ドガ―ン・・・ガラガラガラッ
「なんだ!?何が起こったんだ!!」
突然の激しい揺れと音に胸騒ぎを覚えるアキト。
「確かあっちには体育館があった筈・・・
行ってみるか・・・」
『ナデ学(真)』
〜嗚呼、文化系!!〜
【class2−C】出会い X 激突 X ヅカ?(後編)
体育館裏にアキト登場。
「こ、これは・・・・・」
「あら、アキト君。
どうしたのこんなところで・・・・」
「エリナさん、何があったんですか!?
体育館が半壊しちゃってるじゃないですか!!」
「いや〜、あの2人ったら最近ますます人間離れしちゃってるみたいなのよ。」
「あの2人って・・・・・」
「あれよ・・・もうそろそろ勝負がつくところよ。」
そこにはボロボロの北斗とそれを睨むアイちゃんの姿があった。
「あっ、あいつは!?」
ボロボロの北斗の姿を視界に捕らえた瞬間走り出すアキト。
「ちょ、ちょっと!?
今行ったら危ないわよ!!」
「・・・・・覚悟はいいかしら?」
「くっ・・・好きにしろ・・・」
「普段もそのぐらい素直だと可愛いんだけどねぇ・・・
ま、とにかく6勝目はいただくわよ・・」
「待ってください!!」
満を持してアキト登場。
「これ以上は必要ないでしょう!!」
「どきなさい・・・
これは私と北斗の勝負、あなたが入る余地はないわ。」
「だからってこのまま黙って見ていることはできません!!」
既に気力だけで立っていると言っても過言ではない北斗に手を貸そうとするアキト。
「大丈夫か?」
「バカにするな・・・
何しに来た?
またご飯のためとか言って今度は自分の命を無駄にする気か?」
「違うさ・・・ありがとうをまだ言ってないんだ。」
「・・・?」
「昨日のお礼・・・まだだったろ?」
「・・・・・貴様という奴は・・・つくづく面白い奴だ・・・・」
そう言ってアキトに微笑むといきなり突き飛ばす。
「な、何をするんだ!?」
「黙ってそこで見ていろ!!」
最後の力を振り絞って真直ぐに立ち胸を張る。
「今日はオレの負けだ・・・止めをさすがいい!」
「あなた・・・彼をかばう気?」
「関係ない!!」
「・・・ふ、ふふっ・・・あはははははっ・・・・あなた面白いわ!
どういう気か知らないけど男嫌いのあなたが男をかばうなんて・・・
あなた彼が誰だか知ってて言ってるの?」
「どういう事だ!」
「どうもこうもないわ・・・彼の名前はテン『アキト君!大丈夫!!』」
ご都合的なタイミングでエリナ登場。
「なにっ!?今何て言った!!」
「は?なに?決着ついてなかったの?
だから危ないって言ったじゃないのアキト君!」
「・・・・それじゃあ・・・こいつがテンカワ・アキトだっていうのか?」
「あれ、何でオレの名前知ってるの?
そうだよ、オレはテンカワ・アキト。
昨日はうっかり名乗るの忘れちゃって・・・」
「・・・・・・・・・・・」
あまりのショックに呆然とし膝をつく北斗。
「なんかしらけちゃったわ・・・
今回はノーゲームね。」
「何言ってるのよアイちゃん!
早くアキトを助けなくちゃ!!」
「その必要はないわ・・・」
先程から膝をついたまま動かない北斗に近づくアキト。
「立てるか?」
「うるさい!!」
差し出された手をはたき落とす北斗。
しかし、叩く手は驚くほど弱々しかった。
「・・・そっか・・・・」
「な、何をする気だ!?」
秋とはおもむろに北斗を抱き上げる。
いわゆるお姫様抱っこという奴だ。
「は、離せ!!」
北斗の顔は見る間に赤くなっていく。
「ダメだよ、1人で歩けないほど弱ってるじゃないか?
まあ、昨日のお返しだと思って。」
笑顔でそう言うアキト。
・・・・・ボンッ・・・
今の北斗の顔を一言で表すとしたら”ゆでだこ”といった感じだろう。
「・・・・・・・・・」
ピクリとも動かない。
おそらく思考がフリーズしてしまったのだろう。
「小柄だと思ってたけど・・・体重もすっごく軽いなぁ・・・・・
まるで女の子を抱っこしてるみたいだ・・・」
「アキト君・・・それ本気で言ってるの?」
「は?どういう事ですかエリナさん?」
「つまり北斗はヅカキャラだって事よ!」
「ヅカ・・・キャラ・・・・?」
「説明しましょう!!」
アイちゃんが待ってましたとばかりに会話に参加する。
「ヅカキャラ・・・ヅカとはズバリ宝塚!
