「諏訪。買い物行って来てくれるか?」

「…五月蝿いのも居なくて…暇だしな…いいだろう…」

「おう。それじゃあスーパーで牛肉と卵1パック、パン粉を頼む。あ、そうそう後…」

「…あと…?」

「情報屋から情報買ってきてくれ。」

「……………は?」


三軍神参上!!

第11話


両手一杯に荷物を抱えながら、相手に指定された公園にたどり着く。

「…ここか…」

買って来た荷物をベンチの上に置き、おもむろに腰掛けた。

日差しうららかな緑あふれる公園。

用事が無ければ転寝するには最高の環境だ。

しかし用事がある今は寝るわけには行かない。

スーパーで買って来たリンゴを齧り相手が来るのを待つ。

(…牛肉…卵に…パン粉…だったな…)

反復するように、買って来た品を頭の中で反復する。

(後は…情報を買うだけか…)

よく考えれば前者に比べアンバランスな品のような気もするが、そんなことを気にしてもしょうがない。

そんな事を考えながらリンゴを食べ終えた直後、隣にいきなり新聞紙を大事そうに手に持った老人が座ってきた。

「食事は終わったか?」

老人は年に似合わぬ若い声を出す、それは変装してるという事をこちらへ示す行為、つまり自分が情報屋であることを示していた。

「…ああ。」

とりあえず自分の懐にしまってあった封筒を相手に差し出す。中身は確認していないが、なかなかの金額だ。ただ一流の情報屋の賃金だとしたら少ないが。

情報屋はそれを受け取り、中身を一瞥した後、おもむろに手に持っていた新聞をこちらへと渡して来る。

新聞を見てみると一面や二面は普通の新聞だが、三面は改変された―――自分達が望んでいた情報がそのまま記載されていた。

「…いいだろう…交渉成立だ…」

そう言って買い物袋に新聞を入れ、荷物を抱え、その場を立ち去ろうとする。

「ここはアメリカだ。」

するとベンチに残っていた情報屋がおもむろに口を開いた。

「この土地でクリムゾンの暗部を探ろうとする人間は、明日にはコンドルの餌になっている…十分気をつけるんだな。」

脅しだかなんだか分からないセリフを吐き、情報屋は沈黙する。

これ以上の意味は無いと判断し、男―――諏訪は情報屋を一瞥もせず公園の出口へと早足で向かっていった。



諏訪の姿が見えなくなった時、情報屋は立ち上がり、再び口を開いた。

「そう…十分に気をつけることだな。」

そのまま、男は近くに見える公衆電話へと向かっていった。



どこかの会社の隅の方の個室、そこでは男が一心不乱に書類と格闘している。

一見リストラ社員の姥捨て山にも見える部屋の位置、しかし山と詰まれた書類が男がただのリストラ候補ではない事を示していた。

一枚の書類のサインを終え、次の書類へと視線を移したその時、机の隅の電話がけたたましく鳴り始めた。

しかし男は手に持っている書類から目を離さない、そのまま書類を完読しサインを終えたときになり、ようやく電話を取った。

「もしもしムラナカですが…おや、貴方ですか。ええ、すいません。少し席を外していた物で…ほう、クリムゾンの情報を…しかも暴走巨大兵器関連について。それは珍しい…

なるほど、わかりました。その情報は高く買い取らせていただきます、代金は口座のほうに振り込んでおきますので…ええ、以後もよろしくお願いします。」

男は受話器を置かずに、ダイヤルをプッシュし回線を別のところへと繋げた。

「もしもし、私です。いや挨拶はいいです、時間が無いので…今からそちらへ送るポイントに所属不明の戦艦が止まっています。そちらの制圧をお願いします。

まあ大した戦力ではないので…8人前後で制圧可能でしょう。機体と戦艦はできるだけ無傷で、乗組員は射殺可です。ええ、お願いします。」

そのまま受話器を切ろうとするが、ふと思い出したかのように、別のダイヤルへと繋げる。

「…………あ、繋がりましたか。例の戦艦が見つかりましたので拿捕の補助に行って欲しいのですが…なるほど、『隊長が不在だから戦力的に不安』…しかしチャンスは今ですからね。

