機動戦艦ナデシコ アナザーストーリー
世紀を超えて
第89話 もう後悔はしたくない…けど
…ごぉ…スタッ。
黒煙と炎の中、ブラックサレナから降り立つアキトの靴音が響く。
周囲にはブラックサレナ突入のショックで弾き飛ばされた木連軍人達の亡骸が倒れていた…。
「ここか…この中にルリ達が居るのか…!?」
そんな中で、決意を確かめるかのように呟くアキト。
…その瞳には、無関係の他人の死など写っては居ない。
「…行くぞ…これで失敗したら…俺はまた家族を無くす事になる…!」
…幸い、突入の際に機体がめり込んだ所為か…空気漏れしている様子は無かった。
つまりアキトは…己自身の肉体のみで妹達の救出に向かおうとしていたのである…。
…。
コツ…コツ…
時折パチパチとスパークが走り、所々からは火災が発生しているそんな艦内…。
歩く者とて無い壊れかけた通路をアキトは進んでいた。
…コツ…コツ………クラッ
先程の戦闘の所為だろうか?
時折眩暈に襲われながらも、アキトは確実に艦の奥へと進んでいく。
「くそっ…さっきの戦闘で、何処かやられたのか!?」
無論答えは無い。
しかし…確実に眩暈は激しさを増し、意識すら朦朧として来る…。
そして…一際大きな眩暈に襲われたアキトの眼に、一つの船室が飛び込んできた…。
何の変哲も無いただの部屋。…だが…アキトは吸い寄せられるようにそこに近づいていく。
「ぐうっ!………。……そうだ…確かこの奥は…。」
バキィッ…!
そして…壊れて開かないドアを蹴破り、アキトは部屋に入り込む。
…自分の行動に何処か違和感を抱きながらも彼は進んでいった…。
「…やっぱりだ…ここは何も変ってない…。」
…懐かしむかのように部屋に備え付けのベッドを撫でるアキト。
そして…、
「…だとしたら…。」
ガコッ
アキトがベッドの一部分に力を入れる…。
…するとその部分が外れ、中から埃まみれのブラスターが一丁現れた。
「予備のブラスター…まだ残ってたんだな…。」
…懐かしむかのように彼は黒と金に彩られた双眸を細める。
が…次の瞬間アキトはそのブラスターを部屋の隅に向けた!
「…誰だ!?」
…カタッ
人影が部屋の隅…窓の淵に腰掛けている。
そして…アキトの声に反応して、その人影はゆっくりと立ち上がった…。
「…久しぶりだね、アキト。…アタシの事、覚えてる?」
「な…なぁっ!?」
…暗がりからゆっくりと歩み出る人影。
それは髪の毛をボブヘアーにした、スーツ姿の女性であった…。
「…ね、アタシの事覚えてる?」
「…な…な…な…!?」
…それから暫し…二人は動きもせずに固まっていた。
…だが…アキトが一向に動かないのを確認した女はニヤッ…と笑って言った。
「…冗談よ冗談!」
「…は?」
流石に面食らうアキトに対し、女は畳み掛けるように続ける。
「…だって、アタシ達初対面だもの。…思い出せるわけ無いって!…普通ならね。」
「…な?…じ、じゃあ…君は…!?」
…こほん
女は咳払いをする。
「アタシ?…アタシは…貴方の…婚約者なんだ!!」
「…はい?(呆)」
…。(停滞したような時間)
…ぽかー・・・ん
アキトが硬直している。…まあ、当たり前の人間なら固まって当然であろう。(爆笑)
周囲の時間すら止まったかのような空間で、時計の音だけが正確に時を刻んでいる…。
…。
「…今…何ていったんだナツメ!?」
「だから…婚約者って。」
…。
…更に硬直時間が延びる。(笑)
流石のアキトもこう言う経験をしたのは…初めてではないだろうか…?
