2196年......火星......



「...ここは...何処...?」


一人の少年が目を覚ました。ここが何処だか把握しきれていない様であった。

 少年の付近には余り人はいないがそれなりに離れているところに集まっている。

 それもそのはずこの少年は急に現れたのだから...

 少年の前に一人の女性が進み出る。そして少年に声を掛ける

 
 「君、大丈夫?」

 「あ、はい、何とか...すいません、ここどこですか?」


 少年は今まで来たところの中でこの場所は見たことがなかった。

 故に不思議でしょうがないのであった。


 「ここは、火星よ。」

 「火星!?火星なんかに人が住んでいるんですか!?」

 「? 何言ってるのよ、ここに住めるようになってから何年たっていると思ってるの?説明してあげましょうか?」

 
 最後の言葉を発したときの女性の顔はなぜか生き生きして見えた、そして過去にいた女性を思わさせる、と後に少年は語る。


 「い、いえけっこうです。あの...一つ聞いていいですか?」

 「なに?」

 「今...何年ですか?」

 「? 2196年だけど...?」

 「!!?? 2196年!?」


 少年はかなり驚いたのであった、自分のいた時よりも遥かに違っていたのだから、そして自分が行きたかった年とも違うことを。

 
 「二つほど質問していいかしら?」

 「...はい、構いませんけど...」

 「一つ目はあなたの誰なのか、もう一つはあなたが出てきたときとほぼ同時刻に出てきたといわれるあの機体はなに?」

 
 というと、女性は一つのモニターを指差す、

 そこには外だと思われる場所にかなり大きな人型の『何か』が横たわっていた。

 少年はそれが『何か』わかった。なぜならかつて自分が乗っていた機体だったから...