何体か神皇機を出してください、あくまで補助として…六体?まあいいでしょう…お願いします、はい。それじゃあ。」

そしてムラナカは受話器を置き、そのままの動きで書類の山へと目をやり、そして何事も無かったかのように再び書類との格闘を始めた。



諏訪が森の木の中に隠れた戦艦陰月のブリッジに戻ると、二人の男が気だるそうにそれぞれ席に座っていた。

汚れた白衣を着た男はオペレーターの席に座り、何かデーターを一心不乱に打ち込んでいる。

かたや巨大な体躯の男は電卓を弾きながら書類に何かを書き込んでいる。

本当に一心不乱だ、この狭いブリッジに自分が入っても気付かないほどに

「…ただいま。」

無視されるのはあまり気に食わないため声を上げる。

だが汚れた白衣の男―市川は気付いていないのか顔を上げずに、そのままキーボードを動かしている。

しかし、巨大な体躯の男―富士は書類から目を離し、こちらへと視線を移す。

「ん…?諏訪か、おかえり。で、品のほうは?」

とりあえず手に持っていた紙袋を富士に渡し、諏訪は空いている席――とりあえず艦長席へと座り、足を投げ出し、コバッタが持ってきた飲み物を受け取る。

諏訪が好物のトマトジュースで喉を潤している間に、富士は肉の質、卵の鮮度、パン粉の値段、そして新聞に記載された情報を吟味する。

そしてコップを置いたのを見計い、富士が口を開いた。

「いい肉にいい卵、良質のパン粉…いい品だ、間違いなく。そして…情報のほうもな。」

「………そうか…」

「不満か?いい情報だったのが?」

諏訪のいぶかしげな顔を見て、富士がいきなり問いかける。

それに呼応して、諏訪が口を開いた。

「…地球の…腕利きの…情報屋は…相場が低いのか……?」

それを聞いた富士が、非憎げに口の端を軽く歪ませた。

「わかってねえな、情報の良し悪しだけが値段を決める目安じゃない。値段の目安は信用だよ。」

「…信用…?」

「買い手を売らない強い意思。それが無ければ腕利きとは言えない。どっちつかずの蝙蝠野郎は三流だ。」

「…なるほど…奴は信じられない情報屋…だから安かったのか…と…言う事は…」

「蝙蝠の情報を元に…来るだろうな、お客さんが。」

それを聞いた瞬間、諏訪の顔色が変わった、

「……そうか来るのか…客が……」

とても愉悦を含んだ笑みへと。

そんな諏訪の顔を見た富士が苦笑して話し出す。

「ああ、だとしたら急がないとな。ここはアメリカ、クリムゾンの勢力が強い大陸、襲撃は早い。」

「……迎撃戦か…?」

「追撃を振り切るのは難しい、戦闘は避けられん。それに、こっちに機動兵器があるのはばれてんだ。たぶん、あの無色の神皇機と黒木の陽炎も来るぞ。」

それを聞いた諏訪は少し考え込むそうな仕草をし、おもむろに席を立った。

「今…大島は不在だ…戦力となるのは…二人…」

それに呼応するように富士も気だるそうに席を立つ。

「ま、しゃあねえか。突入部隊が来そうだが…白兵戦は俺が何とかしよう、新兵器があるんだよ、実は。」

「アレを使うんですか!!」

富士の『新兵器』という言葉を聞いた瞬間に、今までデーターを打ちながら傍観していた市川が声を荒げる。

「おわ!!いきなり叫ぶな、ビックリするじゃねえか。使うよ、元々ブーステッドマンや北斗やテンカワみたいな人外と渡り合う為の武器、ここらへんで実験してみないとな。

調整、出来てんだろ?」

「現状では八割です、でも使うんでしたら、急いで調整してきますが…本当に使うんですね?」

