サレナ 〜希望の花〜 第二章 第四話 Cパート

 

 

パン パン パン

 

「きゃー」

「あぶない!!」

筒から光が走るのを見たメグミはすぐに少女の体を押した。

少女はその場で倒れちょうどくぼみに落ちたのだが、

メグミはその場に取り残されてしまった。

 

ドス ドス ドス・・・

「!!」

いくつもの暴徒鎮圧用の巨大なゴム弾がメグミに当たり、

その華奢な体は数メートル吹き飛ばされる。

 

 

「ぁぁぁぁぁ・・・・」

倒れている無抵抗な女性が、制御装置が壊れ乱射される続けるゴム弾を

たたきつけられる悲惨な光景に少女はただ怯えるしかなかった。

 

「メグミちゃ〜〜ん」

無論ブラックサレナにも雨あられとゴム弾が飛んでくるがこれは無視できる。

しかし、女の子がこんなのを受け続ければいずれ死んでしまうだろう。

 

「くっそぉぉぉぉ」

アキトはたまらず近くの攻撃用ポッドを体当たりで破壊する。

だが狂ったシステムは通常の鎮圧は不可能と判断しさらに残虐な攻撃を用意していた。

 

「そんなっ、対バッタ用の攻撃システム??

あ、あの女の子をロックしました。」

「ちょっとまって、そんなの作動したら・・・・」

アキトはブラックサレナを駆り少女の目の前に出る。

少女があまりにも近すぎるのでディストーションフィールドを張るのは不可能だ。

バシッ バシッ

くっ。

対バッタ用の攻撃の直撃を受ける。

「右装甲に亀裂発生・・・・及び、右部バーニアに異常!!」

 

さすがは追加装甲と呼ばれていたこともあり、迎撃システムからの攻撃を何とか防いでいた。

 

「早くしてくださいサレナさん」

「はい、でもこのシステムは完全に独立していてまずは端末を探さないと・・・・」

 

 

「う・・・・うぅぅ」

何とか起きあがろうとするメグミを暴走する迎撃システムは第二のターゲットとした。

 

「機能している端末を発見しました。

すぐに防犯システムへの侵入を開始します。」

 

 

「メグミちゃん!!」

コックピットに響くアラートにはっとするアキト。

モニターをメグミの方向に向けると絶句した。

 

「なっ」

たった一発の攻撃で枯れ葉のように吹き飛ばされる人。

自然にアキトはコンソールから手を離して、助けようと手を伸ばす。

だが・・・・・・手を伸ばそうにも、届かない。

 

「メグミちゃぁぁぁん」

名前を呼んでも・・・・

ただ何も出来ずそのまま受け身も出来ず人形のように

地面にたたきつけられた人の影を見ることしかできなかった。

 

「〜〜〜〜」

ただ、何も言えない。

頭が真っ白になったように、

コックピットに響く警告音も今は頭の中には入ってこなかった。

 

「制圧完了、強制停止コード送信・・・・・

・・・・・・

送信完了。

防犯システムは完全に停止・・・・」

サレナの報告を聞く前にアキトはコックピットのハッチを開く。

ハッチを開く瞬間、防犯システムの最後の攻撃をコントロールされていないはずの

ブラックサレナが巧みにかわした。

そして、ハッチが完全に開く前にアキトは外に飛び出した。

不必要に低姿勢のブラックサレナから飛びだし、血だまりが広がる地面へと走る。

 

アキトは倒れたメグミを抱き寄せると、黒いはずのコートが真っ赤に染まった。

メグミは力無く目を開けアキトに抱かれているのを知ると、ふっと笑った。

その微笑みがアキトにはよけいに悲しくさせた。

 

「ふふっ、へいきです。

これぐらい・・・・じゃ、たぶん・・・・しなないですよ。」

「!?」

優しい人は人を傷つけないように平気でうそをつく。

それが見え見えのウソであっても。

だからアキトは何も言えなくなった。

彼も優しい人だから・・・・

 

「あのこは・・・・?」

「うん、怪我は無いみたいだよ。」

メグミはアキトの目をジッと見つめる。

好きな人の言葉は、たとえどんな言葉でも信じられる。

優しい嘘と真実。

矛盾だらけの世界だけど、優しさだけは本物

 

 

「・・・・よかった。

また私の前で人が・・・・しぬんじゃないかと・・・・・・・・おもって・・・」

メグミは泣きそうな顔のまま、目を閉じた。

 

「メグミちゃーーん」

ただ、アキトはメグミが遠い世界に行かないように、ただ名前を呼ぶしかない。

思い出と言う遠い世界より、ただ自分の側にいて欲しくて・・・・

 

 

 

「はい、そうですメグミさんを最優先で・・・・」

「・・・・・・・」

 

「その次は男の方です。」

「・・・・・・・」

 

「はい後の二人は外傷はほとんどありません。」

「・・・・・・・」

 

 

・・・・・・

 

主がいないコックピットの中、・・・・淡く光るウィンドウにはただ無表情のサレナの顔が見える。 

「迎撃システムの制作元は・・・・やはりクリムゾングループですか・・・・

暴走すると無差別なのは、やはりお家芸と呼べばいいんでしょうかね?

フフフッ・・・・・」

後書きなのら〜〜

GC版PSOのため大幅に遅れていたサレナがやっとできました。
(あうあう、ラブハートの装備レベルは131なの〜〜??)
 
ちょっぴりサレナさんが怖いのですが・・・・これが素なんです。
(サレナさんは敵には容赦ありませんから・・・・特にグリムゾンは)
 
バッタ用のミサイルを受けたメグミ嬢ですが、死んでません。
(大けがでしばらく戦線離脱なのはいうまでもないですが・・・・)
 
基本的には人は殺さない方針で進めるつもりなので、
メグミ嬢はじめその他のキャラのファンのみなさんご安心を・・・・

あとこのSSにアドバイスをくれた方々に感謝ですぅ
アドバイス完全に生かし切れてないけど・・・・(汗)

ご感想なのら〜〜

コメント代理人 別人28号のコメント


そう言えばクリムゾンってバリア技術が優れているのでしたね

その事を考えれば 一般家庭用のセキュリティを開発販売してても不思議じゃないのですが


一体、どんなCM流してるのでしょう?


どこぞの社長みたくロバート自ら出演してたらヤですねぇ

テツヤやブーステッドマン達が出演してるのも物騒

・・・いや、ある意味 見てみたいかもしんない


まぁ、あんな暴走すると人命に関わるような代物では訴訟問題とか起きそうですが

次回あたりプロスさんがメガネ光らせて電卓叩いてるかもしれません




しかし、対バッタ用の警備システムなんて民間レベルで流通してるのでしょうか?

連合軍の兵器でも歯が立たないバッタを撃退できる破壊力となると

周囲の被害も相当のモノになりそうな気がするのですが

正規の流通ルートにのってる代物なのでしょうか?


もしかして クリムゾンだからOK?

商品開発部は某Y氏みたいな人ばかり?

・・・恐ろしい会社です、ネルガルに勝ち目ありません、色んな意味で




メグミの方は何故か無事のようなので心配無用のようですが

バッタを撃退できる威力の攻撃を食らえば普通は死にマス

・・・頑丈な娘さんだ



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