 
 「...エヴァンゲリオン...初号機...なんでこんなところに...」


 ほとんど呟く様に言った。


 「まぁいいわ、私は、イネス=フレサンジュ。よろしく。」

 「僕は...碇シンジです。よろしくお願いします。」

 
 何がどうなのかわからないまま自己紹介をしてしまうのであった。






           時の流れに 〜新たなる世界〜

                第壱話 前編     BY ゴーヤ






 少年、碇シンジは一体何が起こったのか理解できていなかった。

 本当ならば2015年の第3新東京市に自分は『還る』はずだった。

 しかし自分を還してくれるはずだった少女がどこをどう間違えたかはわからないが、

 予定よりもずいぶんと未来へやってきてしまった。

 これから自分はどうすればいいのかまったくわからない。

 その上自分の乗っていた機体、エヴァンゲリオン初号機が自分と共に出てきたというのだ。

 確かに最後の戦いの後、初号機は宇宙へと出たしかしなぜ自分と一緒に出たかどうかはわからないのであった。


 と、ここまで思案していたシンジだがひとつのことを思い出す。

 エヴァ初号機のコアには自分の母親の魂が入っていることを。

 もしかするとエヴァを動かすことも可能かもしれないということも。

 とりあえずシンジはだめもとでイネスに聞いてみるのであった。

 
 「あの...エヴァ...いえ、あの機体のそばまで行ってもいいですか?」

 「かまわないわよ、その代わり私も連れて行ってちょうだいね。」

 「いいですよ。」
 


 シンジとイネスは火星の地下から地上に出て、エヴァのそばまでやってきた。
 
 
 「...大きいわね、こんなのよく作ったもんだわ。君、シンジ君だったわよね。」

 「え、ええ、そうですけど...」

 
 シンジはエヴァを見たときなぜかとても久しぶりに見たような感覚に陥ったのであった。

 
 「あなた、これについて知っているの?」

 「はい、これは僕が乗っていたやつです。この状態で乗れるかどうかはわかりませんけど...」

 「そう、できればこの機体について教えてほしいの。今後の為にも...」

 「はぁ、その前にちょっと見てきていいですか。」

 「どうぞ。」


 シンジは許可を得てからエヴァの頭部付近まで行った。

 手動でエントリープラグを抜き取るとプラグのハッチを空けるのであった。

 その中から出てきたのは多量のLCLだけであった。

 シンジはLCLが抜けきるのを確認するとエントリープラグに入り込んだ。

 しかしハッチの関係から完全にはLCLは抜けきらなかったが。


 「久しぶりだね...母さん...」


 なぜかその言葉をキーワードにエヴァは起動した。

 
 そばで見ていたイネスは驚いていたのであった。

 シンジが頭のほうに行ったと思ったらなにやらやり始めてそしてそこから何かが出てきたのであった。

 そしてオレンジっぽい水が出てきて出るのが止まるとシンジはそれに入ったのだった。

 そして出てきたものが急に中に入ったかと思うと目が光り、立ち上がったのだった。

 
 実際はシンジ自身も驚いたのであった。たとえS2機関が働いているとはいえ

 もう200年近くも電源を付けていない。電気すらも流していないはずなのだ。

 それなのに起動したのが不思議でたまらなかったのだ。
 
 
 シンジはエヴァとのシンクロではなくコアとのシンクロを試みた。

 実際今のシンジは使徒として覚醒しているのでコアに直接シンクロするのは簡単なことであった。


 「母さん、まだいるのなら返事をして、母さん!」

 「シンジ!シンジなの!?」

 「やっぱりまだコアの中に居たんだね、母さんは。最後の望み通りに。」


 シンジの母、碇ユイは、シンジが幼いころにエヴァの実験中にエヴァに取り込まれていたのであった。

 最後の戦いの際、初号機(ユイ)は自らの意思で宇宙で行き続ける事を選択したのであった。


 「ところで何でシンジはコアに直接シンクロしているの?こんなことをしたら取り込まれてしまうんじゃ...」

 「大丈夫だよ、ちょっとした事情で使徒の力を得ているから。」

 「事情?それはいったい...」


 シンジはすべてが終わった世界のこと、そして今いる場所、時代などについて説明した。


 「そう、過去に飛ぶつもりが未来へ...」

 「うん...だからこれからどうしようかなって思ってるんだ。」


 そんな時だ、外から声がかかる。


 「シンジ君!木星蜥蜴、いえ、敵が来ているわ!早くそこから出て逃げて頂戴!」

 「逃げるって言ったって何処にですか!?」

 「さっきいた地下によ!あそこなら安全よ!」

 「わかりました!だったら早くイネスさんは行って下さい!僕はこれ(エヴァ)であれを潰します!」

 「!?なにいってんの!?あれは簡単に倒せないわよ!」

 「大丈夫です。早く行って下さい!」


 シンジはそういうと初号機を接近しつつあるバッタたちの方へ走らせたのであった。


 「と、いうことなんだけど母さん、エヴァは大丈夫かな?」

 「なんとかいけるわよ。S2機関も無事働いている。でもどうやって戦うわけ?武器はないわよ。」

 「ATフィールドがある。」

 「だめよ!そんな出力にはもう耐えれないわよ!」

 「きっといけるさ。使徒の力もあるのだし。」

 「そんなこといったって。」

 「母さんは知らないだろうけどこの地下には結構たくさんの人がいるんだ。

  場所は変わっても僕がやることは変わらない。みんなを護るために戦うだけなんだ。」









______________________________________________________________ 









 視点を変えイネスのほうにしてみよう

 正直言って驚いていた。こんな大きな物を動かすエネルギーの発生装置なんて何処に見られるのだろう。

 自分は戦艦の作成に関わっていたからわかるがとてもこの大きさを動かすものなんて見たこともない。

 
 イネスは興味を覚えていた。このよくわからないが大きな機体。

 そしてそれを動かす少年、碇シンジに。

 
 イネスはエヴァに近づいて自分もよく見ようとした。

 その時だ、明後日の方向から何かがやってきたのは。

 それが何かすぐに悟った、たまにこのあたりを飛来している木星蜥蜴と呼ばれているやつであった。

 
 イネスはすぐにシンジに告げる

 
 「シンジ君!木星蜥蜴、いえ、敵が来ているわ!早くそこから出て逃げて頂戴!」

 「逃げるって言ったって何処にですか!?」

 「さっきいた地下によ!あそこなら安全よ!」

 「わかりました!だったら早くイネスさんは行って下さい!僕はここであれを潰します!」

 「!?なにいってんの!?あれは簡単に倒せないわよ!」

 「大丈夫です。早く行って下さい!」


 本当に大丈夫なのだろうか、自分も作成に関わった戦艦ですらあれらに勝つことは無理であろうに。

 あんな武器もなくただ大きいとしかいえない人型の機体があれらに勝つなんて。

 
 彼女はシンジの言われたとおりに地下には行かず、戦闘が見える位置に行ったのであった。

 自分の命よりも科学者としての好奇心が勝ったのであった。

 
 イネスが見たシンジの戦い方は本当に凄かった。

 というかどうやって攻撃しているのかがまったくわからないのであった。

 どう見てもただ単に腕を振ってるようにしか見えない。

 しかしそれだけでバッタたちは撃墜されていくのであった。

 ただ腕を振るたびに赤い何かが見えるのは確かであった。


 見える範囲のバッタが撃墜されてしばらくたった。

 そうしたら向こう側からチューリップが接近しだした。

 また何かを出すつもりなのだろうか。

 がしかし、シンジが気づいたのどうかはわからないがそれに向かって走り出したのであった。

 
 
