日本国某都内某水道橋某野球場地下。
そこで今、この世で最も熱いバトルが繰り広げられようとしていた!
そう。ありとあらゆる、武器・技・魔術・魔法・ESP・ス○ンド能力・その他諸々。
拡声器に準じるものを除く総ての特殊能力の使用が認められている。
真の説明王を決定する総合的説明大会『サイエンスグラップラーズ』の幕が切って落とされようとしていたのだ!
これは、この『サイエンスグラップラーズ』に参加した、熱き脇役達の物語である……

 







サイエンスグラップラーズ

序章  今、地獄の大釜は開けられた





 

この空前のイベントを前に、今や会場の空気は完全に沸点へ。
最前列には、各シリーズの主人公達も応援に駆けつけ、開幕の時を今や遅しと待ち受けている。

「最強の説明を聞きたいか〜〜〜っ!!」

『オ〜〜〜〜!!!』

試合場中央に立つ司会者の熱い叫びに観客達が応える。

(ワシもじゃ。ワシもじゃ、みんな!)

感極まった顔で歓声を全身に浴びる司会者。その目元には、薄っすらと涙さえ浮かんでいる。
暫しその余韻に浸った後、彼は既に老境に達した身とは思えぬ気合の乗った声を張り上げ、大会の幕を切って落した。

『選手入場!!!』

その掛声と共に入場ゲートが開き、次々に選手達が試合場中央に入場していく。
どの選手の顔にも『負けられない!』と言う決意の表情が浮かんでいる。
そう。これは決して負けられない。己のプライドとアイデンティティの全てを掛けた戦いなのだ。

「元祖説明王は生きていた! 更なる研鑚を積み、最強のナレーターが蘇った! タイムボカンシリーズより富○敬だぁ!!」

「説明は既に我々が完成させている! 歴代キャラの代表し、ボヤッキーの参戦だぁっ!!」(タイムボカンシリーズ ヤッターマン)

「疑問符を総て潰してやる!! 30世紀からやって来た説明王、カティス=ローソンだ!」(それいけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ)

「説明技術ならデータが物を言う! ミクロ戦士よりエジソンだぁっ!!」(小さな巨人 ミクロマン)

「真の次回予告を知らしめたい! シャクティ=カリン!!」(機動戦士Vガンダム)

「その場に居合わせさえすれば、全レースの解説は俺のものだった!! 白い彗星、高橋涼介だ!!」(頭文字D)

「己の得意技だけに横槍対策は完璧だ! 若き天才説明家、カント=ケストナー!!」(ブレンパワード)

「全説明技中、最速の説明は私の中にある! 素人御断りの超要点説明! 秒殺の説明女王、サラ=バーリンだぁ!!」(楽園の魔女たち)

「タイマンなら絶対負けん! 捨て身の説得を見せてやる! シルバーキャッスルのマグナム=エースだ!!」(疾風!アイアンリーガー)

「自己陶酔させたらコイツが怖い! 皆様ご存知、ギーシュ=ド=グラモンだぁっ!!」(ゼロの使い魔)

「修羅の門を潜り抜け、出番を失った敵役がやって来た! 神武館の誇る天才児、海堂 晃だ!!」(修羅の門)

「ルールの無い説明(ホラ話)がしたいから、俺は冒険者になったのだ! プロの説明を見せてやる!! ヒースクリフ=セイバ−へーゲン!!」(新ソードワールドRPGリプレイ集)

「冥土の土産に見せ場とは良く言ったもの! 原作では鳴かず飛ばずだった奥義が、今、炸裂する!? 海のリハクだ!!」(北斗の拳)

「物語の最後を締め括ってこそ最強の説明! まさかこの人が来てくれるとは! 名探偵コナンこと工藤新一!!」(名探偵コナン)

「説明がしたいからここまで来た! キャリア・職業・年齢一切不明!! マスク=ド=アドミラル!!」

「俺達解説者は解説で最強ではない! 総ての説明で最強なのだ! 御存知アデランス中野!!」(TV版キン肉マン)

「説明セリフの本場は、今や料理界にある! この雄山を驚かせる奴はいないのか! 海原雄山だ!!」(美味しんぼ)

「ナガァァァァァァァァイ御文! 説明不要! ダンバス帝国が誇る最終兵器 ゼナ=ド=ダンバス王女!!(旧姓リムズベル)」(魔獣戦士ネオ・ヴァルガー)

