再び・時の流れに 
〜〜〜私が私であるために〜〜〜




 第14話 『熱血パロディ』で行こう!……〜〜ラピスとハーリーの新春演芸大会〜〜……




 「おめでとうございま〜す! テンカワ ラピスで〜〜〜す!!」
 「おめでとうございま〜す! 二千万部の男、ハーリーで〜す!!」
 「そりゃハリーやがな!」バキッ!
 「ははは、改めまして、ハーリーこと、マキビ ハリです。しかしラピス、何気なくすごい名乗りしていない? 艦長やルリ姉を敵に回す気?」
 「アホっ!ばきっ。あたしには戸籍がないから、アキトに親権設定したでしょ! で、ハルナが偽造戸籍作ってくれたんだけど、そのとき、未成年のアキトがスムースに親権とれるように、遠縁の親戚扱いにしておいたの。だから名字もテンカワなのよ。内緒にしてるから、アキトはラピス・ラズリが本名だと思っているけど」
 「地雷か……なるほど、別に養女になったとか、兄妹になったとかじゃないんだね」
 「そ。アキトは養女でもいいって言ったけど、あたしがいやだっていった」
 「へ、なんで?」
 「養女じゃ結婚できない。ルリ姉の二の舞はいや」
 「ははははは……お後がよろしいようで」(テケテン)。


 「なお、アシスタントは、『ダッシュ』こと『衛愛亭ダッシュ』と」
 「『ウィズ君』こと、『電魔亭ウィズ』がつとめさせていただきます」
 「けど僕たちもようやっと本編デビューだね」
 「そやけどダッシュはん、あんさん、時ナデで出番ありはりましたっけ」
 「え……わあああああっ! プロローグのユーチャリスだけ〜〜〜〜〜っ! 後は実験室だあああっ!」
 「安心しなはれ。何でも作者はんの言うことによると、出番あるそやで、バリバリに」
 「……ほっ。でも、と言うことは、ユーチャリス、出てくるの?」
 「いんや、ユーチャリスは出てきいへんそうやが」
 「??? じゃ、なんでぼくが?」
 「ちょっとまちいな。スキル・インストール『オラクル』!」
 「なんですか、その妖しげなスキルソフトは」
 「あ、しらへん? これは『スター○ーシャン』っていうゲームに出てくる、怪しい電波を受信するスキルや」
 「伏せ字になってない。それに、怪しい電波って……」
 「元からそういうモンやからしかたあらへんがな。それに、電波は怪しくても、飛んでくるネタは本物やで。そやから結構信憑性は高いんや」
 「……まあいいや。で、どうなるって?」
 「……受信完了。あんさん、出来がいいんで、どうも『シャクヤク』のメインコンピューターとして搭載されるって言うとるで、作者」
 「ちょっとまていいいっ! シャクヤクっていったら、木連側に乗っ取られて、優華部隊の艦となる船じゃないか〜〜〜っ!」
 「美人揃いやで。よかったな、ダッシュはん」
 「……はっ、ラピスは! ラピスはどうなるのっ! まさか僕のオペレーターとして、木連側にさらわれるんじゃ!」
 「木連がラピスさらったら、ヤマサキラボに直行やがな。貴重なマシンチャイルド、オペレーターなんぞに使わへんで、木連は。株分けして増やそうとするに決まっとるやないか」
 「株分けって……ラピスはアジサイか〜〜〜〜っ!」バキッ
 「……ててて、あんさんラピスはんのことになると、理性なくしはりまんなあ……仮の話や、仮の」
 「ハアハア……すまん」
 「でもオペレーターは付くって言うとるで、電波が」
 「……? 誰かいたっけ。は、まさか、ラ『ビ』ス?」
 「だからそういうマシンチャイルドはヤマサキラボだと……それは読んでのお楽しみやそうや。ま、いいひとらしいそうやけど」
 「う〜ん、でも、シャクヤクだと、ナデシコと戦うことになるんだよな……それは、いやだな……」
 「まあ、そやな。ま、悪いようにはせんと、電波はゆうとるで」
 「……信じてますよ? 裏切ったら恨みますよ? こう見えても僕は、あの『破壊神ラピス』の一の部下なんですよ、ククク……」
 「なんか言った、ダッシュ」
 「わあああああっ、ら、ラピス!」
 「お仕置き」「わあああああっ……」


 「……雉も鳴かずば撃たれまいに。ハリ兄、出し物の準備できたかいな?」
 「うん、それで巻きを入れに来たんだけど、あーあ、しばかれるダッシュって言うのも珍しいよね」
 「……育ちすぎたんやろか」