 正直に言ってチューリップが破壊されたときは凄いと思った。

 あの紫色の機体から赤い剣見たいな物が出てきてそれでチューリップを切った。

 ただそれだけなんだけどなぜか凄いと思った。

 私としては科学者としてどうやってあの剣を出したのか、どうやって出力を得ているのかといろいろ知りたいのだけれど

 なぜがそれよりもあの少年のことが気になった。

 いつか会った青年に似ているような気がして...




あ、あの機体いったい何なの...

 あの木星蜥蜴たちをいとも簡単に...

 そしてあの少年...これからしばらくは飽きそうもないわね〜

 どんな検査して調べようかしら...

 
 少年は後に語る。過去にいた某マッドサイエンティストと行動がいっしょだと。




 場所は変わりシンジの視点...


 何だよあれは...イネスさんが気をつけてっていったからそれなりに強いと思ったけどたいしたことないし

 まあ大きさからしてもこっちが有利かな、動きにくいけど。

 しかしATフィールドにこんな使い方があるとは思わなかったな。

 
 これでラストかな...一体何なんだあいつらは。木星蜥蜴って言ってたっけ。

 なんだろそれ、まぁあとで聞こうかな。

 そろそろ戻ろうかな...


 「シンジ、まだ向こうから大きいの来るみたいだわ。」

 「ん?ほんとだ。あそこからさっきのも出てきたのかな。」

 「わからないわ。でも壊しておいたほうがいいんじゃない?」

 「だね。」

 
 さぁ、行こうかな。

 そういえばATフィールドってああいう使いかたってできないんかな。やってみよ。


 えっと...剣をイメージして...出た...どうやらイメージ通りに出るみたいだな。

 
 「シンジ。」

 「何?母さん...」

 「それ使うと...多分エヴァ壊れるわよ。」

 「まぢで?」

 「マジで。それでもいいんなら強制はしないけど。」

 「まぁ何とかなるだろう。」


 と、言いつつもこれからどうするかな、ここにいる限りこんなのがまだ出てきそうだし。

 でもイネスさん科学者って感じがするよな、だったら何とかなるだろ。

 なんだろうかこの黒い物体、落花生みたいな形してるな、とりあえず破壊しておくかな。


 
 ザシュッ ←2回り大きく

            
 ドゴォォォォォン ←2回り大きく



 あ、あっけない...こんだけでいいんだ。

 もっと耐えると思ったのに。

 
 ミシッ ←1回り大きく
 
 
 やばい、壊れる!


 「シンジ、早く脱出しなさい!」

 「わかってる。」


 この状態からエントリープラグを出すのは無理みたいだから、あれを使うしかないか。


 シンジの下に黒いしみのような物ができシンジは飲み込まれるように消えていった。


 今使ったのはディラックの海って言ってちょっとした場所移動ができるんだ。

 まぁ地球の裏側に行こうと思ったら行けるんだけどね(苦笑)

 しかし初号機はもう駄目見たいだな、とりあえずコアだけでも取り出すか。中には母さんがいるんだし


 シンジは初号機からコアを取り除くとコアを小さくした。

 
 「母さん大丈夫?」

 「ええ、なんとか。」


 さあ、どうしようかな、母さんを元に戻そうと思えば戻せるんだけど...


