アキトとマイとフィーリアは会話していた。

 眼下には、廃墟となったパッパラ隊基地。

「でも・・・・・・私たち、どうすればいいんでしょうか?

 基地は壊れたままですし・・・・・・」

「基地が一瞬にして直れば・・・・・・・・・あ(俺にはスタンドがあったんだ・・・・・・)」

「? どうしたんですか?」

「・・・・・・直せるかもしれない」

「「え?」」



 アキトは廃墟となったパッパラ隊基地(跡)に近付く。

 おもむろに手を振り翳して、ガレキに手を触れる。

 するとどうだろう。

 ガレキが次々と浮き上がり、元在った位置へと戻って行くではないか。

「うそ・・・・・・」

「テンカワさんって超能力者ですか?」

「いや・・・・・・違うよ。普通の人間・・・・・・普通の人間だと思う、思いたい、思っておこうと思う今日この頃・・・・・・」

 ・・・・・まぁそれはおいといて。

 基地は元の姿を取り戻した。

 そしていつの間にか何処かへ消えていた隊員達がアキトに気配を感じさせることもなく現れた。

「おおっ!

 いつの間にか基地が直っとるぞ!」

「お、ホントだ」

「今夜寝るところに困らなくて済むな」

 そんなことを言いながら大して驚いた風もなく基地に入っていく隊員達。

「・・・・・・・・・改めて言うのもなんだけど、変わってるね、本当に」

「はい・・・・・・」

 顔を赤くしてそう返事する舞。



 パッパラ隊は、こんなモンだった。








蒸気王国の王女 

Presented By E.T 

Third Story:V.S.嫉妬団 〜destruction〜










「え〜と・・・・・。

 フィーリアちゃんの部屋、どうしよう」

 ふとアキトが呟いた瞬間。

「はーい、はーい!

 だったら俺の部屋に来ないかい?」 ×杉野

「いやいや、俺ンとこに来ないか!?」 ×海岸

 etc,etc・・・

 そして、この御方の登場。

「バカーっ!

 それでも嫉妬団の一員か!?」

『そっ、総統・・・』

「・・・・・・(また変なのが出る・・・・・・)」

 アキトの後頭部に、でっかい汗が一つ浮かんだ。

 海岸が提案した。

「じゃぁ、嫉妬団のマスコットということで、基地に連れて行くのはどーでしょうか?」

「了承」

 ・・・・・・某北国にすむ女性もかくやというスピード。

「というわけで、連行だ」

 ・・・・・・なぜに『連行』

 いつの間にか白フンとサングラスを付けた杉野が、フィーリアを簀巻きにする。

 猿轡も忘れていない。 当然睡眠薬を嗅がせるのも。

 それをひょいと担ぎ上げて、歩き出す嫉妬マスク。

 それがあまりにも自然に行われたため、ついついアキトは彼らが去るのを許してしまった。



 彼らが部屋から消えて数秒。

「って、何見送ってる、オレぇーーっっ!!」

 絶叫するなり駆け出すアキト。

「あっ、私も」

 マイが続き、

「私も行きます」

「じゃあ私もー」

「博士、待って下さい!」

「我々も行きましょうか、轟天」

「ワゥッ」

 水島、ランコ、桜花にトビカゲと轟天も続く。










「どけぇっ、貴様らぁぁっ!!」

 アキトの拳(+MAX昂気)。

 どごおおおぉぉぉぉおおむ!!

『うわぁぁーー!!』

 数十人の嫉妬団員が血の海に沈む。

 ラーンスロット(スター・プラチナ)とトリストラム(クレイジー・ダイヤモンド)、ガウェイン(ザ・ハンド)も派手に殴り殺す。

 いや、ガウェインの場合は相手を消し去っていたりもするが。

 それからモードレッド(ヘブンズ・ドアー)は相手に『私は死にます』と書いたり、『私の敵は嫉妬団です。だから彼らを皆殺しにします』などと書いていた。

 後者を書かれた者は、手に持った鉄釘バット(!?)や刀で、周りの嫉妬団団員に飛びかかる。

 ボールス(エコーズ)が相手をACT.2で『じゅわぁぁぁぁ』と書き、焼死させたりした。

 その横では、水島が

「おんどれらはえーかげんにせんかぁー!」

 パンチ一発、数十のアホドモがお星様になる。

 ランコも、

「ちょうどいい機会だわ!

