「これは・・・・どう見てもピクニックだな。」
「はは・・・・まぁ彼女からみれば本来ならこの程度のミッションは
ピクニックになってしまうね。」
本当にこいつ(フィラ)は実力者なのか??
ディスプレイに写る光景を見て俺はますます信じられなくなった。
NADESICO in PHANTASY STAR THE DARK SOUL |
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第1部 -PHOTON MANAGER- 4話 | 科学の魔女 |
Disply Window |
「ねぇねぇ〜帰ったらどうするぅ? 8番ロビーでドナドナ合唱団がくるんだって。 一緒にいこ〜〜。」 「合唱団ですかぁ? はじめてみますぅ。たのしみですね」 |
・・・・・どうみてもこいつらが危険地帯を歩いているようには見えない。
まぁ、暗い不気味な部屋が二人がピクニックに来ているのではないという説得になるが・・・・
Disply Window |
「あ・・・反応です・・・・」 |
ん?
急に視界が止まる。
視点が振り向くと何もない空間からシミが出来たかのように黒い物が広がる。
黒いシミのような物は、カメラの焦点が合っていくかのようにだんだんと鮮明になる。
「これが・・・・敵なのか?」
「ああ、君は始めてみるようだね。
まぁ無理もないね、僕もここに来て始めてみるタイプの生命体だよ。」
それは異形だった。
数にして4匹。茶色い光沢のある皮膚。
腕の代わりに武器らしき光る剣のような物がある。
こんな物と戦っているのか・・・・
Disply Window |
「ねぇねぇ、実験区間はここだっけ?」 「ちがいますぅ、ここじゃないです。」 「あっそ。」 ん?異形は実体化した瞬間に消滅した。 「いこー、早くドナドナ団を見るのだぁ。」 「あ〜〜はいはい、はやくおわりましょぉ」 |
「おい・・・実体化に失敗したのか?」
「いや、たぶん違うよ。
あれはたぶんフォイエかギフォイエだねぇ。
フィラ君が実体化の瞬間に4体同時にテクニックを放ったみたいだね。」
「テクニック?なんだ?」
「ん〜〜君たちで言う魔法みたいな物だよ。
まぁタネも仕掛けもあるマジックだね。」
よくわからんが、こいつは魔法使いと言ったところか?
それよりも俺は道化師にも見えるな。
だが、あの異形の強さが分からない以上このガキの強さを知ることは出来ないだろう。
何せ一瞬で消されたんだ。
強さが全く読めない。
ただの道化師か、それとも偉大なる魔術師か・・・・・
それからの戦闘は圧倒的だった。
敵が現れて数秒後には床のシミと消える。
こんな事が何回か続いた。
これだけ見れば、このガキがいかに強大な魔術師かと言うことが分かる物だが・・・・。
もしかしたら、敵は張りぼてで触れただけで倒せるかも知れない。
物差しの単位が分からない以上、物事をはかることは出来ない。
Disply Window |
「あ、実験区間に来ました。 これならドナドナ団の講演まで間に合いますね。」 「うい〜〜。 パッとやってパッとかえろぉ」 そして視界が部屋の中心を向いた。 そこには黒い染みではなく光が現れる。 「ありゃ?何か変だよぉ・・・・」 フィラは大げさに首を傾げている。 「あれれ??未知のフォトンの反応です。」
「もしかして・・・・『お馬さん』とか・・・・・やばいかな?」 今までの余裕の表情が少し崩れ、顔を引きつらせてこちらを向いている。 「さぁどうでしょう?? ダークブリンガーの出現パターンとは異なりますが・・・・」 |
彼女たちは見たことのない光でも俺にはもう見慣れた光景になる。
これはボゾンの光・・・・ つまり俺が現れた瞬間か?
ボゾンの光はだんだんと強くなり、輪郭が現れる。
黒いバイザーとマントを着た男が現れたかと思うと、そのまま倒れる。
Disply Window |
「ハンターズ??」 「あれれ? ハンターズじゃないみたいですねぇ。 ID反応がないです。」 「ん〜〜じゃぁ軍関係?」 「あのぉ、一応軍でもID反応はあると思うんですが。」 「じゃぁ敵?」 「あのぉラグオルのモンスター反応はないです。 敵じゃないと思います。」 「じゃぁあの光はなに?」 「テレポーターとは違っていましたし。 分かりません。」 一瞬フィラは考えているらしく黙っていたが、すぐに答えを出す。 「このクエスト中止した方がいいかなぁ。」 「はいぃその方がいいかも知れません。 こういったアクシデントは計画にないですし。」 「じゃぁあの男を拾ってから帰りますか?」 「ええって、 あわわわわ・・・・・、てっ敵の反応です。」 「え?」 |
フィラを向いていた視点が俺が倒れていた当たりに向く。
黒 黒 黒
クロ クロ クロ
闇 闇 闇
ヤミ ヤミ ヤミ
Disply Window |
まるで黒い絵の具をぶちまけたかのように当たりが暗くかすれて見える。 「っ敵の反応ですぅ。 数は・・・・30です!! さらに実体化すると思われる数は100匹以上、測定不能です!!」 「げ・・・・まじ?」 |
黒い影がまるで俺を追うかのように大量に現れた。
部屋の壁が見えなくなるほどの大量のモンスターが、不気味に光る目をこちらに向けている。
Disply Window |
情報収集開始 |
ディスプレイが赤くなったかと思うと視点は上になり、監視しているかのように見える。
ん?
