_長い間沈黙を保っていた『漆黒の戦神、その戦後の軌跡』。
_漸く出会った方を発見したので、お送りできます。
_それでは、お名前をどうぞ
ウチの名前は『紺野 みつね』や。
みんなには『キツネ』呼ばれとる。
よろしゅうなー。
「漆黒の戦神」アナザー
紺野 みつねの場合
_それではまず、どこで彼と会ったのか教えてください。
ウチが会ったんはな、神奈川県の日向市、ってトコや。
_神奈川県の日向市・・・・・・?
_それはもしかして、数ヶ月前に戦神の偽物が現れたところでは?
そうや。
そこに、ホンマに戦神がいたんやから、世界は広いようで狭いな〜。
_本当ですね。
_・・・・・・それで、どういった状況でお会いになったんですか?
なんちゅーか・・・・・・、その、パターン通り、っちゅうヤツやな。
あの日な、ウチの寮の管理人と銀行に行ったんや。
・・・・・・溜まりに溜まった家賃を払うために行ったんやな。
管理人も一緒に来たんは、ウチが支払い渋ってバイト代持って逃げへんようになわけや。
_・・・・・・というか、そんなことになる前に、しっかり家賃払いましょうよ。
なははははははは・・・・・・
(笑って誤魔化す紺野さん)
そんなことよりもな、その時に強盗が襲って来たんや。
_ごっ、強盗ですか?!
そうや。
でもな、そんときにたまたま『漆黒の戦神』がいたからなー。
お陰でうちら客は、全員無事や。
強盗も含めて、誰1人けが人は無し。
いやー、ホンマにすごいモンやなー、戦神は。
_強盗も、怪我は無し。ですか?
そうやで。
一時は、警官隊に囲まれて強盗もヤバかったんやけどな。
_やばかったとは一体?
強盗はな、キレてな、木連の人間の1人や2人と引き替えに、うちらを解放しよう、
なんて相談し始めたんや。
_な、何でまた?!
なんかな、元軍人だったらしくて、戦争が終わって解雇。
職も見つからず、今までの貯金もなくなって、それで強盗したらしいんやけどな。
それで、ただで捕まるか、って。
木連の人間を道連れにして、死んだ家族の仇でもとる、ってな。
まったく、無茶苦茶もいいとこやわ・・・・・・
_確かに・・・・・・。
でも、彼らはそれがきっかけで戦争が再開になることなどを考えなかったんですか?
そうや、それや。
それをな、たまたま銀行にいた戦神が訊いたんや。
ヤツらの1人が、
『俺も妻を殺されたんだよな、アイツ等の無人兵器によ。
そうさ和平なんて知った事か―――殺したいから殺すんだ。
俺達と同じ考えの奴は沢山居る、きっと木連の人間を一人は連れてくるだろうさ』
って言った後にや。
_・・・・・・・・・・・・。
『和平を壊して・・・その後はどうするんだ?』
それが、戦神の第一声やった。
それにな、こう答えたんや。
『そんな事知るかよ、どうせその時には俺達は生きていないだろうからな!!』
戦神は、それでヤツらを止めるたんや。
『せっかく戦争を生き延びたあんた達が、未来がないなんて言うな』、ってな。
ヤツらは、沈められかかった戦艦に乗ってて、戦神に助けられたそうや。
_それで・・・・・・彼らは?
一人がやられたところで、降参。
正確に言えば、その直前に、その言葉を言った人間が戦神やって分かったんやけど
な。
_というと、例の格好を・・・・・・?
いや、普通の、どこにでもいるような格好をしとったわ。
だけどな、人質にされたときに付けられた手錠を、蒼銀の光・・・・・・『昂気』
やったかな?・・・・・・を身に纏って引きちぎって。
その時に、戦神やって分かったんや。
・・・・・・連行されるとき、ヤツ・・・・・・彼らは戦神に訊いたんや。
『―――なあ、アンタはどんな未来を描いてるんだい?』
_『彼』は、それになんと・・・・・・?
『・・・俺もそれを探してるのさ、自分のやりたい事をね』
それが、戦神の答えやった。
神格化された希代の英雄も、人・・・・・・人間なんや。
ウチも、この『漆黒の戦神シリーズ』で知った『彼』の姿しか知らんかったからな・
・・・・・
勝手な思い込みで、『彼』を見ていたこと、すっごい後悔しとるわ。
・・・・・・・・・もっとも、女っ誑し、ちゅうコトだけは事実やったと思っとる
けどな!
_・・・・・・まさか、それは・・・・・・・・・?
そうや。
・・・・・・ウチも、惚れたかもしれんわ。
_手強いライバルが大勢いますよ?
大丈夫や。
戦神に一番近いんは、ウチやと思っとるからな!
_それはまた・・・・・・・・・
_それでは、最後に『彼』に一言。
『自分のやりたいこと』、早く見つかること、祈っとるからな!
女難にめげずに、がんばるんやで!!
民明書房刊「漆黒の戦神、その戦後の軌跡5」より抜粋
日本国神奈川県日向市ひなた荘管理人室205号室
ダダダダッ!
ガラララッッ!!!
ほとんど破壊音と言っても差し支えないほどの音を立て、キツネの目の前にアキト
が現れた。
「キツネさん! 何考えてるんですか!!」
「え? 何考えてるって、決まってるやろ?
アキトからかうことや」
しれっと答えるキツネにアキトが泣きつく。
「ホンマに冗談止めてください!
じゃないと、俺マジで殺されるよぉ〜〜!!」 (T○T)
某国某所
「ふ・・・・・・ふふっ、ふ・・・・・・・・・」
某髭眼鏡指令が、上司(?)面々と会話するような謎の空間。
そこに17人の人間の姿があった。
そして、17人の内16人は、怪しい笑い声を上げていた。
・・・・・・いや、『笑い声』と言うよりは『嗤い声』か。
残りの一人が、それを恐れ戦きながら呟いた。
「アキト君、早く戻ってこないと命が危ないわよ・・・・・・・・・
・・・・・・それよりも、このまま永遠に戻ってこない方が安全かも・・・・・・?
」
それは誰も否定できない。
・・・・・・というか、寧ろ肯定すらする。
新 本星への報告書5
いやぁ、久しぶりですね、『漆黒の戦神アナザー』。
僕だけじゃなく、他の人も最近これが出てないような気がしますねぇ。
・・・・・・確認しようとしたら、『漆黒の戦神アナザー大全』が消えていたため、
めんどくさくなってやめた。
ああ、『漆黒の戦神アナザー』よ、お前の最終更新日はいつだ?!
その後更新履歴から探した限り、見落としてなければ4/2だったが・・・・・・
追伸
『蒸気王国の王女』第7話は、日曜の午後8時ちょいに送ったものです。
ギリギリ更新されると思ったのですが、無理だったようなので、『火曜日に剣道の
試合があった』と誤解される方がいるかもしれないので、念のため。
追伸2
ノスフィーさん、『蒸気王国の王女』に絡まってくる麻宮
騎亜の作品。大当たりです。
ですが、別のものも絡んできますので、考えてみてくださいネ。
新 本星への報告書5 終
管理人の感想
久しぶりの「漆黒の戦神」アナザーシリーズです。
しかし、この話を持ってくるとは思ってもいませんでしたね〜
時間軸で言えば、ナオの結婚式が終って・・・事態が一段落した後か?
ミナトさん、今だ彼女達のストッパー役をしてたんだ(汗)
気苦労が絶えないだろうな〜