 「さて、最初の出し物は?」
 「え〜と、『愛読者アンケート・時ナデ小劇場』だそうですね。その前に、ゲストを一人紹介しておきましょう。現在Action界でもぶっちぎりの人気を誇るアクション女優、『影護 北斗』さんで〜す!」(パチパチ)
 「北斗だ」
 「あ、相変わらずぶっきらぼうですね〜」
 「これが地だからな。仕方ないだろう」
 「その割には役柄によっては、『ば、馬鹿言うな』だの、『零夜ちゃん、ひどい』などと言う、実に初々しい役柄もこなしていらっしゃるようですが」
 「お前もその口か? あれはすべて役の上の演技だ! 俺の地はこっちなんだよ!」
 「あれ、ウィズ、いつから北斗さん、女優になったんだい?」
 「これは新春演芸大会を、パラレル時空で仕切っているっていう設定やから、北斗はん、ちゃんとパイロットなはずやけど」
 「てことは……すでに『演技?』」
 「ノリのいいお方やなあ……ボケ役としては一級品やで」
 「まあ北斗さんの真実がどの辺にあるかは、作者のみが知っていることらしいので、今回はこの辺にしておきましょう。ラピス、準備いい?」
 「いいよ?」
 「では、フィルム、スタート!」






 「なんだって! 軌道上の連合軍が、全滅!」



 俺が到着した時。
 その周辺には、艦隊など存在はしていなかった。



 ……そう、宇宙に漂うのは破壊しつくされた、戦艦の残骸のみ。



 しかし、敵は俺の攻撃を余裕で避ける・・・
 今度こそ確認が出来た。
 コイツは・・・コイツの乗る機体は・・・



 すらりとしたフォルム。
 
しかし、出るべき所はしっかりと出ている
 ……ちょっと待て。俺はなんでそんな論評をしている?
 俺が見ているのは機動兵器じゃないのか?
 だが、目をそらせなかった。
 豊かな
胸回りとくびれた腰部
 張り出した
とすんなりと伸びる大腿からへのライン。
 そして何より、人そのものの
愛らしい顔と、薄紅色の流れるような……



 
激萌え、だった。



 断言出来る。
 男として、いや、
人間として、これほど愛らしいものに、傷を付けることなどできん!
 そんなことの出来るやつは……
人間のだ!(カーン!) 塵芥だ!(カカカーン!
 木連のやつ……なんとうらやましい、いや、恐ろしい兵器を開発したのだ!
 これに逆らえる男など、この世に存在しない!
 いや、女ですら危ないかもしれん。
 しかし……となると、
確かめねばなるまい!



 
「そこの女! 名を名乗れ!」



 「女……俺のことか。ふっ、まあこんなものに乗っていては、そう思われても無理はない。我が名は北斗……北辰の愚息よ!」



 低い、しゃがれたような声。そしてその名乗り。だが、俺は気が付いていた。
 潰したような声の中に、密かに混じる
倍音成分に。
 この声の主は……
だ! 最悪の事態は、今、回避された!
 そして……俺は今、この機体を作り上げた木連技術者の気持ちが、手に取るように理解出来た。
 きっと操縦者は、あの愛らしいフェイスにそっくりな乙女に違いない。見た目だけではない高い機動性からすると、戦闘力もかなりのものなのだろう。
 だが何より!
 それだけの美貌と実力を誇る女の子が、



 
俺っ娘



 だったとは!



 これは萌える。
激萌えどころではない! 豪萌えの領域に、彼女は足を踏み入れている!
 ならばここは、これを試さねばなるまい!



 
おっ嬢〜さ〜ん!

 
よ……よるなあああっ!



 
バキッ!



 
……キラあああんっ!



 ……やはり、そう来たか。ならばこちらも
ガガッ






 「オイ、これはなんだ」
 「あ、アキト」
 「ラビス、これはなんだと聞いている」
 「あ、アキトさん、落ち着いてください!」
 がすっ。
 「……相変わらず男だと容赦ないな、アキト」
 「ほんまやね」
 「な、何怒ってるの、アキト。これは、冗談なのよ、新春隠し芸大会の、読者還元サービスの一環で……」
 「ラピス」
 「ご、ごめんアキト!」
 「なぜ、髪が真紅じゃない」
 「……は?」
 「ヴァルシ○ーネRはピンク髪だが、どうせやるならなぜ真紅にして、顔も北斗のものに差し替えん! あれではまだ萌えが足りないだろうが!」
 「あ、アキト?」
 「何より髪型がそのままというのが気に食わん! 北斗ならポニーテールというか、うなじのところで縛るのが定石! なぜそこまでこだわらん!」
 「あ、アキトが壊れた……」
 「……と、これでいいのか。なんだよいったい、この台本は……」
 「あ……なんだ、そうか……」
 「ん、何泣きそうな顔してる。お正月特番に涙は似合わないぞ、ラピス」
 「ん……わあああああんっ!」
 「ほら、よしよし……」