「それにだ…ナツメ、初対面で………あれ?」
「…ま、最もこっちで勝手に決めた事………ぁ…。」
…また、時が止まった。
だが…二人とも、先程とはまた別な理由で固まっている…。
…。
…よろっ
アキトがよろめく。
…余りに不可解な事実に気付き、困惑しているのだ…。
それは…彼が久々に感じる『恐怖』だったのかも知れない。
「…な、なんで…なんでだ…?」
「………そっか。」
よろめくアキト。…そして…女は訳知り顔で頷いた。
その顔には、少しばかり凄惨な笑みが浮かんでいる…。
「そっか…アキト……そんな所にいたんだ…。」
「…誰だ…俺はお前を知らない。…なのに…何故!?」
…会話は噛み合わなかった。(笑)
だが…本人達にそんな事はもう…どうでも良かったに違いない。
…。
「…なんで…名前が…なんですらすらと出てくる…!?」
「…そうね…まあ…心当たりがあるから…じゃない?」
…ずっ
気付いた時…アキトは半ば無意識に半歩後退していた。
彼にとって…今、目の前に居る者は…余りにも得体の知れない存在だったのである…。
「…どういう…意味だ。…どう言う…意味なんだよ!?」
「クスクス…アタシもね。…ナツメって名前には心当たりがあるんだー。」
…ぴたっ
「…それは…一体…?」
「それ…お婆様の名前よ。」
…。(硬直した時)
「おいおい…なんでお前の祖母の名前に対して、俺が心当たりが有るって言うんだ?」
「…だって…ナツメお婆様って…月面独立運動のリーダーだけど?」
…どさっ
アキトが床に座り込んだ。
…余りの安堵に緊張が緩んだのだろうか…?
「あ…そう言えば小学校の教科書に、名前と顔写真があった…な。」
「そういう事。」
…一気に解けた緊張の為か、アキトは思わず笑い出していた。
「…は…ははは…何だ…脅かすな…。」
「…そういう事にしておいて。」
…。(セピア色の空白)
「どう言う意味だ−−−−−ッ!?(汗)」
「ん…気付いてないなら知らない方が良い事って…結構多いんだからね。」
「答えになってねぇ−ッ!!(叫)」
「…じゃあさ、人と話す時…鏡で自分の顔を見ながら話せばいいよ?」
「訳の判らん事言うなー−ッ!!」
「…訳分かんないなら、気付かない方がいいと思う。」
…そして彼女はアキトに近づき、ニィッ…と笑う。
更にそのまますばやくアキトに近づくと…、
…チュッ!
「…は?」
「じゃあね…アタシのアキト?」
そして…硬直するアキトを横目に彼女の体はボースの光に包まれる…。
…何か…満足げな表情。…そこからは何か重大な事実を掴んだ事がありありと読み取れた。
…。
だが…アキトにとっては謎がまた一つ増えただけだ。(爆)
「待て…お前…一体何者だ!?…答えろぉッ!!」
「アタシ?…アタシは夏樹。…貴方の婚約者だよ!」
…光が強くなる。だが…まだ食い下がらなければならない。
アキトにとって夏樹と名乗ったこの女は…余りに不可解な存在であったからだ…!
「…では聞こう。…夏樹、君は…何故俺の婚約者なんて名乗るんだ!?」
「そう…教わったから。…じゃあ…駄目?」
…光はどんどん強くなる。
もう跳躍まで時間は殆ど無い!
「あー…もう訳がわからん!…簡潔に纏めてくれないか!?」
「…分かった。アタシは『草壁夏樹』…貴方の婚約者。…そしてナツメお婆様の正当な後継者として教育を受け、その全てを受け継いだ者よ…。」
…ついでに言えば、彼女は第60話に一度登場している。(笑)
「…では…ではもう一つだけ!…君の祖母は何故君を俺の婚約者に仕立てようとした!?」
「それは…ナツメと言う女が黒帝テンカワ・アキトの」
…シュン
…時間切れ。…夏樹はボソンジャンプで虚空に消える。
そして…アキトはただ呆然と立ち尽くす事しか出来なかった…。
…。
唯一人取り残されたアキト。…彼は唐突にボソッと呟く。
「…黒帝?…また黒帝か…。」
…ドン!
壁に叩きつけられた拳が、内壁を軋ませる…!
「いい加減にしろよ?…また厄介事(笑)を持ってきやがって…!」
…ガスッ!
凄まじい前蹴りが壁を突き破る!
「…何時も…何時も何時も…いつもいつもいつもいつもぉっ!!」
ガンガンガンガンガン…!!