 「ねぇ、母さん、その中から外に出たい?」

 「う〜ん、出れるなら出たいわねぇ。」

 「じゃぁ、出してあげる。」

 「ええっ!?ほんとにできるの?」
 

 いや、できないんならそんなこと言わないしねぇ


 「できるから言ったんじゃないか...」

 「あそ、じゃお願い。」

 「じゃぁはじめるよ。戻りたいと思う意思を強くもってね。」


 えっと、とりあえずコアに入って母さんの魂を探さないとな

 う〜ん、多分これだな、この思いの強さだったら取り込まれた年でだせそうだな。

 ってそれっていくつだ?(汗)20代だったら僕をいくつで生んだことになるんだよ、おい(汗)

 まぁいいか、考えるの面倒だし。

 さっさとここから出るかな。


 
 シンジはユイを抱きかかえてコアから現れた。

 が、一つおかしなところがある。それはシンジの外見、特に顔に変化が出ているのであった。

 黒髪で黒い瞳だったシンジが銀髪で紅い瞳になっているのであった。某ナルシスホモのように(僕のことかい?)(出てくんな!)

 
 
 とりあえず母さんが起きるまではなにもできないからここでなんかやってようかな。

 といってもすることないけど(苦笑)

 と、思ったら向こうからイネスさんが来てるや、退屈はしないですむかな。




 
 ふぅ、この私が走るとはね...

 しかし気になるわ〜、あの機体とあの子、どうやって調べようかしら...(イネスさんちょっとキャラ間違ってます)

 ってあれ?シンジ君いないじゃないの...いるのは銀髪の子と白衣を着た女性...どういうことかしら。

 でもあの子近くから見るとシンジ君に似てるみたいだわ、兄弟かしら。

 
 「イネスさん、疲れ様。よくここまで走ってこれたね。」

 「だれ?」


 いや、ほんとに誰よ。

 シンジ君は黒髪で黒い瞳だったけど、目の前の子は銀髪で紅い瞳じゃないの、知り合いにこんな子いたかしら。

 
 「あれ?イネスさん、わかりませんか?僕が誰だか。」

 「えっ?ええ、どちらさまで。」

 「いやだな〜、僕ですよシンジ、碇シンジですよ。さっき会ったばかりの。」

 「シンジ君!?だって外見ぜんぜん違うじゃないのよ...どういうことなのか説明してくれない?」


 ふっ、説明好きの私が逆に説明を求めるなんてね、時代も変わったもんだわ...
 
 さぁどんな説明をしてくれるのかしら、ふふふ...(こ、こわひ)


 「あの...説明後にしてもいいですか?これをどっかに隠したいので。あっ、失礼ですけどこれ隠せるような場所知りませんか?」

 
 この子、なかなかやるわね。私に口答えするなんて。

 
 「一応知ってるけれどどうやって運ぶつもり?こんな大きなもの運ぶ手段はないわよ。」

 「じゃぁ教えてください、その場所。」

 
 えっ?何言っているの?運ぶ手立てがないって言っているのにその場所を教えろといっているの。

 どうやって運ぶつもりかしら、しかもその場所はここからずいぶん離れているのよ。ますます興味がわいてきたわ。

 
 「オリンポス山というところに研究所があるの、そこにならこの大きな機体も入ると思うわ。」

 「わかりました、とりあえずそこの付近をイメージしてください。母さんをまず連れて行きますんで。」

 「へっ?わ、わかったわ。」


 なんなのこの子は、どうやって行くっていうの?ま、まさかボソンジャンプ!?

 そんなわけないわ、あれはまだ未解明、ましてや生体ボソンジャンプなんて...

 まぁいいわ、結果を見てからにしましょ(いいのかよ、おい)

 
 「イメージできましたか?」

 「OKよ。」

 「わかりました、ではいきます。」


 あ、あの行きますって、なんか飲み込まれているんですけど...ってこんなの私じゃない!

 
 ということで出てきたところはオリンポス山近くのネルガル研究所の前、まさに私がイメージしたところに出てきたわ。

 ますます興味がわくわ、検査じゃなくて実験にしてあげようかしら...ふふふ(再びこわひ)

 と、そんなことやってるうちにシンジ君も来たわ。

 
 「じゃあ、あれぐらいの大きさのものが入るところに案内してください。」

 「わかったわ、こっちよ。」

 
 と、いうことでかつてナデシコを建造していた場所につれてきたわけ、

 ここぐらいしか大きな空き地なんてないしね、屋内で。

 でもここに来たのずいぶんと久しぶりね、あれ以来、来てないから。

 さすがにずいぶんとほかって置いたからぼろぼろねもう。まだ使えるかしら。


 「ではこの部屋の外で待っててください、入ってたら飲み込まれてしまいますから(苦笑)」

 「ええ、わかったわ、行って来なさい。」

 「あ、そういえば、母さんを起こしておいてください。後でまとめて説明しますから。」

 
 そういったらシンジ君、また黒い影に飲み込まれていっちゃったわ、何でしょうねあの影は...