 「……おい、あの男、どこまで意識してやっているのだ?」
 「全然意識してないと思いますよ」
 「同感やな」
 「なるほどな。時ナデでああなるわけだ」
 「全くでんな」
 「そうそう」
 「ふっ、『再び』の登場人物でよかったと、あれを見ていると心底思う」
 「そんなこと言ってていいんですか?」
 「気に入ったキャラは激いじめるという噂がありますよ、この作者」
 「それでもどちらかというと、『真紅の羅刹』寄りだと聞いたぞ。少なくとも今回は、あの……あの……『北ちゃん』の演技はする必要がないと言うことだ!」
 「……そうとう」
 「……ストレス溜めてるみたいやな、ああいう扱い」
 「所詮私はキャラクター。創造者を初めとする作者のコマとして扱われるのが定め。それは定め故仕方がない。だが……それにしても限度というものがある! アイヌという言葉に『愛奴』などと言う漢字を当てるような作者には、絶対に書かれたくないわっ!
 「わっ、ふっる〜」
 「いい年やからな、この作者」
 「でも、ほんとに羅刹? ここの作者」
 「明確に与してはおらへんらしいけど、原作尊重主義やとは聞いとる。しかるべき理由なくして、キャラを壊すまねはあまりせえへんそうや」
 「なるほどね。その割にはテツヤさんなんかはああなってるけど」
 「それは『必然』やって言うとったで、あの作者」
 「ま、ラピスはほっといて次行こう。邪魔すると後が怖いし。次の出し物は?」
 「えっと、『ナデシコクロスオーバーその1 アキト&北斗編。真紅の魔術士』やな」
 「……作者は大ファンだそうだけど、元ネタわかる人何人いるんだ? もっとメジャーなネタ使えばいいのに」






 白亜の機体を、彼女は衛星軌道上に横たえていた。一見したところ、その船はごく普通の宇宙船に見えただろう。
 だが、知る人は知る。
 その船こそが、『キング・オブ・パイレーツ』『漆黒の戦神』の二つ名で呼ばれる、ある宇宙海賊の持ち船だと言うことを。

 「あーあ、アキトったら、本当に受ける気なの? あんな話」

 誰もいないコックピットのディスプレイに、桃色の髪の少女が映っている。
 そしてこれが、あの大騒動の始まりとなる。






ナデシコクロスオーバーその1



真紅の魔術士
















 「の、予定でしたが、先ほどこの作品の制作中止が発表されました」
 「なんじゃそりゃ−−−−−!!!」
 「えーと、制作サイドからの伝言にはこうあるよ。『試しに書いてみたところ、アキトも北斗もあまりにもキャラがまんまで、このままでは盗作のそしりを免れなくなりそうなので、涙を呑んで制作を中止させていました』だって。ねえ、ダッシュ、ウィズ、これってそんなに似ている?」
 「……」
 「……確かに、ある意味洒落になりまへんな。まんま地のままではまり役ですわ。背が原作の方がデカいのを別にすれば」
 「へえ、今度読んでみようかな」
 「まあ、買うても損はせえへんで。ほんまに傑作やから」
 「データによると、200年くらい前に、ニホン地区の中央公論新社・C★NOVELSから出版された、『スカーレット・ウィザード』って言う作品らしいよ。新書で全5冊+外伝1冊。ただし注意書きがしてあって、外伝を読む前には、同作者が同じ出版社から出した、全18冊のファンタジー物を先に読むべし、だって」
 「そういう訳やからハーリーはん、次行きまひょ」
 「うん……でも、ちょっと時間が余っちゃうな……」
 「ほなトークでも入れまひょ。ちょいと聞きとう思っとったんやけど、この『ナデシコ小劇場』、どういうネタなんや?」
 「そうそう、僕も不思議に思ってたんだけど」
 「あはは、何でもこれ自身がネタらしいよ。作者が前作の後書きで書いた、『北斗さんの初登場時の機体』を、公募したらしいんだ。一番人気のあった機体を『絶対本編で出す』って」
 「……そりゃあこの話だって、一応『本編14話』だけど……」
 「そりゃ普通、『詐欺』いいまへんか?」
 「すごい人気があったらしく、結構いろんな書き込みがあったけど、そのうちから3機を厳選したらしい。うち1機は一番人気のあった奴だって」
 「って、あそこで複数入ったのって……」
 「確か、『アレ』やったよなあ……」
 「ホントにアレらしいよ」
 「いいのかな。でも、結局、16話予定の初登場シーンでは、なんに乗ってくるんですか?」
 「割とありがちだけど、ちょっととんでもないものだって、作者言ってたらしいよ」
 「『ダリア』じゃないんですよね」
 「うん、それは絶対ないって。この時点で、こっちではサレナの秘密は、まだ木連に伝わっていないんで。だから必然的に、あの盗難事件も起きないって」
 「そもそも現物がありまへんがな。こっちの展開では、月にアカツキはんたちがついてからやろ? 真・ブラックサレナ……『プローディア』を作り始めるのは」
 「だよね。ハルナが暗躍を始めるのと同じ頃のはず」
 「……ふーん、ハルナがね。彼女、何たくらんでるの?」
 「わ、ラピス!」
 「あれ、アキトは?」
 「次の出し物の準備に行ったわよ、もう」
 「あ、そっか」
 「ったくハーリーなんだから」
 「あれ、でも作者、ハリ×ラピで行くつもりらしいよ」
 「なんですって〜〜〜〜〜〜っ!」
 「ぼ、僕だって不本意だよ! なんかこの話は基本的に『アキト×ユリカ』路線だって言うから、艦長……もとい、ルリさんフリーなのに、ハリ×ルリは絶対にないって作者言ってるし!」
 「そうよ、せめて『ラピ×ハリ』を要求するわ!」
 「アレ、意外。てっきり『アキト×ラピス』を要求すると思ったのに」
 「ダッシュ……あたしはさすがに『アレ』を敵に回したくないの。ルリやメグミあたりはまだ分かってないみたいだけど、あたしはアキトとリンクしているんだもん。だから少しは分かってる。『アレ』が、『○○○×○○○』を狙っている限り、勝ち目は薄いのよ!」
 「思いっきりバレバレですけど……」
 「わかんない人にはわかんなくてもいいの。ここで具体名を出したら、マジで抹殺されるわ」
 「そういうものなんかいな?」
 「そういうものなのよ。それに、完全に諦めた訳じゃないもん」
 「諦めたんなら素直に養女になってるよね。それなら結婚は無理でも、絶対離れずにすむし」
 「……それだけじゃないわ。養女にならなかったの」
 「???」
 「あたし……アキトを『パパ』って言うのはまだいい。でもね、○○○を『ママ』とは、絶対呼びたくないっ!」
 「あ……」
 「そういえば……」
 「そないなるな……」
 「……分かった?」
 (こくこく×3)
 「じゃ、そろそろ行くよ、パート2」






