劇場版機動戦艦ナデシコ

〜The Gai of darkness〜


イネスの墓の前

「あの時、行方不明や事故死した人達は火星の後継者達につかまってたんですね。
  この5年あまり、アキトさんに何が有ったか知りません…」

「知らない方が言い…」
 彼はルリの問いをそっけなく返した

「私も知りたくありません、でもどうして生きているって教えてくれなかったですか?」
 それでも俯きながら本当に聞きたかった事を聞くルリ
 其れでも彼は淡々と答える

「教える必要が無かったからだ…」

 パシンッ

「謝りなさい!ルリルリはアキト君のことをホントは…」
 彼のあまりの対応に怒りをあらわにしビンタするミナト

 チャキッ

 彼は無言のままサーベル型の拳銃を構える

「ちょっ…」
 行き成り戦闘態勢に入った彼に驚くミナト

 チャリ〜ン
「迂闊なり、ダイゴウジ=ガイ…テンカワ=アキトの居場所を教えてもらおうか……」
 行き成り現れる爬虫類顔の男………

 ダガーン!ダガーン!ダガーン!
 ガイが男に向かって発砲する!

 チュイン、チュイン、チュイン
 しかし、男は全ての弾丸を弾き返す!

「重ねて言う……テンカワ=アキトは何所だ…」

    

    

    

「手足の一本は構わん……滅!!」

 チャキッ
 六人の男達が一斉に武器を構える

    

    

「お前達は関係無い…逃げな……」

  

「こう言う場合逃げられません………」

「そうよね…」
 2人に逃げるよう諭すが二人とも飄々と答えを返してきた

「女は…」

「殺せ」

「少女は…」

「アイツは捕らえろ、ラピスと同じ金色の目をした妖精…
 地球人はほとほと遺伝子改造が好きと見える……
 お前は一緒に来てもらおう、そして我等の為の礎となってもらう」

「あなた達ですね、あの頃死んだり行方不明になったA級ジャンパーを誘拐していた実行犯は……」
 その対応の素早さに気付くルリ

「そうだ……私達は火星の後継者の影、人にして人あらざる外道……」

「「「「「「全ては火星の後継者の為」」」」」」

「はははははは…」

「――――――!!」
 行き成りの高笑いに驚き振り向くルリの視線の先には月臣とアキトが!

「アキト何できやがった!!」

「北辰を殺すのは俺だ………」

「バカ野郎お前の体は――」

「…………のイヌ」(台詞言ってたのか!?)

 ザッ
 音とともに草影からネルガルのエージェント達が立ち上がる

「如何します隊長」

「慌てるな」
 この展開に驚く六人を制す北辰

 ボコッ

「久し振りだな」
  三人の近くの土が盛り上がり出てくるゴート………何時から入ってたんだろうか

「ふっ…引き上げるぞ」

 北辰と六人の周りが光出す

「ダイゴウジ=ガイ…テンカワ=アキト…また会おう跳躍!」

 

 

 

 墓場から少し離れた丘の上

「こんなの受け取れません、これはアキトさんが帰って来て、ユリカさんと住む時必要なはずです」

「キミが知っているテンカワ=アキトは死んだ…彼の生きた証を受け取ってほしい。」

「アキトさんそれかっこつけてます」

「バカが気付いてやれ!」

「えっ」

「いいか、コイツはとても口じゃ言えないとんでもない実験を受けたんだ、
 本当なら大量の医療器具をくっ付けて絶対安静の状態なんだよ!!」

「ガイ、それ以上は………」

「……解った。
 じゃあな、二度と合うことも無いだろう」

 

 

 

 火星上空

 ナデシコC艦橋

「左舷にボソン反応七つ!!」

「ルリルリ?」

「かまいません」

『えっ!?』

 ルリの解答驚くクール

「あの人達に任せます」

 

 

 

 火星の平原

 平原を駆け抜ける『夜天光』を扱いし北辰とその後ろを付いてくる六連

 

「いいんですか、隊長」

「かまわん、本隊が落とされた時点で勝敗は五分と五分
 地球にА級ジャンパーがいた時点で我々の勝ちは………」

 ゴォォォォ

 轟音と共に現れるスペースヴァグラント
 その甲板にのるはエステバリス追加装甲「ブラックサレナ」を扱いしアキトと、
 同じくエステバリス追加装甲「ゲキガンサレナ」を扱いしガイ

 

 「決着を付けよう…」

 北辰のその言葉を合図に激闘をする北辰とアキト!

 それを割って入るかのように北辰を援護する六人衆!

 それを阻む為に両腕のドリルで六人衆を攻撃するガイ!

 

 

 

 その激闘の中二つの戦艦の中で会話が行われていた

「貴方は誰ですか?私はホシノ=ルリ、これはお友達のオモイカネ、あなたは……」

「ラピス…ラピス=ラズリー…ネルガルの研究所で発見された……
 私はアキトの目、アキトの耳、アキトの手、アキトの足、アキトの…アキトの…アキトの…」

 

 

 

 激化する戦闘、共に被害を受けていく

         そして二人のつばぜり合い……

「怖かろう、悔しかろう…いくら鎧を纏おうと心の弱さは守れないのだ!!」

「クッ!!」

 北辰を押し返すアキト!

