サセボの街にも冬の到来が感じられるようになっていた。

 日が落ちるのが確実に早くなっている。

 昨日より今日。今日より明日と。

 駆け足で通り過ぎていく季節を肌で感じながら、明人とルリは冷気にピンと張り詰めた紅水晶のような夕暮れを眺めて歩いていた。

 ルリは明るい空色のコートに薄いアイボリーのマフラー姿。

 彼女ほどの整った容姿であれば、どのような服でも似合うのだろうが、明人はこの姿のルリが気に入っていた。

 ルリは可愛い。とてつもなく。

 “妖精のような”という形容がそのまま通用する希有な少女。

 普通なら、そんな女の子と二人きりでいられるだけで十分に幸運なのかもしれない。

 しかし明人は素直にそうは考えることが出来ずにいた。

 少し遅れて明人の後ろを歩いていたルリは、軽い足取りで駆け寄り明人の横に並んだ。

 その背丈は明人の肩ほどもない。視線を合わせると、ルリが明人を見上げるような格好になった。

 少し頬が赤いようだ。もう冬だなとそれを見て思う。

「あの――いいですか?」

 ちょん、とルリが明人の服の袖を引いた。それだけで明人はルリの意図を悟る。

「ん。いいよ」

 嬉しそうに微笑むと、ルリは明人の左腕の下に頭を滑り込ませてきた。ゴロゴロとのどを鳴らしそうな表情で頬ずりしている。

「あったかいです……」

 家族の目が届かない場所で二人きりになると、ルリは異様なほどに甘えてくる。

 はじめの頃は明人も戸惑い、その態度を誤解してしまっていた。しかし、いまではルリが求めているものに気づいていた。

 明人は「あの男」ならこうするだろうというように、ルリの頭に手を乗せ優しく撫でた。

 ルリはさらに幸せそうな顔になる。

 本当に嬉しいのだろう。ほおっておけばずっとそのままでいたいに違いない。

 しかしそれだけの時間はもう残されてはいなかった。

「ルリちゃん……」

 明人はできるだけ落ち着いた声で切り出していた。

「オレ、ナデシコに乗るよ。
 みんなが――ルリちゃんがオレにそれを望むなら、乗る。
 明日、ラピスちゃんと家を出るよ」

 腕の下で、ルリの体が震えた。

 返事が返るまでにかなりの時間を必要とした。

「そう……ですか」

 痛いほどにルリの頭が強く押し付けられている。

「すごくワガママですよね、私って。私が明人さんに頼んだのに。
 ナデシコともう一人の私の心を助けて欲しいって……」

 顔をあげた。

 斜陽の中で、その瞳が完璧な金色の輝きをたたえている。

「でも、今は迷ってます。行ってほしくないなんて、すごくワガママなことを考えてる。
 このままずっと一緒にいたいって」

 ――――オレはルリちゃんと一緒にいたいからナデシコに乗るんだ

 明人はその言葉を飲み込んだ。ルリには理解できないだろうから。

 ルリの金色の瞳は、いまも明人を見つめている。しかし、それでもその瞳は明人を見てはいなかった。

 その瞳が見ているのは、明人に重ねた別の人間の影なのだ。

 だから、明人はナデシコに乗る決心をした。ルリが見ている男と対等の立場に立ちたかったから。ルリの瞳に自分の姿を映して欲しかったから。

「それでもオレ、ナデシコに乗るよ。
 強くなりたいんだ。いっぱいいろんなことを経験して、強くなりたい。
 ――――負けたくないんだ」

 誰に、とは言わなかった。

 こくり、とルリがうなずいた。

「寂しいけど、ガマンですね。戦争さえ終われば……」

 ルリはふいに口をつぐんだ。

 うつむいて、もじもじとしている。

「あの……少しだけ、目をつぶってもらえませんか?」

 あまりにもベタな行動に、明人は思わず吹き出しかけてしまった。

 いや、笑ってはかわいそうだと、必死にそれを堪える。

 赤くなって身悶えしているルリは、とんでもなく可愛かった。

 キスぐらいいいじゃないかと思う一方、ルリが本当にそうしたいのは自分ではないとも思う。

 ずっとこんな光景を夢見てきたのだろう。何年だ? 五年? いや、もっと長い時間だったのかもしれない。

 その夢を壊す権利は明人には、ない。

 明人は、ルリの背が届くようにわずかに身をかがめると、目を閉じた――









◆◇◆

『――明人さん! 応答してください、明人さん!』

 明人はその声に目を開いた。

 一瞬の目眩い。

 どこだ、ここは。

 ごちゃくちゃと入り組んで、薄暗い狭い場所。目の前に可愛い女の子の顔がある。ルリとは違う、黒い瞳。ああ、この娘は、オレのことを心配していてくれていると、素直に思える泣きそうな顔をしていた。

『明人さん! 気がつきましたか? 大丈夫ですか』

「メグミ……ちゃん?」

 思い出す。ナデシコの通信士の女の子だ。可愛い声。

 メグミが一瞬驚いたような表情をした。

 なんでそんなに驚くんだろうと考えると、彼女のことを「ちゃん」付けで馴れ馴れしく呼んでしまっていたことに気づく。

 ついさっきまで、ルリの夢を見ていたからだ。その余韻が残っていた。つい、だ。

「あ、ゴメン。レイナードさんだよね。」

『いえ、いいんです。メグミって呼んでもらったほうが、わたしも気楽です。
 それより、本当に怪我はありませんか。なにがあったか覚えてます?』

 なにがあったか? そういえば、ここどこ?