崩れ落ち、床を連打するアキト。…無論…床は段々と変形していく…。
…。
…アキト・ラズリという男の人生は、常に『黒帝伝説』との戦いだったと言ってもいい。
御伽噺のような英雄。…そして…彼が未来人であるという伝説…。
更に、誰が書いたかもわからない『予言』とそれに踊らされる『下衆な連中』とのいさかい…。
…手に入れた一時の平穏は、手の隙間から砂が零れ落ちるかのように失われ、
手に入れた大切な物は残らず奪い取られてきた…。
…その全てが…『黒帝』と繋がっている。
ならば…彼が黒帝に敵意を持ったとしても、誰も不思議には思うまい…。
…ゆらり…。
それからどれだけ経ったろうか…?
ぼろぼろに破壊され尽くした室内から、アキトがゆっくりと姿をあらわす。
そこは…かつて、黒帝…テンカワ・アキトが使っていた部屋であった。
残念ながら、それを知らないで破壊したため、彼が溜飲を下げる事はなかったのだが…。
…。
「…何にせよ、時間を余計に食っちまったな…ルリ・サフィー…無事で居ろよ…。」
「…私ハ?(怒)」
…。(硬直)
「…ら、ぴ…すぅぅぅっ!?」
「…。(コクコク)」
…どうやら騒がしさが彼女を呼び寄せてくれたようだ。(爆)
だが…この最悪のタイミングでよくもまあ…。
「…アキト…久しぶりだネ…。」
「あ、いや…なんでここに…?(汗)」
…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「…いや…ね、だからさ…。(滝汗)」
「…ゥゥゥ…。(激怒)」
…ラピスから発せられる怒りのオーラに押されるアキト。(笑)
兄馬鹿が妹に勝てる道理など…何処にも無いのだった!!
「…許してくれラピスっ!!…決して忘れてたわけじゃあ!!」
「判った。許すヨ。」
…即断即決!!(笑)
…アキトが土下座した事により、問題は即解決したようだ。
…久々に会えたので嬉しいと言う事もあるのだろうが…命拾いしたな、アキトよ…。
但し…どう考えても情けない姿ではあった。(笑)
…。
「それにしても…お前、何でここに?」
「…アキトのお迎えだっテ。」
…このままではお迎えされるのはラピスのほうになるけどね。(笑)
「そっか…じゃあ、帰るか?」
「…。(コクコク)」
ラピスは嬉しそうに首を縦に振った。
…かなり急転直下な展開ではある。
「…それなら、急いでルリ達も探さないとな…。」
「…むゥ…。」
…。(謎の間)
「…何故そこで嫌そうな顔をする?(怒)」
「…アキトが鈍感だかラ。(怒)」
…ゴスッ
上目遣いでむくれるラピスに手を焼いたのか、アキトは手刀でラピスの首を叩いて眠らせる。(ヲイ)
「…今はゆっくりお休み…。」
「…きゅう。(気絶)」
…おーい、アキト−…ラピスちゃん…泡吹いてるぞー。(汗)
…後々問題が大きくないかー…?(汗)
…。
そして…何処からか取り出したリュックにラピスを詰めて、(ヲイ)
アキトはルリ達を探そうとした。
…だが…少々時間を掛け過ぎた様だ。(笑)
周囲は既に取り囲まれている…。
「と、止まれ…何者だ!?」
「撃つぞ…動くと撃つぞ、動かなくても撃つぞ!!(錯乱)」
「いきなり乗り込んでくるとはな!」
「…つーか、あんた誰?(爆)」
…この非常時に…たいした度胸である。(爆笑)
「退け…別に怪しい者じゃない。」
「…リュックに女の子詰めてるような奴が、怪しく無い訳無いだろうが!!」
…確かに。(爆笑)
だが…今回ばかりは言う相手が悪かったようだ…。
「…死ぬか?」
…チャキッ!
アキトは腕部のバックラーの裏からセイバーを取り出す!
「ひっ!?」
「…こいつ…マジだ!」
「逃げた方がよさそうじゃないかい!?」
「…だから…あんた誰?(泣)」
そして…おののく一般兵士諸君に対し、アキトは容赦なくセイバーの切っ先を向けた!
「…今は暴れるわけにもいかん。…去るなら見逃すが…?」
「「「「…。」」」」
…。
…こそこそこそ…。
兵士達は一斉に背中を向けて走り去っていく…。(汗)
「…マジで逃げるのか…。(汗)」
「「「「…死にたくは無いんで。(苦笑)」」」」
そう言って去っていく彼らは実に正直者だったが…それは軍人としては失格だろう…。
…それゆえか…彼らは早速そのツケを払う羽目になったのだ。
…。
…こそこそこそ……グチャ!!
