アキトさんの活躍によりナデシコを無事に、軍人さんから取り戻した

だけど、新たなるライバルができちゃったみたい

艦長は艦長でなんか盛り上がってるし、ナデシコ全体のバカ度がさらにあがった

これから、どうなることやら……




運命と絆、そして… 第3話 〜はやずぎる『さよなら』A−part






地球連合統合作戦本部・総司令部内大会議場

「ナデシコ 許すまじ!」

地球連合軍総司令官が、大真面目な顔でスピーチをしている

「国家体国家の紛争が終わった今、地球人類は一致団結して、木星蜥蜴と戦うときだ!」

ちなみに、この言葉は全て英語で言われている。

「だが、ナデシコは火星に向かうという、こんな勝手を許していては、地球はどうなる!」

「総司令、緊急通信が……」

横に座っていた美人の女性士官が、通信機を持って立ちあがった

「What?」

何でここだけ英語?、とか、他のところも英語にしろ、と言うツッコミはナシ

「その…… ナデシコからです」

《明けましておめでとうございま〜〜す》

女性士官が言った瞬間に、後ろの画面に、着物を着たユリカと軍服のフクベ提督が映った

『おお〜 ゲイシャ〜 フジヤマ〜 ハラキリ〜』

会議場が一気にざわついた。謎の言葉が飛び交っている

《艦長 君は緊張している様だ 私が代わろう》

《いいんです、どうせ外人さんは日本語分からないし》

「君はまず、国際的マナーを学ぶべきだな」

日本語喋れるやん!

《あら、ご挨拶をどうも せっかくですけど時間がありませんので》

ユリカの言った事は、『ビックバリアを素通しさせてくれ』と言うものだった

ちなみに、ビックバリアは第一防衛ラインで、地球の守りの要

それ以外は、たいしたことは無いとも言ってるわけである

こんな事を頭の硬いお偉いさんに言うと、どうなるかというと、

「ビックバリアを開放しろだと! ふざけるな!」

と、激昂する。 まぁ、当然だな

《そう じゃあ 無理矢理通っちゃうもんね》

「これでハッキリしたな。 ナデシコは我々の敵だ!」

《あら では、お手柔らかに》

ぷちっと、通信画面が消える

「ことはもはや 極東方面軍だけの問題ではなくなった! 地球連合軍がナデシコを叩き潰す!」

総司令のおっちゃんも、かなり頭に来ている様だ

「しかし、クルーの殆どは日本国籍でして………」

  極東方面軍の軍人(名前忘れた……)が異議を唱える

「ミスマル提督 あなたからも何か言ってください」

そう言われると、サリーちゃんのパパ……じゃなかった、ミスマル コウイチロウが咳払いをして立ちあがった

「いやいや、我が子ながらとんでもない」

こうして見ると、この親ばかのミスマル提督もかなりの威厳がある

「振袖姿に色気がありすぎる…………ぐふふ、ぐふふふふふ」

……………訂正。親ばかは、やっぱり親ばかである


「太平洋沿岸部の殆どの連合宇宙軍が、ナデシコ追撃に向かいました」

「よし、成層圏を抜けるまでには、捕捉出来るな」

場所は変わって、連合宇宙軍総司令部

地球連合軍総司令官が、直接指揮をとっている

「いえ、それが……」

女性士官が、言いにくそうに画面を操作させると、爆発する戦闘機が映し出された

「まとまった軍事行動は久し振りのため、木星兵器が刺激され、

 現在世界各地で、バッタと激しい戦闘を開始しています」

地球連合軍総司令官は、悔しそうに握りこぶしをつくった

「ナ、ナデシコ!! 絶対に許さん!! 第三防衛ラインを呼べ!!」




ナデシコ

『ゲキガ〜ン パ〜〜〜〜〜ンチ!!!』

バシュウン!!

ゲキガンガーが、ロケットパンチを繰り出した

しかし!

