「お待たせしましたーっ!
 
 私が艦長のミスマルユリカです。
 
 ぶい!」
 
 ・・・・・・・・・馬鹿が来た。
 
「艦長!もう二時間の遅刻ですよ!!!」
 
「ほえ?

 まだ5時ぐらいだと思ってたー」

「それでも一時間の遅刻です!」

 ・・・・・・アンタの母親、最終兵器「邪夢」造ったりしないか?

 などと数人の人間は思った。

「・・・・・・どうでもいいですけど、早くしないとナデシコがピンチです」

「あ、そうだった。

 状況をお願いします」

「バッタ・ジョロ合計300機ほどが地上軍と交戦中。
          本   艦
 行動から見てナデシコが目的かと」

「ユリカ〜、どうするんだい?」

 顎に手を当て、思考するユリカに、世界一影の薄い男アオイジュンが声を掛ける。

 ユリカは顔を上げた。

「ドッグより海に潜行。

 敵の背後に出た後、主砲で殲滅します」

「だが、そう簡単に相手がまとまってくれるとは限らないぞ」

 ・・・・・・今の今まで作者が存在を忘れていたゴート・ホーリーが言う。

「格納庫にロボットがあったでしょ!

 全部出せば一機ぐらい生き残るわ!」

「それは無理です」

「な、何でよ!」

「パイロットがいません」

「そっ、そんな!

 じゃあどうしろって言うのよ!」

 その時、いきなり通信が繋がった。

『ちょ〜〜っと待った〜〜!
     こ と
 俺の存在を忘れてもらっちゃぁ困るぜっ!』

「・・・・・・だれよ、こいつわ」

「パイロットのや『俺の名前はダイゴウジガイだっ!』マダさんです」

「なによっ!

 パイロットがいないって言うのは嘘だったの!」

「いえ、ヤマダさんは足を骨折しているので、使い物になりません」

「え゛ぇ!?」 (ユリカ)

「それじゃあユリカの作戦は・・・・・・」 (ジュン)

「誰かロボット操縦できる人いないんですか!?」 (メグミ)

「私、一応出来ます」 (ルリ)

「だ、だったら!」 (オカマ茸)

「無理です。

 私がエステバリスの操縦をすれば、すぐに墜ちるでしょう。

 大体、私無しでどうやってナデシコを動かすんですか?」 (ルリ)

「他にいないのぉ?

 操縦できる人って」 (ミナト)


 う〜〜ん・・・・・・・・・


 みんなが唸りながら考え始める。

 地上軍はどうでもいいのか、ナデシコ!

「! IFSの反応を私とヤマダさん以外に発見しました!」

 「俺はダイ(略)」と騒ぐヤツがいたがそれは無視する。

「誰だねそれは」

「その・・・・・・テンカワさんです」

 ブリッジにいるメンバー全員の目がアキトに向いた。

「え?オレ??」



機動戦艦ナデシコif
THE AVENGER


第5話
 戦場に舞来るは・・・・・・





「何でオレが・・・・・・」

 さめざめと泣きながら、アキトはエステバリスに搭乗していた。
 
『作戦時間は10分間。

 健闘を祈る』

 ゴートの言葉がコクピットに流れる。


 いや、祈られたからってどうなるものじゃ・・・・・・


 そんなことを考えながら、自分がどうなるのか、真剣に心配する。

(俺・・・・・・生きて帰れるのかなぁ・・・・・・・・・

 きっと無理だろうな・・・・・・

 サイゾウさん、短い間でしたがお世話になりました・・・・・・・・・)


 うわっ

 思いっ切り諦めモードじゃん


 そこにナデシコ艦長ミスマル ユリカから通信が入った。

『ところで、あなたは一体何をしに来たんですか?』

「え?あ、ああ。

 さっき渡せばよかったんだけど・・・・・・

 この写真を届けに」

 アキトが懐から取りだした写真を見て、ユリカの顔色が変わった。

『こ・・・これは・・・・・・!』

「オレ記憶そ『あーーっっっっ!!アキトだ!うわーっ、久しぶりだねー、アキトー。髪が真っ白になってるから気付かなかったよー。それにしても何でさっきはユリカのこと無視したの?あ、そうか。アキトは照れ屋さんだもんね。何も理由がないのに私と話したりするなんて恥ずかしくって出来なかったんだよね』・・・・・・いや、そうじゃなくって。

 俺は記憶喪失だから、あなたに会えば記憶を」

 そこまで言いかけたとき、


 ガコンッ


 小さな衝撃がアキトを襲った。

『リフト、地上に出ました』

 ルリの冷静な声が響く。

 アキトの目の前に広がるのは、赤い目を光らせたキカイの虫ドモ。

「あ・・・・・・あ・・・・・あ、あ、あ、ああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!
 
 命を持たぬムシ共を見たとき・・・・・・

 アキトの中に何かが膨れあがった。

 それは激しい情動。

 その源が何なのか・・・・・・

 それは分からない。

 ただ一つ、分かることがある。

 この情動は恐ろしさから来るものではない。

 激しい怒りから来るもの。

 心に沸きあがる思いはただ一つ。

 殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。殺シテヤル。
 

殺シテヤル!!


 
「うわあああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
 
 アキトが雄叫びを上げる。

 感情を持たぬはずのバッタ達が・・・・・・

 確かに、目の前のエステバリスに恐怖した。





 本星への報告書 TA−5

 後書きか・・・・・・

 特に書くことがない今日この頃。

 ま、どーでもいいかー。


 最近他のホームページにも進出しようかと考えているE.Tでした。
本星への報告書 TA−5 終