 調べてみる価値はありそうね。

 そういえば頼まれたことやらないといけないわね


 「あの〜、すいません起きてくれませんか〜。」


 ゆさゆさ、ゆさゆさ。はぁ、何で私がこんなことを、いくら頼まれたからって。なんからしくないわね。


 「う、う〜ん。」

 
 ふぅ、どうやら起きてくれたみたいだわ。これで頼まれ事は終わったわね。

 シンジ君が来るまでお話しすることにしましょう。


 「う〜ん、ここは?あら、外みたいだわね。シンジったらほんとに外に出してくれたのね♪」

 「あの〜、起こしておいてなんですけど貴女誰ですか?」

 「ん?ああ、わたし?私はシンジの母の碇ユイといいます。以後よろしくお願いします。」

 
 そういうと、目の前の女性はぺこりとお辞儀をしてくれたわ。あわてて私もお辞儀してしまったわ。

 でも、シンジ君のお母さんってどういうことかしら。

 どう見てもまだ20代にしか見えない...一体いくつなのかしら。


 「あの、失礼ですけど、おいくつですか?」

 「いやね、そんな他人行儀じゃなくていいわよ、そういうの気にしないから。」

 
 なぜだろうか、この人の前ではいつもの私にはなれない。


 「はぁ、そうですか。」

 「さっきの質問だけど、私いくつに見える?」

 「少なくとも30代には見えませんね。」

 「あら、本当?嬉しいわね〜。やっぱりあの中にいたから年取らなかったのかしら。」

 
 ますますわからないわ。この人は何を言っているの。あの中って何処なのよ。

 さっきの機体の中ってことかしら。でもあそこの中にいたら年をとらないっていうのもおかしいわね。


 「あの、どういうことなんですか?年を取らなかった、っていうのは。」

 「それね〜、シンジが来てから説明することになると思うわ。といってる傍から来たみたいね。」


 どうやらそのようね。

 どんな話が聞けるのか楽しみだわ。




 
 


 ふぅ、やっぱりこんな大きいものを中に入れるのは大変だな。その上疲れる...

 やっぱりイネスさんにはすべてを話したほうがいいのかな。

 どうやって戻るのかもわからないから、協力してくれるかもしれないし。

 とりあえずもうこいつは駄目だろうな、装甲は使えるかもしれないけど素体が駄目っぽいな。

 まぁそりゃ、最終戦後の状態+ATフィールドを使った戦闘だもんな〜

 ガタが来てもおかしくないってか。


 そういえばこのコア、母さん以外の心も入っていたみたいだな。

 エヴァ自身の心かな。まあ、まだこのコアは使えるみたいだから使いたいな。


 とりあえず次はイネスさんに協力してもらえるように説明しないとな!




            時の流れに 〜新たなる世界〜

               第壱話  後編      BY ゴーヤ




   
 「と、いうことでシンジ君、やりたいことは終わったようだから説明してほしいいわね。」

 「わかりました、最初に言っておきます、この話は本当なのでまじめに聞いてください。」

 「わかったわ、初めてちょうだい。」

 「まず、僕は2015年、世界が終わったときから来ました。」

 
これを話し始めにして話し始めるのだった。


 僕が話したことはこんなことだ

 4歳のときにエヴァの実験中に母さんが取り込まれたこと、

 そして僕は叔父の家に預けられたこと、

 それから10年後に、第3新東京市に召還されたこと、

 そこで起こったこと、

 エヴァとの出会い...綾波との出会い...使徒との戦い...日常生活...アスカとの出会い...

 もちろんこういうことも話した

 エヴァに取り込まれたこと...精神崩壊を起こしたこと...

 最終決戦......そして赤い世界のこと...過去に戻るつもりであったのにここに来てしまったこと...