 メグミの顔を押し退けるようにして、テンカワ・ユリカの顔がいきなり現れた。

『あーっ! あきと、あきと! 大丈夫!? 百合花、心配したんだよ!
 あ、そうだ、わたしのこと覚えてるよね、火星でお隣さんだった御統百合花だよ!
 久しぶりだねぇ。お父様とも、よく明人のこと話してたんだ。また会えるなんて夢みたい!
 驚いたよ、カッコよくなったね、明人!
 百合花もどう? 綺麗になったでしょ。
 コミュニケじゃ見えないだろうけど、スタイルも自信あるんだ! 明人、驚くよ絶対!
 うわぁー、嬉しい! お話したいこといっぱいある!
 すぐに回収するからね。待ってて、明人!!』

 口を挟むヒマを与えず、一気にそれだけ捲くし立てた。

 久しぶり?

 ああそうか、とようやく納得する。

 彼女は「テンカワ・ユリカ」じゃない。十数年ぶりに再開する幼なじみの「御統百合花」だ。満面の笑みも知っているユリカと同じだ。

 そこまで考えて、ようやく明人はすべてを思い出していた。

「そうだ、オレ、敵に撃墜されたんじゃん!
 メグミちゃん、敵はどうなったの!? ナデシコは無事なんだね!」

 自分がどこにいるのかもわかった。撃墜されたエステバリスのアサルトピットの中だ。

 そのことを意識すると、IFSが反応した。

 明人がエステバリスをイメージしたことで、機能が回復したのだ。次々にコンソールに灯が入っていく。わずかなハム音。そしてメインスクリーンが回復。

 ――空だ!

 スクリーンいっぱいに青い空が広がっている。その一角に、白い巨大な船が悠然と存在していた。現実とは思えないぐらい、力強い。ドックで見たときとはまるで違っていた。生命力に満ちている。白くて巨きなひとつの生命体。

「ナデシコか」

 明人はその姿に、なぜか感動を覚えていた。




 


機動戦艦ナデシコ 『楔 kusabi』

SIDE-NADESICO 03 : 策略







◆◇◆

「ふむ」

 薄暗く照明を落とした室内で、一人の男が背を丸めた格好でディスプレイの前に座っている。

 人並みはずれた巨体だった。

 丹念に作り上げられた鎧のような筋肉が、その全身を覆っていた。

 このような男が薄暗い部屋で端末に向かっている姿は、不釣合いを通り越して無気味ですらあった。

 フジドウ中佐だ。

 連合軍からナデシコにオブザーバーとして派遣された男であった。

「御統百合花。極東方面軍士官学校戦略科卒。
 戦略・戦術シミュレータでは、常にトップの成績を維持。
 卒業後の活躍を期待されるも、軍には志願せず、ネルガルの『ナデシコ・プラン』と契約。
 NDシリーズ一番艦ナデシコの艦長に就任、か」

 ディスプレイには百合花の能天気な笑顔が映し出されている。

 画面が切り替わると次には天河明人の不機嫌な顔写真が映し出されていた。

「――――従軍記録は火星圏撤退の際に消失している。
 持ち出せたのは最低限の基本情報だけだったからな。
 高レベルの戦闘能力を持っているようだが……」

 フジドウ中佐はしばらくそれを眺めていたが、おもむろに立ち上がった。

「ふむ。実際に計ってみるしかないか」

 それだけ独白すると端末の電源を落とした。









◆◇◆

 ナデシコがサセボドックを発ってから、すでに一週間が過ぎようとしていた。

 そのあいだ、明人は忙しかった。

 コック見習に加え、臨時パイロットとしても正式に契約。そのための手続きと、規則上必要ないくつかの検査と訓練を受けさせられた。

 コック見習としてはチーフのホウメイや五人の女の子たちに紹介され、調理の腕前のテスト。その結果にショックを受け、真面目に修行をすることを誓う。

 百合花には四六時中つきまとわれた。正直言って面倒以外のなにものでもない。会話をしていると頭痛がする。自分のことだけを一方的にまくしたてられるのには、うんざりした。もう一人の自分、「テンカワ・アキト」は、いったい何を考えてこんなのと結婚したのか――百合花と会うたびにそんなことを考える。自分はいやだ。どうせ苦労をするならルリのほうが絶対にいい。

