要約すると…。


「聖教団」とは、最近出来たばかりの過激な宗教団体らしい。

正体不明の「ホーリー様」なる人物に率いられ、危険な教義を掲げている。

…連合に「先行者」を売り込んだのもこいつ等だと言う。


…。


「で、そいつ等が何で軍を攻撃するんだ?」

「ああ…何か…神のお告げだと。」


…迷惑な話である。だが、話はそれどころでは済まなかった!!


「…既にクレ(呉)の海軍基地は占拠されちまったらしいしな…。」

「本当か?」


「ああ、基地に居た連中は全員捕まるか死ぬかしたそうだ…。」

「…そうか…。」


「だが…試作機の殆どを持って行かれたのは痛いな…。」

「…そうだな…。」


…試作機?


「…ねぇ…ちょっと質問。」

「なんだ…?」

「盗られた試作機ってもしかして…。」


「…ああ、テンカワの持ってきた機体…エステ何とかって奴とかだ。」


…ヲイ!!


「ま、待て…どう言う事だ!?」
「…詳しい話を聞きたいよね。」


「いいだろ…でも、とりあえず大佐たちと合流してからな。」


…そして、3人は奥へと進んでいくのだった…。


…。


…結局…大佐とアキト達が合流できたのは、その日の夕方だった。

沸いて出てくるテロリスト達の対策に、奔走して居たのが主な原因。


…飛行場に並べられたテロリスト、その数なんと三千人!!


少年少女からお年寄りまで…よく集めたもんだ。

…中にはハイハイする赤ん坊まで…。(役に立ったとは思えないが。)


「…皆…ご苦労です。」


…そして…基地の司令官が全員を労う。


「今日は、敵の奇襲を受けましたが、皆さんの活躍で、これを退けました。」
「先ずは目出度い。」
「ですが、これに奢らず職務に励んで…」


…が、


「おーい、こっちの方はOKだーっ。」
「了ー解っ!」
「…戦死者の名簿…出来たか?」
「いや…まだだ…!」


…誰も聞いちゃいねぇ!

…だが、それでも喋り続ける司令に大佐が近づく。


「お疲れ様です少将。」

「おお、テンカワ大佐。…君もな。」

「…本当は、死んだ方が良かったとでも思っておいででしょう?」

「あっはっは…きついな、君は。」


…否定しろよ…。(汗)


「まあ、良いです…少将。」

「ん?」

「…仕事…して下さい。」
「………はい。」


…そして、渋々デスクワークに戻る少将に、また誰かが声をかける。


「少将?…少しお話が…。」

「おお、何か…ね!?」


今日は仕事をサボりたい気分だった少将は、顔を上げて…固まった。


…先日はお世話になりましたね?…タナカ少将?」

「えーと…テンカワ大尉?(滝汗)」


…そこに立っていたのは…アキトだ!


「…なんです?(怒)」


…口調は丁寧だが…顔に青筋が!!

そう、コイツは先日アキト達を襲った張本人だ!


「いや…まあ…なんだね…本日はお日柄も良く…。


…かなり混乱している。

それは顔から汗が、ガマ油の様に流れていく所からも容易に分かった…。


「さて…この際だ…ケジメをつけて頂きましょうか?」

「待て…昨日はその件で、大佐に3時間も説教食らったんだ…もう良いだろ?な!」


ボキボキと、指を鳴らしながら近づくアキトに対し、タナカ少将は後ろに這いずりながら許しを乞う。

…だが、あそこまでしておいて…説教3時間で済むなら安すぎだ!


まあ…格下に怒られ、シュンとなる親父…と言うのも哀れさを誘うが…。


「許しはしない。行け…ラピス!!


…い、何時の間に!?