市川が恐怖を含んだ強い視線で富士の目を見つめ、それを流しながら富士が答える。

「使う気がなけりゃあ、忙しいお前に製作なんか頼まねえよ。調整のほう、頼むぜ。」

「…分かりました、一時間以内に何とかします。」

そう言うや否や市川は席を立ち格納庫へと駆け出していった。

それを視線で追いながら、富士が口を開き、

「と、言うわけだ。お前は機動戦のほうを頼む。」

諏訪に視線を移すと、

「………了解した……ふふふ…1対10?…下手すれば……1対20…いや…もっと来るか……血が……滾る……ははは…くっくっくっ………」

すでに諏訪はハイになり、高らかに笑っていた。

「情報としては、一応近くに湖があるから、そこに誘い込めば有利に戦えるぞ。」

少し嘆息しながら富士が作戦を伝えるが、

「………くくく……ははは………」

そんな事は耳に入っていないのか、諏訪は構わずに笑い続けている。

「…駄目だこりゃ。」

富士の呟きが、笑い声響くブリッジに小さく流れた。



小さい爆音が響いた直後、鉄製の扉が崩れ、戦艦陰月の通路に音も小さく幾人かの影が降り立つ。

ゴーグル付きのメットに軍服、完全武装の兵士達8人。

兵士達は規則正しい動きで二手に―――ブリッジを制圧するチームと格納庫を制圧するチームの4人ずつの二手に分かれる。

格納庫の制圧チームが戦艦後部に向かって走り出したのを確認し、ブリッジ制圧チームも戦艦先端に向かい走り出す。

大した大きさの戦艦ではないため、あっという間にブリッジの入り口らしき扉へと辿り着く。

流石に扉がロックしてあったため、特製のプラスチック爆弾を設置し、扉を破砕しようとしたその時、

ドガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!

超重低音の銃声が格納庫の辺りから響いてきた。

思わず顔を見合わせるブリッジ制圧チームの面々、自分達の銃ではあそこまでの音は出ない、いやそれ以前に今の銃声音は並みの大型銃ではありえない大きさだ。

それと同時に、ウイーンウイーンといったモーターの重低音が速いテンポでこちらへと近づいてくる。

そしてモーター音が最高になったとき、それは通路の影から姿を現した。

10秒後、戦闘は終了した。




「終わったぞ!!あー!!重い、コイツ!!」

少しいらだちながらも欝のはいった表情で、汗だくの富士が格納庫に帰ってくる。

「…そーですか。で、どうでした?結果は?」

これまた富士に負けない欝な表情で市川が返事を返す。

「全力疾走して弾撃ちまくってきたが、スゲエ威力だ。良好すぎるぜ、全くよ…」

そう呟きながら両手に持つ大降りのガトリングガンを見つめる。

富士の巨大な体躯から見ても、異様に大きく見える2メートル超のガトリングガンは流石に威圧感がある。

そのうえ、ガトリングガンにはパイプが繋がっており、そのパイプはこれまた富士が背負った巨大な鉄の塊―――超大型のマガジンと相成って、その威圧感を怪物的にしている。

いまだ熱気残るガトリングガンを冷たい視線で見つめた後、格納庫の虚空に視線を移し富士が叫ぶ。

「こっちは片付いた!!どうも神皇機が来てるみたいだ!!」

それと同時に、格納庫に巨大な獣の相貌が怪しく光った。構わずに富士が言葉を続ける。

「敵は六体!!黒木の陽炎みたいな特殊な奴はいない!!」

予想よりはるかに低い戦力、本来なら吉報のはずだが、

ウオォォォォォォォォォォォォォ!!

