機動戦艦ナデシコ
Lone wolf
第一話:不思議な縁…後日談
戦闘を終えたアキトと、プロスの説教を漸く終えたユリカは格納庫からブリッチに向う廊下とブリッチから格納庫に向う廊下で鉢合わせになった。ばったりと出会った二人は、お互いに顔を見詰め合ってしまう。
因みにルリラピはバイツに仕事に戻れと連絡を入れられ渋々先に戻っていた。アキトは格納庫でウリバタケとエステの改良についての話しを暫しした後に、ポケットに捻りこんだナニかの修理を頼んでいた為、ブリッチに戻る時間が遅れた。ユリカは延々と続きそうだったプロスの説教を副艦長アオイ・ジュンに「後で報告して〜」と告げると「パイロットさんにお礼を言ってきます」と言い残し、先程逃げてきた所だ。
「あ、えと…私ナデシコの艦長ミスマル・ユリカです!えっへん」
ユリカはそう言うと胸を反らせてふんぞり返った。アキトは思わずユリカの胸に目が行ってしまい慌てて目を逸らせていた。
「あ、俺はテンカワ・アキト。アキトって呼んで下さい」
アキトは多少顔を赤らめてお辞儀をする。そして顔を上げると思案顔になって恐る恐るといった感じでユリカに声をかける。
「あ、あのもしかして…昔火星に住んでたって事ありますか?」
ユリカは一瞬キョトンとした表情になると勢い良く頷きにぱっと笑う。それにつられてアキトも思わず微笑んでしまった。
ユリカはその表情をじっと見つめるとぱぁーっと表情を輝かせると胸の前で両手を組んでアキトに叫んだ。
「テンカワ!覚えてるっ!私覚えてるよ!アキト!アキトだよね!?」
「そうそう!俺もさっき思い出したんだ!お前ユリカだろ?ミスマル・ユリカ!」
再会を喜んだユリカとアキトだったが、ふとユリカがアキトの頭に手を伸ばして髪の毛を触った。
「あれ?アキト黒髪だったよね?…これ、染めたわけじゃないよね?」
ユリカはそう言うとアキトの顔を覗き込むようにして問いかけた。アキトは苦笑すると頭を掻き「ちょっとね」と呟いた。
ユリカは口先を尖らせると手を腰に当て「むーっ」っとアキトを睨んだ。アキトは口元を引き攣らせると二、三歩後ろに後ずさった。
アキトの記憶が告げている。速射砲の様な口撃が襲いかかってくる、と。
「ちょっとでこんなになるわけないよっ!アキト何時からユリカに嘘つくようになったのっ?アキトはユリカに隠し事しちゃダメなの!
ユリカがいなくなってからの10年何があったの!?」
アキトは「ちょっと待てい!」とユリカに詰め寄ると未だに動く口を押さえた。
「むぐっ!?むごごごぉ!?」
「隠し事はダメってそりゃ一体なんだよ!?て言うか、そんな大声で叫ぶなよ!人目ひくだろ!?」
確かに人目をひいていた。道を行く一般クルーが何事かと二人を見ている。が、しかし最も目を引く要因を作ったのはアキト本人に他ならない。何故ならそんな往来で女性に詰め寄り口を押さえているのだ。
ユリカはアキトの手を持って口から剥がすとアキトの手を掴んだまま至近距離で大声を炸裂させた。
「苦しいよッアキト!!!」
「げふぅっ!?」
アキトは目を回し、くらりくらりと頭を回しながら仰け反り、後ずさる。ユリカはそのままアキトに向って歩を進めると、がしぃっとアキトの胸倉を掴んだ。まるでそれは痴話喧嘩のようだったとそれを目撃したクルー達は後に語ったと言う。
「だったらアキトの部屋に行く!」
普段のアキトであれば「何でそうなるっ!」と突っ込んでいるだろうが、ユリカの大声を至近距離でクリーンヒットしてしまったが故に朦朧とした意識で力なく頷きそのまま歩き始めた。因みに後ろからついてきているユリカはルンルン気分だ。
そのころアキトの部屋ではバイツとラピスが今日の仕事を終えルリが休憩時間により一時帰宅。
夕食を取りながら談笑していた。因みに今日の夕食はアキト帰宅が遅いためにバイツが作っていたりする。アキトには及ばないがそれでもバイツの作る料理は中々美味なものであるのだ。余談だがバイツが作るのはパスタ料理が主だ。
「ペペロンチーノは良いな。ビール万歳」
