『時の流れに』アフターストーリー外伝



テンカワアキト・ネバーランドを行く

第三話



木星と地球、この両者で行われた不毛な戦争は一人の英雄の活躍によって終結を迎えた。




……其の名は、テンカワ・アキト。またの名を『漆黒の戦神』…。



これは…彼が花嫁候補から逃げ回っていた時期

即ち『逃亡シリーズ』と世で言われる一連の事件の中でも

とある世界に暫く留まっていた時期を描いた物語である…。



…後に彼は言う。


「あの時の事は全て忘れたい」


…そこまで言うほどの事が果たして本当にあったのか?

今回はその経過を追う事で、彼に何があったかを皆さんに知って貰おうと思う…。






…厚く広がる雲に、時折稲妻が光る。

どんよりとした退廃的な空気が、周囲一帯に広まっていく…。


ここは、『バルハラ城塞』と言う異名を持つ10階建てほどの小さな塔である。

夕闇迫る中…アキトは今ここに居た…。


…と言うか、捕まっていた。(極爆)


時にして、第2話から数えて一月後の事である。

かなり薄汚れた状態のベッドの上で、アキトは固まったまま止まっていた…。



「…グバァァアアアアアッ!?」



いきなり何の脈絡もなく叫ぶアキト。

…しかも壊れてるし。(汗)


…。


そんな…なんでそうなったのかも不明で、

何が起こっているのかも判らない状況下では訳がわかる筈も無い。


では…なんでそうなったのかを、順を追って見て行く事にしよう…。


…。


…冒頭のシーンから2週間ほど前…。

アキトの旅は取り合えず順調に進んでいた。


…時折聞こえてくるヤマダの破壊行為に頭を痛めつつ、アキトは先を急いでいた。

そして…とある地で…運命の出会い(?)をする。


…それが運命だと言うのなら、運命とはよほどアキトが嫌いなのだろうが。(爆)


…。


…ザッ!…ザッ!……ザッ!


「ん…何してるんだあの子?」


…アキトはその日、光都フレネードという所にある古城に身を隠していた。

すると…その中庭から何かを掘っているような音がする。


…何事かと思って下を見ると…、

シャベルで中庭を、一生懸命に掘り続ける少女の姿があった…。


「何をしているんだい…?」

「え…あ、ここを掘ってるんです。」


他人の敷地…しかも城の中庭勝手に掘りかえすとは、中々肝の据わった少女である。(汗)

しかも、既に敷地の50パーセント以上が掘り返された後だったりする。


「何か埋まってるのかい?」

「…ええ、私の感ではここにレアアイテムが埋まっているはずなんです。」


「へぇ…でも、その割には随分散らかしてるみたいだけど…。(汗)」

「ま、まぁ…勘では大体の位置しか判らないですよ…!(汗)」


その時、アキトは何故だかこの少女を手伝ってあげたくなった。


…ナデシコには居ないタイプだったからかも知れないし、

ここ暫くが平穏だった事で、多少気が大きくなっていたのかも知れない。


「じゃあ…手伝ってあげようか。」

「良いんですか?…じゃあそこ…お願いします!」


…ザック…ザック…ザック………ガキィッ!


「…これが…レアアイテム?」

「えーと。…まあ、レア…なのかな…。(汗)」



…ひよこ蒸しを掘り出した!(食えるかは別問題)



…一日中、城の中庭を掘り返してこれ一つと言うのも悲しいかも知れないが、

何も出ないよりは良いだろう…。(効果は体力全回復)


…そして、夕闇迫る中…アキトは次なる目的地に向かう。

きっと今回の事は、彼にとっていい思い出となるのであろう…。


「じゃあ…俺は行くよ。」

「はい、今日は本当に有難う御座いました!」


…そう、ここまでなら唯の良い思い出で済んだのだ…。(汗)

でも、それで終わらないのが『女難王アキト』たるゆえんである。


「あ、あの…お名前をまだ聞いてませんでした!」

「…アキト。…テンカワ・アキトだ。」


…そして、アキトは疾風のように去っていった。

迫りくる追っ手の気配から逃げたと言う方が正しいかも知れないが…。


「…テンカワ・アキトさん…か。(ぽっ)」


なお、少女の顔が夕日で照らされている以上に赤く染まっているような気がする。(汗)

…やばいぞアキト。(笑)