なぜか格納庫の巨大な獣が憤怒の咆哮をあげた。

確か理屈的にはブースターのクールダウンの音だったような気がするが、その場にいた人間には咆哮にしか聞こえなかった。

獣はそのままいななきを上げ、格納庫の扉を自力でこじ開けようとする。

「ちょっと待て!!諏訪、落ち着け…ダメだ!ナメられたと思って完全にぶち切れてやがる!!市川!扉を早く開けろ!!」

「は、はい!!」




「だ、大丈夫でしょうか…」

諏訪の搭乗機、ジュウジンを送り出した格納庫で市川が本気で心配そうに呟く。

「さあな。どうにかなんだろう、多分。それよりここに押し込んどいたコバッタ、全部持ってくぞ。」

しかし富士は気にしていないのか無責任に呟き、襲撃に備えて格納庫に押し込んであった艦内制御用のコバッタを連れて格納庫から出ようとする。

「あれ?行かないんですか?バクジンのほうもすぐ火は入れられますよ。」

市川がそれを引き止める、その背後には富士の乗機の『バクジン』が控えていた。

巨体を丸めるようにして格納庫に収納された姿は狭き格納庫からの開放を待ち望んでいるように見える。

しかし、

「いや、先に艦内を修理してくる。なにしろアイツら突入時に扉ぶっ壊しやがったからな、修理しないと艦が動かん。」

その主は別の仕事を優先した。

「だったら僕がやっときますよ。」

市川が明るく言うが、それを聞き、富士は冷や汗に近い物を垂らしながら口を開いた。

「本当にいいのか?なにしろ艦内の廊下のそこら中にミンチと化した死体があるんだぞ?」

「う゛っ…」

富士がガトリングガンを乱射しながら艦内を驀進したせいで、艦内には無数の穴ぼこと共にエライ事になった突入部隊の遺骸がある。

「大島でもいればどうにかなったのかも知れんが、俺は手加減できるほど強くないし余裕も無いからな。まあ、破片を拾い集めて墓は作ってやらんとな。」

「艦内修理のほう、よろしくお願いします。」

心なし顔色が悪くなった市川が、土下座するかのような勢いで富士に頭を下げる。

「心得た。問題は今日のメシはハンバーグを作る気でいたんだが、流石に作る気がしないな。野菜炒めにしておこう。」

「…肉は抜いてください」

「そうだな、肉はとっておいて、ハンバーグは明日にしよう。」

「最低半年ぐらいは止めてください…」

先程の顔とは違い、まるで鬱の権化とも言える顔をした市川が力無く呟いた。




陰月を取り囲むように六機の未塗装の神皇機が空中で静止する。

六方向にそれぞれ一機ずつ、戦艦に何か動きがあればすぐにでも発砲できるように銃口を向けている。

しかし陰月に動きは無い、思わず気が緩み銃口を下げたその時、

ウォォォォォォォォォォォォォ!!

