木連軍総司令部、仁美の執務室。

火星との条約を締結させる一方、草壁仁美は星の屑作戦の準備を進めていた。

そして、ついに条約締結2週間後にすべての準備が整ったとの報告がきたのだった。

『御姉様、全ての準備は整いました。後は、作戦開始を待つだけです』

「・・・わかりました。作戦開始まで現状を維持しなさい」

『わかりました』

仁美は電話を切った。

「さて、次は・・・」

彼女は優人部隊の指揮官達を集めた。

仁美の部屋に秋山、白鳥、月臣をはじめ数名が集まった。

全員が集まったのを確認すると、仁美はおもむろに説明し始めた。

「今から説明する作戦は、これまで『紅月』の主導で行なわれていた特殊作戦です。

 機密保持とは言え、貴方達に黙っていたことをこの場で謝罪させてもらいます」

そう言って彼女は頭を下げた。

これには指揮官達が慌てた。

「頭を上げてください、大佐」

「そうです、大佐が謝る必要はありません」

口々に言う。

「・・・ありがとう。今から作戦指令書を配ります」

そう言うと彼女は机の中から書類を取り出し、全員に配った。

それには『星の屑作戦』と書かれていた。

各人がそれを読み始める。

すると、何人かは眉をひそめる。

それを見て、仁美は言った。

「何か質問は?」

「大佐、隕石を加速して落すとありますが、これでは民間人に多大な犠牲者がでるのでは?」

「今回落す隕石は出来うる限り、大きさを絞っています。

 ですから、被害は最小限度に留められるとの計算結果が出ています。

 それにこの戦争は総力戦なのです。そして総力戦では銃後は存在しない、

 これは歴史において証明されています」

だが、他の指揮官から疑問が呈される。 

「しかし、この規模の隕石を落せば北米は間違いなく壊滅。それに気象変動すらあり得えます」

「勿論、それは承知の上です。

 知っての通り、我が木連は国力が乏しく長期戦は困難。火星との貿易を活発化させても長期戦は難しい。

 仮に戦争が泥沼化すれば、この作戦を決行した時より多くの犠牲者が出た上、木連は敗北するでしょう。

 それを考えればこの作戦を決行したほうが良いと考えたのです」

「・・・わかりました」

「私としても、このような作戦を行なうのは心苦しいですが、連合の力を削ぎ、本大戦を早期に終了させるために

 心を鬼にしてこの作戦を実行します」

苦渋を顔に出して言う仁美。

「・・・大佐、私ははあなたに従います」

1人の指揮官が言う。

「自分もです」

九十九が立ちあがって言う。

これに月臣を始めとして、多くの人間が続いた。

「・・・私は貴方達を部下に持てたことを神に感謝します」

こうして、作戦は始まる。



  時を紡ぐ者達  第15話


「全艦艇出撃せよ」

仁美は、艦隊旗艦『阿蘇』の艦橋で、号令を下した。

戦艦『阿蘇』、実際は統和機構所属の大型巡航艦であるのだが、この世界の人間から見れば十分に戦艦、しかも弩級戦艦といっても

差し支えのないものだったので、あえて戦艦としたのだ。

無論、そのままだと麗香達に見られれば、すぐに統和機構のものとばれてしまうので、偽装はしてあるが。

形としては、準双胴艦と言ったところだろう。全体的には丸みを帯びた物である。

だが、それはあくまでも偽装であり、実際には剣を連想させるような作りとなっているのだ。

「久しぶりね、こうやって船に乗って指揮をとるのは」

感慨深げに言う仁美。

「そうですね、御姉様」

となりに居た紅月司令『秋月真奈美』が同意する。

「でも、地球連合軍と名乗るあんな素人ども相手に御姉様が直接指揮をとる必要はないのでは?」

「それなりに私を楽しませてくれる、骨のある指揮官も居るかもしれないからよ」

「そんな人いるんでしょうか? 私にはとてもそうとは思えませんが」