…少女の名はネーブル。…彼女は名の知れたトレジャーハンターであった。

そして…、


がさっ…


「ね、ネーブル…。(滂沱)」
「嘘だろ…。」
「…。(ギリィッ!)」



…その光景を見て呆然とする3人組。(爆笑)

その手に持つは、二人が大剣で一人が大鎌…。


でもそれは、何処にでもありそうな失恋の風景であった…。



唯一つ違ったのは、彼らの戦闘能力が尋常では無い事。



…そして…


「新生シンバ帝国総司令アンクロワイヤーである!!
 …先日、フレアニック城の中庭を掘り返した極悪人の名が判明した!!」

「…テンカワ・アキト。…奴を捕まえろぉっ!!(激怒)


…一人は権力すら持っていたということである。(笑)


なお、彼…3人組の一人アンクロワイヤーは、本来は公明正大な人物である。

…彼に職権乱用までやらせたアキトは…ある意味大物であると言えよう。(爆)


なお、本来のゲーム中で先ほどの古城…フレアニック城は掘れない筈です。(ヲイ)


…。


そして次の日。…とある街角で…、


賞金首テンカワアキト、捕らえた者への褒美は思いのまま…』

「…な。(呆然)」


『生死は問わず。』

「なんですとーっ!?」


…アキトは自分が賞金首になったことを知る。(爆)


「おい…望みは思いのままだって…」
「すげーな…。」
「ちょっと探してみようかな…」


「あ…ががががが…。」


ずず…ずず…


アキトは後ずさり…一目散に逃げ出した!!

そして…アキトの逃亡生活は新たなるステージを迎えるのであった…。(笑)


…。


それから約一週間。(冒頭のシーンより1週間前)


「ぉぉ…腹…減ったぁ…。(泣)」


…アキトはすきっ腹を抱えながら逃亡を続けていた…。

目的地は「自由への脱出」第8支部のあるスペクトラルタワー…。


そこに行けばCCがある…。

そして…こんな世界ともおさらば出来る筈であった…。


…何処だ−!
居ないぞー…!



捜索隊の目から逃れつつ…アキトは行く…。


…びくぅ!
ざっ…ざっ…ざっ…


「…くっ!?」


…きょろ…きょろ……しー…ん。


「…はぁ…ようやく…行ってくれたか…?」


…長らく続く逃亡生活の癖か、隠れながら進むアキト。

薙ぎ倒しながら進むと言う選択肢は、彼の脳内にはもう無いらしい。(爆)


それが出来る実力があるだけに、

それに思い至らないと言う事実が惜しまれるところである。(笑)


「はぁ…はぁ…あと少し…あと少しだ…!」

「ああ、そうだな…。」


…ん?


「だ、だ、だ…誰だ君はぁああ嗚呼あっ!?」

「どあっ?」


…いきなり現れた乱入者に怯えまくるアキト。(笑)

ああ、戦神よ…何処へ行く…?


「…だれって…酷いな、以前会っただろ?」

「ああ、ジル君…だったか?…脅かさないでくれ…。」


…そう、第2話で知り合ったジル君だ。

しかし、何のために現れたのやら…。


「なぁ…テンカワさん。…アンタ、『チキュウ』出身者だって本当か?」

「え…ああ、まぁ…。(正確には火星だがな)」


…どばーっ


「な…何泣いてるんだ君は!?」

「か、帰れる…これで家に帰れる!!」


目の幅程もある涙を流しながら、ジル君は身の上話を始めた。

…なんでも、彼は『チキュウ』という異世界からこの世界に召喚されたらしい…。


でも、帰る時に手違いがあり…帰る方法を失ってしまったのだと言う。

彼もまた不幸の星の元に生まれてきた人種のようだ…。


「…だから、俺も連れて行ってくれ!!(泣笑)」

「…まあ、いいけど…。(滝汗)」


…しかし、たぶん時代が違うぞ…。

良いのか本当に…。


…それ以前に似た名前の異世界だと言う可能性を無視しているような気もするし…。(汗)


…。


…そんな訳で男二人の旅が始まってからまた数日後…、(冒頭のシーンの二日前)

異変は起きた。


「…なあ、この現状は何だ?」

「俺に聞かないでくれよテンカワさん…。(汗)」


アキトは…荒縄でグルグル巻きにされたジル君を呆然としながら眺めていた。

…周囲にはエルフが群れをなして彼らを取り囲んでいる。(爆)


