注:この話はTV版ナデシコを始めとする全ての既存の作品とはリンクしていません・・・・たぶん(汗)


機動戦艦ナデシコ

『誕生!勇者ラピス』

某時、某宙域

ナデシコはいきなりピンチであった。

『弾が切れた!!補給に戻る。』

エステバリス隊のリョーコ機からの通信が入る。

「了解しました。」

『艦長、補給と修理が追いつかないぞ!!』

ウリバタケさんからの通信が入る。現在、敵無人兵器からの波状攻撃により1時間近くの戦闘が断続的に行なわれている。エステバリス隊は精神的にも肉体的にも機体的にもぼろぼろの状態である。

「・・・・・全速後退、敵がグラビティーブラスト広域モードの射程内に全て入ったら発射、その後反転、この宙域を離脱します。エステバリス隊にはナデシコの護衛を頼みます。」

艦長であるユリカの指示が飛ぶ。

「「「了解。」」」

戦闘中のユリカは頼りになることはみんな知っている。

「グラビティーブラスト射程内に敵残存勢力が入りました。」

「グラビティーブラスト発射!!」

「グラビティーブラスト発射します。」

ギュウイイイィィィィィィィィィィン!!!
チュドドドドドドドドドドォォォォン!!!

「敵残存数ゼロ。」

「エステバリス隊を回収してください。」

「ブリッジよりエステバリス各位へ、至急帰還してください。」

「「「「「了解」」」」」

「・・・・・・・・・・・・エステバリス隊、全機帰還しました。」

メグミからの報告が届く。

「ナデシコ反転!全速前進!!」

「ハァ〜イ、反転っと・・・全速、前進。」

ミナトが復唱しながら操船する。

「戦闘領域より離脱します。」

その報告がされたとたんナデシコクルーほとんどが安堵のため息をついた。

『イヤ〜、今日の戦闘はきつかったね〜。』

『ホント、ホント・・・出撃、被弾もしくは弾切れ、帰還、補給または修理、で、また出撃の繰り返しだったもんね〜。』

『お歳暮のお返しに栗を送る・・・・・栗返し・・・クククククククク・・・・・』

『あ〜〜〜〜変な奴、変な奴、変な奴〜〜〜!!!』

『リョーコちゃん落ち着いて。』

一斉にパイロットたちからの通信が入りどうでいい事を喋りだす。

「ちょっと待ってください。正面に敵の反応・・・・チューリップ13。戦艦・機動兵器多数。」

「「「「「「「「「ゲッ!!!」」」」」」」」」

「後方よりも先ほどの部隊のチューリップ4と敵ゲキガンタイプ5、戦艦・無人兵器多数・・・挟まれました。」

「エステバリス隊出撃。」

『無理だ!!この機体じゃ死に行く様なもんだぜ。パイロットたちに死ににいけって言うのか!!』

「万事休す・・・・ですか。」

ブリッジの諦めのムードが漂う。

「!!!!格納庫の扉が開いていきます。この反応はエステバリス!?」

珍しくルリの焦った様な声が響く。そのとき通信が入る。

『ラピス=ラズリ、エステバリス勇者フレーム発進します。』

「「「「「「「「ラピス!?」」」」」」」」

『ラピス!!その機体はまだ完全じゃないぞ。』

ウリバタケが通信に割り込んでくる。

『ダッシュの計算では現状で十分は動きます。』

『しかし・・・・』

「発進を許可します。ラピス、雑魚には目もくれないで。チューリップとゲキガンタイプのみを狙ってください。」

「「「「「「「「艦長!?」」」」」」」
『了解。』

クルーとラピスの声が重なる。そこにアキトが駆け込んでくる。

「ユリカ!!どういうことだ。何でラピスを出した!?」

「ゴメンナサイ、アキト。でも私はナデシコの艦長として、みんなが生き残る一番いい方法を選ばなくちゃいけないの。」

ユリカのその言葉に何も言えなくなるアキト。

「ところでウリバタケ!!ラピスの乗ってたあれはなんなの!?また使い込みしたわね!!」

『ラピスの乗っていた勇者フレーム、通称『勇者戦艦 エンジェルラピス』はラピスと俺が共同開発した、対、悪の組織用のフレームだ。固定武装は無いが強力な武装をナデシコや拠点からボソンジャンプで送り込む事ができる。・・・・ボソンジャンプによる武器の転送はイネスにも手伝ってもらったがな。』