「説明は実戦で使えてナンボのモン! 自分の試合にも解説を入れる超実戦解説者! 西郷三四郎の登場だ!!」(コータロまかりとおる柔道編)

「優勝は私の物! 邪魔する者は、神に変わってオシオキよ! リリアンの無垢なる少女を見守り続けて百余年、マリアさまだ!!」(マリアさまがみてる)

「自分を試しに此処へ来た! 木連説明チャンプ 空 飛厘!!」(時のながれに)

「心理描写に磨きを掛け、モノローグをそのまま口走る禁じ手少女、宗像香澄が帰ってきた!!」(エクセルサーガ)

「今の自分に死角は無いっっ! 驚異のIQ、サコン ゲンだ!!」(大空魔竜ガイキング)

「中国4000年の説明技が今ベールを脱ぐ!! 香港からラーメンマンだぁ!!」(TV版キン肉マン)

「ファンの前でなら、僕はいつでも全盛期だ! 伝説の2ページ丸々説明男、花形 満だぁっ!!」

「医者の仕事はどーしたぁ! 御節介の炎、未だ消えず!? 治す壊すも思いのまま!! 魔界医師メフィストだぁっ!!!」

「特に理由はない! 真のナレーターが強いのは当たり前!! 『銀河の歴史が、また一頁』 屋○○作が来てくれた!!!」

「親友(?)のストーカーを続けて磨いた技術! デンジャラス少女、大道寺 知世!!」(カードキャプターさくら)

「説明だったらこの人は外せない! 超A級絶叫説明!! 味王こと村田源八朗だ!!」(TV版ミスター味っ子)

「超一流の脇役の超一流の説明だ! 生で拝んで驚きやがれ! ドラゴンボールの生き字引、クリリンだぁ!!」(ドラゴンボール)

「モノローグはこの男が完成させた! 最後の名コーチ呼ばれた男! オオタ コウイチロウだぁっ!!」(トップをねらえ)

「そしてぇ………」

「何処に行っていたんだチャンピオン!」

「俺達は貴女を待っていたぁ!!」

「イネス=フレサンジュの登場だ〜〜〜っ!!!」(時のながれに)




(あ、悪夢だ。イネスさんの同類がこんなに居るなんて。頼む! 誰か止めて………いや、せめて俺を逃がしてくれ〜〜〜!!)

なにやらVIP席(周囲の重力が50倍になっている)で、もがいている黒尽くめの青年の願いなど一顧だにせず、オープニングセレモニーは順調に続く。




「加えて、負傷者発生に備え、超豪華なリザーバーも四名(?)用意した!!」

「イマイチ役立たないエスパー能力と優柔不断なモノローグ。脇役臭漂う主人公、春日恭介!」(きまぐれオレンジロード)

「説明をしない説明キャラ! 伝説のうなずきエルフ、マイス!」(ソード・ワールドRPGリプレイ風雲ミラルゴ編)

「その独特の比喩表現を、君は理解する事が出来るか? 地球の声の語り部、桜小路 螢」(伝説勇者ダガーン)

「そして残る一枠。夜○猿Jrの席には、奥羽野犬軍団第一班小隊長、炎の将校ベンが参戦だあっ!」(銀牙 ―流れ星 銀―)

 




今、祭りが始まる!! 

 




…………当然ですが続きません。(笑)
本編でもオオサキ提督が言いましたが、やってもツマラナイでしょう?
誰が優勝するかが判りきっている最大トーナメントなんて。










オマケそのA アマノ イワト先生のボツ原稿





本当は挿絵の一つとして使う予定でしたが、あまりにも有名なワンシーンのパクリなので流石にチョと。(汗)
山川純一先生、ごめんなさい。(土下座)




オマケそのA ボツ表紙





本当はタイトルの所の表紙として使う予定でしたが、これまたあまりにも有名な作品の構図そのままなので流石にチョと。(汗)
楠 桂先生、ごめんなさい。(再土下座)




オマケそのC チルドレン全員集合





これに関しては、もう弁解の余地がありませんね。ガイナックスの皆様、ごめんなさい。
本編では、こういった構図で彼女達が全員集合する事は一度も無い予定なのですが、
それだけに、どうしてもこういった形で、それを実現させてみたかったんです。
どうか、広い心で見逃して下さい。(再々土下座)