「ふっふっふ・・・。ついに完成ね」
ここはある戦艦の医務室。三角フラスコに入った黒色の謎な液体を見つめながら、
一人の白衣を来た某おばさんが、それこそ半角ニヤリが似合いそうな顔で呟いた。
「・・・だれが、白衣を着たおばさんですって?
・・・そう、あなた実験台になりたいのね?某医療室の主みたいに?」
し、失礼しました。・・・訂正します。白衣を着た某美人女医師(うわ、なんかこう書くと
やらしいなオイ)が、それこそ半角ニヤリが似合いそうな顔で呟いた。・・・これでいいんですね?
「・・・まあ、よしとしましょう。・・・ふっふっふ・・・お−っほっほっほっほっほ!!
ついに私の時代が来たのよ!!!」
・・・おほん。ちょっと壊れかけている人はおいといて話を先に進めま・・・
「この私をほっといて話を進めようとするのはいい度胸ね。
やっぱり、実験台になってもらうわ」
へ?
ぷすっ
ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
機動戦艦ナデシコ 時の流れに外伝
ナデシコであった、本当に怖い話Vol.01
ナデシコの修羅場
「テンカワ、醤油きれたから食料倉庫から持ってきてくれないかい?」
「は−い」
そう一声食堂の厨房から叫んだのはナデシコ食堂コック長のホウメイ。そしてそれに返事したのが、
我らが主人公テンカワアキト君だ。五年後の未来からジャンプ事故で過去に戻って来たアキト君は、
歴史を繰り返さないために再び戦うことを決意した。
そこまでは良かった。
だが、ナデシコに乗った彼を待っていたのはあの懐かしいナデシコでもなく、苦しい戦闘でもなく、
ましてや自動車学校の面倒くさいテストでもなく・・・・・ハ−レムだった。
もともとアキト君はモテモテだった。それはいいとしよう。
しかしなアキト君、十五人もはべらかしちゃいかんよ。せめて一人に絞りなさい。
そんなことやってるから「希代の女たらし」なんて言われるんだぞ。
ちなみに、そのアキト君ラブラブ(言ってて恥ずかしいな、この台詞・・・)な人達は、
ナデシコ艦長ミスマル・ユリカを筆頭に、ナデシコメインオペレ−タ−のホシノ・ルリ、ラピス・ラズリ
、通信士のメグミ・レイナ−ド、サラ=ファ−=ハ−テッド、エステバリスパイロットのスバル・リョ
−コ、アリサ=ファ−=ハ−テッド、副操舵士のエリナ・キンジョウ・ウォン、整備士のレイナ・キン
ジョウ・ウォン、ホウメイガ−ルズことテラサキ・サユリ、ミズハラ・ジュンコ、サトウ・ミカコ、ウエ
ムラ・エリ、タナカ・ナルミの五人、そして最後に説明おばさ・・・違った説明お姉さんことイネス・
フレサンジュ達十五人である。(ああつかれた)
まさに男の悪夢を具現化したような存在で、しかも本人その自覚が無し!という天然女たらし
・・・ときている。また、乙女心を理解しない、ものすごくニブい男でもある。
いや、その前に鬼畜だな。
「俺は断じて女たらしなんかじゃない!何を言ってるんだ!!」
「・・・最近テンカワのやつ、独り言増えたねぇ」
突然空虚に向かって叫び声をあげるアキト。・・・ハッキリ言ってかなり危険だ。
「うるさい!!お前なんかに・・・お前なんかに俺の苦労が分かってたまるか!」
そうか?一度味わってみたいけどな。とにかくさっさと食料倉庫に行きなさい。話進まないんだから。
「・・・わかったよ・・・。でも・・・せめて・・・外伝だけでもノンビリすごさせてくれ・・・」
・・・ごめん、それ無理だわ。君には、幸せな不幸がよく似合うから。
「なんだとぉ!?」
「え−と、醤油醤油・・・醤油はどこだ?」
ゴソゴソと、食料倉庫の中を醤油を求めて探し回っているアキト。醤油探しもいいけど、人間には
もっと重要な何かがあるんじゃないのかい、アキト君?