 「なんだって! 軌道上の連合軍が、全滅!」



 俺が到着した時。
 その周辺には、艦隊など存在はしていなかった。



 ……そう、宇宙に漂うのは破壊しつくされた、戦艦の残骸のみ。



 しかし、敵は俺の攻撃を余裕で避ける・・・
 今度こそ確認が出来た。
 コイツは・・・
コイツの乗る機体は・・・



 「デカい……」

 最初は、そんな印象しかなかった。
 赤い巨体、妙に飛び出した肩、ゴーグル状の頭部カメラらしきところには、走査線のような光が流れ、そして、頭部に光る、ゲージ……!!!
 まずい!
 アレはまずい!

 (どうしたの、アキト)

 突如乱れた俺の感情を感じて、ラピスが話しかけてくる。

 (
イデ○ン……だと! よりによって、なんてものを出してくるんだ!)

 (確かに……アレなら連合軍なんか簡単に倒すけど……でもなんでそんなに慌てているの? アキトの回避力なら、それほど怖い相手じゃないんじゃない?)

 (馬鹿っ! アレがただのイデ○ンなら、そんなに恐れるかっ! よく考えろ、アレは
「木星から出てきたイデ○ン」だぞっ!)

 (あ……
『逆襲のギ○ンテス』バージョン?)

 (そうだ! そしてそれがどんなにやばい代物かは知っているだろ!)

 (……洒落になんないよ、それ……)



 ラピスのデータベース(作者注):『逆襲のギ○ンテス』

 漫画家・長谷川裕一氏の漫画。木星で発掘されたイデ○ンと、ZZのジュドーが戦うという、とってもとんでもない漫画。傑作ですけど。
 その中に出てきたイデ○ンは、イデ○ン劇場版で因果地平にみんなの魂を飛ばした後、宇宙を再生している。これ以上解説するとネタバレになりすぎるので申し訳ない。



 「逃げたい……はっきり言ってこの場からとっとと逃げ出したい。たださえアレはトンデモメカなのに、パイロットがアレを使いこなしているだと!」

 アレとは……赤い巨大メカの両腕から伸びている、二筋の光の棒。

 
(イデ○ンソードを使いこなすような相手と、まともに戦えるか〜〜っ!

 俺がそう、内心で思ったときだった。

 「お前が……俺/
が、求める相手か?」

 やばい、なんかシンクロしている!
 と、とりあえず、なんか答えんと……

 「だ、誰だ、お前は!」

 「俺/
は北斗/イデ。北辰/宇宙の愚息/意志、よ/

 わ……訳が分からん。こんな電波からは、さっさと逃げるに限る!

 「さあ、俺/
と、思う存分/空虚なる心のままに、お互いの命を/宇宙の存続をかけて、戦おう!」

 だ……だめだ、これは……話にならん。
 戦うのはまだいいのだ。だが、アレに勝つということは……つまり、移乗白兵戦をして……

 
「遅い/遅い

 
「わーっ、たんま!」



 
キーン!(きら〜ん☆)わあああっ〜〜〜



 
『ふっ……こんなものか。仕方ない、もう一度作り直すか』

 イデは発動準備に入った。

 3……

 2……

 1……

 0
「ちょっと待て! 俺は納得してないぞ! 操縦者を無視するとはいい度胸だこのクソメカ!」(ばきっ)



 
「……あ」



 
……どごおおおおおん



 発動に失敗したイデは、思いっきり爆発した。







 
無論、全員ちょっと待った〜〜〜〜〜〜っ!DASH!