「ご協力感謝するわ。…さあジル…トライアイランドに戻りましょうね?」

「ジルさん…出来れば抵抗しないで下さい。」


エルフが2名…片方はハーフエルフらしい…が、一歩前に踏み出してきた。

…少し顔が赤いような気がする。(爆)


…なお、アキトは何の協力もしていない事を追記しておく。

…まあ、邪魔もしていないが…。(爆)


「マーガレット…それにキーナ!?」


…にやり


不気味に口の端を歪ませる美少女二人。(汗)

…俯き加減で目が陰になっているのが不安を増大させる!


「…違う!!
 彼女たちはそんなニヤリ笑いなんかしない筈だぁーっ!!(泣)」



絶叫する男。

でも、現実は限りなく残酷であった…。


「そう?…さあ、きりきり歩く!」
「突然居なくなって…後でお仕置きです。」


そう言って二人は簀巻きとなったジルを運んで…

……お仕置き?(汗)


「あ、テンカワさんにも『お迎え』が来ていま」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…


…アキトは逃げ出した。(笑)

危機に対する伝説的な直感が、彼の体を突き動かす!!


…がさっ


「ふう…流石ですねアキトさん…。」

「ちっ…テンカワ…もう少しで射程内だったのによ!」


…ルリとリョーコ…。

迷彩服姿で、顔にペイントまで入れて登場だ!!


手にするは、象でも一瞬で昏倒させる麻酔銃。

…流石は同盟…僅か数日でアキトの居所を突き止めるとは…。


「すいません、彼を取り逃がしてしまいました。」

「いえいえキーナさん、あなた方こそ獲物が逃げないようにして下さいね。(にこっ)」


「はい、あなた方の教えは忘れません!(にこっ)」


…何教えたんだか…。(汗)


まあ、それはともかく某同盟の勢力も、確実に拡大しているらしい。

壊れた美少女世界に氾濫する日も近いようだ…。(泣)


「うわぁあああああっ…せっかく帰れると…思ったのにーーーっ!!(泣)」


なお、それを断末魔代わりにジル君は退場していった。

…合唱。


…。


そして…運命の日(爆笑)の前日…。


「…唸れ我が剣!吼えろ我が魂!
   我を阻む物に引導を渡そう…
    獅子荒・アウトレイジィ!!」


…ゴォォオオオッ!!


必殺の技が戦場を舞う!!
…獅子をかたどった闘気がアキトに叩きつけられた!!


「うっ…また貴様か!!…獅子の昂氣を使う男!!」


…それは絶対に違う。(汗)


なお、アキトはこれ以前に派手な二連戦をしていた。

横の地面に突き刺さった大鎌と、折れた大剣が全てを物語っているような気もするが…。


…だらだらだら…


…アキト自身も、どてっ腹に大穴が空いていたりする。

人外化は…着実に進んでいるようだ。(爆) 


「…いい加減にしろ…俺は忙しい!!」

「だったらネーブルを元に戻せぇぇぇえええっ!!(激怒)」


漆黒の戦神テンカワ・アキト VS 黒獅子アンクロワイヤー


…黒をモチーフにした両者の争いは、既に3つの都市、

そして大量の無関係な一般市民を巻き込んだ大捕り物に発展していた!


…良いのか黒獅子…ここはもうアンタの勢力の支配下じゃないぞ…?

それとアキト…一般市民を巻き込んで良いのか?



「…やるな…だがここまでだ!!」

「だから…もう離してくれ…消えるからさ…。(泣)


もう疲れ果てたアキトに対し…向こうは殺る気満々だ!

既に向こうは軍隊まで動員して、完全に抹殺モードに入っている。


…だが…アキトにも味方はいた!!