何か獣のような絶叫が響き、直後に格納庫の扉らしき部分が内側から叩かれているかのように振動する。

急いで下げていた銃口を神皇機の全機が上げたその時、格納庫の扉が開き――――

両手の爪と口蓋の牙が特徴的な機体『ジュウジン』が姿を現した。

そして神皇機達がその姿を確認した時にはジュウジンは神皇機の一機へと飛び掛っていた、そのまま爪を突き刺し喉笛に噛み付くような体勢で神皇機へとのしかかる。

獲物と獣はそのまま地表へと落下、水音を残し近くにあった湖へと落下して行った。

戦艦を取り囲んでいた神皇機が急行し湖を囲んだ時には水面に大量のオイルが浮かんでいた。

5機の神皇機はそこ目掛けライフルを一斉に照射する。

水面が激しく揺れ動く最中、ヴォンと独特の跳躍音が響き、その直後、ジュウジンは神皇機の一機の首筋辺りに噛み付いていた。

そのまま頭ごと喰い千切り、神皇機の動きを止め、その身体を盾にして別の神皇機へと突っ込んでいく。

そして距離が一定に近づいたその時、ジュウジンは盾としていた神皇機を銃を照射している一機の神皇機めがけ投げつけた。

照射していた神皇機は思わず銃を止め、そのまま受け止めてしまう。

抱き合うような形になった二体の神皇機の腹部を追尾してきたジュウジンの爪が纏めて貫く。

その片腕が使えなくなった瞬間を狙い、二機の神皇機がハンドナイフらしき物を手に持ち襲い掛かってきた。

ジュウジンが残った片腕を振るい一機の両手首を切り落とすが、もう一機の攻撃が正確に首の辺りを狙い刃撃をくりだす。

ガギイ!!と刃を受け止める音が辺りに響いた瞬間、ジュウジンは口蓋部の牙で相手の繰り出したナイフを受け止めていた。

思わず動揺し神皇機の動きが止まった瞬間を狙い、突き刺さった片腕を引き抜きぬいた勢いで神皇機の顔面を横から突き刺す。

同時にもう一方の腕で、両手首が無くなり戦闘能力を失った神皇機の腹部を深くえぐる。

一機は顔面粉砕、もう一機は腹部から凄まじい量のオイルを吹き出し、二機同時に墜落していった。

それを後方で見ていた残り一機の神皇機は二機の墜落を確認しないままに逃げ出そうとしていたが、ジュウジンが人型兵器の限界とも呼べるスピードを出し、背後から襲い掛かる。