「了解…なノ。(にこっ)」


…そして…魔女の大鎌が振り下ろされた…。(笑)


…。


「うぎゃぁぁぁぁぁああああっ」


…。


そして…次の日。


「さあ、皆さん…敵「聖教団」に奪われたクレの海軍基地と試作機を奪い返さなければなりません!」


…ざわ…ざわ…ざわ

…一晩で「何か」が変わったタナカ少将に驚く基地一同。


「…全ては愛と正義の為に!!」


…彼の身に何が起こったか…それを知る物は(少ししか)いない。(ヲイ)


…。


「な、何が起きたの?」


…久々に出番のカズミ・レイナード准尉(メグミの祖先)


「さ、さあ…悪い物でも食べたのでは無いでしょうか?」


そして、これまた久々のエドワード・ファー・ハーテッド少尉。(サラ・アリサの祖先)

…なつかしのキャラが目白押しだ!


だが…更に!


「良かったね…ラピス。お友達の敵が取れて。」


…アオイ・マスミ中尉出現!(ジュンの先祖…但し、既に何かが変動し始めている)

ヒロイン級なのに、出番が無かった悲運の人だ!


因みに、ユリカとジュンは縁続きの家柄なので、ユリカの先祖でもある。


「うん…アムの敵討ちだヨ。」


「そうだね…でも、あれはやりすぎじゃない…?(汗)」

「山崎?…当然の報いだヨ。」


…ラピス…一体何をした。(汗)


「でも、アキトも帰ってきたし…良かったねラピス。」

「うん、でも…マスミお姉ちゃん?


…は?


「なに?」

「あの大きなお家に一人で…さみしくなイ?」

「…まあ、ね…ラピスがいなくなると…さみしくなるな。」


…どうやら…大佐はラピスを、マスミの元に預けた様だ。
…しかし…。(汗)


「…じゃあ、アキトと結婚すればイイヨ?」

「え…?」


…え…?はこっちの台詞。


「私…アキトと一緒になるのがマスミお姉ちゃんなら…二号さんでもイイ。」


…ヲイ!!(滝汗)


「ラピス…。」
「マスミお姉ちゃん…。」


がしっ…


…こ、怖っ!!
しかも二人だけのフィールド形成してる!



…それにしても…マスミさん…?

…アンタ…ラピスに何をした!?


「…いい子ね…ラピス。」
「取りあえず…今日のおやつは
クッキーお願イ。」

「…OK!」



…あ、餌付けか…。

しかし…何処と無く、ユリカとルリを彷彿とさせる組み合わせである。


…その横で、アキトが兵士達にボコられているが、
とりあえずそれは無視。


…何故なら、


「…ねぇ…マスミ。」
「なに…カズミ?」



…ゴゴゴゴゴゴゴ


ああ、親友二人の間に強烈な何かが…!!


「アンタ一人で、いい男捕まえてんじゃないわよ!!」
「カズミには関係無いでしょ!」



この時…カズミ准尉の心に、なんとしてもイイ男を捕まえてやろうと言う決意が宿った!

とんでもないフラグが立とうとしているのだが、それは後の話。

…。

…そして、激情のままに会話は続く!!


「しかも…連れ子の方を先に篭絡?
「…悔しかったらカズミもいい人探したら!?」

(プチン)黙れ…万年洗濯板マスミ1号!!」
「(プチン)仕方ないでしょ!…婚約者に
逃げられたカズミさん!?」


…ゴゴゴゴゴゴ


「ヤマダ…そろそろ止めた方が…。(汗)」
「止めとけテンカワ…何時もの事だ。」



「…そう…毎度ながら言ってはいけない事を…。」
「身体的な…
どうしようもない事を言われるよりはマシじゃない?」


…ゴロピカドッシャーン!!


「何故…雷が?」
「さあな…この基地の七不思議の一つだ。」



…。


「神様…マスミの子孫が超不幸になります様に!」
「仏様…カズミの子孫が
洗濯板になります様に!」


「「えーい、むにゃむにゃ…ブツブツ…」」


…うわぁ…。(滝汗)


「やめろーっ!!」
「よせよせ…第一あんな呪い…効きやしねぇよ。」



だが、アキトにとっては他人事では無い!