「・・・学校の美術の授業で「人間は真実を探し求めるために生きている」
なんてクサイ台詞書いた奴に言われたくないな(怒)」
ど、どこでそれを・・・。
「そうですよ、はっきり言って似合ってませんよ」
「そうそう」
「おわっ!? る、ルリちゃんにラピス、何時の間にいたんだい!?」
「さっきからずっといましたよ。ホウメイさんから頼まれて、お手伝いにきたんです
(まさかオモイカネに命令して、アキトさんの行動を二十四時間スト−キング(笑)してるなんて
言えませんね)」
ちょっと、それはそれでまずい様な気が・・・。
十八歳の青年をスト−キングする十一歳って一体・・・。
「そうなんだ。ありがとう、二人とも(にっこり)」
「・・・いえ・・・」
「・・・・・・(赤面)」
アキトの笑顔を見た二人は真っ赤になっている。この笑顔こそ、アキトの数々の女性伝を作り上げて
きた伝説の最終奥義「アキト・シャイニング(ゴッドでも可)スマイル(価格:0円。
アメリカにもスマイルってあるのかな?今度よく見てみよう)」である。
どんな女性もこれでイチコロ(死語)。・・・決して、殺虫剤みたく思ってはいけない
(D○Tやダ○オキシンもびっくりだ)し、ましてや突然「流○・東○不○はぁ!!」「○者の風よっ!
!」とかなんとか叫び出して拳を交わし合うわけでもない。ラピスがこの台詞を聞いたら、とても喜び
そうだ。
突然現れた二人に驚きながらも、アキトは醤油を探している。しかし・・・そんなに
悪口言わなくたっていいじゃないか、三人とも。
「「「似合ってない(ません)」」」
・・・うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
そ、そんなに言わなくたっていいじゃないかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
「あ、にげましたね」
「にげるのうまいな、あいつ」
「なんかハ−リ−みたい」
一方、ブリッジ。
「へっくしょん!! 風邪・・・かなぁ。それにしてもルリさんにラピス、ちょっとトイレに行って
くるだけだって言ってたのに随分遅いなぁ。どうしたんだろう?
・・・まてよ・・・? ・・・そうか、ルリさんは僕を男として試しているんだな!?
・・・わかりましたルリさん、僕はやります!
あんな女たらしのテンカワアキトよりあなたに相応しい男になってみせます!!
・・・よ−し、やるぞ−!! 打倒、テンカワアキトぉぉぉぉぉぉ!!!」
まさか仕事を全部自分に押しつけてアキトと一緒にいるとは露にも思わず、なにも知らない哀れな
少年は、健気にも二人分の仕事を片づけるべく仕事に精を出していた。
なんでもいいけど、思い込みと思った事をすぐしゃべる癖は直した方がいいと思う。
・・・あえてハ−リ−君とは、言わないけどさ。
・・・つ−か、台詞長いよ、ハ−リ−君。書く身にもなってくれ。
ちなみに、ハ−リ−君はアキトの悪口を言っている事がバレてしまったため(オモイカネがルリと
ラピス、そしてTA同盟の方々にチクッた)、この後ハ−リ−はお仕置きフルコ−ス
(前菜は金と銀の糸さん姉妹のスカイツ○スタ−、ロコ○−ションGにD○C、メインディッシュは
電子の妖精姉妹による乱れ○月花、無月○水、殺劇舞○剣にエ○ド・オ○・○−ト。
そして食後のデザ−トは・・・恐ろしくて筆者の口からはとてもとても言えません(汗))
が待っているのである。
ハ−リ−君、君の幸せを僕は心から願っているよ・・・。だから・・・安心して成仏してくれ、
頼むから。
「悪いね、二人とも。なんか手伝ってもらっちゃってね」
アキトは、自分の両隣を歩いているルリとラピスにすまなそうに謝った。
それぞれ各人腕いっぱいに醤油のペットボトルを抱えている。特にラピスなんかはまだ体が小さいから
それこそ抱える様なかっこになっている。・・・見ていて微笑ましい光景だ。
ただ、ルリとラピスの間で飛び交う電光は、だんだん激しくなってきている。それどころか、
二人の間を何やら妖気らしき物が漂い始めている。
「いえ、そんなことありませんよ(夫を手伝うのは、未来の妻である私の務めですから)」
・・・あの・・・なんか・・・どさくさに紛れてすごい事考えている人がいるんですけど、
気のせいでしょうか?