「隊長!!」
 北辰を援護しようと近寄る六人衆

ギュィィィィイイイイン!!

 間を割って入るかのようにゲキガンサレナのドリルワイヤーパンチが放たれる!

「お前らの相手は俺だ……」

 ワイヤーを巻き戻し六人を同時に相手をし始める

 そして、次々に六人衆の操る六連を落としていく

 

 

 

 そして向かい合うアキトと北辰

「よくぞここまで…人の執念見せてもらった……」

「勝ぶっ――――ゴフッ!」
 ボロボロの体を騙しムリな機動戦を続けた反動が今になり現れたアキト

「……笑止、そんな体で我を殺そうと言うのか」

「くっ………」
 動かぬアキトの体…

「もう終わりにするぞ……」
 一歩ずつ確実に近寄る夜天光

「待ちな……」
 アキトと北辰の間に割ってはいるガイ操る『ゲキガンサレナ』

「ガイ………」

「この勝負、俺が貰う……いいなアキト」

「………すまない」

「と言うわけで、勝負だ!!」
 そう言い腕を装甲の中にしまうガイ

「抜撃か……」
 夜天光の拳を構える北辰
「笑止ッ!!」

 

 

 

 一瞬の静寂……

 

 

 

バシュゥゥゥ

 二人はブースターによる推進力で急激な接近をする!!

 二人が接触する瞬間!!

 体を半身そらし夜天光の拳を避けるが肩の追加装甲が壊される!!

 そしてガイはドリルパンチを腹部に打ち込み、いったん拳を引くと再び

『ドリルゲキガンフレア!!!』

 完全に腹部を破壊したドリル

 

 

 

「ゴフッ…見事だ…」

 

 

 

 ボスッ…ガラガラガラ…

 ガイが役目を終えた追加装甲を排除する…中から現れたのはオイルのせいで血を流している様に見えるデススカル…

「はぁはぁはぁはぁ…」

 戦いは勝敗を決し静寂が訪れた…

 

 

 

 遺跡のある部屋

「いま、分離させるわ」

 ダガーン!

「なっ」
 振り返るイネス他

「止めろ、いま分離させたら艦長は死ぬぜ」
 機材を打ち抜いたのはアキトを背負ったガイ

「どう言うこと」

「艦長は遺跡と融合する前にウイルスを注入されている」

「ウイルス…」  

「旧世代に存在したとされる『天然痘』と『エボラ出血熱』の混合種さ、現在は特効薬は存在しない、
 それとアキトももう限界だ………」
 ガイは背負っていたアキトをユリカの横に静かに寝かせた

「何をする気ですか」
 心配そうな顔をしているルリ

「おい、アキトと艦長にしばしのお別れの言葉を言いな…」

「まさか」
 何かに気がついたイネス

「アキト君を遺跡と融合させる気」

「そうだ、これしか方法が無い」
 目を瞑り言い放つガイ

「ラピス……」

『何、ガイ』

 ガイの呼びかけでウインドが開く

「お前もお別れを言いに降りて来い」

『……解った』

 

 

 

一時間後

 

 

 

『じゃあルリ、ラピスを頼んだぞ』
 ウインドごしで話かけるガイ

「行くんですか」

『ああ、火星の後継者の残党が居るからな……』

「そうですか……」

『遺跡はこの戦艦の置いてあった格納庫に保管しておく………
 コイツ等に合いたくなったらネルガルに行くと良い』

「解りまた……」

『じゃあな………」

 そして、スペースヴァグラントは火星の空に消えていった。

 

 

 

 

 ネルガル隠し地下倉庫

 

 

 ここには私の大切な人達が眠っています、優しい笑みを浮かべながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき

 どうも始めまして中華鍋と言います。

 この作品は『もしガイが生きていたらどうなっていただろうか』という考えで書いてみました

 

 ゲキガンサレナデータ
 外見はブラックサレナと変わらないが色はゲキガンカラーに塗られています、
 装備はハンドカノンをドリルに変えてみました。

 

 デススカルとスペースヴァグラントについて
 遊撃機動戦艦ナデシコ第三巻をお読みください(土下座)

 

 

 

 

代理人の感想

見事なまでの一発ネタですね(笑)。

こう言う作品にこちゃこちゃ言うのも野暮なんですが一つ。

 

タイトルは「GAI」より「Guy」の方があからさまでなくてよかったかなと(笑)。

 

 

 

遊撃機動戦艦ナデシコをお持ちでないかたの為のとっても分かりやすい説明

 

デススカル・・・・・・・・・・・・・ク■スボーン・ガ○ダムです。

スペースヴァグラント ・・・ア○カディア号(船首が丸い方)です。

 

以上(爆)。