シャキン

ゲキガンパンチは、ボンテージZの鞭によって、真っ二つに斬られた

『『『なにぃ!!』』』

斬られたゲキガンパンチは、迷惑にもビルを破壊しながら飛んでいった

『ゲキガニュウム合金のゲキガンパンチが!』

信じられないといった表情のケン

『なかなか楽しませてもらったぞ 地球人』

対するアカラ王子は、余裕の表情

『だが、…これまでだぁぁぁぁぁぁ!!』

アカラ王子は、鞭を一振りすると、電撃を纏わせた

じぃぃぃぃ ざざざぁぁぁぁぁ

何故か急に画面がぶれた

「ちくしょう!良い所なのに 揺らすなよ!!」

「おい!ヤマダ ちょっとはボリューム下げろ!」

「ちがぁぁ〜〜う!! 俺はダイゴウジ ガイだ!! 断じてヤマダ ジロウと言う名前ではない!!」

「自分で言ってるぞ……」

「し、しまったぁ〜〜〜〜 ダイゴウジ ガイ一生の不覚!!」

「(無視)……にしても、お前本当にゲキガンガー好きなんだな……」

「当たり前田のクラッカーよ!! ゲキガンガーは俺の命の源さぁ」

「はぁ?クラッカー?」

「ならばお前に教えてやろう!! 俺とゲキガンガーの出会いを!!」

「いや 別にいいって……」

「遠慮するな! そうあれは 俺の魂の名が、シングウジ アキラだった時の話だ」

ガイが、立ちあがり、拳を振るわせながら、熱演を始めようとした時、

ピッ!!