 最後のこの話を終えたとき、イネスさんはなんともいえない顔をしていた。

 
 ようやく口を開いたのは10分近くたってからであった


 「...あなたもつらい過去を背負っているのね...」

 「はい。もう二度とこのようの事を起こすまいと過去に戻るつもりでした。」

 「ふ〜ん、それであなたはどうするの『この世界』で。」

 「とりあえず、戻る手立てがわかりません、なのでわかるまではこの世界の手伝いをすることにします。」

 「手伝い?何をどうするって言うの?」

 「さっきのよくわからない兵器、あれは明らかにさっきの人たちを狙っていたと思います。

  少なくともあの人たちにも幸せになる権利はあります、それを『護る』ために僕は戦いたいと思います。」

 「それだけでの理由でいいの?」

 「構いません、僕はあっちの世界でそれだけの犠牲を犯してしまったのだから。」

 「そう...、それで、これからどうするつもり?」

 「さっきの敵みたいなやつ...。」

 「木星蜥蜴のこと?」

 「たぶんそれです。さっきもいったようにあれは人を傷付けるためにインプットされているようなんです。

  最低でもあれらからはみんなも護ることはしていきたいと思います。」

 「でも、あれはもう使えないんでしょ?」

 「はい、もう駄目みたいです。でも幸いコアが生きています。これを使えば何とか...、母さんできないかな?」

 「それにはまず今の技術を知らないとできないわ。」

 
 やっぱりそうか、たとえコアが使えても当時オーバーテクノロジーであっても、今はかなり遅れているってことか。

 と、ここでイネスさんが質問してくるようだ

 
 「私から質問していいかしら、あれはロボットなの?それによって私の技術が使えるかどうか変わるわ。」


 母さんが答える。


 「あれはロボットではなく、どちらかというと人造人間、人の作りしものよ。」

 「人造人間!?そんな技術があったというの!?」

 「え、ええ、しかしあれはアダムの分身、本来はありえないの、あれが作られたのは。」

 
 アダムか...綾波は僕に渡してくれた使徒の力がアダムのものといってたけど本当なのだろうか、

 もしかするとリリンとして覚醒しただけかもしれないな。まあ、人を護れる力があれば僕はいいんだけど。

 なにやら母さんたちが話しているけれど、もう僕に理解のできる次元ではない。

 あんな専門的なことはさすがにわからないっていうことだ。

 でもイネスさんの話の中に興味がある話があったんだ、これを使えばっていうやつがね。


 「私はかつてここで、ナデシコの製作に関わっていました、

  そこで私もオーバーテクノロジーの一つを扱ったことがあります。人工AIを...」

 『人工AI!?』

 
 思わず言った言葉は母さんとハモってしまった。

 
 このコアの中にはもう一つ何かの心が入っている、それを電子化してAIとして使えばコアがまだ使えるかもしれない。


 そのとき話していたイネスさんの話を打ち消すように僕は言う

 
 「母さん!コアの電子化ってできない!?」

 「電子化?なにをするきなの?」

 「実は、このコアもう一つ心があるようなんだ、電子化すればコアとしての性質と人工AIとして使えないかなって思って。」

 「そういうことね、電子化ならできると思うわ、コアの検査するときも似たようなことがあったから、

  ただ、機動兵器を作るならばもう一ついるわね、エンジン部分が。」

 「エンジン?このまま使えるんじゃ...、エヴァのようにコアだけって言うのじゃ駄目なの?」

 「やってみないとわからないわ。とりあえずまず、コアの電子化だけはやっておくわ。

  イネスさん、ちょっといろいろ手伝ってくれない?」

 「いいですよ、これについていろいろ教えてくださいね。」


 ということで、コアの電子化が開始された。

 この後、僕が出てきた場所(後で聞いた話だけどユートピアコロニーというらしい)からみんなをこっちに移して、

 エヴァの装甲をはがしたりしてもらった、最初はあまり僕や母さんのことを好いていなかったみたいだけど、

 今は、僕らのことを一人の仲間だと思ってくれているようだ。嬉しいことだね。

  
 僕の機体作りが始まった、一体この時代がどんな時代なのはまったくわからないうえに、

 どうやってもとの時代に戻るのかわからないけれど、頑張る事にしよう。





 ____________________________________________________________

  <後書き?>

 どうもゴーヤです。

 最初はこの話、前、後編だったんです。

 でも、最終的にこうしました。

 
 ちなみにまだアキトさんが出ていません(汗) 完全にシンジが主体になっています。

 でも次は出すつもりです。どうなるかは次回をお楽しみということで。

 では、今回はこれで...

 
 
 

 
     

 

代理人の感想

う〜ん。

「だった」が連続するのはちょっときついかな。

エヴァが無人兵器と戦うというシチュエーション自体にはちょっと惹かれる物があったんですが。

ここは是非大幅に性能アップしたジンタイプとエバ初号機との死闘を!(爆)