機動戦艦スペース・ヴァグラント
第二話『どこか壊れた男達』
「本部っ本部!!」
「ダメなんじゃない。」
軍人に、完全に諦めモードの入っているおっさんが話し掛ける。
「地上がだよ、地下がコレじゃあ地上は全滅だよ。」
そう言うとおっさんは、酒だか水だか知らないが水筒の中身を一口だけ飲む。
「はいっ。」
そんな中一人の少年が、幼女をナンパしていた!!
「うわ〜、有難うお兄ちゃん!!」
「すいません。」
ナンパされている幼女の母親が少年を逆ナンパした!?(オイ)
「いえ、さっき強奪した物ですから。」
よく見ると、トラクターの上に血まみれの人が。
「有難うお兄ちゃん。デートしよう!」
「ホテル付き?」
「「えっ?」」
幼女は、訳がわからないと言った顔で。
逆ナン母は引きつった顔であった。
「アタシね、アイって言うの。」
少年がナンパをしている時で有った。
ガラガラと、壁が崩れ爆発が起きたのだ。
「危ない!!」
少年は、アイと母親を押し倒し庇った……様に見えるが。
実は、思いっきり母親の胸を鷲掴みしていたのだ!!
それだけじゃない!!
感触を確かめるためにモミまくっている!!
外道!!まさに外道!!
だが恐れるにはまだ早い!!
何しろ爆風から守るために、自分の下に入れたアイちゃんのファーストキスまで奪っている!!
何たることだ!!
そして、コイツは爆風から守るために押し倒したのではない!!
親子丼を楽しもうと押し倒したのだ!!
外道だ!!外道すぎるぞ少年!!
余談だが、この時木星のトカゲ人間が反応したとかしなかったとか。
そして、壁から現れたバッタから避難住民達が逃げる逃げる!
それでも少年は揉み解していた!
何考えてんだこいつは!?
「ただ今、手動でドアを開けています落ち着いてください!!」
この時、何もかも諦めていたおっさんが人一倍頑張ってドアをあけていた。
どうやら、まだ命までは諦めていないらしい!
「ふ〜、さてと。」
「はぁはぁはぁはぁ…。」
「ぽ〜…。」
やたらすっきりした顔の少年と、何故か服が乱れ、呼吸や脈も乱れている母親、
そして何故か顔を赤らめポ〜としているアイちゃんがようやく立ち上がった。
何してたよこの短時間でさ、オイ。
「僕がアイツを押さえます!どこか安全なところで待っててください!!続きはまた後で!!」
「はっ、はい!」
トラクターに乗ってバッタに突撃する少年と、服を調える母親……。
それと、続きって何だ!?
「お兄ちゃ――――――ん!」
「でゃぁああああああああああああああああああ!!」
叫ぶ、少年!!
「アタシも後で続きしてね〜〜〜〜!」
「分かったよアイちゃん〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
もういい、ほっとこ………けっ。
物凄い金属音を上げながら少年がバッタを轢く!
コレでもかって位轢く!!
そして、壁と挟んで動きをとめる!
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
それでも飽きたらず、今度は押しつぶそうとするではないか!
「こん畜生!!俺の楽しみの邪魔しくさってからに!!」
私怨で、ここまでやられるバッタて…。
そうこうしている内に、バッタの目のレンズが火花を上げて破裂する。
「お兄ちゃん凄い凄い!!」
「あとで、もっと凄い事してあげるから待っててね〜〜〜!」
「よ〜し、開くぞ〜!」
ようやく扉が開いた!
しかし、その扉の中には大量のバッタが!!
そして……。
チュドー―――――――――――――――――ッ!
全滅した。
今思うと、皆が死んだのはこのジジイが扉を開けたのが悪いんじゃ?
「っ、なんだ?」
少年が振り返ると、そこには火と瓦礫とバッタ。
「畜生!!俺の使い捨て生体○○○ワイフがぁぁああああああ!!」
この瞬間、少年は青い光に包まれた。
この時少年は昔『俺のペットにしてやる』と言ってやった少女の事を思い出していた。
外道が…死ね!死んでしまえお前など!!
ズタボロの戦艦や、機動兵器のスライドが流れる会議場にムッツリとした男がいた。
「第一次火星会戦敗退から一年あまり、既に火星と月は完全に敵の制圧下、
地球も時間の問題ですね。」
「質問があります。」
ムッツリ野郎が口を開いた。
「何だねゴート君。」
この中で一番発言力の有りそうな油親父が喋る。
「要するに…私に何をしろと?」
今度はスダレだ!