アキトの前にコミュニケの画面が展開された。通信してきたのは、

「アキトさん」

「あれ、メグミちゃん どうしたの?」

「今からブリッジで作戦会議を始めるそうです。ブリッジに来てくれませんか?」

「あ、うん。分かった。 おい! ヤマダ、集合がかかったぞ!」

「そして俺は神に誓った! シングウジ アキラではなく、ダイゴウジ ガイとして生きる事を」

「……………………………」

ビシィッ

アキトは、あっちの世界に逝っているガイに、当身を当てて、首根っこを掴んで引きずって行った




「現在地球は7段階の防衛ラインで守られている。

 我々は逆に、これをひとつずつ突破していかなくてはならない」

お約束のメンバーが集まったブリッジでは、真面目に作戦会議が行われていた

ちなみに、アキトはルリ達の後ろに立っている

「スクラム戦闘機の航続コードは既に突破。空中部隊はバッタと戦闘中。

 事実上このふたつは無力化していますから、

 現在は地上からのミサイル攻撃、つまり 第4防衛ラインを突破しています」

艦がそのミサイル攻撃によって揺れる中、プロスが淡々と説明している

「面倒くさいね 一気にビュゥ〜ンっと宇宙まで出られないのかなぁ?」

「そ、それが出来ないんだなぁ」

メグミの無邪気な質問には、まず、ミナトが答えた。その後にルリが続く

「地球引力圏脱出速度は秒速11,2km、

 その為には、ナデシコのメイン動力である相転移エンジンを臨界まで持っていかないと

 それだけの脱出速度は得られないの。

 でも、相転移エンジンは、真空をより低位の真空と入れ替えることによって、エネルギーを得る機関だから

 より真空に近い高度じゃないと臨界点は来ないわけ」

ルリの説明に、メグミは頭から?を飛ばしている

「え〜と、簡単に言うと、どういう意味なの?」

「だから……」

「つまり、ナデシコは宇宙じゃないとフルパワーを発揮できない、ってことだね」

ルリの言葉を遮って、今度はアキトがメグミの質問に答えた

「なるほど!」

「……アキトさん、今の話、理解できたんですか?」

「………ルリちゃん、何かその言い方だと、俺がバカみたいに聞こえるんだけど……」

「ご、ごめんなさい」

アキトに注意され、ルリは小さくなり、

「ま、いいけどね…」

「アキトさん!! さっきの言い方じゃぁ 理解できなかった私がバカみたいに聞こえます!!」

「ご、ごめん メグミちゃん」

「ふ〜〜んだ」

メグミに怒られ、アキトも小さくなった

「ごほん! とにかく!」

説明を引き継ごうとして忘れられたユリカが、咳払いをして、説明を続けた

「相転移反応の臨界点は、高度2万km。だけどその前に、第三、第二防衛ラインを突破しなければいけない…」

ドゴォォォォォォォン

「きゃぁ!」

突然の大きな揺れに、クルー達は体勢を崩した

「またディストーション フィールドが弱まったか……」

「いやはや、大きな揺れですな」

「……っと、皆大丈夫?」

平然と立っているのは、ゴート、プロス、アキトの3人である

ユリカは、足を開いてこけているし、フクベ提督は杖を使って起き上がり、ガイは変な方向に足を捻っている

ルリ、メグミはドサクサに紛れて、アキトに抱き着いてる

ミナトは、アキトに背中を支えられて、かろうじてこけていない

「いたたた……」

ユリカが、頭を撫でながら、上半身を起こした

「艦長大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だよ ルリちゃん…って ああ〜〜〜〜〜

「ど、どうしたんだ?ユリカ」

いきなり大声を出して、こちらを指差すので、さすがのアキトも驚いている

「何で皆アキトに抱きついてるの〜〜〜」

どうやら、自分は倒れているのに、他の女性はアキトに助けてもらったのが、不服らしい

こんな所を他の男性クルーが見たら、間違い無くアキトは袋叩きだろう

「アキトさん、足腰しっかりしてそうだから、抱き着いとけば転ばないっと思って」

「私も、倒れないようにに、アキトさんに、しっかりしがみ付いました」

「ははは、私 転んじゃって、それで、アキト君に助けてもらったの」

上から順に、メグミ、ルリ、ミナトである

しかし、揺れが収まっているいるのに、まだ、抱き着いていては説得力は全然無い

「もう!何でユリカは助けてくれなかったの? プンプン!!」

「だって、お前近くにいなかっただろう」

「ぶぅ〜〜 アキトの近くにいればよかった」

ユリカは、プクゥ〜と頬を膨らませながら喋った

「ごほん! 艦長 それよりも、着替えてきたらどうかね?」

フクベ提督が、ユリカに声をかけた

ユリカは、着物のまま作戦会議に出席していた

「は〜い ねえねえ! アキト この着物どう? って あれ アキト?」

アキトとルリ達は既にいなくなっていた

「テンカワさん達なら、食堂に行きましたよ」

「そんなぁ〜 アキトォ〜」

ユリカは、およよよっと泣き崩れるマネをした

「では、ミスター。私もちょっとした用事があるので、これで、失礼します」

「用事ですか?一体何を?」

「神の道に反した者に、裁きを与えてまいります。 では」

ゴートは、スタスタと歩いて行った

「はて? ゴート君は何をするつもりなんでしょうかね?」



営倉

「何時まで我々を軟禁しておくつもりだ!」

「この扱いは明らかに国際法に反しているぞ!」

先日騒ぎを起こした軍人達が縛られて、この部屋に入れられていた

「うるせえなぁ ガタガタぬかすと、脳みそだけ残して改造しちまうぞ。こちとら少々不機嫌なんだよ」

ウリバタケが、面倒くさそうに、軍人を見渡した

「俺はな、お前達が色んなとこ壊したせいで、寝不足なんだよ。

 もし、ここから一歩でも出てみろ。お前ら全員リリーちゃんにするぞ」

「色んな所を壊したのは貴様等だろうが!!」

確かにそうである

ナデシコクルーが、軍人を捕まえるために、暴れまくったから、色々な所が壊れているのだ

しかし、寝不足でハイテンションになっているウリバタケにそんな事が通じるはずが無い

「よし! お前 リリーちゃん3号に決定」

「えっ!」

「安心しろ。あんま痛くないようにしてやる」

ズルズルズル

ああ、憐れ! 反抗した軍人はウリバタケに連れ去られた

「ふん、脱出には多少の犠牲が必要なのよ」

キノコはどうやら、ナデシコから逃げるつもりらしい

「で、どう?」

「ちょろいもんですよ。今時縄なんて、全く素人らしいですよ」

キノコの部下は結構優秀らしい

何処からかガラスを出して、縄を切ろうとしている

「私はこのままナデシコと一緒に宇宙まで付き合う気分じゃないの。戦闘が始まったら脱出よ」

「そう言う訳にはいかん」

キノコが意気揚揚と、脱出を企てていると、急に背後から声がした

「ひぃぃ!!」

後ろを振り返ると、そこには何故かゴートがいた

………セーラー服を着て、謎のステッキを持ちながら

「な、何よ! あんたは!!」

見たくも無いものを至近距離で見せられた軍人は驚いている

中には、既に気絶している者もいる

「私か? 私はある時はネルガルのシークレットサービスに勤務する真面目な男

 またある時は、どんな裁縫もお手の物! 信用第一のゴート手芸店の店長

 その真の姿は!
執筆獣グランに仕える神の使い!セーラー服がとってもキュートな!

 必殺お仕置き人!
ゴートちゃんとは 私の事だ〜!!

