「帰ってきますよ。帰ってこなければ追っかけるまでです。
だってあの人は、あの人は大切な人だから。」
劇場版機動戦艦ナデシコAfter
星界へ続く道
「ラピス、ジャンプフィールド生成」
「分かった、アキト。」
ラピスが感情の籠もらない声で答えた。
「目標、ネルガル月ドッグ・・・・ジャンプ。」
そして、俺たち2人はネルガル月ドックへジャンプした。
―ネルガル重工会長室―
「で、君たちはこれからどうするんだ?」
「俺は、コロニーを沈めたテロリストだ。この宇宙では俺の居場所はない。」
「なーるほど。しかし君は間違っているよ。この宇宙と言ったが、
所詮この太陽系の中だけだ。宇宙は広いぞ〜。」
「・・・・・俺に他の太陽系に行けというのか?」
「太陽系だけじゃない。他の銀河でもかまわないだろう?
ボソンジャンプが出来るなら距離は関係ないだろう?
新しい居場所を見つけたらそこで新しい生活をすればいいだろう。
そうそう、ユーチャリスは持って行っちゃっていいよ。
あれもテロリストとセットで知られちゃっているから。」
「・・・・そうだな。全ての元凶でもあるボソンジャンプだが
たまには役に立ってもらうか。」
「で、ユリカ君には会わないでいくのかい?」
「ああ、帰ってこれるかどうかも分からない旅になるだろう。
あいつをこれ以上待たせるわけには行かない。
とりあえず、死んだことにしてくれ。」
「了解。そうそう、たまには戻ってきてくれよ。これから戦争は減るだろうから、
重工部門の売り上げも減っちゃうんでね。新しい分野を開拓しないとならないんだよ。」
「それがアカツキの目的か。」
「ま、僕も企業家だからね。社員を路頭に迷わすわけに行かないし。」
「ふっ、お前らしい。分かった。何か見つけるたびに連絡を入れよう。
ラピス、お前は残れ。当てもない旅だ。」
「アキトはワタシのことがいらないの?」
「そうじゃないんだよ、ラピス。お前には普通の女の子として生きて欲しい。
今まで復讐に付き合ってもらって悪かったな。」
「ワタシはアキトが全て、あの研究所から助けてもらって以来・・・」
目に涙を溜めてラピスはそう訴えている。
「・・・・・・・・・どうしても来るのか?」
ラピスが着いてくると言うことをアキトは確信していた。
「うん」
「じゃ、話はまとまったようだね。」
アキトとラピスの話がまとまったの確かめるようにアカツキが尋ねた。
「ああ。心苦しいがラピスは連れて行くことにする。」
「うん。それがいいよ。ユーチャリスはラピス君がいないと100%の能力が発揮できないからね。
そうそう、少しユーチャリスを改装しておこうと思うんだけど?」
「何するんだ?」
「いや、安全のためだよ。ボソンジャンプのシステムを二重化しておいて、
さらにブラックサレナを2機積んでおくよ。
遠くに行くからにはボソンジャンプは命綱だからね。
これさえあればどこからでも帰ってこれるしね。
居住空間も整備し直しておこうかな?」
「わかった。任せる。手間をかけさせる。」
「いいって、何か見つけたときはよろしくね。」
「ああ」
俺はそう言い残してラピスを連れ、アカツキの前から立ち去った。
それから1月後
改装が終わり、ラピスを連れ俺はユーチャリスで旅立った。
第1話という名のプロローグです。
星界シリーズの世界に行く話・・・のつもり。
星界の方の設定ではアキトたちがいる銀河系が発展した形だが、
別の銀河の発展したものとさせてください。
それにしても・・・アース(アーヴ語)のルビ振るのが大変だ・・・。
自分で新しいアースの単語をつくらにゃならんし・・・
とっても短いですけど、プロローグなので・・・いや、次回以降も短いかも。
星界シリーズ豆知識
フリューバル(帝国)の語源はミスマルなそうな。漢字で書くと「御統」。御統はたくさんの勾玉や珠を繋ぎ合わせたネックレスのこと。
さて、ユリカとどうからめるか・・・・・・・・無理だな。