「気のせいです」
さいですか。
「そうだよ、アキト(・・・ルリのやつさえいなければ、もっといいのに・・・。
今度ダッシュと一緒に考えたアレ、ルリにやってみようかな? ・・・でも、上手くいかないかも
しれないから・・・ハ−リ−で試してみよっと)」
・・・もっと物騒な事考えてる人がいたのか・・・。やっぱり、上には上がいるんだな。
いや、その前にダッシュと一緒に考えたアレって一体なんなんだ、ラピス?
「え・・・それは・・・ひみつだよぉ」
なんで?
「ここで言える様な内容じゃないもん」
・・・・・・そう。聞かなかった事にする。
「懸命な判断だね」
・・・・・・。
「ホウメイさ−ん。持ってきました」
ナデシコ食堂に戻ってきたアキト達は、カウンタ−越しに醤油のペットボトルをホウメイに手渡す。
「ああ、ありがとう。・・・おや?ルリ坊とラピスも一緒かい?」
「え、ホウメイさんが頼んだんじゃ・・・」
そのアキトの言葉で、ルリとラピスが考えていた事を瞬時に悟ったホウメイ。
「そうだったそうだった。すっかり忘れていたよ」
そしてクルリとルリとラピスの方に向き直り
「ありがとう二人とも。御陰で助かったよ」
と二人にウインクする。
「ありがとうございます・・・ホウメイさん・・・」
「・・・ありがとう」
それには答えず、ヒラヒラと手を振りながら厨房に戻るホウメイ。
・・・う−む、さすがナデシコで数少ない良識人。大人だ・・・。
「二人とも、お腹空いてない?なにか作ってあげるよ」
その言葉に顔を輝かせる二人。よっぽどお腹が空いていたのだろう。
「じゃあ・・・チキンライスを(本当は、アキトさんの方が食べたいんですけどね)」
「わたしはチャ−ハン(アキトの方がいいなぁ)」
その注文を、嬉しそうな顔で聞いていたアキトは、チキンライスとチャ−ハンを作るために厨房に
入っていった。しかし・・・君達、いったい何を考えているんだい?それはいくら何でもヤバいって!!
・・・特にラピス、君はアキトと精神が繋がっているんだろう?
「・・・私、精神年齢は十六歳なんですけど?」
「わたしは十一歳だよ」
今の肉体は十一歳に六歳だろう!? アキト君を未成年者淫行罪で保安部に逮捕させる気か、君達は?
「大丈夫です。いざとなったら、ナデシコで全てを破壊します。私達を敵に回すと、どんな事になるか
・・・・・・わかってますよね?・・・それに・・・アキト(さん)のためなら・・・(ぽっ)」
勘弁してくれ、君達が言うと冗談に聞こえないからさ。
・・・わかった。もう何も言わないよ。好きにしてくれ。
「そうします(そうする)」
おい、だから・・・
「ちょっっっっっっっと、待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
誰だ、科白を奪うやつは!
「ちょっと、なんで私がなかなかでないんです?
ユリカが本当のナデシコのヒロインなのに!あんまりです!!ぷんぷんっ!!」
「あ、艦長」
「・・・最近出番が少ないおばさんだ。一体なにしにきたんだろう?」
「・・・ラピス、そういうのは思ってても口には出さないものですよ(汗)」
ラピス・・・君はユリカの事をそんな風に思っていたのか・・・。
「だって、アキトに助けられてばかりじゃない」
ラピス、それは間違っているよ。アキトは彼女に悲しい思いをさせないために自分の体を張って
頑張っているんだよ。それは、君達にも覚えがあるだろ?