 「ん、どうしたハーリー君」
 「だ、だめです! そのネタをやるには許可がいるんです!」
 「……そうなのか。せっかくムネタケ提督から仮装用のカツラ借りてきたのに」
 「誰ですか、こんなベタな脚本書いたのは」
 「しかも全然なってないよ」
 「上っ面だけ真似した駄作やな」


 (わああああん)



 「あれ? 今ハーリー走っていかなかった?」
 「僕ならここだよ」
 「……誰だったんだろう。あ、次の準備いい?」
 「出来てるで。今回のメインイベントやろ」








『俺が帰るべき場所は・・・ナデシコだ!!

 皆が揃っているナデシコだ!!

 何処に跳ばされようと、俺は絶対に帰って来る!!

 例え、遥かな距離だろうと、時を超えても―――』







 「あーあ、退屈……。世界なんて、けっきょくの所、大してかわりばえしないのよね……ん? あ、これは……そうだ。確かこの辺に遊んだ世界が……さて、どうなるかな……」






 なにか、ものすごく、イヤな予感がした。












 「ん……ここは、どこだ……?」

 「あ……あ……アキト様あっ! よかったあっ!」

 ???
 どっかで聞いた声なんだが、アキト、様?
 目が、開く。ぼんやりした視界に、ピンク色の髪の毛と、金色の瞳が光る。

 「ラピス……?」

 そう答えたとたん、いきなり彼女は抱きついてきた。

 むにゅ

 そのとたん、俺の胸の上で、何か柔らかいモノがひしゃげた。
 この感触は……!!!!
 俺は思わず跳ね起きてしまった。当然、上にのしかかっていたラピスはひっくり返る。

 「痛ったー……ううっ、アキト様、ひどいですう……」

 涙目でこちらを見上げるラピス。
 その姿は、ラピスであって、ラピスではなかった。
 すんなりと伸びた手足。
 まるで夜着くらいしか布地のない服と、それに包まれた、なかなかに豊かな胸と、折れそうなくらい細い腰。
 どう見ても18歳以上に見えるラピスがそこにいた。
 そしてその姿を見た瞬間、どす黒い、異質な何かが俺の中で、むくり、と頭をもたげた。
 一瞬ラピスの姿に、ユリカの……かつていとおしんだ、あのユリカの姿が重なる。

 (アキト……いつまでも、一緒よ……)


ぷつん。

 俺の中で、何かが切れた



 ……姦って、しまった。
 一線を、越えてしまった。

 「アキト様〜、外でなんて、恥ずかしいですう〜」

 だが、今の俺は十分に冷静だ。
 そしてもう一つ、分かったことがある。



 どうやら俺は、単純にボソンジャンプをして、この世界に来たのではなさそうだ。
 この世界本来の『俺』と、精神的に重なってしまったらしい。
 先ほどの『行為』のせいなのか、ほんの少し、こちらの世界のことが理解できた。
 こちらの世界での俺は、ある意味欲望の権化のような男らしい。
 今の俺とは、ある意味正反対かも知れない……いや、欲望の質が違っただけで、本質的には同じなのだろう。
 抑圧していたか、解放していたかの違いだけで。
 ラピスを抱いてしまったことで、それが理解できてしまった。
 本来の世界でも、俺はこのように生きる道もあったと言うことだ。
 俺はどうしても誰かを選ぶことが出来なかった。
 ユリカを選ぶことすら。
 確かに俺はユリカを愛していた。あの結婚生活は、間違いなく『幸せ』だった。
 それをもう一度築くことも不可能ではなかっただろう。
 だが、俺はそれを『恐れた』。
 もしユリカと再び結ばれることによって、また前回と同じことになったら……。
 だが気がついてみれば、いつの間にか俺はあれだけの女性に好かれ、そしてその誰一人として選べないデッドロックにハマってしまっていた。
 だが、もう一つ、答えはあったのだ。
 わずかに甦った、こちらの世界の俺の記憶は、こう俺に教える。
 なぜ、選ばねばならない、と。
 すべてを手に入れて、どこが悪い、と。
 こちらから惚れた訳ではない。相手の望みに答えて、どこが悪い、と。
 男が複数の女に惚れるなんて言うのは当たり前のことだ、と。
 こっちから頼んだわけでもないのに、なんで相手の言うとおりにしなければならないんだ、と。
 責任? 取ってほしいんなら俺になんか惚れるな。俺は俺でしかない。責任なんか取れんと俺は公言する。それでも惚れているんなら勝手にしろ。抱いてほしけりゃ抱いてやる。だがなんで俺がその責任を取らねばならんのだ? 抱いてほしいと言ったのはそっちで、俺じゃない。それが嫌ならほかの男を下僕にでも何でもしろ、と。
 下衆で最低の意見かも知れない……だが、真実でもあった。
 そしてこちらの世界の俺は、それを忠実に実行してきたのだ。
 あくまで己の意志に忠実に。
 このラピスにしたってそうだ。
 奴隷市で売られていたのを、気に入ったので買い取り、下僕としてこき使ってきた。
 何となく気に入って、もはや手放す気にはなれない。
 これが恋や愛なのか、そんなことは分からん。だが、これだけは言える。
 こいつは俺のモノだ。ほかの誰にも渡さん。
 ラピスの中で果てた時、こちらの世界の『俺』の想いが、跳んできた『俺』にぴったりと重なっていた。
 まるで、最初からそうであったかのように。



 「アキト様、どうしました?」

 「ん、ああ、すまん」

 いかん、考え込んでしまったか?
 俺は立ち上がると、とりあえず服を着た。
 と、遠くの方から声がする。

 「お〜い、お頭〜」

 お頭? ひょっとして、俺のことか?

