Ultimate Battleship NADESICO
プロローグ
「いやぁ、あなたを捜すのは苦労しましたよ。」
ケイを捕まえたのがそんなに嬉しいのか、プロスペクターは満面に笑みを浮かべている。
「それにしても、あの人間開発センターからよく逃げ出せましたねぇ。」
「・・・・・・・・。」
ケイは2年前にネルガル重工の研究機関、人間開発センターを逃げ出した。
センターを出てからはいろいろな所を転々としていた。
でも、行く先々で追手がいた。
今まではスキをついて逃げてたみたいだけど、今日は違った。
ケイは追手に気付かれないようにと、誰も通らないような裏道を通っていた。
でも、こればっかしはケイも気が付かなかった。
角を曲がると目の前に身長2m以上の大男が立っていた。
大男はケイの腹に右拳をめりこませ、気絶したケイを担ぎ、プロスペクターの元へ運んだ。
ケイが目を覚ましたとき、大男はいなかった。
それからすぐに、プロスペクターとの話し合いが始まった。
黙っているケイを見てプロスペクターが口火を切った。
「まぁ、センターの件はまた今度ということで。
さて、本題にうつりましょうか。
今、ネルガル重工では新しい戦艦を造っています。」
「その戦艦が何か?」
「あなたはセンターでパイロットになるための訓練を受けてましたね?
そして、模擬戦では恐るべき戦果を挙げた。」
「でも、それは2年も前の事です。
それに、戦艦と何の関係があるんですか!」
ケイは昔の事を思い出し、カッとなった。
それでも冷静に話を続けるプロスペクター。
「あなたには新造戦艦に搭載されている人型ロボット、通称・エステバリスのパイロットになってもらいたい。」
やりたくなんてない。
でも、新しい発見や、新しい出会いがあるかもしれない。
ケイはそんな事を考えていた。
長い沈黙が続く・・・
この沈黙を破ったのはケイだった。
「わかりました・・・俺、やります!」
と、ケイの口から意外な言葉が出てきた。
「その言葉を待ってましたよ。
え〜、まずはお給料の方ですが・・・。」
プロスペクターは慣れた手つきで宇宙ソロバンをはじき始めた。
「全部合わせてこれぐらいですな。」
ケイはその金額を見て唖然とした。
「それと、折り入ってお願いがあるのですが。」
「何ですか?」
「新造戦艦の専任オペレーターなんですが、まあ、なんと言いますか、その・・・
とにかく、専任オペレーターの補佐もやって頂けるとこちらとしては有難いのですが。」
「別に構いませんよ。俺なんかで良ければ。」
「そうですか。それは良かった。
では、こちらの契約書にサインを。」
ケイは戸惑うことなく契約書にサインをした。
「今日はもう遅いので、明日にでも新造戦艦をお見せ致します。」
「あの、戦艦の名前は?」
「あ、まだお教えしてませんでしたか。ナデシコです。機動戦艦ナデシコ。
明日は朝8時までにこちらに来てください。時間厳守ですよ。
それではムヅキさん、また明日お会いしましょう。では・・・。」
ケイはその日の夜遅くに家に着いた。
「はぁ、疲れた。」
そう言いながら、ケイはベッドに倒れ込んだ。
ケイはそのまま深い眠りについてしまった
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あとがき
初めまして、デュランと申します
初めて小説を書きました。
前々から書きたいと思っていたのですが、時間がなくて・・・
ちょっと、オリキャラの説明が少ないですね。
夢月 慧(ムヅキ・ケイ) 15歳 男
彼が主人公です。
性格は今後の話を見ていけばわかると思います。
第1話も力を入れて書くので、よろしくお願いします。
代理人の応援
性格は今後の話を見ていけばわかると思います。
その通りですデュランさん!
実にいい事をおっしゃる。
そう、キャラクターは設定によってではなく作中の行動によって「立つ」のです。
頑張って作中でキャラを活躍させ、キャラを「立てて」下さい。
それは難しい事ですが、実行する事ができればきっといい作品になるはずです。