「確かに」

彼女達の地球連合軍に対する評価は限りなく低い物だった。

彼女達から言えば、連合軍の参謀達は素人集団にしか見えなかった。

原因としては様々だろうが、最大の物としては地球連合が作り上げた地球防衛ラインだった。

仁美は地球防衛ラインと言われるものの内容を知ってこう言った。

「・・・税金の無駄使い」

辛辣なものだった。

彼女はこうも言った。

「これは単に子供のおもちゃを並べただけ」

彼女の言うとおりだった。

今の地球防衛ラインは他の防衛ラインで戦闘が行なわれていたとしても、他のラインからの支援が得られにくいのだ。

史実においても、ナデシコが地球を脱出する際、無効化された防衛ラインはともかく、他の防衛ラインからは散発的な攻撃しか

行なわれなかった。特にビックバリアが最も外側にあったことは致命的だった。それはつまり、

『敵の行動を妨害する障害物の前後には、障害物を防衛するための陣地を構築する』という陣地構築の初歩すら守られていないということだ。

ナデシコを阻止したかったのならビックバリアを突破しようとしている時に集中攻撃をかけるべきだった。

そうすればナデシコを拿捕できなかったにせよ、沈めることは出来たかもしれない。

「まぁ最初から決めつけるのは良くないわ。期待しましょう」

「はぁ(それにしても、連合軍とやらもお気の毒ね、統和機構でも指折りの指揮官と戦うなんて)」

真奈美は思わず、連合軍に同情してしまった。

こう言って話しているうちに各艦は本国付近に設置したゲートを使って月面に跳んだ。

このゲート、正式名称は『ハイゲート』と呼ばれているもんであり、ワープ航法等がない世界では重宝されているものである。

月面に跳んだ瑪瑙の艦橋で仁美は真奈美に尋ねた。

「そう言えば、あの隕石の現在位置は?」

「はい。すでにアストロイドベルトから発進していおり、巡航速度で後7日程で地球に到達します」

「そう」

「それと地球連合軍が隕石の存在に気付いたようで、迎撃を行なうつもりのようです」

「そう。・・・電磁カタパルト艦とマスドライバーは?」

「準備は終了しています」

「・・・悟られないように」

「わかっています。それより如何しますか?」

「敵の宇宙艦隊はどこに集結している?」

「ルナ2付近に集結しています」

「・・・潜宙艦2隻を回しなさい。それと反物質魚雷の使用を許可すると伝えて」

「反物質魚雷ですか? それだと」

「ルナ2そのものが吹き飛んでも構いません。ことは迅速を要します」

「・・・了解しました」


「反物質魚雷の使用を許可するとは」

指定された潜宙艦『海神』の艦長『村雲 正則』は呆れたような表情で言った。

「いいではないですか、手っ取り早いですし」

これに対して副長が言った。

「反物質魚雷なんか撃てば、統和機構に俺達の居場所を教えることになるぞ」

「まぁ、あの新城准将のことです。なにか策があるんでしょう」

「・・・そうだな。あの人は様々な状況をひっくり返してきた名将だ。なにか策があるんだろう」

自分を納得させるように言う艦長。

「そうですよ」

「よし、これより我々はルナ2に向う」

かくして、2隻の潜宙艦は本隊を離れていった。

潜宙艦。いわゆるステルス艦である。

艦の全体を黒く塗り、あらゆる探索網から逃れられるようにあらゆる処置が行なわれており、統和機構の技術力でも見つけるのが難しい

ものになっていた。

無論、統和機構でも見つけるのが難しいものを地球連合軍が見つけられるはずもなかった。

2隻の船は何の妨害もなくルナ2に忍び寄っていった。



 そのころ、地球連合軍総司令部、最高幕僚会議。

「例の巨大隕石を破壊するためにルナ2に送った艦隊はどうなった?」

「艦隊の集結は終っている。あとは向こう次第だ」