 そして、自分が白い敵機に撃墜された後におきたことも聞いた。白い敵機がボソンジャンプをしたこと。そして、もう一機、黒い機動兵器が出現したこと。

「テンカワ・アキト」だ、と明人はすぐに気づいた。

 またあの男に救われた。そう考えると、たまらなく悔しい。

 あの男に追いつくためにナデシコに乗ったというのに、いきなり助けられている。

 落ち込んだが、いろいろと忙しかったので、それも長くは続かなかった。

 いろいろと思い悩んで、経験だろうな、と結論した。あの男に追いつくには、とにかくいろいろな経験を積むことだ。だからナデシコに乗ったのは正しい選択だった。とにかく忙しい。一週間など、あっという間に過ぎていった。



 明人が忙しくしている一方、ナデシコはサセボ港に接岸したまま、巨体を波にまかせつづけていた。

 連合軍から正式な出航停止の要請が伝えられたからだ。

 連合軍はナデシコの接収を目論んでいる。木星蜥蜴の艦隊と正面から渡り合えるだけの性能を目の当たりにすれば、それも当然の行為かもしれない。

 ネルガル――その代表であるアカツキ・ナガレは、一番艦ナデシコによるスキャパレリ・プロジェクトの遂行を連合軍に嘆願していた。交換条件は、ナデシコ級二番艦以降の譲渡。通常であれば連合軍にとっては悪くない条件だったろう。しかし、地球に落下したチューリップが活動を再開した今となっては、それに対抗しうる唯一の存在を手放すわけにはいかない。そのため話し合いは難航し、今に至るまで結論は出ずにいたのだ。

 しかし、ナデシコのクルーにとってはそんな事情はどうでもいい。

 一週間だ。

 何もすることもなく、上陸することすら許されずにナデシコ艦内に閉じ込められていれば、鬱憤もたまる。ヒマをもてあまして、暴動。一歩間違えれば、そんなこともおきかねない、危ない雰囲気だった。

 ただ一人、ひたすら忙しかった明人は知らずにいたが、そんな雰囲気だったから、フジドウ中佐がした“ある提案”は即座に許可され、クルーは一丸となってその実現に向けて活動をはじめていた。