「「・・・・・・」」
どしたの、二人とも黙っちゃって。
「Excaliberが、まともな事を言ったのが似合わない(んです)」
・・・僕はそんな風に君達に思われていたのか?僕だって彼の気持ちはわかるつもりだ
(十五人もの女性に追いかけられる苦労は分からないけど)。
という所で、アキトが二人に湯気の立ったチキンライスとチャ−ハンを持ってきた。
「はい、おまたせ。チキンライスとチャ−ハン」
「あ、はい。いただきます」
「いただきま−す」
冷めない内に食べようと、二人は箸(正確にはスプ−ンだな)をつける。
「アキト、おいし−」
「何時食べても、アキトさんの料理は美味しいですね」
「そう言って貰えると嬉しいよ」
照れるアキト。
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!
空調完備なはずのナデシコになんか寒い風が・・・・
ん・・・? ・・・アキト。
「なんだ?」
・・・後ろ見ない方が、良さそうだよ。何か寒いもん。
「・・・そういうわけにも、いかないだろう」
さすが、ナデシコ一の苦労人。悟ってるねぇ。
「悟りたくもないけどな・・・(溜息)」
と、ゆっくりとそれこそギチギチギチと錆びた音が鳴りそうな感じで、見たくもない後ろを
振り替えるアキト。
そこには・・・鬼が立っていた。しかも、十二人。その冷気は、某美人鬼四姉妹の長女(わかる人
いるかな? 個人的には次女と三女が好き)に匹敵するかと思われた。
・・・しかも、それが十二人もいられちゃあねぇ。
「アキト・・・(怒)」
髪の毛がまるで別の生き物の様に、ウネウネと蠢いているユリカ。
「アキトさん・・・(怒)」
ユラユラと、なにやら闘気らしきオ−ラが見えるメグミ。
「テンカワ・・・(怒)」
今にも殴り掛かりそうになる右手を必死に左手で抑えているリョ−コ。
「お腹が空いたわ、テンカワくん。なにか、作ってくれないかしら?(怒)」
口調はいつもと同じだが、目がかなりイっちゃっているエリナ。
「ねえアキト、なにやってるのかな?(怒)」
顔は笑っているが、目が笑っていないサラ。
「アキトさん・・・。どうして・・・(泣)」
涙が、それこそ滝の様に眼から溢れ出ているアリサ。
「テンカワくん・・・。いつもいつも、心を込めて
あなたのサレナを整備しているのは誰だっけ?(怒)」
笑おうとしているが、笑顔が怒りで引きつって上手く笑えないレイナ。
「「「「「アキトさん! なにこんなところで油売っているんですか!?
早く仕事を手伝ってください!!」」」」」
どんなに怒っていようと、仕事を忘れないホウメイガ−ルズ。立派だなぁ。
「はは、アキトのやつ、ついに年貢の収め時か?」
シュンがポツリと言い、その言葉にウンウンと頷くカズシ、ナオ、プロス、ゴ−ト達観戦組。
(いい気味だ。ふられろ。俺達はそれが見たいんだ)
心密かに思っている、某組織幹部達。懲りないやつらである。まあ、アキトがふられる確率は、
万が一にもありえない(と、思う)。
「ナデシコって、ほんっと面白い事が多いよねぇ。今度同人誌のネタに使おうっと」
ちゃっかり同人誌のネタにしているヒカル。がめついやつである。
「面白い・・・面白い・・・尾も白い・・・体も白けりゃ尾も白い・・・。・・・ぷっ、くくくく、
あーっはっはっはっはっ!!!」
相変わらず、寒いギャグを炸裂させるイズミ。周りの温度がさらに下がった様な気がするのは
気のせいか?
いつの間にか、ルリ、ラピスを除くユリカ達TA同盟の方々十二人に囲まれているアキト。
アキトの顔からは冷汗がそれこそナイアガラの滝の様に流れ滴っており、顔色は蒼白を通り越して
真っ白になっている。
よく観察してみると、彼女達全員目がすわっている。小錦級にどっしりとすわっている。
「観察してる場合かぁ! 見てないで助けてくれぇ!!」
空虚に向かって叫ぶアキト。ルリちゃん達に助けを求めればいいじゃない・・・
って、二人はまだ食事中か。
・・・あれ? ・・・そういえば、誰か足りない様な・・・。
「説明おばさんだと思いますよ」
る、ルリちゃん、その科白やばすぎ・・・。
「大方、あの人達に変な薬でも飲ませたんじゃないんですか?