「いい加減にしろぉぉぉおおおおっ!!」

「「…なっ!?」」


ぐちゃ…


「…お前…ガイか!?」

「おお、アキト…苦戦してたみたいだな!!」


…ヤマダ…どうやらアキトの危機を聞きつけて、駆けつけてくれたらしい。


そのピンクのエステバリスには、激しい戦いの日々を物語るかのように
あちこち小さな傷が付いている。

だが…アキトにはそれがなんとも心強く見えた…。


…でも、先ほどのぐちゃ…は一体…。(汗)


「アキト…ここは俺が引き受けるぜ…お前は急げ!!」

「良いのか…ガイ!!」


「…おおよ。…生きろよアキト。(ニカッ)

「…ああ!(感動)」


…嫌にさわやかな笑顔のヤマダ…。

どうやらこれがやりたかっただけらしい。(爆)


…ダダダダダダダッ


そして…走り出すアキトを背にしたヤマダは呟く。


「ふう…ここが俺の墓場となるのか!」


























…そして…軍隊相手に唯一人…
…絶望的な戦いが始まる…。



















…ぐちゃ!…ぐちゃ…ぐちゃ…!!

ぐりぐり…ぐりぐり…



…確かに絶望的だ。(爆笑)

少なくとも生身と機動兵器では相手になるまい…。


…ヤマダはこうして、


『仲間を逃がすため一人敵陣に残る勇者


を存分に堪能して去っていったのである。(爆)

…それが正しいのかは別問題として。


…。


…そして…アキトはついに、スペクトラルタワー前にたどり着いた。

だが、長引く逃亡劇はアキトの体力(と気力)を失わせていた…。


「…もう、ここまでか…。」


がくっ…と、倒れるアキト。

だが、歯を食いしばってゆらりと起き上がる…。


「ここで倒れては…今まで散っていった仲間達が…浮かばれん!!


…アキトの脳裏にかつての逃亡仲間の末路…もとい最期が思い出される…。(注:死んでません)



縄でグルグル巻きにされて、絶叫と共に消えていった先ほどのジル君…。

撃墜されてバッタ達の大群にたかられ、姿が見えなくなっていくサイバスター…。

…何時の間にか捕まっていたライブレード。(ヲイ)

そう言えば誰か、五体バラバラに引きちぎられた人が居たような…。(第一話)

カミーユ・シロッコの、『最初の捕縛者たち』は、今でも生きているだろうか?(爆)

そうそう…逃げる間もなく囚われたシュウと、ついでに唐揚げにされたチカちゃん(鳥)は無事か?


…そう言えばアカツキは何処に行った?(爆)

それと某同盟に潜入すると言ったまま帰ってこないナオ。…もしや裏切った?


…そんな…言葉に出来ない想いがアキトを突き動かす!

けっしてお仕置きが怖いわけではない!!(多分)


…り、理由?

えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと…えーと、えーと、えーとえーと、えーとえーと…(滝汗)


…そうだ!(電球マーク)


「そう…誰か一人に決められるまで…俺は帰る訳には行かないんだ!!」


…誰にでもなく…自分自身に言い聞かせるようにアキトは叫ぶ!

そう、彼はお仕置きが怖いわけではないのだ!!…建前上は。(爆)


「俺は…塔を上らなくては…こんな所で倒れるわけには行かない!!」

「じゃあ、連れてってやろうかい?…塔の上にさ。」


「え、じゃあお願いしま…す?」


ドゴッ…


…アキトは意識を失った。

彼が最後の意識で見たものは…。


「…ふっふっふ…アタシ好みの男…遠出して来た甲斐があったってもんだよねぇ…。」

「…がはっ!?(吐血)」


…巨大な女ゴブリンだった!(汗)

どうやら目を付けられ、尾行されていたらしい…。


…合唱。


…。


そして一日がたち…冒頭のシーンへ…。


残念ながら、アキトが運び込まれたのは全く別な塔の上だった。(バルハラ城塞ことゴブリンタワー)

…しかし、かなり離れた二つの塔を、良く一日で移動できた物だが…。(汗)


そして、かなり薄汚れた状態のベッドの上で…アキトは相変わらず固まったまま止まっていた…。



「…グバァァアアアアアッ!?」



…アキトは目覚める。…悪夢でも見たのだろう…。

と言うか…むしろ悪夢だと思った方がいい。(汗)


「あ…あ…俺は…俺は…。(半泣き)」


…くんくんくん…


あ、アガ…うぐっ…うわああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」


…自分の匂いをかいだ後、何故だか絶叫するアキト。

しかもハーリー泣き。(爆)


…何があった…だと?