 ヒマをもてあました人間が団結するとどれほどのことが出来るか――――人間の進歩の原動力を見るかのようである。



「各シミュレータとオモイカネとの接続は万全ですね。瑠璃ちゃん、準備はどう?」

 艦長席から生き生きと指示を飛ばす百合花は、オペレーター席とは別に設けられた密閉式のオペレーション・ブロックに入っている瑠璃に問いかけた。

 そのオペレーション・ブロックにはナデシコ内外のあらゆる情報が集中する。

 整備班のウリバタケが片手間に作ったものだったが、その思想はナデシコB・Cに採用されたウィンドウボールと同種のものであった。

『はい。まあ、なんとか。悪くないです』

 淡々とした返事。

 今回の計画の要は瑠璃とオモイカネだ。

 大規模なシミュレーションを統括するための中枢。

 そのためのオペレーション・ブロックである。

「フジドウさん、準備オッケーです! やっちゃいましょう!」

 百合花は心底楽しそうであった。

「了解した。瑠璃くん、私のプライベートエリアから戦術パターンファイルを呼び出してくれ」

 はい、と瑠璃。

 しばらく沈黙があった。

 その後、フジドウ中佐の顔の正面に、瑠璃のウィンドウが表示された。

『ホントにこれでいいんですか?』

 うむ、とフジドウ中佐。

『――――けっこう意地の悪い人ですね』

「厳格といってもらいたいね。これぐらいの悪条件でなければ、訓練の意味がない」

 フジドウ中佐が提案したのは、全ナデシコクルーを対象にした総合的なシミュレーション訓練の実施だった。

 ナデシコクルーは「寄せ集め」の感がある。

 いや、実際に能力至上主義の寄せ集めなのだ。

 現実の戦闘に際しての能力は未知数といっていい。

 フジドウ中佐が提案したのは、その実力を計るための簡易な戦闘訓練の実施であった。

 しかし、そこはナデシコである。

 いつのまにか「簡易」の部分が消え去り、士官学校の最新式シミュレータすら凌駕する訓練計画が立てられていた。

 つまりナデシコそのものをシミュレータに見立てようというのである。

 計画が立案されてわずか3日。

 ヒマをもてあましたナデシコクルーは恐ろしいほどの団結力を発揮し、ナデシコは今、巨大なシミュレータとなっていた。

「これより訓練を開始する」

 フジドウ中佐は全艦内に向けて言葉を発した。

「戦場は火星。防衛目標は火星全域。彼我戦力比は50:1である。わかりやすく言おう――」

 メインスクリーンに火星の大地と黒い宇宙を背景に展開している大規模な木星蜥蜴の艦隊が映し出された。

「――我々は、第一次火星会戦の只中にいる」









◆◇◆

 第一次火星会戦。

 明人はエステバリス・シミュレータのアサルトピットの中で、呆けたようにその言葉を聞いていた。

 第一次火星会戦は、木星蜥蜴と地球連合軍の最初の会戦である。

 結果は地球連合軍の圧倒的な敗北。

 火星圏防衛を任務としていた連合宇宙軍第一艦隊は壊滅し、火星圏は木星蜥蜴の手に落ちた。

 しかし提督フクベ・ジンは、火星に降下しようとしたチューリップに旗艦リアトリスをぶつけることで一矢を報いる。

 降下軌道をずらされたチューリップはそのまま地上のユートピアコロニーに落下し、コロニーを壊滅させることと引き換えにその機能を停止したのだった。

 つまり明人の故郷がこの世から消え去った戦いであった。

 一瞬、明人は激昂しかかった。

 訓練とはいえ、あんな経験をもう一度したいはずがない。

 記憶の底に封じ込めておきたい経験だったのだ。

 文句を言うためにコミュニケを起動しようとした寸前で、しかし明人は思いとどまっていた。

「経験……か」

 ここしばらくの間、明人は思い悩んでいた。

 もう一人の自分に勝つ、そう決心したものの、それが簡単な道でないのはわかっていた。

 元は同じ自分だったはずだが、どうしても自分と「テンカワ・アキト」の接点を見つけることが出来ない。まったくの別人のようだった。

 結局のところ、「経験」の差なのだろう。

 その差を埋める経験がどのようなものなのか、知識として明人は知っていた。

 火星の後継者。

 北辰。

 遺跡。

 そんな言葉としての知識だ。

 しかし、そんな知識では経験の代わりにはならない。

 もう一人の自分が、そのときにどんな気持ちだったのか想像すらできないのだ。

 こんなことであの男に追いつけるのかという不安がある。

 だから明人は、どんなことであろうと貪欲に吸収するつもりだった。

 このシミュレーションも立派な経験のひとつだろう。

 やってやる、と思う。

『明人!』

 コミュニケのウィンドウが開き、百合花の顔が映し出された。

 満面の笑み。

『リベンジだよ!』

 へ? と間抜けな声を上げていた。

『私たちのユートピアコロニーを滅ぼされた怨み、ここで晴らそう!
 火星は私と明人で守るの! そうだよね?』

 ああそういう意味か、と納得。

 しかしなんというか、もう少しメランコリックな感情は湧かないものなんだろうか。

 仮にも故郷が消滅した戦いの再現だというのに。

 前向きを通り越して、無神経なだけな気がしてくる。

『よーし、やるぞぉ! エイエイオーッ!』

 意味不明の掛け声とともに、百合花は右腕を振り上げていた。

 頭痛がする。

 もう一人の自分、「テンカワ・アキト」はこの百合花を選んで結婚したのだ。

 なに考えてんだ、とあきれるしかない。

 自分は絶対に嫌だった。冗談じゃない。そんなことをしたら、一生破滅だ。

 いや、もしかして「テンカワ・アキト」を成長させた経験って、御統百合花と結婚したことなのかも――――

 アキトはその想像に身震いした。

 恐すぎる。自分はホシノ・ルリがいい。御統百合花はヤダ。

 明人は「テンカワ・アキト」の苦労を思い、同情した。









◆◇◆

「本艦は旗艦リアトリスとしてシミュレートされる。
 武装、性能ともにリアトリス級戦艦に準ずる。
 グラビティ・ブラストもディストーション・フィールドも装備されていないので注意してくれたまえ、艦長」

 フジドウ中佐の言葉に、百合花はうなずく。

 木星蜥蜴艦隊は数の上では第一艦隊の三分の一にも満たなかった。

 しかしすべての艦にディストーション・フィールドが装備され、戦艦クラスにはグラビティ・ブラストもある。

 こちらの攻撃はフィールドに阻まれ、敵の攻撃は一撃で味方の艦を沈めるだろう。

 彼我戦力差50:1とはそういう数字だった。

 会戦後の専門家による分析でも、第一次火星会戦における第一艦隊の勝利はありえなかったという結果が出されている。

 だからこそチューリップひとつを潰しただけのフクベ・ジン提督を英雄として祭り上げることも可能だったのだ。たとえその背後に政治的な理由があったとしてもだ。

「これって、勝利はありえませんよね?」

 ユリカの背後に立っていたアオイ・ジュンが、フジドウ中佐に問い掛けた。

「そうだろうな。
 しかしこの訓練の目的は極限時におけるナデシコクルーの反応を知ることにある。
 勝敗に意味はないと思ってくれたまえ」

「だったら、戦わずに逃げるという選択もありますね」

「それは禁止する。戦いたまえ。敗北を知るのもいい経験だろう」

「負けないもん」

 百合花だった。

 スクリーンに映し出される敵味方の艦の光点を目で追っている。

「あの逆三角形のシンボルがチューリップですね?」

 百合花の指差す黄色いシンボルが戦術スクリーン上に3。

 敵艦隊はそれを守るように、第一艦隊との間に立ちふさがって展開している。

 チューリップが木星蜥蜴艦隊の補給線なのだ。当然の布陣だった。

「そうだ。チューリップを集中して潰すかね?
 しかし、それも無意味だろう。艦をぶつけて潰したとしても一つか二つ。
 その頃には第一艦隊が壊滅している。
 名将フクベ提督をもってして一つ潰すのが精一杯だったのだからな。
 仮にすべて潰せたとしても、残った敵艦隊をどうするつもりかね?
 あれだけの数でも火星圏を制圧するには十分だろう」