『ウリバタケ長官!ドリルを!!』

『わかった、ラピス・ハイパードリル転送!!』

エンジェルラピスの前に真ん中から二つに割れた巨大なドリルが現れる。それを両腕につけると、両手を頭上に持っていきドリルを一つにする。そうするとエンジェルラピスの上半身がすっぽり隠れてしまった。

ギュィィィィィィン

ドリルが回転を始める。

「ハイパー・ドリル・アタァァァァック!!!」

チュドドドドドドドドドドォォォォォン

ドリルに切っ先をゲキガンタイプに向け、バーニアを全開にして突っ込むエンジェルラピス。進路上の敵の無人兵器や戦艦を貫きながらゲキガンタイプにせまる。

ギュウイイイィィィィィィィィィィン!!!

ゲキガンタイプがエンジェルラピスに向かってグラビティーブラストを放つ・・・・

ガキュゥン×5・・・・・・・ドドドドドカァァァァァァン

しかし、敵の放ったグラビティーブラストをものともせずエンジェルラピスは五体のゲキガンタイプ全てに大穴を空けていた。

「「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」」

ナデシコのブリッジでは全員が目を見開いて絶句している・・・ウリバタケをのぞいて。

「ど〜〜だ!!この戦闘能力、未完成の状態でこれだ。完成した日には悪の組織なんていちころよ!!」

いつのまにかブリッジに上がってきたウリバタケが言った。

「悪の組織って何よ・・・・」

エンジェルラピスがナデシコ後方の四機のチューリップに向かって突っ込んでいく、そして見事チューリップの一貴意を破壊する・・・・・しかし流石に持たなかったのか、チューリップを一機破壊しただけでドリルがオーバーヒートしてしまった。

『長官!次は?』

「よし・・・・ラピス・G・ハンマー!!」

ウリバタケが答えると同時にエンジェルラピスの前に全長がナデシコの4倍はある巨大なハンマーが現れる。エンジェルラピスがハンマーを手にとる・・・・というよりハンマーの柄につかまるといったほうが適切な表現かもしれないが。

「ラピス・グラビティー・ハンマァァァァァァ!!!!」

G・ハンマーがD・Fを纏う。エンジェルラピスがG・ハンマーを振り回す。

『潰れちゃえェェェェェェェーーーーーー!!!!』

「何であんなの振り回せるのよ。!!!」

あまりの事態にエリナが叫ぶように訊ねる。

「説明しましょう!!」

突然イネスが現れる。

「エンジェルラピスのラピス・グラビティー・ハンマーには4機の相転移炉と12機の相転移エンジン、それに無数の姿勢制御バーニアが取り付けられているわ。ラピスのイメージを読み取ったダッシュがそれにあわせて制御する事によってこのような無茶な動きができるようになったのよ。」

