こんにちは
私の出発前の下準備も全部終わって
後はあの人が来るだけです
いったいあの人はどんな登場をするのでしょうか
そしてあの人は、私の知っている人でしょうか?
それとも、この時代の人でしょうか?
私、とても緊張しています。らしくないですけど・・・・・
誰かのいない世界で
「そこには」
・・・・・・さて、時間的にはそろそろ蜥蜴さんたちが襲ってくるころです。
そろそろアキトさんが、エステバリスに乗っていてもいいころです。
ちょっとコクピットを見てみましょうか。
・・・・・・・・
ズウゥゥゥゥゥゥン
「一体何事よ!」
「木星蜥蜴からの攻撃です」
キノコの問いかけに律儀にメグミさんが答えます。
これを始めにブリッジが情報収集のために忙しくなりました。
私も地上の戦況報告のためのデータを出すために
アキトさんがいるかどうかも確認できません。
エレベーターでの通信楽しみにしてますよ。 アキトさん
「敵はわれわれの頭上を攻撃してきてます」
「敵の目標はナデシコか」
「そうと判ったら反撃よっ!!」
「どうやって?」
「ナデシコの対空砲火を上に向けて敵を下から焼き払うのよ!」
「上にいる軍人さんも吹き飛ばすの?」「それって非人道的だと思います。」
「グギ〜〜〜」
「艦長は何か・・・・・・・・・」
・・・・エレベーターはまだ動いてないみたいです。
アキトさんそろそろエレベーターを動かさないと、マズイですよ!!
私は、周りの目を忍んでコクピットの状況を確認しました。
結果は、
搭乗者:ナシ
えっ?アキトさんどこに行ったんですか!?
もうナデシコが発進しちゃいますよ!!
・・・・そういえばプロスさんもずっとブリッジにいましたね・・・・
ということは・・・・・
アキトさんがいない!?
一体どういうことですかアキトさん!!
あなたがここにいないということは
私の知っているアキトさんのはずですよね!!
何でですか?
もう私たちのことは見捨ててしまったのですか!?
お願いですアキトさん
今ならまだ間に合います
コクピットにジャンプしてエステバリスで出撃してください!!
アキトさん!!!!
・・・・・・アキトさん聞いてないかもしれませんが
私は、待っているんですよ
今でもその気持ちは変わっていません
ユリカさんだってこの時代だったら無事ですし
あなただって人を殺してなんていないじゃないですか
なのに、どうして戻ってきてくれないんですか?・・・・・
・・・・・・・判りましたアキトさんが来ないのだったら
アキトさんが帰ってくる場所を作って待つだけです。・・・・
「(ボソッ)オモイカネ、私の補助脳にあるテンカワ・アキト〈闇の王子バージョン〉の音声データと
今まで作っていた戦闘プログラムを陸戦エステバリスにインストール」
「・・・・・・・クゥ〜〜〜〜〜
燃えるシチュエーーションだぜーー!!!!」
「オタク・・・骨折中だろ」
「しまった〜〜〜〜」
・・・・いまです!!
「囮なら出ています」
「「「「「「ええっ!!」」」」」」
「現在エレベーターでエステバリスが上昇中」
「誰だ君は!パイロットか?名前と所属を言いたまえ!!」
フクベ提督がコミュニケを使って
音声のみの通信でエステバリスのコクピットに話し掛けます。
「・・・・・テンカワ・アキト・・・所属は・・・・・無い。」
「はて、テンカワ・アキトなんて方いらっしゃいましたかねえ?」
・・・プロスさんの眼鏡が妖しく光ったように見えました。
「オイ!!!俺のゲキガンガー「ア〜!!アキトだ〜!!
アキト、アキト〜〜!!!
ねぇ、私だよユリカ、ミスマル・ユリカだよ」
ユリカさんが、アキトさんを思い出したみたいです。
しかし・・・・・声だけで解ったんですか?
最後に昔会ったのは、十数年前だったんじゃないんですか?