「わかってます。まあ、とにかくやってみましょう! はじめてください」

 楽しんでいるかのような、生き生きとした声だった。

「それでは開始しよう。瑠璃くん、シミュレート開始だ」

 オペレーション・ブロックから瑠璃の返事がかえった。

「はじめます。
 環境シミュレーション、ドライブ。重力制御接続。
 オモイカネによる全戦艦のメタ思考制御開始。
 ――――シミュレート、ドライビング」

 戦術スクリーン上の光点がわずかずつ動き始めた。

 木星蜥蜴艦隊は平面状に広い範囲をカバーするように艦隊を展開していく。

 それが三層に重なるように深い防衛陣を敷いた。

 後衛の艦は戦闘に参加できないが、前面の戦艦に搭載されたグラビティ・ブラストだけでも、こちらの火力を上回るだろう。

 面で押し込まれれば、こちらは下がる以外にない。それほど火力、防御力共に差があるのだ。

「ジュンくん、機動力のある艦を九隻別行動させるから、適当にみつくろって。
 乗員は最低限の人員を残して脱出。
 その九隻は全エネルギーをカットして、この宙域に潜伏させます。
 行動プランを転送するから、それに従って行動するように手配して」

 百合花の右手が素早く艦長席のコンソールの上を走った。

 別働部隊の行動プランを立案しているのだろう。

 そのあいだにも様々な指示が出されていった。

 それはジュン一人で補佐しきれる分量ではない。

 瑠璃の代理としてオペレータ席に座っていたラピスにまで、その補佐が任されていた。

 ユーチャリスを操り幾度もの戦闘を潜り抜けてきたラピスだ。

 こんなことは手馴れたものだろうと思えるのだがそうでもないようだった。

 アキトと二人だけで戦いつづけ、しかも二人の間には精神リンクという強力な意思疎通の手段があったのだ。

 ほとんどの作戦は精神リンクとオモイカネ・ダッシュのサポートだけで用が足りた。

 このような綿密な行動プランの元で大艦隊を運用するのは初めての経験だったのである。

「ラピちゃん。このプランでの航行ルートの算出お願い」

「……あい」

「ラピスちゃん! 別同部隊の艦制御AIに行動プランの伝達をしておいてくれ」

「……はう……ラジャ」

「火星大気圏突入時の離脱限界点を……」

「……うう……うん」

「チューリップの重心バランスの予測とメインエンジン噴射タイミングの同調プログラムを……」

「……あう」

「ラピちゃん!」

「……あう〜……ぐすん……」

「ラピスちゃん」

「……えぐうぐ……あきとぉ〜!」

 半泣きのラピスが目を回して倒れる寸前になって、ようやく百合花が一息ついた。

「――よっし。これでなんとか動けるね。細かいところは皆さん即興でよろしく!
 それじゃいきます!」

 百合花、Vサイン。それが戦闘開始の合図だった。

 百合花の指揮する第一艦隊がじわりと活動をはじめた。

 木星蜥蜴艦隊を遠巻きに眺めるように一定の距離を保って薄皮のように広がっていく。

 ある程度広がりきったところで、その膨張は止まった。

 敵艦隊を取り囲む陣形ではない。ただ均等に広がっただけだった。

 攻撃にも防御にも不利としか思えない隊形のまま第一艦隊は火星へと移動していく。

 敵艦隊との距離はグラビティ・ブラストの射程ぎりぎりのラインを維持していた。

 敵艦隊は防御の深い隊形のまま第一艦隊に向けて進軍してくる。

 第三者の視点でそれを見下ろせば、平面状に広がった一方の艦隊が、同様に、しかしもう一方よりさらに薄く広く展開した艦隊を火星に向けて押し込んでいくように見えるだろう。

 現実にそのような布陣であった。

 木星蜥蜴艦隊は背後にチューリップを背負っている。チューリップは彼らの補給線である。戦況が不利になれば、チューリップからの援軍も期待できるであろう。

 一方、百合花の第一艦隊は火星を背にしていた。

 しかし火星からの援軍はありえない。火星圏防衛は第一艦隊だけですべてであった。

 もともと地球連合は、地球外からの攻撃など考慮していなかった。

 第一艦隊の任務は体面上「地球外勢力からの火星圏の防衛」ではあったが、その実態は月・火星独立派への示威行為にあったのだ。

 それだけが理由なのだから、火星に第一艦隊が常駐していたことすら過剰な軍備といえた。

 だから第一艦隊に後はないのだ。

 さらに火星を背にしたことで文字通り背水の陣となっていた。火星の重力場を背にすることは、第一艦隊にとってはあらゆる面で不利な選択と言えるからだ。

 木星蜥蜴艦隊が装備するディストーション・フィールドには光学系兵器が通用しない。唯一通用するのはミサイルのような実弾系兵器だけである。それもディストーション・フィールドを突き破るだけの十分な速度を維持している場合に限られるのだ。