ドド〜〜〜〜ン

バックに○映の映画が始まる時に映される大波が現れた

って言うか、僕はお前を使いにした覚えはない!

「貴様等には私のお仕置きを受けてもらう」

ザッ!!

「「「「「「ひぃぃぃぃ!!」」」」」」

ゴートが1歩近づくと、軍人達はザザザァ〜と後ずさりをした

「あ、あのことは少将が勝手にやった事なんです!」

「私達は命令されただけで!」

「悪いのは全部、このムネタケ サダアキなんです」

キノコの部下は、責任を全てキノコになすりつけた

所詮キノコの人望なんてこんなもんさ

「ちょ、ちょっとアンタ達! それでも私の部下なの」

キノコよりも、迫って来るセーラー服を着た大男の方が怖いらしい(まぁ、そりゃそうだ)

「ムネタケ サダアキよ!」

「ひぃぃぃ!!」

何時の間にか、ゴートはキノコの目の前に立っていた

ゴートは、ステッキを回しながらポーズをとった

大抵のマンガやアニメでは、この後に決め台詞がある

しかし、セーラー服にステッキとなると、出てくるセリフは大体予想できる

おそらくは、あの美少女アニメのあの決め台詞であろう

「神に代わって! お仕置きよ!」

『ぎゃぁぁぁぁぁぁ』

……………………………やっぱり

ムネタケ達がどんなお仕置きを受けたかは、作者にはとても言えない

ひとつ言える事は、もう2度とこの小説に出てこられない程のお仕置きを受けたと言う事だ………




第三防衛ラインの宇宙ステーション

《アオイ君、やめたまえ。君は士官候補生なんだぞ》

コウイチロウが必死にジュンを説得している

「ナデシコを止めるのは、僕の使命です!」

しかし、ジュンの意志は強く説得には応じなかった

《だが、ナノマシン処理は…》

「そうですよ。あなたがこれをやる必要は…」

ナノマシンの入った注射を持った士官も止めようとしている

「何てことありませんよ。パイロットなら誰でもやってることです。

 これなしでは、IFSを使えませんから」

《私はもう、ユリカのことはスッパリ諦めた。だから、なぁ?》

急にコウイチロウの顔が情けなくなった

「貸せぇ!」

「あっ!」

ジュンは士官から注射器を奪い取ると、自分の首に当てた

プシュ

「う…… くぅぅぅ……」

頭に奇妙な感覚が走り、気持ち悪くなってきたようである

しかし、ユリカのことを思うジュンの気持ちは、それを上回った

それに耐えると、ジュンの右手の甲にIFSのタトゥーが浮き出てきた



「グズグズするんじゃない! 急げ!」

大急ぎでナデシコを止めるための、準備が行われていた

そんな中ジュンは、ロボットのコクピットで説明を受けていた

「少尉、このデルフィニウムは基本的には思った通りに動きます。

 燃料は多めに積んであるので、一時間は確実に飛べます

 ベクトル失敗しなければ、落下する事はまず無いんで、何とか、ここまで戻ってきて下さいよ」

「いろいろありがとう」

ジュンはそれだけ言うと発信準備を始めた

「では、ご無事で!」

説明をしていた男は、親指を立ててジュンのコクピットを閉めた

「………さよなら」
ジュンがぼそっと呟いた

その瞬間に、コクピット内に沢山の画面があらわれた

そして、全ての作業を終わらせて、発進位置に移動し始めた

ウィィィィィィン  ドゴォォン

発進位置に到着し、目の前の射出口が開かれた

ジュンは、何かを決心して大きく顔を上げた

「………目標、機動戦艦ナデシコ!!

ジュンの乗るデルフィニウムは宇宙へと飛び出して行った





第三話その2へ





後書き

B-partへと続くぅ〜〜♪

何でジュンがカッコイイままA-partが終わるんだろうか……

ほたてさん、予告通りゴート大活躍です!(あんまり見たくない活躍ですが……)

いつも感想ありがとうございます

僕は、事情によりメルアドが公開できないんで、感想を書いてもらえるのは、非常に嬉しいです

しかし、このゴートネタ、誰かがやってそうだなぁ, ちょっと心配……

 

 

 

代理人の感想

そりゃ勿論、Aパートで持ち上げてBパートで落すからでしょう(笑)。

カッコイイままのジュンというのもそれはそれでありですが。