…急げアキト、未来を変える為に!!(爆)


「ガイーっ…離せ−ッ!!」
「おっと!…誰だよそれは…。」



…アキトがヤマダ等に羽交い締めにされて、退場していく間にも二人の祈り(?)は続く。
…二人の周囲には暗雲が立ち込め…何か出てきそうな気配だ。


「…もしかして…あれって…効いたのかナ…。(汗)」


…未来を思い出し…チョット引いてしまうラピスであった。

…でも…止めないの?(爆)


…。


そんなこんなで周囲が騒然となっていた為…信じがたい事が起きた。


キュラキュラキュラキュラ…
ヴゥー…ン…



「ン…何の音だ!?」
「ああ?、敵だ!」
「な、ナニッ!?」


…阿呆丸出しである。

誰もレーダーを見ていなかったのだ!


そんな中、エドワード少尉がああっと声をあげる。

…慌てて駆け寄る大佐。


「如何したエドワード少尉!」

「アレは…月から奪取されてきた設計図の奴じゃないですか!?」

「何…アレの量産計画は無かったはずだが?」


…そこにカズミが入ってくる。


「え、じゃあもしかして間違った設計図渡しちゃったのかな?」


…君かい。(汗)

…そこに山崎が入ってきた。


「…で、どんなの?」


…月での設計図…だとしたら、山崎製の可能性は高い。


「これが…コピーなんだけど。」

「ふむふむ…ああっ…これは…!!


…山崎の顔が驚愕に歪む!!


「なんだ…!?」
「まさか…危険な物なのか!?」
「…核装備とか!?(わくわく)」



だが…帰ってきた答えは…。


「酒の席で…冗談で書いた奴だ。」


…。


…ガビーン!!


命がけで盗ってきた諜報部員。
欠けた部分を
必死で補った技術士官たち。
…そして…それに
大きな期待をかけた上層部…。

全員…真っ白に燃え尽きる。


…だが、敵は待ってなどくれない。
第一、酒の席での冗談だと言う事自体、知る由もあるまい。


…そして…下のほうの戦車達が・・・一斉に変形しはじめる…!!


「何ィッ!?」

「五種類の機体が変形合体するはず…まさかホントに作れるなんて…凄いや!!」


でも…言っておくけど…それに国の命運をかけた連中がいるんだよ?

国運…賭けちゃったんだよ!?


…。


さて…足になった戦車に、ホバーカーが乗っかって腰になろうとする…。


がちゃ…ガチャ…ガクン!!…ドゴォォォオオン!!


「ヲイ…爆発したが(汗)」

「関節に砂鉄が大量に挟まってたからね…スイッチ入れるの早過ぎだよ。」


…はて?と思って設計図のコピーに目を通すアキト。

そこには…こう書かれてあった。


『チョイ電磁ロボ コンデンサーV』
(極爆)


…。


「さて…1組でも合体…成功するかな?」

「そんなに低い確率なのか?」


「うん。」

「どれくらいだ?」


「…今の時点なら…エヴァの起動確率ぐらいかな?」


その時…瞑目した山崎の眼前では、六組目が合体に失敗しているのであった…。

…そろそろ…バラバラで攻撃する事を考えた方がいいと思う…。


…果たして…アキトの運命は?(爆)

そして、アキトの前に敵は
立ち塞がる事が出来るのか!?


ある意味で緊迫した雰囲気の中、時は流れていくのであった…。

続く


::::後書き::::

BA−2です。

…ギャグ一辺倒でお送りしました。
夜勤明け、ナチュラルハイです。

…では!

 

 

 

代理人の感想

 

五体合体・・・・・・

 

スーパーロボット・・・・・・・

 

身長57メートル体重550トン!

 

 

これ即ち男の浪漫っ!

 

 

 

ちなみに、もうひとつのツッコミどころに関しては命が惜しいのでパス(爆)。