「蜥蜴の動きが止まった所為で大助かりだな。連中が動き回っていたらこうはいかんかったろうな」

10人近くの将官が仁美が送り込んできた巨大隕石の対策を話し合っていた。

全員が中将以上の階級であり、中には元帥の軍人もいた。

「それにしても、何故連中の攻撃が止んだのかな?」

「ふん。どうせ資源が尽きたんだろう。それに加え、所詮は100年前の生き残り。

 言わば寄せ集めの集団に過ぎない」

「そのとおり。まったく、おとなしく我々の軍門に下ればよかった物を」

「まぁ、我々としては連中が宇宙で自滅してくれれば言う事はないんですがね。

 100年前の汚点を曝さずにすむ。

 そして、なにより悪の異星人の攻撃を退けたと、功績を残すことも出来る」

かなり自己中心的、いや軍のことしか考えていない意見を述べる将官達。

「そう言えば、あのアルビオンの新造戦艦はどうなった?」

「ああ、ユーチャリスUですか。アルビオンは改装中と言っていますが」

「いっそのこと徴発してはどうかね? 来るべき反攻作戦に備えて」

「月奪還作戦ですか」

「そう、『月一号』だよ」

月一号作戦、連合軍の威信をかけた一大反攻作戦である。

軍としては、初戦の敗退から立ち直りつつある今こそが反攻のチャンスとしていた。

だが、実際には軍の失地回復をかけた作戦だった。

無論、反論もあったが。

「私はまだ早いと思います」

この会議で最年少の中将にして数少ない和平派、水瀬秋子中将が言った。

「月一号のことかね」

主流派の将官が聞き返した。

「そうです。もう少し戦力を増強してからの方が良いのではないでしょうか」

「私もそう思います」

秋子と同じく和平派の高町士郎中将も彼女に同調する。

「高町中将、水瀬中将、すでにこれは決まったことだ」

「しかし、それはあくまでもここだけの話に過ぎません」

「・・・君も強情だな、高町中将」

「良く言われます」

士郎と他の賛成にまわっている軍人達との睨み合いが続いた。

緊迫した空気が室内に満ちる。

秋子を除いた軍人達は手に汗を握った。

だが、その緊迫した空気は次の緊急報告で消えた。

「た、大変です!!」

顔を真っ青にした連絡官が室内に飛び込んでくる。

「何事かね?」

連合軍総司令官が冷静な声で問いただした。

だが、その冷静さも彼の報告によって吹き跳ぶこととなった。

「ルナ2付近に集結していた艦隊、およびルナ2防衛部隊が壊滅しました!!!」

「なっ!!?」

その場にいた軍人達は驚愕の余り立ち上がった。

「どういうことだ?」

1人の将官が連絡官に詰め寄る。

冗談だったらただでは済まんぞと言わんばかりの形相をしている。

「最後のルナ2司令部からの報告では正体不明艦からの攻撃を受けたそうです。それ以降は連絡がありませんでした。

 それを不審に思った司令部がルナ2付近を監視衛星で調査すると、ルナ2はその3分の1が消滅していたそうです」

「・・・・・・」

彼らはたち尽くした。

 ここで、ここまでのルナ2での経緯を説明する。

潜宙艦2隻は連合軍の監視網をすり抜け、攻撃可能圏内にまで接近していた。

艦橋で正則はルナ2付近に集結している連合軍艦隊を確認していた。

「敵の勢力は?」

「戦艦28隻を中核とした240隻余りの艦隊です。

 ですが、旗艦を中心とした密集隊形を取っているので、一撃で殲滅することも可能です」

「2対240か、いくら性能が桁違いと言ってもただでは済まんな」

「真正面から戦えばそうでしょうが」

「みなまで言うな。分かっている」

そう言うと、彼はオペレーターに向っていった。

「反物質魚雷の調整は?」

「すでに終了しています。後は発射準備命令があれば」

「・・・わかった。僚艦に『必要な区画以外に対するエネルギー供給を停止しろ』と伝達しろ」