・・・それでは、あの人本人に説明してもらいましょうか、ラピス」
「そうだね、ルリ」
そう言うと、スプ−ンをテ−ブルの上に置き、
「「イネス(さん)、説明して(ください)」
そしてそう呟く事十秒後。突然ナデシコ食堂の証明が落ちた。
「な、何が起こったんだ!?」
突然の事に慌てふためくアキト。
しかし、真っ暗というのにアキトの周囲はうすぼんやりと光って見え、彼女達の嫉妬のオ−ラが
蠢いているのが分かる。これが、恋する乙女の秘密なんだ。乙女というのは奥が深い・・・。
「よろしい、説明しましょう!!」
その声に、TA同盟以外の人達がその声のした方向に注目する。
パッ、パッ、パパッ!
「ス、スポットライトが勝手に!?」
そう言ったのは、ナデシコでも類稀なプロポ−ションを誇り、そしてナデシコ内でも数少ない大人
の女性、ハルカ・ミナトだ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!
「ゆ、床が!?せりあがっていく!!?」
そう言ったのは、ナデシコでも影がかなり薄い人、アオイ・ジュンその人である。
ちなみに、彼の出番は今回これだけである。
「ほっといてくれ!!」
突然空虚に向かってそう叫ぶと、食堂の片隅で影を背負い、ブツブツと自閉症モ−ドに入って
しまったジュン。・・・しまった、つい本音を・・・。
「それ、フォロ−になってませんよ」
・・・まあいいや、話を続けよう。男には構っていられん。
「いい判断ですね」
どうも。・・・しかし、どうやってあんな大掛かりな仕掛けを建造したんだ?しかも、誰にも内緒で?
「フッフッフッフ・・・・・・。こんな事もあろうかと、俺様がみんなに内緒で造り上げたのさ。
その名も、「ウリピ−特製・お立ち台式ステ−ジ」だ!!」
マッド・エンジニアことウリバタケ・セイヤが胸を張って自慢げに語る。
しかし・・・お立ち台なんて、今の人覚えてるいるのか?
あのジュリ○ナ・○−キョ−とか・・・。
シュワワワワワ・・・
「演出用のスモ−クまで・・・。驚きを通り越して呆れるわね」
ミナトがもう、呆れきった感じで呟く。そりゃそうだ、書いてる本人でさえ呆れているんだから。
やっぱりその台「お立ち台だ!!(by ウリバタケ)」うるさい、だまっとれ。
・・・ごほん、その台に乗っていた人物は・・・やはり、説明おば・・・違った説明お姉さんのイネ
ス・フレサンジュその人である。頬が紅潮しているところを見ると、恥ずかしいんだな、やっぱり。
「説明しましょう!彼女達は、この私の作った薬、
「ホンネ−ド(どこかで聞いた名前だな、オイ)」を飲んでいるのよ。
この薬は深層意識が持っている心の仮面、つまり人間の自己人格が被っているペルソナ
(外的人格、仮面意識の事)を無くしてしまうものなの」
・・・どうやら、頬が紅潮していたのは恥ずかしいからではなく、説明が出来る嬉しさから来ている
らしい。すみません、話が難しすぎてよく分からないんですけど
・・・もうちょっと簡単に説明してもらえませんか?
「まあ簡単に言うと、理性が吹き飛んで、本音が出てくる薬ね」
な、なんて都合のいい・・・いや、恐ろしい・・・。
「さて、私もそろそろこれ飲んで、あの子達の戦いに参戦しましょうか」
結局それが目的かいっ!! ・・・でも、なんで彼女達に飲ませたんですか?