・・・・要するに北斗は”女の子”だって事よ!!」
「えぇ〜!?」
心の底からビックリといった感じである。
「・・・だってオレと同じ制服・・・・・」
「だから宝塚なんじゃない?
まあ、ここに来たばかりのアキト君が知らないのも無理ないわねぇ。
ちなみに枝織ちゃんのお姉さんよ。」
「ついでにエリナと5年間同じクラス。
小学校も含めて10年ちょいの腐れ縁ってことになるかしら?」
「止めてよ!
まったく・・・よくもこれだけつきまとってくれたもんだわ!」
「こんな感じでいつも喧嘩ばかりしていたらしいわよ。」
「だからって・・・ここまでしなくても・・・・・」
「あら・・・この子アキト君を狙ってきたのよ。
いきなり呼び出してくるからアイちゃんにこっそり付いて来てもらったってわけ。」
「まあ、今回は新作のいい実験になったからいいわ・・・
私は疲れたから先に帰るわよ。」
「ああ、ありがとうアイちゃん。
またよろしくね!」
アイちゃんは白衣の埃を払いながら去っていく。
「これ・・・どうしたらいいんだろう?」
抱えた北斗を見る。
「それなら心配ないわよ。」
「は?どういう事だ?」
「こういう事よ・・・」
フゥー
不意打ちで北斗の耳に息を吹きかける。
「うわっ!?」
ドスンッ
ビックリして身をよじったためにアキトの腕から転げ落ちてしまう。
「ご、ごめん!大丈夫?」
「あたた・・・何をする、エリナ!!」
「ふんっ、狸寝入りをしてたあなたが悪いんじゃない!
私がそのぐらい気付かないとでも思ってたの?
伊達に幼馴染してないわよ!!」
「人聞きの悪いことを言うな!
今回はさすがに疲れて動けなかっただけだ!!」
「どうだか?
気持ちよくて寝た振りしてただけなんじゃない?
校内ランキングで”女の子が抱かれてみたい人第1位”の北斗君ともあろう者が・・・
ファンの子達が悲しむわよ?」
「う、うるさい!!」
「あら、顔が赤いわよ。
もしかして図星だったかしら?」
「・・・言わせておけば!!」
2人の口喧嘩が始まり1人取り残されるアキト。
「・・・貴様なんか昔・・・・・」
「昔の事出してくるなんて反則よ!!」
「・・さらに・・・・・」
「・・・・あんたなんか・・・・・
・・・しかも・・・・・・」
アキトは2人の果てしなく続く口論を眺めながら一言・・・
「2人ともすごい仲良しなんだね!」
「「どこがだっ!!」」
ピッタリと息の合う2人。
「・・・いや〜、仲良しってほんっとにいいもんですね。
ではまた次回も御一緒に楽しみましょう。」(水野晴郎口調で)
「「勝手にしめるなっ!!」」
【あとがき】
どもです。
・・・・・まずい!?”総研”メンバー半分も出てこない(汗)!!
しまった〜、しかも1人はちょっとした会話のみ(汗汗)。
アイちゃんに力入れすぎた?
だって・・・よくないですか、着ぐるみ?
もう何でもありですよ!
彼女ならエステの1匹や2匹軽くひねってくれること間違いなしでしょう!!
しかもまだ試作品ながら超弩級着ぐるみが・・・
いつか外伝でアイちゃんの一日とかってやりたいですね。
お風呂も着ぐるみのまま入ってたりなんかして(笑)。
そんなわけで・・・
ではでは。
PS.あれって水野晴郎さんでしたっけ?
「晴郎ほど大仏の化身はいねー。」 ファー〇ー談
by. Chobi
管理人の感想
Chobiさんからの投稿です!!
なんか、無敵モードだなアイちゃん(笑)
実は主人公はこのアイちゃんじゃないかと、思えて仕方がないっす。
というか、未だ素顔での出番なしだし(苦笑)
・・・もしかして、ブレイク・エイジの会長ですか? Chobiさん?
では、投稿有り難う御座いました!!