 「……? アキト様、どうしたんですか? ブロスさんが読んでますよ?」

 「お頭って……俺のことか?」

 「え……ええええええっ!」

 そう答えたとたん、ラピスの目がまん丸になった。お、これはなかなか新鮮だ……って、今はそんなことを考えている場合じゃない。

 「あ、あの、それじゃ、ディアさんのことや、ブロスさんのことは? あたしのこと、ちゃんと分かりますか?」

 「あ〜、ラピスのことは何となく分かる。でも、ディアとブロス? 覚えはあるが、なんであんな格好なんだ? だいたい俺は、なんでお頭なんだ?」

 とりあえず俺は、思った通りに答えた。

 「あ〜〜〜〜〜っ! や、やっぱり〜〜〜〜〜〜っ!」

 ??? 何がやっぱりなんだ?

 「ブロスさーん、アキト様、崖から落ちた拍子に、頭を打って、記憶が飛んじゃったみたいです〜〜〜!」

 「なんだとおっ!」

 「ちょっと、それ、ほんと!」

 そういうと駆け寄ってきたのは、活発そうな女の子であった。どこかで見たような気がする……思い出した。
 ディアがホログラムで作った自画像、あれが実体化して成長したら、ちょうどこんな感じになりそうだ。
 じゃあディアとブロスって……あのディアとブロスか?

 「お頭、とりあえずこっちへ」

 「ねえ、あたしのことも忘れちゃったの?」

 そういってディアは、俺にしがみついてきた。
 腕に柔らかなふくらみが当たる。
 その瞬間、また、『あれ』がきた。
 どす黒い、抑えきれない欲望。
 俺はみんなが見ているのもかまわず、ディアを押し倒していた。



 果てた瞬間、彼女のことを少し思いだした。変な話だが、そうとしか表現できない。
 何故かはまだわからないが、俺はここで盗賊をしていた。チンケな盗賊ではない。かなりの部下を持つ、ちょっとした武装盗賊団だ。
 街を襲ってかなり稼いでいる。
 内心俺は頭が痛くなった。こっちの世界の俺は、どういう男だったんだ?

 「全く……そういうことなら、ちゃんとベッドに連れて行ってくれればいいのに……アキトったら……」

 照れつつも俺を見る目に媚びがある。俺は立ち上がると、アジトにしていた洞窟へと向かった。
 このことも思い出している。

 「みんな、聞いてくれ」

 作戦会議室……と言うか、頭領筋のたまり場の部屋で、俺はラピス、ディア、ブロスに言った。

 「どうやら俺は、何でか知らないが、記憶を失っちまったらしい。ただ、一発やったせいか、ラピスとディアのことは、何となくだが思い出せた」

 言ってて恥ずかしかったが、この場はこういう言い方をしないとまずいと、俺は判断していた。現にみんなの意見はこうだった。

 「それでアキト様……なんかいつもより言葉遣いが上品なんですね……」

 「でもヤると記憶が戻ってくるって言うのも、実にアキトらしいや」

 ……そういうキャラだったのか? こっちの俺は。

 そうしたらブロスが顔を真っ赤にして、俺に向かって言った。

 「そ、そういうことでしたら、このブロス、モーホーの経験はありませんが、兄貴のためなら我慢します!」

 「ふざけんな馬鹿野郎!」

 反射的に手が出て、俺はブロスを殴り飛ばしていた。

 「俺にその気はない!」

 と、今度は彼のことが頭に浮かんできた。
 彼は本来、この盗賊団を率いる頭領の息子たちだった。そこに俺とラピスが盗賊退治に来て彼らをたたきのめし……そのまま頭領に収まってしまったのだ。

 ……ますます頭が痛いぞ、こっちの俺。

 「……それに、今殴り飛ばしたら、お前のことも思い出した」

 「あ、兄貴っ!」

 「男は殺す、女はコマす。ますますアキトらしいや」

 ディアが笑っている。

 「じゃあきっと一時的なものですね。時間が経てば、だんだんと思い出してくると思います」

 「ふう。一時はどうなることかと思いましたぜ」

 ブロスが安心したようにため息をついた。

 「今じゃアキト盗賊団も所帯がデカくなりやしたからね。ここでアキトの兄貴になんかあったら、空中分解ですよ」

 ……どうしたものかな。俺はそう考えていた。

 今の俺の感覚では、とてもじゃないが盗賊団の親玉はつとまらない。
 さっさと解散でもしたいところだが、そうもいかないようだ。
 しかし実際には、悩んでいる暇などなかった。