「スキャパレリプロジェクト、聞いたことが有るね?」
「はっ。」
「我々の中でも従軍経験のある君を推薦する者が多くてね。」
「私を? それは、軍事計画なのですか?」
「まあ、それはともかく……。」
最後はちょび髭赤ベスト事プロスペクター…。
「今度の職場は女子が多いよ〜。」
コイツも好き者か!!
「はぁ〜?」
「で、ボーナスもでる。」
何処からとも無く……マジで今空気の中から電卓を取り出したぞ!
それに、指と腕が見えん!!
「ひーふーみーで、コレくらい。」
と電卓を見せ付けるっうか、押し付ける!!
コレでは文字が見えない、それで無理矢理契約をさせるとは何て凄い奴だ!!
「一つ聞いて良いですか?」
「はい?」
「男の子も居ますか?」
「まっ、それはともかくとして。」
いいのか!?
「先ずは人材が必要だねぇ。」
「あの、粒入りのお汁粉か?」
「それは、ぜんざいです、ハイ。私が言っているのは人材。
それも最高の…多少性格に問題があっても構いません。」
「ふへへへ…ふへへへへ…。」
いかにも怪しい男が、ロボットを改造している。
「ねえ、あんた、見つかったら不味い…。」
「ウルセエな、こうすりゃリリーちゃんは最強なんだよ!」
今思った。
なんで、こんな男にこんな美人の奥さんが!?
結構このみだったりするぞ!
「はい、ごめんください〜。」
無断で、シャッターを開けて入ってくるゴートと、ちょび髭赤ベスト事プロスペクター。
「あああ、コレは違うんですコレはあーとその!」
『こんにちは!私リリー。』
行き成り立ち上がりミサイルの発射準備を始めたリリーちゃん!
それをみて真っ先に逃げ出す、怪しい男…ウリバタケ=セイヤ!
案の定店大爆発で、皆さんアフロに……。
「俺をメカニックに?」
鼻水垂らしながら喋るなよ。
「違法改造屋だが良い腕だ。」
「ぜひとも家のメカニックに。」
「う〜ん、だがアイツらがなんと言うか……。」
と、奥さんと子供を指差すウリバタケ。
「でしたら…ほいと。どうぞ奥さん。」
「……アンタ逝って来なさい!!つうか帰ってこなくてもよし!」
「なっ!」
哀れウリバタケ…奥さんが貰ったものは白紙の小切手だった!
「本気なのかい?ホントに所長秘書って嫌なの?」
「ていうか、テメーのセクハラがウゼエンだよこのクサレボンボン!!」
バキィィー―――――――――ッ!
パンチと共に退職願いを渡すミナト。
「メグミちゃん、お客さん。ネルガルの人。」
(時間の都合所カット)
そして、金塊で売られていく子牛…じゃなかった、ホシノ=ルリ。
「さてと、最後はここですか。」
「ミスター…こんな所に誰がいるんだ?」
こんなところ…戦争によりボロボロに成り、烏の溜まり場と成った廃ビルである。
「いえ、何でも火星でエースパイロットだった人を見かけたと言う情報がありましてはい。」
「確認もしていないのか?」
「はぁ、なにぶん気難しい方ですし。
今まで彼の行方を捜そうとしたSSが何人消息を経ったか分かりませんしねえ。」
「むぅ…。」
「まあ、入ってみれば分かりますよ。」
とっ、一歩足を踏み入れた瞬間!!
ひゅっ!
「えっ?のわ〜〜〜〜〜〜〜〜!?」
プロスが足に紐が付けられ一本釣りされた。
カツンコツンと、足音を立てて置くから誰かがやってくる。
「たく、今度は何処のどいつだ?凶悪星人かぁ?」
左目の傷、やたらと暑苦しい気配を持つこの濃い顔…。
「お久しぶりです、ヤマダさん。」
「ガヴァメント!!って、プロスぺクターじゃねえか! まさか、試作のエステを壊した分の損害賠償はらえってか?」
「いえいえ、それは後ほど…………。」
そう、この廃ビルの主は火星会戦敗戦より姿を消していた『ヤマダ=ジロウ』事、 『キャプテン=ガヴァメント』であった。
「じゃあ、何の用だ?」
「いえいえ、新しく作った戦艦のですねぇ…………。」
この後、プロスの説得によりナデシコにのる事を承諾したガヴァメントだが……。
この説得ははたから見ていると滑稽である……なにしろプロスが逆さ吊りのままなのだ!!
痕蛾鬼
…………はははは、外道つうか変態アキト登場?
いやなんか気が付いたらこんな事に……電波でも降って来たか?
代理人の感想
・・・・・昔なつかしクリさんの作品を思い出すなぁ、これ(笑)。
あっちはもっとおバカな作品でしたが、こちらにも是非あの域まで到達して欲しいものです(爆)