 弓矢を高所と低所で射合うのならば、高所から射るほうが有利に決まっている。

 火星を背にするのは圧倒的に不利な選択だった。

 さらに火星の重力場につかまることで、機動力の大半を奪われることになる。

 沼地に足を取られながら、高地に陣取る敵と弓で射合う――――

 百合花の立てた作戦は、一見すればそのような愚かしいともいえるようなものだった。

 敵味方の艦隊の間で、散発的にグラビティ・ブラストとレーザー砲の光が交差するようになった。

 第一艦隊は火星に接近できるぎりぎりまで押し込まれていた。もう後退は出来ない。第一艦隊は完全に追い込まれていた。

 数十分の後、木星蜥蜴艦隊は第一艦隊を完全にグラビティ・ブラストの射程内に捉えていた。

 圧倒的な破壊の劫火が黒い奔流となって第一艦隊に襲いかかる。

 それを押し返す力は第一艦隊にはなかった。

 面白いように艦が轟沈していく。第一艦隊の敷いた、薄く広い陣形の中央にぽっかりと穴があいた。しかしすぐに別の艦がその穴に補充される。

 あまりにも薄い防御陣だった。反撃も散発的なもので、木星蜥蜴艦隊にはまったくと言っていいほど損害を与えていない。

 それは戦闘の体裁をなしていなかった。

 一方的な破壊だ。

 しかし、それならば密集隊形をとればいいというものでもないだろう。密集していれば一発のグラビティ・ブラストによる被害はさらに大きなものになる。

 また密集隊形から敵の艦へ集中的な攻撃を加えれば、数隻は戦闘不能にすることは出来たかもしれない。

 しかし、それがどうしたというのだ。たったそれだけの被害を与える頃には、第一艦隊は致命的な打撃を受けていることだろう。フクベ提督が率いた現実の第一次火星会戦では、まさにそのような結果になったのだから。

 そのような観点で見れば、百合花が選択した薄く広い陣形は最善の防御陣形といえるかもしれない。だが、その一方で、それは勝利することを放棄した陣形でもあった。

 そのとき戦場に新たな動きが起こった。

 木星蜥蜴艦隊のはるか後方。そこは第一艦隊が最初に布陣していた宙域である。

 別同部隊として潜伏していた九隻の巡洋艦が活動を開始したのだ。

 核融合炉が息を吹き返し、艦体にエネルギーがみなぎっていく。

 野に放たれた駿馬のように、九隻の巡洋艦は身を奮わせた。

「そろそろ、動き始めたかな」

 一方、本隊のナデシコブリッジ――シュミレーション上では旗艦リアトリスのブリッジ――で百合花は楽しそうに笑っていた。

「そうだね。敵艦隊は十分にひきつけたみたいだし。
 どうする? そろそろDフォーメーションに移ったほうがいいんじゃないかな」

 ジュンが瞳を輝かせながら百合花に問いかける。

 士官学校時代から、百合花の立案する作戦はジュンの常識を軽々と越え、新鮮な衝撃をジュンに与えつづけていた。

 今度はどうなるんだろうという期待が、その瞳に満ちているようだった。

「DフォーメーションのDはドーナッツのDっと。
 ――――それじゃ、次の攻撃を待って、ドーナッツになります!」

 その直後だった。

「……敵艦隊、第五波……来るよ」

 ラピスがそう告げた。

 激しい衝撃がナデシコ艦橋を揺らした。スクリーンの中を黒い輝きが走り抜けていく。グラビティ・ブラストがナデシコを掠めたのだ。重力制御による迫真の被害状況の再現。あまりの迫力にブリッジクルーの口から悲鳴が漏れていた。