「…なっ!?」
「…んー。臆病者は…いけないんだなぁ…。」
…ちょうど、兵士達がドアを潜った辺りで突然嫌な音が周囲に響く。
…鮮血が飛び散る中…間の抜けた声が周囲に響き渡る…。
…のっし…のっし…
船体がぐらぐらと揺れる。…そして…振動はジワジワと大きくなり…
「…小さくてこの通路には入れないんだな…。」
…ドゴォッ!
…ドガァッ!
…バリィィィィイイイッ!!
突然…壁を突き破って、大男がアキトの前に姿を現したのであった…。
…。
「何者だ…貴様…!(汗)」
「んー。おでは『八部衆』の「ケンダッパ」なんだな。」
…ぼりぼりと頭を掻きながら、大男…ケンダッパは面倒くさそうに言った。
なお…見た目はさながら甲冑を身に纏った「裸の〇将」と言った所か…。(笑)
「…八部衆…?」
「んー。…西沢様配下の精鋭部隊なんだな…。」
「…ちっ…北辰辺りの同類か!?」
「…一緒にしないで欲しいんだな…アレとは一応ライバルなんだな…。」
…ゆらっ
ケンダッパは血に塗れた小手を構える。
…一見ではゆっくりと見える動きだが、
先程壁を突き破って現れた事から判るとおり、その腕力は間違いなく人外級だ…!
「…逝くんだな!」
「くっ…避けきれんか!?」
…ガスゥッ!!
…ズザザザザーーーーッ!!
…アキトは腕を十字に組んでガードするが、
…その体は一瞬にして壁際にまで押しやられた!
「…くっ…腕がジンジンと痺れやがる!!」
「まだまだぁ!…なんだな。」
…ガスッ…ゴスッ…ゴスッ!
「グウッ…このままじゃ「トリカゴ」だっ!」
「…画面端で防御するしかないんだな。…だからトリカゴなんだな…。」
…ガスッ!!
「ちっ…ご丁寧な解説どうもありがとよ!!」
「どーいたしまして、なんだな!」
…ガスッ…ガスッ!!
小手から繰り出される重い打撃がガード越しにアキトの体力を削り、
ジワジワとアキトは壁に押しやられていく…。
「…こいつは…人間の力じゃない…!」
「当たり前なんだな。…おで等は「黒帝」の遺伝子を戦闘用に組み込まれてるんだな!」
「…また…黒帝かっ!?」
「そうなんだな。……ん!?」
…すっ
突然、何を思ったかケンダッパは一歩後ろに下がった。
「…何故引く…?」
「…痛そうだったんだな。(汗)」
…。(滝汗)
「…アキト…痛いノ…。(滂沱)」
「ら、ラピス----ッ!?(汗)」
…先程から猛打を受けていたアキト…。
当然その背中にいたラピスは…壁に押し付けられてしまっていた…。(汗)
「…アキト…酷いヨ…。(泣)」
「…いや…これは不可抗力で…。(汗)」
頭から血をピューピュー流して泣くラピス。
…視線が恨めしそうだ。(汗)
「…その辺に置いといてやるんだな…。(汗)」
「…悪いな。…時間を貰う…。(汗)」
…ごそごそ
通路の端に、ラピスの入ったリュックを置くアキト。
…まるで某生首様のようだ…等と考えてはいけない。(爆)
「…結構単細胞なんだな…。…護衛任務の時は気を付けないといけないんだな…。」
「…ご忠告は感謝する…が、ここで引きはしないぞ!」
…照れ隠しの意味も含めて、アキトは気合のこもった構えを取った!
「…ハァッ!!」
「…ぶっ飛ぶんだな!!」
…ザンっ!
…アキトはセイバーで切りかかる!が…ケンダッパの甲冑に弾かれた!!
…ゴファッ!!
…ケンダッパの鉄拳!…をアキトは横っ飛びでかわす!
…ゴシャァッ!
鉄拳はそのまま壁に吸い込まれ、肘の先までめり込んでケンダッパの動きを奪った…!
…。
…好機…!!
「…これでどうだっ!!」
「…飛び道具は卑怯なんだなーッ!!」
カチャ……ダムッ!!
アキトは先程見つけたブラスターをぶっ放す!
「終わりだ!」
「…いんや…まだまだだな…。」
…カキーン!