そのまま抱きあったまま二機は森へと落下する、木々が倒れ動物の鳴き声が響くと同時に、大量の土埃が二機を覆い包んだ。

土埃が晴れたその時、ジュウジンは神皇機に馬乗りのような体制で圧し掛かっていた。

そのままマウントパンチのように身体目掛け、爪を連続で叩きつける。あっという間に神皇機の身体は切り傷に包まれた。

しかし最後の抵抗をするかのように神皇機は動く右手でジュウジンの顔面を殴りつける。

鉄の砕ける音が辺りに響き、ジュウジンの顔面の一部を吹き飛ばしたが………

ジュウジンは右手に噛み付き、神皇機の右腕をそのまま喰いちぎった。

そしてその千切った右腕を両手に握り、狂ったように神皇機を打ち続ける。

先程の破砕音とは比べ物にならない音が森に連続で響き渡った。



「おい!諏訪!!そこら辺で止めとけ!!」

富士からの通信が入り、諏訪が自分を取り戻した時には、打ち続けられていた神皇機は機体としての原型を残していなかった。




あれから少しの時が経ち、逃亡後に落ち着きを取り戻したブリッジで富士と諏訪の二人が富士お手製の野菜炒めをつついている。

肉抜きのため、いまいちコクが無いがソコソコ美味い。

二人共、疲れていたのか一心不乱に視線をそらさず料理に集中している。

そんな中、諏訪が深刻そうに話し始めた。

「……富士。」

「なんだ?」

富士も料理から目を離し、諏訪へと視線を向けた。

「俺は……狂っているんだろうか………」

「ぶおはあ!!」

いきなりの発言に富士が喉に料理を詰まらせた。

急いで水に手をやり、一気に喉に流し込み窮地から脱出する。

「な、なんでいきなりそんな事を?」

「………今日の……俺の戦いを見て………どう思った………?」

富士は無言になる事で続きを促す。

「………明らかに……狂ってた…………戦いと聞くと…自分を抑えられない……格下相手にあの戦い方……俺は……これでいいのだろうか……」

言葉が少なく、要領を得ないが悩んでいる事は十分に伝わったようだ。

富士は箸を止め考え込むが、再び箸を動かしながら喋り始めた。

「自覚してれば大丈夫じゃねえか?とりあえずは。それにもし本当にやばい事になったら……」

「……………なったら…?」

「俺達が命がけで止めてやる。」

真剣な瞳で富士が諏訪を見つめる。

それに視線を合わせずに頭を振る諏訪、

「そうか……ありがとう…………そう言えば………なぜ…あんな…三流に…情報を頼んだ…?」

その顔は多少柔らかくなっており、辛うじていつもの雰囲気に戻っていた。

「しょうがねえだろうが!!一流の情報屋に頼めるほど金がねえんだよ!!一応そっちに通じてる、あのナデシコのヤクザに仲介頼んだんだが、

『アンタなあ、この金額じゃ腕はいいが信用できない奴か信用できるが腕は悪い奴…つまりロクでもない連中しか紹介できないぞ?』

って言うからよ『じゃあ腕がいいけど信用できない奴にしてください』って頼んだんだよ。」

「……貧乏は…不幸だ………」

「そんなことより、さっさと食え!こっから先は強行軍だ。逃げながら大島拾ったらアジアに直行だからな。」

「アジアに……?」

「アメリカに落ちた奴が一体、アジアの軍施設に輸送されたらしい。」

「………大島が無事破壊したとして………最後の……一体は……アジアか……」

世界地図を覗き込む諏訪、すっかり悩みは忘れたようだ。

それを横から見つめながら富士が小さく呟く。

「…狂気なんて人間みんな持ち合わせてんだよ。俺も…」

ふと自分の両手を見つめる、その手の中には先程乱射したガトリングガンの重みが残ってた。



〜続く〜



後書き?


解決スパット(以下S)今日も元気だ出番が無い!!

ふじいさん(以下F)もうやけっぱちだなお前。

S 五月蝿い!!そういうわけで質問!!

F はい?

S なんで富士の獲物は某シャーマン仕様のガトリングガンなんだ?

F 力だけで動かせない武器を持たせたくてな。ある程度の体格も必要なアレを出したわけだ。

S 確かにあのシャーマンは2m楽に越えてる。モデルキャラの担いだマガジンの大きさからして最低身長2m近くないと使えないな、とりあえず合格条件にあうのはゴートにJにホウメイさん?

F エクストリームモードじゃダッシュしながらガトリングガン乱射してたのが印象に強く…つーかなぜホウメイさんを入れる?

S 使えそうじゃん

F いや、流石に無理だろ。

S あのお方に不可能は無いって

F そう言われるとなんか使えそうな気が…まあいいや。とりあえず機体紹介、量産型神皇機についてだ。

量産型神皇機

優華部隊の神皇機のデーターを参考に軍配備のエステの対抗馬としてクリムゾンが作り上げた機体。

しかし、神皇機自体の戦線投入が遅かったため、実験部隊でのトライアウト中に終戦、軍へ卸されることは無かった。

能力的にはエステより若干高いがコストも若干高く、差し引き量産型としては互角といったところか。

パーソナルカラー決定前にトライアウトに突入したため、全機未塗装の無色が特徴といえば特徴といえる。

S ふーん。今までのGガ○テイストの機体に比べてアクが薄いな。ヤラレ役のアクが強くてもアレだが。

F …なぜG○ン?スーパー系とかじゃなくて?

S だって今回大暴れのジュウジンの特徴って、牙付き、水中戦可、爪付き…ウォルター○ンダムじゃん。

F そうかな?戦闘スタイルは暴走初○機に近いと思うが。ほら、時間無いから閉めろ閉めろ!!

S 急に言うなや!!それじゃあ次回もヨロシク!!って俺、出番あるんだろうか…

 

 

 

 

代理人の感想

ん〜、どっちかというと機●獣とか地○げ獣とか、巨大ロボサイズじゃないけどエイリ○ンとか。

私の中のジュウジンってそんなイメージでした(爆)。

 

大体二足歩行形態で爪とか噛み付きで攻撃するようなロボットって正義側には・・・

あ、獣神ファイヤーライガーってのがいたか(笑)。