「面白そうだったし、なにより効果を確かめたかったからよ」
・・・ようするに、彼女達を使って人体実験をした、というわけですね。
「そうよ」
・・・・・・マジかよ。
「イネスさん、私達の分もありますか?」
「もちろんよ。こういうのは、フェアじゃなきゃ」
そうクスリと笑いながら、懐からリ○インみたいな茶色い子瓶を取り出し、ルリとラピスに手渡す。
「それじゃ、さっそく」
と三人は蓋を取り、三人揃って腰に手を当て、一気に飲み干した。・・・なんか、見てて可愛いかも。
「・・・ぷはぁ。私はどうなのかしら?」
あ、もちろんイネスさんは飲み干し方がなんていうか・・・色っぽかったですよ。
「ふふふ・・・それでは、みなさん始めましょうか・・・。
・・・アキトさん、覚悟は・・・よろしいですね?」
完璧に目のすわったルリが皆を代表して言う。その時まるで最後の審判が下ったみたいだったと、
後にミナトさんは語る。またアキト本人も、あの時は生きた心地がしなかった、寿命が三年、いや五年
ぐらい縮んだと語ったと言う。
「な、なんの覚悟だよぉぉぉぉぉ!!」
「私達の中で、誰が一番好きなのか、という重大な課題を解決しなければなりません。
さあ、はっきりしてください!!」
「「「「「「「「「「「「「「その通り!!(TA同盟の方々)」」」」」」」」」」」」」」
アキトを囲む、いや完全包囲するルリ達TA同盟の方々。その様子を見て、すでにアキトはしゃがみ
こんで現実逃避を始めている。もてる男は辛いねェ、アキト。
「どこがだぁぁぁぁぁぁぁ!! 見てないで助けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
食堂に、アキトの悲鳴が響きわたった・・・。
「・・・はっ!?」
どうやら、食堂のカウンタ−席で居眠りしてしまったらしい。アキトは額に浮かんだ汗を拭った。
「ゆ、夢かぁ・・・。・・・しかし、なんてひどい夢なんだ。しかも、夢おちだし」
筆者の都合にいちいち文句つけるんじゃない、アキト。
「大丈夫かい、テンカワ?だいぶうなされていたよ」
心配そうにアキトの顔を覗き込むホウメイ。
「ええ、大丈夫です」
実は、全然大丈夫じゃない。が、ホウメイの手前なんでもないふりをする。
「そうかい、じゃあ頼みがあるんだけど・・・」
「なんですか、ホウメイさん?」
まさか、醤油取りにいってきてくれなんてホウメイさん言わないよな、と内心ビビリまくりのアキト。
まあ、あれは夢だし・・・実際起こりえるとは限らないし、と考え直す。
「醤油切れたんだ、食料倉庫まで取りにいってきてくれないかね?」
「ええっ!?」
アキトの、本能とも言うべき物が、今日の雲行きを予感していた・・・。
アキト君、君の不幸は今に始まったばかりじゃないが、この日の出来事はかなりの酷い部類に入ると
(筆者は)思う。
頑張れアキト君、君にも幸せはいつかはやってくるさ。たぶんね・・・。
Fin
後書き
みなさま始めまして、Excaliber と申します。
以前には、詩を書いてBenさんのホームページに送っていましたが、
今回初めてのナデシコSSを書いてみました。
「ねえ、Excaliber」
何かな、ラピス。
「この中にいろんなゲームやアニメのパロディが入ってるって聞いたけど、本当?」
あ、それ? 本当です。いろんな所にちりばめてみました。
こんなのあったなぁと、懐かしんでみて下さい。
(多分、すぐ分かると思いますけど…)
ていうか、ルリ、ラピス、そして金と銀の糸さん姉妹、君達強すぎ。
アキト君より強いんじゃないのか?
それでは今度もまた『ナデシコであった本当に怖い話Vol.2 The Jihad of Nadesico 俺達の聖戦 』
でお会いしましょう。
いつ書きあがるかどうかは、未定ですけど(汗)。
意見、感想、誤字脱字等、待ってまーす。
管理人が感想・・・おや?
Excaliberさんから投稿で〜す!!
いやはや、Excaliberさんから投稿小説を頂きました!!
う〜ん、イネスさんが活躍してる(笑)
アキトの受難は終わりませんね〜
・・・張本人はBenだけど(爆)
ま、楽しいからいいでしょう!! それで全部OK!!
他の人に迷惑もかけてないし(本当か?)
けど、このホンネトードをアキトに飲ませたらどうなるんだ?
凄く興味深いな・・・(ニヤリ)
では、Excaliberさん投稿、本当に有難うございました!!
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