しかし…甲冑に阻まれ、ブラスターの弾は空しく弾かれた…。
「…マジか?(汗)」
「おでの甲冑は手榴弾でもびくともしないんだな…。」
…そうして自信たっぷりに、ケンダッパは腕を壁から引き抜こうと…。
…ぐいっ
「…ありゃ…?」
「…?」
…ぐいいっ…
「おんやぁ…?」
「…。」
そっ…と、アキトは窓の外を覗いた…。
…案の定、壁から小手の先がはみ出している…。(汗)
「…おい。…腕が宇宙空間に突き出てるぞ。」
「…あら…またやっちまったんだな…。(汗)」
…初めてじゃないのか…?(汗)
「大丈夫なのか…?」
「んー、死にはしないんだな。…おでは丈夫なんだな…。」
…。
「そうか。…じゃあな。」
「…どう言う意味…なんだな?(汗)」
…ざっ…ざっ…
「…何処行く…まだ戦いは終わってないんだな。」
「…別に無理して戦う必要も無い。」
「おでを生かして置くと…後々後悔するんだな…!」
「…そうか。」
…カチャ!
「…ぶ、ブラスターをおでの後頭部に押し当ててどうする気なんだな…?(汗)」
「いや…甲冑には効かないから…。」
「…まさか動けない奴をそのまま殺す気じゃ…ないんだな?(汗)」
「…戦術の基本だろ?」
…さーっ
さも当然のように言うアキトに対し、血の気が引くケンダッパ。
…下手な事を言ったのが間違いだったようだ。(笑)
ぐいいっ…ぐぐぃぃっ…
「抜けないんだなーッ!(泣)」
「じゃあな…。」
…そして…アキトが引き金に力をこめようとしたまさにその時である…。
「…ちゃ…」
…ぴくっ!
「…サフィー…?」
…。
「…この気配は…、」
「おにいちゃ…、助け………て!」
…ドゴォォォオオオオン!
サフィーの声のした方向から、突然聞こえる爆砕音!!
「…まさか…!!」
…ダダダダッ!!
アキトはサフィーに迫る危機を感じ、声のした方に走り出す!!
…。
「…おでの事はいいんか?(汗)」
…今まで戦ってた奴も放り出して…。(爆)
続く
−−−余談−−−
…ズポッ!
それから数分後…ようやくケンダッパは腕を引き抜くことに成功していた。
「いやー、ホントに死ぬかと思ったんだな…。」
そして、だいぶ危険になってきた艦内から脱出すべく、
リュックを持って歩き出す。
「…しかし…アンタも大変なんだな…。」
「ううう…アキトの馬鹿ァ…。(泣)」
…あ、ラピスを忘れてる…。(汗)
「…でもな…きっと悪気は無かったと思うんだな…。」
「…それは判ってるケド…。」
「…ただ…単細胞で目の前の事にしか集中できないだけなんだな。」
「…アキト…。(呆れの入った泣き)」
…何気にフォローになってない。
「…きっと…またいつか会えるんだな…今は生き延びる方が正しいんだな…。」
「…。(こくこく)」
…そうして…ラピスは木連に連れ戻されてしまった…。
…。
(…それでも…いつか迎えに来てくれるよネ、アキト…。)
…この期に及んで信じ続ける辺り、流石はラピスである。
純情と言うか、しつこいと言うか…。(笑)
::::後書き::::
BA−2です、少々時間が空きましたが「世紀を超えて」89話です。
…楽しんで頂けたら幸いですね。
…。
さて…今回初登場の「ケンダッパ」君。
実は影竜さんに使用許可を貰ったキャラクタです。(随分以前に貰った許可ですが)
…厳密に言うと「八部衆」の許可を貰ったんですけどね。
ちなみにこれが、BBSで貰った資料の彼に関する部分です。
「ケンダッパ いわゆるデブ。頑丈な鎧による体当たりと手甲での格闘が好き。」
…ここから作ったのですが…なんで〇の大将になってしまったのやら…。(汗)
…因みに「八部衆」に関しては、影竜さんの「ときにはこんな夜」を読んでみると良いです。
…彼は、戦神アキト達に鎧ごと開きにされたそうですが。(汗)
…では!
代理人の感想
いい味出してますねぇ、ケンダッパ(笑)。
アキトはまぁ、相変わらずですが。(爆)
でも「婚約者」と来るとは思わなかったなぁ、ナツキ。