「了解しました」

かくして、両艦は息を殺して連合軍艦隊に必殺の魚雷をお見舞いできる位置に向って動き始める。

2隻の潜宙艦は連合軍に気付かれることなく目的地に向う。

「目的地までの所要時間は?」

「後、120秒ほどです」

「よし、艦首発射口1,2番用意」

「了解」

反物質魚雷が装填される。

「安全装置解除」

「解除します」

発射装置の安全装置が解除される。

1番と2番の発射ランプが赤から青に変わる。

後は発射命令を待つだけとなった。

「艦長、発射位置にまで到達しました」

「・・・発射」

「発射します」

オペレーターが発射ボタンを押す。

そして、2本の魚雷は海神から打ち出される。

僚艦のものと併せて4本の魚雷は航跡すら殆ど残さず光速の20%と言う猛烈なスピードで標的に向う。

「!! 敵に気付かれました」

オペレーターが連合軍艦隊が慌てて動き出したことを報告する。

「気付いたか、だが少し遅かったな」

正則は気の毒そうに言った。そう、彼のいうとおり遅かった。いや、遅すぎた。

連合軍が気付いた瞬間、すでに彼らの放った魚雷はすでに彼らの懐にまで突き進んでいたのだ。

そして、数瞬後、連合軍艦隊が猛烈な閃光に包まれた。

反物質の生み出した膨大なエネルギーが次々と連合軍艦隊を襲う。

中心部に居た艦隊、連合軍艦隊の主力部隊は一瞬のうちに蒸発した。

残った艦艇も、爆発によって引き起こされた電磁波により次々に機能不全に陥った。

電子機器は電磁波に弱い。

これは22世紀になった現在も変わらなかった。

勿論、戦闘艦は強力な電磁波の中でも活動できるように設計されている。

だがその防御措置も、この大爆発によって引き起こされる電磁波の前では何の意味も成さなかった。

かくして、第一撃でルナ2周辺に集結していた艦隊は壊滅状態となった。

「すさまじいものだ」

正則は自分達がしかけた攻撃の結果にしばし呆然とした。

それは他の乗組員も同じだったようで少し唖然としていた。

だが、正則はすぐに正気に戻り指示を出す。

「これより、敵残存戦力の掃討を行なう」

かくして、反物質魚雷による第二撃が行なわれ、ルナ2自体も大きなダメージを負った。

まさしく虐殺であった。

辛うじて生き残った将兵も、生命維持機能すら失われた要塞や自艦で緩慢に訪れる死を受け入れるしかなかった。

中には自分達が救出されるかもしれないという淡い期待を持っていた者もいたが。

こうして、この宙域は地獄と化した。

後の世、この会戦とは言えないこの戦いは『ルナ2の悲劇』として語り継がれることとなる。


詳しいことを連合軍が知ることは出来なかった。

だが、彼らでも分かったことが一つあった。

それは彼らが計画していた月奪還作戦『月一号作戦』が不可能になったと言うことと、隕石の迎撃が困難になったことだった。

今回失った艦艇は実に宇宙軍の保有していた艦艇の20%に及び、巡洋艦以上の艦船に関しては30%以上を失ったこととなる。

そしてなにより、誰一人帰ってくることが出来なかった。

これは艦艇を失うより遥かに大きな打撃である。

何故なら熟練乗組員は簡単には作れないからだ。

恐らく、今回失った戦力を再建するには最低でも半年はかかるだろう。

「・・・例の、アルビオンから供給された新造戦艦はどうなった? まさか沈んだのか?」

「はい。どうやら配備した2隻は両方とも沈没した模様です」

「・・・・・・」

総司令官は黙り込んだ。

「・・・総司令、如何します?」

「何をだ」

総司令はどうやら、余りの被害に呆然自失になったようだ。

彼の顔からは生気を感じられない。

(俺の経歴もここまでか。

 おそらく議会は間違いなくこの大損害の責任を俺にとらせる。

 畜生、やっと連合軍総司令官にまで上り詰めたと言うのに)