「「「「「「「「ハァ・・・・・(汗)」」」」」」」」

G・ハンマーは周囲の無人兵器を巻き込んで残っていた三機のチューリップを同時に打ち倒した。

ガキィン・・ガガキィィン・・・ガガガキィィィン・・・・・・・・チュドドドォォォォォォォォィン

『やった!!』

ラピスが喜ぶ。

「ラピス、喜ぶのはまだ早い。まだナデシコの前方に13機ものチューリップが残っている。時間もあと4分ほどしか残っていないぞ。」

『長官どうしよう?』

「ここまでやったら『あれ』も試してみるぞ。」

『完成してたの!?』

「この戦闘がはじまる前に完成したっていう連絡が入ったの。」

『・・・・・・御都合主義。』

ラピスとイネスそれにウリバタケの三人だけで会話している。ほかの人間はみな『???』と頭の上に浮かべている。

「ええ〜い!!御都合主義と笑わば笑えぃ!!やれ、ラピス」

『ハイ!!・・・・
ユーチャリィィィィィィィス!!!』

ラピスが叫ぶとボソンの輝きと共にナデシコ級戦艦・ユーチャリスが出現した。

『ユーチャリス、トランスフォーメーション!』

「艦長、承認して。」

イネスがユリカに言う。

「へ、何でですか?」

「トランスフォーメーションには艦長の承認が必要なのよ。さぁ、こう叫ぶのよ。『ユーチャリス、トランスフォーメーション承認!!』と。」

「わかりました。
ユーチャリス、トランスフォーメーション承ぉぉぉぉぉ認!!!」

承認を受けた事によりユーチャリスが変形して頭部の無い人型になる。

『エンジェルラピス、トランスフォーメーション』

エンジェルラピスが大きな顔に変形する。

『ヘッド・オォォォォォン』

エンジェルラピスとユーチャリスガ合体する。

『勇者戦艦、グレェェト・エンジェル・ラピィィィィィス!!!』

木連のゲキガンタイプをはるかに上回る大きさの勇者の誕生である。

「総員対ショック体勢、いそげ。」

ウリバタケが叫ぶ。

「「「「「「「?????」」」」」」」

訳はわからないがとりあえず従うナデシコクルーたち。

『ナデシコソォォォォォォド!!』

ラピスが叫ぶとナデシコの船尾部分から柄がせり出てくる。

「ウリバタケさん・・・困りますよ勝手にナデシコを改造されては。」

プロスが文句をいう。

「黙ってねーと舌噛むぞ。」

グレートエンジェルラピスがナデシコから出た柄を掴む。

『ナデシコ・ディストーション・ソード!!!』

ナデシコの二本のディストーションブレードの間からディストーションフィールドで形成された刃ができる。ナデシコソードを持ったままチューリップに向かい突進する。途中に存在していた無人兵器や戦艦はグレートエンジェルラピスのディストーションフィールドによって破壊されていく。

『ナデシコソード、縦一文字切り!!』

チュドーーーーン

チューリップが真っ二つに切り裂かれる。残りのチューリップあと12機。

『横一文字切り!!』

チュドドーーーーン

隣り合っているチューリップを二機まとめて切り裂く。残りのチューリップあと10機。

『活動限界まであと一分』

ダッシュがラピスに伝える。

『わかったわダッシュ、N・G・B・ソードを使うわ。』

『了解』

『ナデシコ・G・ブラスト・ソォォォォォド!!!!』

ナデシコからディストーションソードが消える。

『ナデシコ、グラビティーブラスト収束モード発射まで3秒・・・・2・・・・1・・・・発射』

ダッシュのカウントが終わると同時に発射されるグラビティーブラスト。

『ラピス・バトルシップ・エンジェル・アタァァァァァァァァァック!!!!!!』

ナデシコソードを振り回すグレートエンジェルラピス。チューリップが次々と破壊されていく。

『天・使・降・臨!!』

そう言いを終わるのと同時にグラビティーブラストが止まる。

チュドドドドドドドドドドォォォォォォォォン

チューリップの大爆発に巻き込まれて機動兵器と戦艦も次々と誘爆していく。

『グレートエンジェルラピス活動限界、敵全滅を確認。お疲れ様、ラピス』

『ダッシュもお疲れ様。』

お互いに労をねぎらうラピスとダッシュ。

『次は決めポーズも考えとこうね。』

『ハイ』

ナデシコの危機についに姿をあらわした勇者その名は『勇者戦艦 エンジェルラピス』。彼女らの活躍によってナデシコの危機は去った。しかし悪の組織が滅び去ったわけではない。頑張れラピス、負けるなラピス、みんなが君を待っている。ちなみにナデシコクルーは高Gで全員気絶しているぞ。(笑)



つづ・・・・・・かない



後書き
どうも、こんにちは。作者のFEIDです。

今回は何を思ったのか妄想が暴走してこんなSSを書いてしまいました。

もちろん、
無茶は十分承知です。

だから技術的な突っ込みとか「TV版の何時の話だ。」とか「何でこのメンバーだ。」とかの質問はは勘弁してください。私にもわかりません。

ただ今回のラピスは『〜時の流れに〜』のラピスの影響を受けていると思います。

ちなみに続きを書こうにも、もう必殺技のネタ位しか残ってません。(もともと勇者フレームって言う設定と必殺技(武器)くらいしか考えてなかった)

だって合体はしちゃったし最強の必殺技は使っちゃたし・・・・・後は三体合体とか四体合体とかか?・・・・・まぁ、つまり
書けません安心してください。

もし読みたいという奇特な方がいたらメールください。考えてみます。

最後にこんな暴走SSを読んでくださった皆さんありがとうございました。感想とかくれる嬉しいです。

では、皆さんさようなら。