改めてとんでもない人と認識させられます。ユリカさん
・・・ヤマダさんなんか言ってたみたいだけど
でも、ユリカさんに今アキトさんの周りをうろつかれるわけには行きません
「・・・・ミスマル・ユリカ・・・・・知らないな。」
「エ〜、火星でお隣だったユリカだよー!!思い出した!?」
「・・・・・・」
「ちょ、ちょっとユリカ、あのパイロット誰なの!」
ちょっとジュンさん慌ててます
「うんっ、私の王子様。
ユリカがピンチのときいつも助けに来てくれるの!!」
周りはユリカさんをとんでもないような物を見ているようです
・・・・さて、そろそろ地上です。
準備をしなくてはいけません。
「エレベーター停止、エステバリス地上に出ます。」
「作戦はナデシコが海上に出るまでの10分間、何とか敵を引き付けてくれ。
では、健闘を祈る。」
ゴートさんがムッツリした顔で無人エステバリスに頼んでます。
・・・オモイカネ、「戦闘プログラム」スタート
「了解」・・・・ヴゥン・・・
そんなウィンドウが出たのと同時に目を光らせたエステバリスが行動を開始します。
・・・やはりこの戦力比の場合、かわすのを重点的にした方が
有利になるとプログラムも判断したみたいですぐにローラーダッシュで回避行動に入りました。
そこに、敵機を見つけたバッタやジョロたちが一斉に背中に収納してあるミサイルで攻撃を仕掛けてきます。
エステバリスはそれを難なくかわしていき近くにいたバッタたちをワイヤーフィストで破壊していきます。
でも、ちょっとおぼつかない、人間らしくない動きをしながらです。
バッタから取ったプログラムをエステバリスのサポート用に改修したものですから仕方ないといえばそうなんですけど
・・・・まだプログラム単体での実戦は少し速かったみたいですね
でも、そんなプラグラムの動きを見てゴートさんは満足したらしく
「ミスター、彼はなかなかやりますね。よく囮役を務めています。」
「ええ、しかしこれから補充するパイロットにはかないませんよ」
「ホウ、それは楽しみです」
・・・プロスさん聞こえましたよ!!(怒)
未来のアキトさんが昔のリョーコさん達に負けるって言うんですか!!
確かに今回サポート用でプログラムは完全ではありませんけど
次の戦闘では完璧にしてリョーコさんたちにも圧勝するようなものにして見せます。
それに何といっても、パイロットはアキトさんなんですから
帰ってきたときに恥ずかしい思いはさせられません!!
プログラムを完璧に・・・そう完璧に、です!!
・・・・プロスさん確かにその挑戦受けました。(怒)
「・・・ノさん、ねえホシノさん、そろそろ舵動かせるようになった?」
「あっ、ハイ今ドッグの注水率は50パーセントもう少しで動かせるようになりますよ、ハルカさん」
・・・失敗しました。
エステバリスに気を取られてナデシコの状況報告を忘れてました。
「ミナト、でいいわよ。その代わりあなたのことルリルリって呼んでいい」
「ええ、かまいませんよ」
「じゃあルリルリ、ナデシコの初めての戦闘だけどそんなに緊張しないで元気にいこう。ネッ!」
と、言ってウィンクしてくれました。
「はい、わかりました。ミナトさん」
気を使ってもらって
ありがとうございますミナトさん
でも私、緊張してるんじゃなくて怒っているんです。
理由は、アキトさんが来ないことと、プロスさんに挑戦されたことです。
でも、こんなこと何も知らないミナトさんに言っても仕方ありません
とりあえず今は、ナデシコの仕事をしながら
エステバリスの動作のチェックをする事にします。
ローラーダッシュでバッタたちに予想できない移動をしてミサイルをかわしながら
的確にワイヤーフィストを主武器に反撃を繰り出していく無人エステバリス。
確実に戦果を上げているんですが、やはりプログラムが完璧でないので
攻撃が単調でパッとしたものが無く
「オイ!!そこはゲキガンキックだろーが!!