 あんたらみんな死んじゃいなっさーーいっ!!」

 マシンガンを連射。

 二丁銃だ。

 撃たれた連中には、風穴がぽんぽんと空いていく。

 マイは、それで死ななかった彼らに、

「はい、怪我をしたらオキシドールです」

 ビシャッ☆

 無慈悲にも消毒液をかける。

「しっ、しみるぅぅ〜〜っっ!!」

 叫んで、のたうち回り、安藤があの世に逝った。

 とびかげと轟天は意味無く駆け回り、遊ぶ。

「ほらほら轟天、私はこっちですよ」

「ワァゥッ」

 突如海岸の鼻から現れたトビカゲに、轟天が飛び付く。

「遅いですよ、轟天。

 私はこっちです」

「こっちこっち」

「はっはっはっは」

「捕まえてごらんなさーい」

 辺りにいる団員達の鼻や耳から複数のトビカゲが現れた。

「ワウーー

 轟天も不可思議な存在であるが、トビカゲは更にその上を行く不可解な存在だった。

「お前ら、消えてなくなれーーっ!!」

 熱線発射!

 DOGOOOM!!

 HGP創英角ポップの爆発音。

 吹き飛ぶ人、人、人、人。

 そんな大騒ぎの中、フィーリアが目を覚ました。

「モガ・・・」

 声を出そうとしたが、猿轡がされたままだったので、出なかった。

 だが、その様子にアキトは気付いたようだ。

「ラーンスロット・ザ・ワールド!

 止まれい、時よっ!」

 時間停止。


0.001秒

 昂気によって己が肉体の能力を数十倍に高めたアキトが、走り始めた。


0.005秒

 真っ直ぐにフィーリアの元へ行こうとするので、間にいる嫉妬団員が邪魔だった。

 だから、昂気刀で切り裂いて道を造る。


0.01秒

 嫉妬マスクへ続く道に出る。

 加速。


0.05秒

 嫉妬マスクに肉薄。
 MAX昂気の本気パンチを、オラオラ


0.1秒

 ついでとばかりにトリストラムで殴り、その体を石像へと変えた。

 ・・・・・・・・・とても嫌な石像だが。


0.5秒

 猿轡を外す。


1秒

 ヒモを解き、抱きかかえる。

 まだまだ時を止めることは出来る(今は楽に20秒は止められるようになっている)が、ここで解除。



そして時は動き出す





 昂気刀で斬られた団員達が、蒼銀色の炎に包まれ、焼滅した。

「おっ、お兄ちゃん、何やったの!?」

 腕の中の少女が、驚いた様子でアキトに声を掛ける。

 彼のスタンド能力を知る者は、岸辺露伴ただ一人なのだから、当たり前だが。

 しかも、その彼とて“アーサー”についての他人の記憶を知ることが出来る能力しか知らないのだ。

「ま、手品みたいなものだよ、フィーリアちゃん」

 それから、

「それじゃ、フィーリアちゃん、とりあえず戻ってから、どこで寝るか決めようね」

 フィーリアを背中と膝裏で抱きながら(よーするにお姫様抱っこ)歩き始める。

 途中で襲いかかってきた嫉妬団員は容赦なく蹴飛ばした。





 アキトが戻った後も水島、ランコ、トビカゲに轟天、桜花は暴れ続け、嫉妬団は壊滅したそうです。










後書き

 “destruction”は、『壊滅』という意味です。

 ・・・まぁ、それは置いといて。

 特に書くことがないので、次回の予定を軽く。


 次回、寝る前の騒動を軽く描いたら、ひなた荘に戻る予定です。

 ひなた荘に戻るのは、一話先送りになる可能性も大いに有り得ますが。


 それでは、ここら辺で。

 

 

 

代理人の感想

特に書くことがないので、次回を待ってて下さい……じゃなくて(爆)