「か、からぁっ!」
「バイツさん!唐辛子入れ過ぎですっ!」
平気で大量に食らうバイツとは対照的にルリラピはオレンジジュースを片手に目尻に涙を浮かべていた。良く見てみれば麺に絡まるようにして輪切りになった唐辛子が「これでもかオラァ!」と存在をアピールしていた。
「ん〜、しゃぁないなぁ」
バイツはルリラピの皿を取るとその中から唐辛子を全部取り除いていった。が、そんな事をしても思い切り味が沁みついているのだから大して効果はない。一口、口に含みルリラピは慌ててジュースを飲み込んだ。
「おっかしいな。俺は全然平気なのに」
「ウドンに七味一本全部入れる人の味覚と一緒にしないで下さいっ!」
「バイツがおかしいの。ラピス達は変じゃない」
そんな二人の非難にバイツが渋々新しく料理を作ろうと腰を上げたときプシューと扉が開きアキトが入って来た。
「お!アキト丁度い…い、とこ…ろ…」
バイツはアキトの後ろから入って来たユリカを見て中途半端に腰を上げた体勢で固まり、アキトが帰って来た為漸く普通の料理が食べれる&アキトにお帰りを言おうとしたルリラピはやはりユリカを見て笑顔で固まった。
「た、ただいま」
そんな三人に引き攣った微笑でアキトは手を上げ、ユリカを紹介する。
「あ、ええと、皆知ってると思うけど艦長。実はコイツ俺の古い知り合いで火星に住んでたんだ。家が隣でさ、幼馴染って奴?それでさ、何か色々話がしたいってから話してたんだけど、何か知らないうちに俺の部屋にくる事になっちゃって」
かなり口早に説明するアキトを逸早くダメージから復帰したバイツがどっかりと座り直すとアキトを手で呼び自分の前に座らせた。
因みに正座だ。ユリカも取り合えずアキトの傍にいるためにこにこしながらその隣に座る。因みに正座だ。
「アキト。お前も若い男だ。発情するのはしょうがないとしよう」
「何だそりゃッ!?」
バイツはそれを聞き流すと尚も言葉を続ける。
「確かに久々に再会した幼馴染がエライ別嬪になってやがって下半身にビビッと来たとしてもだ」
「な、何勝手な事言ってんだテメェ!?」
アキトがバイツに拳を叩きつけるもバイツはその拳をひょいっと避けると、アキトの方向を向き直りビールをぐいッと呑むと尚も言葉を続けた。
「何の準備もせずに事に及ぶと後で焦る事になるぞ来ないの…アキトとか言われて、な」
バイツは何故か遠い明後日くらいの方向を向くと寂しくフッと頬を歪めた。因みにユリカはバイツにつられて明後日の方向を見てしまいそこに何かあるのかときょろきょろ目まぐるしく視線を泳がせていた。
「だー!ワケわかんねー事言うな!そんなのじゃないっ!昔話をしようとしただけだよっ」
バイツは「嘘ばっかし」てな視線でアキトを見ると「やーね、もぅ。ばれたからってそんな嘘ついちゃって!オバさんアキト君がそんな子だったなんて思わなかったわ」と言い、と口に手の甲を当て胡散臭そうにアキトを見る。
「俺の話を聞けぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
バイツはそんなアキトの心の叫びを足蹴にしながら無視するとユリカに振り向き「積る話もあるだろう。邪魔者は撤退するとしよう」と言い、未だにフリーズ状態のルリラピを肩に担ぐと部屋から出ていった。そして残されたのはアキトとユリカ二人だけとなった。
「全く一体なんだってんだ…」
アキトは頭を乱暴に掻くとユリカの前にどっかと座りフゥッと溜息をついた。ユリカはテーブルの上に残っているオレンジジュースを何の疑問も抱かず飲んでいる。そしてアキトはそんなユリカを見ると再び深い溜息をつくのであった。
「…俺にどうしろってんだよ」
「アキト!お話しよっ♪」
ユリカは満面の笑みを浮かべ小首を傾げアキトにオレンジジュースの飲みかけを差し出し、アキトは全く素の状態でそれを受け取り飲み干したのだった。それを見たユリカはイヤンイヤンと首を振り顔を火照らせていた。
「アキトと間接キスー」
「何ィィィィィィッ!!
