「ほらアキト、さっさと運ばねぇか!」
「はい!」
「ほら、次だ次!」
「はいぃ!」
「ほい、休憩だ!
休んでいいぞ!」
「はいぃ〜〜・・・・・・」
これがアキトの普段の生活となった。
機動戦艦ナデシコ
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THE AVENGER
第2話
アキトの日常
「ふん、ふん、ふ〜〜ん♪」
アキトは鼻歌を歌っていた。
時は2194年12月2日。
外は、朝早くから降った雪が積もっている。
アキトは、積もった雪を除けていた。
鼻歌を歌いながら。
自分が何者なのか分からない。
そんな不安もくっきりと胸の中に染みついている。
しかし、少なくとも、こうして体を動かしている間はそれを忘れられる。
「おう、アキト。
ご苦労だな!」
「サイゾウさん。
別にいいですよ。
置いて貰ってるんだからこれぐらいはしなくっちゃ。
それにしても・・・・・・」
アキトは何かを懐かしむような遠い視線をした。
「雪と言えば・・・・・・
あの時もこんな雪の中屋台を出してたんだっけ・・・・・・
それで気温が氷点下行っちゃって・・・・・・
あいつがコーヒー持ってきてくれたんだよな・・・・・・・・・」
「おっ、おいアキト!」
「なんスか?」
「お前、今・・・・・・」
「え?
今、俺なんか言いましたか?」
辺り一面に「?」マークが飛ぶ。
あまりにも多すぎて、アキトはその「?」マークの山に埋もれてしまった。
早く助けないと窒息死してしまうかも。
「いや、まあ覚えてないんだったら別にいいが・・・・・・」
(・・・・・・このまま記憶が戻ればいいんだが・・・・・・
だが、そいつは思いだした方がいいモノなのか?
世の中には忘れていた方がいいこともあるからな・・・・・・)
サイゾウはアキトに背を向けると、午後の仕込みのために店の中へと戻っていった。
アキトは鼻歌を歌いながら雪かきを続ける・・・・・・・・・
もうすぐ訪れる、運命の転機を知らずに・・・・・・・・・・・・
本星への報告書 TA−2
運命の転機。
これが何なのかは次回を参照のこと。
それにしても・・・・・・
ナデシコの小説なのに未だエステやナデシコはおろか戦闘シーンすら出てこない!
・・・・・・さっさと書かんとな・・・・・・・・・。
本星への報告書 TA−2 終