…一片の優しさがあったらそれを聞けるはずが無い!!(汗)


かつん…


「ヒィッ!?」


びくっ…と、哀れなほどに怯えるアキト。

…唯の靴音だろうに…。


…。


「…おい、テンカワ…無事か!?」

「う…ウリバタケさん!?…俺…俺…。」


…何故か現れたのはウリバタケ。

彼は沈痛そうにアキトに一言だけ告げた。


人間として…助けにきたぞ…。」

「あ、ああっ…うぐっ…ひっく…ひっく…。(泣)」


「泣くな!…辛かったな、本当に…。」

「うぐっ…ウリバタケさん…俺、汚れちゃった…汚れちゃったよ…。(泣)」


…なんでそれだけ辛いか…その一端を知りたい方は、公式HPでも訪ねてみるといいでしょう。

そして、ゴブリン兵団の『ビッグママ』のイラストを見れば…アキトの気持ちがわかるはず!!


…絶対アレ怖いから!!(爆)


…まあ、何にしても今回ばかりは某組織もアキト救出に乗り出す事と相成った訳である。


なお、アキトが監禁されていた塔は、アキト脱出から一時間後、灰も残さずに消されたらしい。

…あの状態で某同盟が間に合っていたら、どうなっていた事か…。(滝汗)


「…で、テンカワ。…今回ばかりは行き先を決めさせてやるよ…。」

「じ、じゃあウリバタケさん…CC下さい。…ハーリー君のところに行きます。」


「…何故?」

俺以上に不幸な奴を見ないと、正気が維持できそうに無いんだ!!」


…その発想自体正気の物ではない事に、彼は気づいていただろうか…?

そして、ウリバタケからCCをひったくるように奪うと、アキトは急いで飛んでいったのである…。


「哀れだな…テンカワ…。」


ウリバタケの言葉にうんうんと頷く某組織首脳部…。


今ここにはウリバタケの他に、最近復帰したアカツキ(既婚者)やハサウェイ、相田ケンスケ、嫉妬マスク1号、及び2号…。

更に昨日加わったばかりのアンクロワイヤー・イフ・ミュールの3人組、そしてアシュレイ・ロフ。


…って、アキト…何時も間にか『人魔ハーフの少女』を落としたな!?(爆)


更に新規参入組の参謀クラス、レザード・ウォレスミハイル・ロア・バルダムヨォンの姿もある。

…はて、何やら恐ろしい空耳がするが…気のせいだろう。(汗)


…そして、アキトが向かった先では…。


…。


「「ふはははははは…やはり君は最高だよハーリー君!!」」


…ヤマサキとアキトの声が見事にハモっていた。(爆)


なお、ハーリーは以前の作品で書いたとおり見事に肉塊である。

…助けてやれよアキト。(汗)


ぷー…ぴー…ぷー…ぴー


…かつて鼻であったらしき穴で呼吸をしているハーリーにアキトは近づいて言う。

自分以上に不幸な奴の存在を確かめるべく…。


「ハーリー君!…今君は幸せかい!!(さわやか)」

『ぱ…ふー。(…多分貴方よりは。)』


…ぴきっ

空間がひび割れる音がする。


「…な、なんでこの俺が…五体不満足な肉塊にそう言われねばならんのだ!(激怒)