いきなり接吻ばしよったとですかッ!?」
扉の所で聞き耳を立てていたのであろうバイツの叫び声がアキトの部屋に響いた。アキトは盛大にテーブルに頭をぶつけると「もぅ、やだ…」と涙しながら呟いていた。テンカワ・アキト苦難の道の幕開けである。
余談だが、既に翌日には
「艦長ミスマル・ユリカとエステバリスパイロットのテンカワ・アキトが数々の苦難を乗り越え10数年ぶりに劇的な再会したはたしたらしい。
何でもテンカワはミスマル艦長を助ける為に命を無くしてもおかしくない戦闘に臨んだそうだ。
その後に出会った二人が廊下で一寸した揉め事を起こしてたみたいだがその後すぐにテンカワの部屋に行ったのを見た」
という噂がナデシコ中に広まっておりユリカは大喜び。アキトは顔を蒼白にして体中の水分が全部出ているのではないかというくらいの汗を出し、ルリラピの機嫌は見事に悪く、バイツはそしらぬ顔でフクベと将棋を打っていた。
因みにアキトはプロスから契約書のとある部分について激しく説教を言われていたりするのであるがそれも余談である。
ユリカがアキトの過去の事を聞けたかどうかというと答えは「否」である。アキトの過去の話ではなく二人の昔話に花を咲かせてしまい頭からすっこーーーーんと抜け落ちてしまっていたのであった。
先行き不安なアキト君。
頑張れアキト君!バイツ君が待っている!アキトの不幸は蜜の味…
後書き
大問題勃発(汗)
ナデシコを参考がてらにいざ視聴とテレビに向いスイッチオン!どんな話だったけか?なんーて思いながらポテチをかじる私。
ウィーンと、テープを読みこむ動作音が部屋に響く。
「んーと、ガイが死ぬんだっけか?」
と思いを駆け巡らせながら私は視線をテレビに向けた。
そして、それは起きた!
「いっちゃうぞ!バッカヤロォーーー!!」
「はいッ!?小島っ!?」
なんか、某新日本プロレスを退団なさった小島にぃさんがコーナーポストから華麗にダイブしてるじゃないですか!
どうやら上から写した様子だ。
「うおおおお!メーデー!メーデー!スベスベマンジュウガニが棚からぼた餅ですバイッ!」
と、私は少しだけ我を取り戻し他の世界の方と暫しの語らいを致しました。
「最近DOよ?」
「うーむ。最近はなんつーか脳内で可憐なハムスターがコマネチしながらリンボーダンスを宮本武蔵としてるかな?」
「ふーん。結構来てるなァ」
「いやいや、そうでもないって。だって昨日の夢なんかさ血眼になってワケ解らない探し物してたんだぜ?」
「ふむ。どんな探し物?夢占いってあるからな。なんか大事なメッセージかもよ?」
「…それがさ、冷蔵庫に刺さった矢なんだ」
「ごめん。処置無しだわ。それ」
こんな感じで私はミラクルナイスミッドナーイツ的な会話をした後早回しをしました。
暫くたって、画像が途切れ真っ暗になりナデシコのオープニングがっ!!
「ナイス!ナイスだよワトソン君!!」
んが、しっかーーーーーし!「プツン」と画像が途切れ上から初代タイガーマスクさんがトップロープでポージング決めてくれました。
アベルヴァッ! ∵(■ ̄;) 吐血
どらえ○〜ん。たすけテェえ(脳内陥没削岩風味)
そ、それはそうと今回はアキトとユリカの遭遇を書いてないって事で付け足した物語です(汗)
このままヒロインはユリカになってしまうのか?>俺
主人公二人組
アキト君
ユリカさんと再会を果しました。多少苦手な様子ですが、再会を喜んでいます。
ただし、バイツ君にからかわれ頭に来ています。噂はバイツ君の仕業だと睨んでいます(大当り)。
バイツ君
極度の辛党だと発覚。きっとペペロンチーノは唐辛子味でしょう。素材を殺しまくりです。
因みにピザにはタバスコ一本消費します。実際にいるんですよ。友達にこんな味覚した奴。
因みに私は汗かきながら食いました。メシよりも水で腹いっぱいです。そいつ激辛カレー(ルーが真赤)50倍をおかわりした猛者です。
おやつ代りに鷹の爪を食う奴です。俺には真似できない…。
今回の登場人物
ルリラピ
フリーズ。再起動まで3時間かかりました。ルリちゃんは休憩時間を過ぎてしまい給料から天引きです。
因みにバイツ君が同伴しておきながら遅刻したということでバイツ君も連帯責任でした。
ユリカさん
アキトに出会えてご満悦。間接キスを成功させて大満足です。翌日は頗る機嫌が良かったそうです。
因みにその件も手伝って噂に尾ひれがついてしまいました。アキト君哀愁が漂い始めました。
>整備が仕事(後編・代理人様の感想)
ぐっは(汗)それはそうだ。整備班なんだから整備してなんぼの部署じゃないか>俺
整備するのに一々許可とってする人なんていないってば>俺
色んな意味でダマラム一生の不覚ッ!(核爆)
代理人の感想
あ・・・・・あはははははははは(爆汗)。
ものの見事に洒落になってませんねぇ(ちょっぴり意味不明)。
SS本編も結構凄かったような気がするのですが、
後書きで本文の印象が綺麗に吹っ飛びました(爆)。
だもんで現在本編の感想が書けません(核爆)。
お許しあれ。
・・・・・・・・ひょっとして大蒲鉾日記と互角(爆)?