「誰が記憶しているんだ」
素朴な疑問だった。
フィラとエルノアがディスプレイに写っている。
これまでの視点はたぶんエルノアだろう。
だが、今はエルノアが画面の中にいる。
つまり誰かがこの映像を記録していると言うことだ。
「ああ、エルノアに装備していた外部記憶装置だよ。
本来はこれで敵の情報を収集するんだけどね。
こう数が多いと、ノイズが多くなって研究には使えないんだよねぇ」
なるほど、いわば空飛ぶカメラと言ったところか。
だがこれで、フィラの強さが分かるという物だ。
Disply Window (Camera mode) |
画面では一匹のモンスターがフィラに向かって飛ぼうとしていた。 がフィラもそれに気が付き転がりながらよける。 モンスターの腕が床に突き刺さり、一瞬隙が生じる。 フィラはその隙に背中につけた武器らしき物を取る。 画面上に緊迫した様子が映し出される中、俺はモンスターの強さを把握しようとしていた。 あの床は発泡スチロール製ではあるまい・・・・ つまり鉄を切り裂くことぐらいなら朝飯前ということか。 ただの張りぼてではなさそうだな。 フィラが取りだした武器・・・・それは巨大な鎌。 そして何かに集中し、手を上に向ける。 「シフタ!!」 一瞬視界が赤くなり、フィラとエルノアの周りに赤い幕のような物が発生する。 「デバンド!!」 今度は青い光がフィラとエルノアを包んでいく。 赤と青の光に守られ、二人は攻勢に転じる。 「でぇぇぇ〜〜」 巨大な鎌ひと振りで、2・3体のモンスターが吹っ飛んでいく。 エルノアの方は巨大な銃で周りのモンスターを同じように吹き飛ばしていた。 だが、倒れたモンスターはまるで何かに操られた無機質な人形のように向かってくる。 |
「あの青い膜のような物は?」
俺はふと気になったことを博士に聞いた。
「シフタとデバンドのこと?」
「ああ、テクニックというやつか?」
つまりは魔法か・・・・
「そうだよ、デバンドは空気の壁で物理的な衝撃をある程度緩和することが出来るんだ。」
テクニックとはナノマシンを使った技術のことなのか。
「じゃぁ赤い方は・・・」
「あれはシフタ。ナノマシンの膜からの特殊な電気信号が神経伝達系を増幅するんだ。
結果的に、人間が使う限界近い力を発揮することが出来るというわけ。」
つまり、人間の限界を引き出す魔法と言うことか・・・・
「なるほどな。
フィラはシフタとデバンドで用意を整えたと言うことか。
ん?エルノアはロボットだろう?
この魔法は意味がないんじゃないか?」
それはそうだろう、ロボットはモーターか何かで動いているのだろう。
モーターに電磁波を当てても何も変わらない。
「いや、正式にはアンドロイド、君が考えているロボットとは違うよ。
特に最新型などは、生体部品を多く使っているんだ。
だから、アンドロイドにも人間と同様の効果があるというわけ。
もちろんメイトやレスタなんかの回復テクニックも効果があるんだよ。」
つまりアンドロイドには筋肉が付いているという訳か?
ムキムキのアンドロイドなんてやつもいるんだろうか?
人間と変わらないか・・・・
・・・・じゃぁアンドロイドと人間との違いとはなんだろうな?
ふと、疑問が生じた。
だがその疑問は、ディスプレイに写る少女達の悲鳴で吹き飛んだ。
Disply Window (Camera mode) |
「あうぅぅ、今日はろくな装備じゃないのにぃ」 「あれぇ、ダメですぅ。 数がおおすぎですぅ」 |
二人の少女から悲鳴が聞こえる。
そうだないくら何でもこれでは数が多すぎる。
倒してもその倍近くのモンスターが現れる。
そうこうしているうちにだんだんと逃げ場を失っていく。
俺を中心に二人が居ることから、なんだかんだいって俺を守っていると言うことか。
Disply Window (Camera mode) |
「あっ!!」 モンスター内の一つが倒れた男に向かって飛んでいく。 「ちっ」 瞬時に紫色の影がその間にはいる。 キ〜〜ン バジ バジ バジ バジ 青い膜とモンスターとの間に一瞬火花が見えたが、 あっという間に青い膜を突き破りモンスターの腕が少女の顔に迫る。 「くっ、」 少女がとっさに腕を出すと腕に着けられたハート型の飾りが激しく光る。 ガキッ。 受け止めた。 「でぇぇぇ」 少女がモンスターに手を向けると冷気がモンスターをはじき飛ばして そのまま2・3体のモンスターを巻き添えにして壁に突き刺さった。 |
ふざけた格好だと思っていたが、それなりの防御機構は備えているらしい。
あの腕の飾りのような物で、鋼鉄すら切り裂く剣を女の腕で防いだのだ。
彼女の防御機構だけではあるまい、彼女自身の「実力」が防いだのだ。
まぁあのピエロの言葉はあまり信用は出来ないが、
「実力者」という意味においては間違いないのだろう。
Disply Window (Camera mode) |
「フィラさん!! 大丈夫ですか・・・・あ・・・・・」 青い髪をたなびかせ一人の少女がボーと突っ立っている。 「帽子・・・・フィラちゃんのぼんぼんが・・・・ ふえぇぇぇぇん」 いきなり泣き出した。 |
・・・・おいおい戦闘中に泣き出すか??