 「た、大変です、お頭!」

 「何事だ!」

 「せ、正規軍です! クリムゾンの正規軍が、こっちに!」

 「なんだとっ! いくら兄貴でも、正規軍相手はつらいぞ!」

 それと同時に、派手な爆発音が響き渡った。

 「早くっ!」

 そして外に出た俺は、あんぐりと口を開けることになった。



 ステルンクーゲルの集団が、俺たちを取り囲んでいた。
 その数、約600。それがこちらに向かって、虐殺とも言える攻撃を仕掛けてきた。



 いくら何でも、これはやりすぎだ。
 こっちは生身の人間である。機動兵器相手に、勝てるわけがない。

 「やめろおおおっ!」

 反射的に俺は、全身に昂気をまとっていた。それをそのまま、最後の戦いの時のように、そしてDFSを使うときのように、剣の形に束ねる。

 「アキト・アターック!」

 なぜか俺はそう叫んでいた。
 昂気の刃は、難なく機動兵器を破壊する!

 「いたぞ! 首領のアキトだ!」

 俺に向かって、攻撃が飛んでくる。だが、あまいっ!
 俺は戦いに酔い、嵐のように戦場を飛び回った。



 だが、いくら何でも機動兵器600は無謀すぎた。
 それに俺は、ほかのみんなのことを忘れていた。

 きゃあああっ!

 血に狂った俺の耳に、女の悲鳴が届く。

 「ラピス!」

 そちらを見ると、ラピスが機動兵器に捕まっていた。
 そちらに向かおうとした、俺の足がぐらりと崩れた。
 しまった! こっちの世界の俺の強さを、把握していなかった!
 意識が、朦朧とする。昂気の使いすぎかも知れない。
 俺はただ闘争本能と生存本能の固まりとなって、その場を駆け抜けた。



 かすむ目に、連れ去られるラピスの姿が映る。



 だめだ……今の俺では勝てない……



 力が、いる……



 せめて、エステバリスがあれば……



 ピースランド……




 もうろうとする意識の中に、なぜかその名が浮かんだ。



 あそこに行けば、クリムゾンの馬鹿なんぞには……



 ピースランドの誇る聖なる黒き鎧、『ブラックサレナ』



 ピースランドは……まだか……


 『再び・時の流れに』14話スペシャル・ストーリー







 鬼畜王アキト







 こう、ご期待!



 ……されても困るかなあ……


















 「あれ? アキトさん? アキトさんじゃないですか!……ひどい怪我……これは、千載一遇のチャンスか! 僕のあこがれの女王様の思い人、アキトを殺せる唯一の……でも、この人が死んだら、女王様は悲嘆にくれる……ああっ、僕はどうしたら!」
 「……ハーリー君か」
 「しまったあっ! 悩んでいるうちに気づかれてしまったあっ!」
 「俺を……ピースランドに連れて行け」
 「……仕方ない、今回だけですよ」



 「結婚してください」
 「結婚だってえっ!」
 「今結婚すると、もれなくピースランド一国がついてきますよ。アキトさんのほしがっている、軍隊付きで」



 「アキトさんはあたしのものです!」
 「陛下、白の軍、メグミ将軍が、反乱を!」



 「今の国力では、クリムゾンへの侵攻は苦しいですね。自由諸国を統一して、大陸東部を盤石にする必要があります」
 「そうか……わかった、ユリカ」



 「アキトよ、汝は聖戦士なり、さあ、このツボを、臣民一人に一つずつ買い与えるがよい!」
 「ゴートさん……こっちでもかよ」



 「お久しぶり、アキト。メカのことなら任せなさい! この、レイナ・カスタードにね!」
 「よう、また相手をしてやろうか!」
 「メティもアキトとしたいのー」
 「二人ともだめっ!」

 「お前は?」
 「いやよ。あんたに処女を奪われたのは、この魔想ライザ、一生の不覚よっ!」



 「俺は小川北斗、彼女が来水枝織だ」
 「そしてわたしは聖刀ダリア。二人の守護者です」



 「久しいの、我が心の友よ」
 「ブローディア!」
 「な。なんだとっ!」
 「氷室、お前にはそいつを使いこなすのは無理だっ!」



 「夢を……見るんです。巨大な何かが、世界を眺めているのを」
 「カグヤ……」



 「ハルナのくそったれ」
 「ご存じなのですか? その名前を」



 「見よ、あの男こそ、世界を統一する男だ! このラグナロックアーク・スーパー・アカツキ、あの男の部下になる!」
 「本気ですか、アカツキ様」
 「うむ、エリさん、千沙さん、ゆくぞっ!」



 そして……






 「……ねえ、これなに?」
 「……」
 「ねえウィズ、これ、元ネタ18禁だよね。逆行前の年でも18歳未満の二人には、刺激強くなかった?」
 「かもしれまへんなあ」
 「作者、本当にこんなのやる気なの?」
 「リクエストがあれば考えるとか言うとったで。元ネタが古いから、昨今の若い読者にはわからへんのが問題やそうやけど」
 「……確かにね。20前の人にはキツいよ、いろんな意味で」
 「ナデひなを超えるのは無理だね」
 「そやそや」
 「(ぷるぷる)さて、気を取り直して」
 「ラストはこれ」