「各艦に伝達、隊形をDフォーメーションに!
 ラピスちゃん、ナデシコ……じゃなくてリアトリスの被害報告を」

 ジュンが指示を飛ばしていく。

「……あう……たいしたことない」

 極限まで整理されてしまった被害報告がラピスから返された。

 今ごろは整備班や医療班が大忙しだろう。それもシュミレーションの一部だ。

「それじゃ、反撃開始ぃ!」

 百合花が楽しそうに宣言した。

 それに呼応したかのように、九隻の巡洋艦が動いた。

 木星蜥蜴艦隊の背後から、真っ直ぐにチューリップに向かって加速していく。

 木星蜥蜴艦隊は第一艦隊の本隊に戦力を集中していた。

 そのため背後から見ればチューリップは剥き出しに近い格好であった。

 木星蜥蜴艦隊が背後の伏兵に気づいたときには、すでにチューリップが邪魔になり攻撃を集中できないコースに九隻の巡洋艦は乗っていた。

 すべて百合花が計画した作戦のとおりだった。

 九隻の巡洋艦は三隻ずつのグループに分かれ、それぞれ一つのチューリップに向けて特攻していく。

 そのまま衝突するかに思えた。

 しかしその寸前で減速。艦首に慣性制御のフィールドを展開し衝撃を打ち消した。

 すべてのチューリップに三隻ずつ、巡洋艦が取りついた格好である。

 これが百合花の作戦の要であった。

 仮に三隻の巡洋艦がチューリップに特攻したとしても、破壊することは不可能だったろう。チューリップはそれほどまでに固い。地球に降下したチューリップのほとんどが破壊することができずに放棄されているほどなのだ。相転移炉を搭載したナデシコのグラビティ・ブラストが地球の有する唯一の対抗手段だった。連合軍がナデシコを手に入れようとする理由はそこにある。

 特攻しても破壊できないならばどうするか。その答えはフクベ提督が教えてくれていた。

 チューリップに取りついた巡洋艦が一斉にメインエンジンの炎を吐き出した。

 それぞれに三隻ずつ。

 巡洋艦は単発のエンジンであったから、チューリップに三発の推力源が生まれたのだ。完璧に計算されたタイミングで、チューリップを火星に向けて押し始めた。

 それは密集隊形を敷いていた木星蜥蜴艦隊に背後から突っ込んでいった。

 衝突を避け、木星蜥蜴艦隊の隊列が乱れる。

 そのタイミングで、第一艦隊の本隊が動いた。

 薄く広がった陣形は、中央部に敵の攻撃を受け穴があいていた。

 それまでは穴があいては補充することを繰り返していたが、それをやめた。逆に外縁部に向けて艦隊が集結していく。

 それは輪の形の陣形だった。Dフォーメション。百合花がドーナッツと呼んだ形だ。

 その隊形を維持したまま、一気に火星の重力を振り切っていく。

 それによってドーナッツの中に木星蜥蜴艦隊を取り込んでいた。グラビティ・ブラストは艦首方向にしか撃てない。お互いに船腹を向けた状態では、副砲とミサイルだけが頼りだった。

 第一艦隊がそれまでの鬱憤を晴らすようにドーナッツの中心に向けて一斉にミサイルを撃ちこむ。

 それは恐ろしいほどの密度だった。

 圧倒的な負荷に、いくつかの弾体が敵ディストーション・フィールドを突き破ることに成功していた。

 爆発。火星を背景に、初めて木星蜥蜴の艦が炎に包まれる。

「壮観ですなぁ」

 その様子をメインスクリーンで眺めていたプロスペクターが感極まったように言葉を洩らした。

 その横で、同じようにフジドウ中佐が呆然と呟いていた。

「――信じられん。あんな小娘が、フクベ・ジン提督を凌ぐのか」

 しかしフジドウ中佐のその感嘆は、まだ早計であった。

 百合花の計略はこれからだったからだ。

 業炎に包まれる木星蜥蜴艦隊の中央に、追い討ちをかけるように、加速された三つのチューリップが突っ込んだ。

 一隻の戦艦がそれともろに衝突。チューリップの驚異的な質量は破壊の槌となってディストーション・フィールドごと戦艦をひき千切った。

 一隻の巡洋艦がその爆発に巻き込まれたが、残りの巡洋艦が推力重心を狂わせながらもチューリップを火星へと押し込んでいく。

 三つのチューリップが加速しながら火星の大気圏に突入した。

 その速度で地表に衝突すれば、いかなチューリップといえど破壊されることは免れないだろう。これがフクベ提督が身をもって教えてくれた、チューリップを破壊するための唯一の方法だった。

 そして、その方法は、ディストーション・フィールドを持つ、木星蜥蜴の艦にも言えることなのだ。

とっかぁーん・・・・・・!!」

 百合花が右手を振り上げて勢いよく叫んでいた。

 突貫。

 突っ込め!

 乗員の避難を済ませた艦が、二から三隻ずつペアになって、敵戦艦に特攻を仕掛けた。

 このときには、木星蜥蜴の艦隊はすでに火星重力圏のかなり深いところにまで誘導されてしまっていた。

 第一艦隊をおとりに誘い出し、百合花流ドーナッツで取り囲んだ上で、直上からチューリップの一撃。

 チューリップを避けるためには、火星方向に退避する以外になかった。

 すでに火星の大気圏は目前。あと一押しで、火星に落ちる。

 百合花は容赦なくその一押しを加えていった。

「ジュンくん、目標は戦艦クラスだけに絞って。
 レーザー駆逐艦クラスは無視! グラビティ・ブラストさえ潰しちゃえばいいんだよ。
 そうすれば火星の人たちが脱出する時間を稼ぐことはできるんだから!」

 百合花が確認の指示を出している間にも、戦術スクリーンから敵戦艦の光点が消えていく。

 百合花は相転移エンジンの唯一の弱点をも利用していた。

 大気圏に入ってしまえば、相転移エンジンの出力が極端に低下するために、一時的に反撃が出来なくなる。その間に特攻艦で加速しつづけ、もろともに火星の大地に叩きつけるのだ。