『ぽ、ぽぺー…。(…だって、今の僕幸せに見えます?)』


「そう見えるなら目がおかしい!!」

『ぽぽへー。(でしょ?)』


…いい具合に壊れたアキトに、ヤマサキは嬉しそうに脳波測定器を取り付けている。

彼にとっては最高の実験台が飛び込んできたと言うところか…。


「では君は俺より不幸だ!!…
 ああ、俺は全人類の
最下層ではない!!」

『ぽぽぽはー。(貴方はむしろ最高に幸せ者だと思う)』


ぴくっ…

またアキトの頭に青筋が浮かぶ。


「…何処がだ!!」

『…ぷっぷー。(蜥蜴戦争の英雄最強の戦士でお金持ち複数の美女に慕われて…これが幸せでないのなら何なのですか?)』


…そう、考えてみればアキトは普通ならこの上もなく幸せなはずだ。


「…だが…だが、俺はどう見ても幸せではない!!(断言するな)」

「まあ…そりゃあ、永遠に不幸だろうね、テンカワさんは。」



げしっ…

ヤマサキの胸倉掴んだままアキトは『視線で人が殺せたら』な眼光を放っている。


「…どういう意味だヤマサキ!?」

「…だって、幸せを幸せとして認識できないなら、どうあがいても不幸なままじゃない。」


…ぱりぃぃぃぃぃいいいいん…。


「うわああああああああああっ…」


…そんな絶叫を残し、アキトは去っていく…。

そして…残された二人はと言うと…。


「ハーリー君、この世で一番不幸なのは、自分が不幸なのに気付かない事だって聞いた事があるんだけど…僕は違うと思うな…。」

『ぽっふー。(ですね…幸せでも幸福を感じられないのなら、救いは何処にも無いですからね。)』


「不幸に気付かないなら、本人は幸せでいられるかも知れないしね。」

『ぷー。(しかし、テンカワさん大丈夫かな…。)』


「さあ?…じゃ、お客さんも帰ったし…実験の続きだよ!?(邪笑)」

『ぴぴぷー。(はぁ…やだなぁ…。)』


ずしゃっ…ぷすっ…ざっくざっく…ぷしゃー…


メスや注射器の音が無機質に響く…そんな状況に完全に慣れているハーリーであった。(笑)

彼もまた、最高に不幸な者の一人である。


…。


そして…同じ時…某同盟・本部では…


…チュドォォォオオオンン!!


凄まじい爆音が響いていたと言う。(爆)

恐らく、今回の不祥事に対する責任の擦り付け合いと思われるが…。


そんな爆風吹き荒れる中、二人ほどその中からこっそり抜け出てきた人がいた。

…エリナ・キンジョウ・ウォンとメグミ・レイナードの二人である。


「…ねぇ『三つ編み』…おかしいと思わない?」

「…なんですか?」


「…『妖精』が両方居ないわ…。」

「あ、知らなかったんですか?」


「…どういう事?」


「ええ、なんでも最近、お風呂覗いた連中が多数居る事を知ってしまったらしいんです。」

「へぇ…命知らずね。…ハーリー君か高杉三郎太あたりかしら?」


「…それなら手間も省けるんですけどね。」


「「ひゃああああっ!?」」


…いきなりルリ推参!!

横には殺気だったラピスも居る。


「い、今まで何やってたのよ『妖精』?」

「…多分、貴方の想像通りのことを。」


「…まさか…。」

「ええ。劇場版とやらで私のお風呂ラピスの裸を覗いた命知らずの皆さんに軽く制裁を。(自己規制)」


…にっこり笑っているが、その目がヤバイ。(爆)

なお、先ほどのルリの台詞。…命が惜しくないなら、反転させてみましょう。(極爆)


「許せないよね…。(邪笑)」

「ラピスは各自のパソコンにちょっとした悪戯を仕掛けているらしいです…。」


…そ、それが破壊神ラピスの正体なのか!?

多分、手違いで間違って攻撃された人も多いんだろうなぁ…。(汗)


「そ、そう…大変だったわね…。」


「いえ…数が余りに多いので…まだ全員にはお仕置きが行き届いていないんですよ…。」

「長い戦いになりそうだよ。」


…くっくっくっく…


怪しく笑う妖精姉妹に引かざるを得ない周囲の二人。(爆)

唯一の救いはそんな『妖精姉妹の暴走』のお陰で、アキトの身に起こった事が忘れ去られてくれたと言う事だろうか…。


…アキトは言う…。

「この時の事は全て忘れたい」…と。


…そして、この物語は某組織・自由への脱出の両組織で完全に封印される事となる。

…某同盟に知られるわけにはいかなかったのだ…。


本当に最後まで隠しとおせたのは、きっと同盟側も信じたくなかったと言うのが真相だろうが。(爆)


…。


…なお、この物語は全てジョークであり、実在のキャラとは何の関係もないと思います。(たぶん)


おしまい


::::後書き::::


さて、短期集中連載『テンカワアキト・ネバーランドを行く』は如何でしたか?

僅か3話だけの短期連載でしたが、面白かったといっていただければ幸いです。


…正直、書き足りないところはありますが、

だらだらと続けるよりは破綻しないうちに終わらせる事にいたしました。


…あまりあの世界には詳しくない物で…。(汗)


なお、この物語は全てジョークですから。本気にしないで下さいね。

では!

 

 

代理人の感想

・・・そら忘れたいわなぁ(汗)。

正直言って想像もしたくないし(核爆)。

 

 

>お風呂を覗いた連中

ぶ・・・ぶはははははは(爆笑)!

技ありで合わせ一本!(笑)