アッ、馬鹿そこでゲキガンシュートを使わないでいつ使うんだよ!!」
「バカヤロー!!そんなに機体に無茶させんな強度実験じゃね〜んだもっとスマートに使え、
ああ〜俺のエステちゃんが〜!!」
など一部のナデシコクルーにはあまり良い評価がもらえませんでした。
それでも(?)、ナデシコが海から浮上したころには
40パーセント近くバッタたちを倒していました。
残りの60パーセントはというと
「目標、敵ぜ〜んぶ。ナデシコ、グラビティ・ブラスト・・って〜〜〜」
歴史通り、ナデシコ誕生の産声で全て消滅しました。
・・・・これでナデシコの戦闘は終了しましたが、
私の戦いは終っていません。むしろこれからです
どうやってアキトさんの「存在」を守っていくか・・・・
・・・ダメです、ユリカさんの猛攻を考えただけで頭が痛いです。
ましてや整備斑の人たちに至っては絶対に無理ですから・・・
やはりここは、協力者が必要です。
条件としてはナデシコに発言力のある人、
秘密を確実に守ってくれる人で、
なおかつ私の交換条件にすぐに飛びつく人で無ければいけません
・・・・・あの人しかいませんか・・・・
「作戦終了」
ゴートさんのこの言葉をきっかけに艦内の緊張したムードが解かれていきます。
「皆さん初の戦闘ご苦労様でした。今から警戒パターンをAからBに下げますので
各員鑑内チェックお願いします。それと整備斑はエステバリスの着艦を手伝ってください。以上です。」
ユリカさんも、艦長としての指示を出して少し休憩みたいです。
・・・・後ろでジュンさんがユリカさんの分の雑務もこなしてますけど。
「ユリカ、この報告書にサインして」
充実している顔をしてユリカさんにサインを求めてます。
・・・また苦労するんですね・・・ジュンさん
しかし今そんな懐かしい風景を見ているわけにはいけません
格納庫で騒ぎが起きる前にこの人を説得しなければないませんから
「プロスさんちょっと良いですか。」
「はい、なんですかルリさん。」
「ちょっとナデシコの運用でお話が、
そのちょっと重要な話なのでできれば他の場所でお願いしたいのですが?
・・・・あっ、戦闘のデータ整理はもう終っていますから業務上問題ありませんので。」
通信ウィンドウの下のほうに「パイロットのことで」と字幕で付け足しておきました。
「・・・わかりました。それではこの場所で」
指定された場所はプロスさんのオフィスでした。
「それではあのパイロットの説明をお願いします」
・・・説得の開始です。
にこやかな顔をしていますが私を推し量るような目が私の動きを一瞬も逃さない
そんな感じです。・・・警戒してますね、これは。
時間もありませんからイッキに要求とそれに対するメリットを言って
私のペースで話をまとめるしかありません。
「実は、あのエステバリスのパイロットはいません無人で戦闘をしていました。」
「なっ!?一体どこからそんな技術の手に入れたんですか!!」
「それより今は「パイロット」がいないことが問題です。
「パイロット」のテンカワ・アキトのことは存在するものとして扱ってください。
もちろんただで、とは言いません。無人機などのネルガルの知らない技術など提供しますから」
「・・いや・・それはしかし・・・・わかりましたそういうことなら協力できると思います。
取りあえず本社の連絡を取ってからということで宜しいですか?」
「いえ、その前に着艦したエステバリスから全員離れるようにしてもらえますか
このままでは、テンカワ・アキト、が降りられませんから」
「そうですな、では詳しい話その後ということで」
「はい、よろしくお願いします。」
警戒されながらですからどこまで協力してくれるかわかりませんが一応「説得」には成功しました。
これで「協力者」と「ネルガルと特別なパイプ」を作ることに成功しました
これで、なんとかアキトさんの帰る場所を守る事ができます。
・・・・この後、プロスさんの力でクルーをエステバリスから離れさせるのを完了してから
私のプライベートホログラム(こればかりはオモイカネには頼めません)
を使ってアキトさんを「エステバリスを降ろす」作業をして
本社の(というかアカツキさんの)許可プロスさんと今後のアキトさんの立場を決めていきました。
ちなみに後で聞いた話ですが、アキトさんが降りる際に
ユリカさんとヤマダさんがアキトさんのエステバリスからなかなか離れず
整備斑全員で止めに入ったそうですがどうにもならず、
とうとうゴ−トさんが出張ってきて二人を連れて行ったそうです。
ヤマダさんはともかくとしてユリカさんの暴走は凄まじかったらしく
以後整備斑の皆さんは「艦長がアキトを連発しているときはぜったい近づくな」
という暗黙の了解ができたそうです。
・・・・・ユリカさん、一体どんな暴走したんです?
あとがき
どうもF.Kです。
アキトをナデシコ不参加にしてみました。
これでやっとテレビ版の一話が終ったんですが
アキトも消しちゃったし一体どんな形で書いていくのか全く決まりません(爆)
どうしよう・・・・・・
それでは3話「やはり」を読んでいただけることを願って
管理人の感想
F.Kさんから投稿です!!
これは予想外の出来事ですね〜
アキトがナデシコに乗っていない?
う〜ん、発想の転換ですね〜
いや、参りました・・
それでは、F.Kさん投稿有難うございました!!
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