「何をだ、ではありません。巨大隕石が地球に接近しつつあるのですよ。

 このままでは後、数日で地球に衝突します。あらたに艦隊を打ち上げますか?」

だが、今度は強く尋ねたのであろう。総司令官はやや正気をとり戻した。

「・・・宇宙軍で使える戦力は?」

「2個艦隊がが投入可能です。

 ですが、この2個艦隊併せてもルナ2で失われた艦隊には及びません」

「・・・構わん、どうせ相手は反撃しない岩の塊だ。投入しよう」

「了解しました」

だが、さらなる驚愕が彼らを襲う。



彼らの居る会議室に緊急回線を使った通信が入る。

「何者だ?」

総司令官の問いかけに対しかえってきたのは、

『お初にお目にかかります、連合軍総司令官。私は木連優人部隊参謀長『草壁仁美』大佐です』

「何!?」

多くの将官が動揺する。

「その大佐が一体何の用だ?」

たかが大佐と思っているのだろうか、総司令官は尊大な態度を取る。

だが、秋子や士郎は彼女が並々ならぬ人物であることを見抜く。

『大したことではありませんよ。

   単に今から3日後に我々が地球に巨大隕石をお送りするということを伝えるだけですから』

「あの隕石はお前達の仕業か!!」

『そうです』

「まさか、ルナ2の艦隊を全滅させたのは」

『我々の部隊ですよ』

「貴様ら、よくもやってくれたな」

他の指揮官達の多くが憤怒の表情で彼女を睨む。

『貴方達が100年前にやったことに比べれればやさしいものです』

皮肉たっぷりに言う仁美。

これには総司令官も言い返せなかった。

『まぁ、とにかく後3日であれは地球に到達。

 目標は、地球連合軍総司令部のある北米基地、つまり貴方達の本拠地に直撃するようにセットしてあります』

「ばかな、あの距離からだと精々後7日はかかる」

『あの隕石には相転移エンジンが装着されています。全速を出せば3日で着きますよ』

「な・・・」

たった3日で到達する。

その事実は彼等にとっては悪夢だった。

たかが3日では満足な迎撃の準備を行うなど不可能だからだ。

『それでは、生きていればまたお会いしましょう』

通信が切れる。

「総司令官・・・」

近くに居た参謀がおずおずと彼に尋ねる。

「・・・全艦隊を出撃させろ。それと艦隊には封印している核兵器を使ってもかまわんと伝えておけ」

「・・・了解しました」

「いいか、この総司令部を失うわけにはいかん、全軍をあげてあの隕石を迎撃せよ!!!」

彼の命令が会議室に響き渡る。

「・・・上手くいくと思います?」

秋子は近くに居た士郎に尋ねた。

「・・・・・・・」

彼は無言で首を横に振った。

(やはり、あの仁美という女性、何か企んでいそうですね)

彼女の予感は不幸にも的中することとなる。









後書き

時を紡ぐ者達第15話お送りしました。

相変らず戦闘シーンが上手くかけない。難しい。

さて、話題を変えて水瀬秋子、高町士郎登場。個人的には他の面々も出したかったのですが今回はこの二人のみにしました。

他にも何人か登場してもらうつもりです。相沢祐一や水瀬名雪、それに高町桃子等の登場を考えております。

それと、『ハイゲート』の元ネタわかりましたか?

と言うか多分お分かりでしょう。

最後に、今回、地球防衛ラインのことにふれましたが、テレビ版を見ると私としてはあまり意味が無いように思えます。

本文にも書いたように、各個撃破されるのがオチではないかと思うのですが、どうでしょう?

それでは最後までこの駄文を読んでくださってありがとうございました。

第16話でお会いしましょう。






代理人の感想

う〜〜〜む。

話はちゃんと進行してますし、伏線もばら撒かれてるんですが・・・・・問題は文章ですね。

誤字こそ少ないのですが、

「あった」「だった」「言った」「わかった」「起った」「変わった」

とにかく完了形が多すぎます。

 

特に冒頭、防衛ラインのくだりなどは間にセリフを挟んで

7回連続で「〜った」という語尾になっており、完了形の雪崩はその倍に達します。

正直、おろしニンニクの代わりに間違ってすりおろしたラードを入れた特濃とんこつラーメンくらいにくどくて、

読んでいて辛い物がありました。(爆)

もう少し現在進行形その他を折り混ぜた方がよろしいかと思います。

一例としては・・・・

 

 原文(読みやすいよう改行をいじってあります)

> 彼女達の地球連合軍に対する評価は限りなく低い物だった。
> 彼女達から言えば、連合軍の参謀達は素人集団にしか見えなかった。
> 原因としては様々だろうが、最大の物としては地球連合が作り上げた地球防衛ラインだった。
> 仁美は地球防衛ラインと言われるものの内容を知ってこう言った。