 木星蜥蜴はこの時になってようやく、百合花の計略にはめられたことを悟ったようだった。

 無人機動兵器が次々と吐き出されていた。

「こっちも機動兵器で応戦します。――――あ・き・と♪ 出っ番だよっ」

 明人はシミュレータのアサルトピットでその声を聞いた。

 陽気な声。

「よっし! あいつばっかり活躍されちゃたまんないもんな。頑張るとするか!」

 IFSの文様が光り輝く。

 シミュレータ起動。エステバリスではなく、第一次火星会戦時に主力兵器だったデルフィニウムのフォーマットに変更されている。

 ――ちょっと鈍いかな

 イメージとマシン−マン・フィードバックのタイムラグを明人は感じていた。

「ま、出てみりゃわかるさ――――」

 百合花が現実の第一次火星会戦で指揮をとっていれば、火星の故郷は滅びることはなかったのだろうか。

 頭の上に落下してくるチューリップの代わりに、流れ星のように燃え落ちていく木星蜥蜴艦隊を、家の窓から眺めていることが出来たのだろうか。

 無益な想像と思いながらも、その可能性を考えずにはいられない。

 しかしそういった経験を乗り越えてきたからこそ、明人はここにいる。

 過去を変えるよりは未来を変えていきたいと明人は考えるようになっていた。

「とにかく、いまは強くなるんだ!」

 強烈な加速感と共に、明人の操るデルフィニウムは、火星の見える宇宙へと飛び出していった。









◆◇◆

 定期報告 10−19−2196−002――――

 フジドウ中佐は軍上層部への報告書類を作成していた。

 端末の前に巨体を丸めている姿は、しょぼくれている熊を連想させる。

 フジドウ中佐はその姿を他人に見られることを何より嫌った。

 だから室内には彼以外に誰もいない。

 暗く狭い部屋の中に、キーを叩く音が陰気に響き渡っていた。

 彼がいま纏めているのは、シミュレーション訓練の結果についてのものである。

 ――表向きは、そうだ。

 実際には、それとは微妙に異なる意味がある。

 本文に添付された画像資料の中に、可変長キーで暗号化された本当の報告が埋め込まれているのだった。

「――資料に示すように、天河明人の戦闘技能レベルは非常に高い。
 作戦時における早期での無力化が望まれる。後述のプランを検討いただきたい――」

「――星野瑠璃、ラピス・ラズリ両名のマシンチャイルドの重要性は以前に報告したとおりである。
 身柄の保護を最優先として行動するように徹底願う――」

「――御統百合花の能力に関して、大幅な修正の必要性ありと判断する。
 今回の作戦において、最大の障害となる危険性を秘めていると思われる。
 可能であれば排除の許可をいただきたい――」

 神経質にすら感じるこまごまとした報告と指示が書き綴られていく。

 長い時間が経過した後、フジドウ中佐はようやく丸めていた背を伸ばした。

「まったく、面倒なことだ」

 自分で作り上げた報告書を読み返しながら呟いた。

「体面を取り繕うことばかり考えるからこうなる。
 真にやるべきことを理解していれば、世界はもっとシンプルだろうにな」

 内容に納得したようにうなずくと、「送信」を選択。

 オモイカネによる送信内容の検閲を潜りぬけたことを確認し、端末の電源を落とした。

「俺はシンプルにいくさ。誰がなんと言おうとも」

 そう呟くフジドウ中佐の表情は、能面のように感情の欠落したものだった。









あとがき

フラグ立てばっかりで、話が進まないよぉ、シクシク。

今回は「天才ユリカ」な話だったわけですが、やっぱ無理ありまくりですよね。
火星に落っことす以外に、第一次火星会戦で勝利する方法を思いつかなかったんです。あとはフォボスかダイモスあたりに核を撃ちこんで「火星よ、私は帰ってきたっ!」とか叫んで、勝った気になるとか(笑
ということで、ユリカが使った戦術は「天才的ひらめき」です。そう思って読んで下さい。笑っちゃいけません。
核融合炉を積んでるはずの艦を落っことしまくって、「私たちが火星を守る」もないもんだけど。
……誰かノーミソわけて……。


ではでは〜
 

 

 

代理人の個人的な感想

無茶でも何でも納得力さえあれば勝ちです。

やったもん勝ち、言ったもん勝ち、押し切ったもん勝ちです。

なのでOKです。←偉そう

 

所でフジドウ中佐って敵にしたらどう考えてもムネタケより怖そうなんですが(笑)。

ネルガルの裏工作もいまいち功を奏さなかったようで。

 

 

>いや、もしかして「テンカワ・アキト」を成長させた経験って、御統百合花と結婚したことなのかも〜

大爆笑。

まぁ、初期のユリカってどこに好感持っていいのかわからないほどの壊滅的なキャラですからねぇ。

まして比較対象がある状態においてをや(笑)。