・・・・・すまないが、実力を認めた瞬間、不安になるようなことはやめてほしいな。
この少女の泣き声には、まるで大切なおもちゃをなくした子供のようなもの悲しさがあった。
おいおい、大したことで泣くなよ・・・・戦闘中だろう?
だがいやだな、女の泣く姿を見るのは・・・・・それがたとえ些細なことでも。
Disply Window (Camera mode) |
「あうぅ、大丈夫ですかぁ。 フィラちゃんはぼんぼんがなくても可愛いです。」 ふぇぇぇん。 ふぇっぇぇぇ。 しばらくして、だいぶ落ち着いたのかフィラが泣きやんだ。 だが、戦況はさらに悪化している。 ほぼ四方を敵に覆い尽くされた。 エルノアが飛び込もうとしている敵を迎撃してはいるが、 じりじりと向かってくる大量の敵までは相手に出来ない。 「私のボンボン・・・・」 「は・・・早く終わらせてボンボンを博士になおしてもらいましょう!! 博士ならきっとなおしてくれますよ。」 ・・・・・ジィィィ 「私のボンボン直る??」 「はい!!もちろん」 「じゃぁかえる。」 「でもぉ、このモンスターを何とかしないと。 こんなに敵が多いとジャミングされて、テレパイプも使えないですし・・・・」 |
今まで真っ白に燃え尽き、無表情だったフィラの目が光り出す。
Disply Window (Camera mode) |
「・・・・・・ぶっ殺す。 ボンボンの仇・・・・・」 「あのぉ? フィラさん??」 「ボンボンの仇・・・・・」 「上級テクニックは使わないんじゃなかったんですか? つかれるんでしょう?・・・・ってあぶないですうぅぅぅ・・・・」 「ぶっころ〜〜す!!!! ラ・・・・ゾンデ!!!」 |
そして視界が一瞬でスパークした。
「なに??」
一瞬ディスプレイは真っ白になったがすぐさま回復し、また映像をおくり始める。
ディスプレイに映る映像は、黒焦げたモンスター達だった。
まるで雷にでも打たれたようなダメージだ。
「これが・・・・本気なのか??」
「ラバータ・・・・・ラゾンデ・・・ラフォイエ・・・・・」
青・黄色・赤
視界がいくつもの色に染まっていく。
そのたびにダース単位のモンスターが床の染みへと消えていく。
いくつもの断末魔の中、一人の少女が微笑しながら次々と光を放っていく。
1分後には、床には真っ赤な染みが辺りにばらまかれていた。
何なんだこの世界は・・・・
「進みすぎた科学は魔法と変わりがない。」
つまりここの科学は「魔女」を作ることも可能なのだろう。
あとがき 「フィラたん みすていく」の巻 フィラ 「はははは・・・・」 エレノア「じと〜〜」 フィラ 「あはっ何かなエレノアちゃん・・・・」 エレノア「エルノアです・・・・」 フィラ 「う・・・・でもでもぉ」 エルノア「デモもストライキもありません」 フィラ 「だってぇだってぇ、英語で書くとELENORでしょ? ローマ字読みしたらエレノアじゃん。」 エルノア「ですが、ゲーム上ではエルノアとなってますよね・・・・ それほど似ているというのであれば・・・・ ・・・・ そういえば、Firaさんも「フィ」と「フェ」って似てますよねぇ」 フィラ 「う・・・・ゴメンナサイ」 エルノア「素直でよろしいです」 フィラ 「うぅぅ・・・まだ怒ってるよぉ」 |
最近PSOを始めた代理人の感想 友人に誘われてPSO(PC版)を始めました。 じゃんけんに負けて初心者向けの「ハンター」(白兵戦闘員)ではなく 「卑怯? 最高の誉め言葉だよ!」 とゆー気分ですな(爆)。 と、言うわけでPC版PSOをプレイ中の方、
追伸その一 ううう・・・・・・・ドラゴン(最初のボス)が倒せないっ! 追伸その2 ちなみに、新しいPCは何故かネットに接続できないので 「Phantasy Star OFFLine」の事を指します(爆)。 |