> 「・・・税金の無駄使い」

> 辛辣なものだった。
> 彼女はこうも言った。

> 「これは単に子供のおもちゃを並べただけ」

> 彼女の言うとおりだった。
> 今の地球防衛ラインは他の防衛ラインで戦闘が行なわれていたとしても、
> 他のラインからの支援が得られにくいのだ。
> 史実においても、ナデシコが地球を脱出する際、無効化された防衛ラインはともかく、
> 他の防衛ラインからは散発的な攻撃しか行なわれなかった。
> 特にビックバリアが最も外側にあったことは致命的だった。
> それはつまり、『敵の行動を妨害する障害物の前後には、障害物を防衛するための陣地を構築する』
> という陣地構築の初歩すら守られていないということだ。
> ナデシコを阻止したかったのならビックバリアを突破しようとしている時に集中攻撃をかけるべきだった。
> そうすればナデシコを拿捕できなかったにせよ、沈めることは出来たかもしれない。

 代理人修正後

> 彼女達の地球連合軍に対する評価は限りなく低い。
> 正直、連合軍の参謀達などは素人集団にしか見えなかった。
> 原因としては様々だろうが、最大の物としては地球連合が作り上げた地球防衛ラインだ。
> かつて、仁美は地球防衛ラインと言われるものの内容を知ってこう言った。

> 「・・・税金の無駄使い」

> 辛辣極まりない一言。
> また彼女はこうも言った。

> 「これは単に子供のおもちゃを並べただけ」と。

> 彼女の言うとおりだった。
> 今の地球防衛ラインは他の防衛ラインで戦闘が行なわれていたとしても、
> 他のラインからの支援が得られにくいのだ。
> 史実においても、ナデシコが地球を脱出する際、無効化された防衛ラインはともかく、
> 他の防衛ラインからは散発的な攻撃しか行なわれなかったことがそれを証明している。
> 特にビックバリアが最も外側にあったことは致命的だったと言えるだろう。
> それはつまり、『敵の行動を妨害する障害物の前後には、障害物を防衛するための陣地を構築する』
> という陣地構築の初歩すら守られていないということだ。
> ナデシコを阻止したかったのならビックバリアを突破しようとしている時に集中攻撃をかけるべきだった。
> そうすればナデシコを拿捕できなかったにせよ、沈めることは出来たかもしれない。

 修正理由

> 彼女達の地球連合軍に対する評価は限りなく低い。
(「低かった」が次の行の「見えなかった」と続くのがくどいので変更)

> 正直、連合軍の参謀達などは素人集団にしか見えなかった。
(二行続けて「彼女達」と主語がかぶっているので省略)

> 原因としては様々だろうが、最大の物としては地球連合が作り上げた地球防衛ラインだ。
(上「低かった」と同じく完了形の連続を避けて)

> かつて、仁美は地球防衛ラインと言われるものの内容を知ってこう言った。
(「かつて」と付け加える事で時間軸をはっきりさせる。完了形がただでさえ多いので違和感を感じたのが理由)

> 辛辣極まりない一言。
(同じく完了形の連続を回避するため)

> また彼女はこうも言った。
(「言った」、と同じ表現が連続しているので)

> 「これは単に子供のおもちゃを並べただけ」と。
「〜〜は言った、『〜〜』と」と言うのは本来倒置法なので「〜〜『と』」がつくのがベター。
 単発ならともかく連続だと違和感が大きすぎるのでこのように修正した)

> 他の防衛ラインからは散発的な攻撃しか行なわれなかったことがそれを証明している。
(おなじく完了形の以下略)

> 特にビックバリアが最も外側にあったことは致命的だったと言えるだろう。
(おなじく完以下略)

 

 

「代理人の文章」になってしまっている部分もあるにせよ、

原文より読みやすいかと思うのですがどうでしょう。

完了形が二つ連続するだけならまだしも、三つ以上連続すると

はっきり言って読む方としては邪魔以外の何物でもないので気をつけて欲しいかなと。

 

他にも「〜のだ」「〜である」「〜となる」という表現を使いすぎてクドくなっているような感もありますので、

こういった「多用するとくどくなる表現」の使用を意識して抑えて見てはいかがでしょうか。

代理人のお節介でした。

 

>ハイゲート

具体的な描写が全くないのでわかりませんが、某佐藤氏の「地球連邦の興亡」でしょうか?

もっとも、この作品自体パロディの嵐なので

更なる元ネタが「スターゲート」あたりにあるのではないかとも思いますが(笑)。