 「なんだって! 軌道上の連合軍が、全滅!」



 俺が到着した時。
 その周辺には、艦隊など存在はしていなかった。



 ……そう、宇宙に漂うのは破壊しつくされた、戦艦の残骸のみ。



 しかし、敵は俺の攻撃を余裕で避ける・・・
 今度こそ確認が出来た。
 コイツは・・・
コイツの乗る機体は・・・



 「遅かったな、テンカワアキト。まあ、いい肩慣らしにはなった。だが……なぜこいつらはこんなにもろいのだ?俺が近寄っていってもろくに回避しなかったが」

 無理もなかった。

 俺ですら、アレを回避出来るとは思いたくない。



 「一つ、聞いていいか? なぜ、そんなものに乗っている」

 「気づかぬか……元々は、これは貴様が乗っていたあの黒い機体よ。そのコピーだな。だが、よくよく調べてみると実に無駄が多かったのでな。俺向けにカスタマイズさせてもらった。そのせいで全然別の機体に見えたのかも知れ無いがな」

 なんだとっ!
 アレが、ブラックサレナの、改良型だと……!
 俺には自分の目が信じられなかった。

 「かなりの装甲だったが、DFSの使用を前提とする以上、敵の攻撃が一発でも当たったら意味がない。だいたい改造コンセプトが統一されていないぞ。あの機体、元々は本来拠点制圧、重砲撃戦用に設計されていたな? それを白兵目的で使用するのは無茶すぎる」

 言われたとおりだった。このパイロット、見た目によらず知識がある。

 「まあ全部受け売りだがな。だからこの機体は、メインの骨格部とエンジン、DFSほかのわずかな武装を残して極限まで軽量化した。どうやったところでDFS同士がぶつかり合えば、一撃でも当たった方の負けだ。ならば耐久力には意味がない。オーラバトラーの装甲とHPは改造しても意味がないと、担当者は言っていたがな」

 「……なんじゃそりゃ」

 「知らん、技術用語だろう……で、それを極限まで押し進めたのが。この機体だ。なかなか乗りやすいぞ」

 「むむむ……一つだけ、聞いていいか」

 「なんだ、テンカワアキト。冥土のみやげだ。何でも答えてやろう」

 「お前……名前は」

 「我が名は北斗。北辰の愚息よ! しかし気に入ったぞ、敵の名を知りたいと思うか! やはり貴様も、生粋の戦人(いくさびと)だな!」

 ……いや、それに
正気で乗れる人間の名前を知りたかったからだ。



 見よ、その全身は極限までの軽量化によって、フレームのみのスケルトンボディと化し、

 各部関節機構も、極限まで単純化される。

 ものを持つ必要性がないため、両の手はへら状のDFS制御プレートに置き換えられ、

 頭部もバランスを取るためだけのダミーになっている。

 オプション兵装のグラビティブラストとの連結部も、重心を狂わせることなく的確な射撃が可能なように、

 機体の重心制御点……股間に装着されている。

 真紅に輝くそれは、どこから見ても



 
『先○者』



 そのものであった!


 「行くぞ!」

 
「いざ……ぷっ



 そして俺は、為すすべもなく北斗に撃破された。
 洒落じゃなく強いぞ、あの機体。



 そしてわずか3日で、地球の全兵力は、たった一機の機動兵器に撃破され、地球に草壁春樹を総帥とする、『神聖激我帝国』が建設された。
 人類は未来永劫にわたって、ゲキガンガーとその後継者メカを讃えたのである。







 「あ、頭痛い」
 「同じく」
 「……俺もだ」
 「そうか? 俺はなかなか合理的だと思うぞ。早速帰ったら山崎に作らせてみるか」


 

 (ちょーん)








あとがき
 いやあ、我ながらお馬鹿なものを書いていますね。
 なんかしっちゃかめっちゃかですが(笑)。
 ラブひなみたいなネタを掛けるのはアレでしたし、私には『嫌』は無理なのも分かりましたし。
 まあ、ある意味徹底的に楽屋落ち的なものに徹してみました(爆)。



 これでやっと15話に戻れます。
 ああ、疲れた(笑)。



 あと、掲示板でご協力していただいたみなさま、こんな騙し企画で申し訳ございませんでした。
 ご協力、本当に感謝いたします。
 ……何人くらい気がついたのかな?



 

 

 

代理人の感想

人、それを引っかけと言うッ(爆)!

 

 

まぁ、気がついてらっしゃる方もいたかもしれませんが(笑)。

 

それはそれとして16話で乗って来る機体って本当になんでしょうね?

普通に考えるならジンシリーズかせいぜいが試作型夜天光ですが・・・・

はっ!

まさかエクスバリスッ!?(核爆)