機動戦艦ナデシコ
白銀と紫炎の双天使
第6話 月光
ナデシコが火星でチューリップに跳びこんでから8ヶ月後…
月の戦闘宙域にあるチューリップより、ナデシコが出現した。
「………通常空間に出たか……」
「歴史通り……ですね………月の戦闘宙域です。」
「そのようだな…ヒスイ、ラピス、警報でもなんでもいいから皆を起こせ。」
「はい。」
ヒスイが頷く。
「オモイカネ…ダッシュ…セカンド…起きて。」
ラピスがフリーズ状態だったオモイカネ達を起こす。
「俺はサレナで出る、ナデシコは退避させろ。」
「了解。」
「うん、わかった。」
ディオがブリッジを出て行く。
「さて……ラピス、これを付けて下さい。」
「?……耳栓?」
「最大音量で行きますから付けた方がいいですよ。」
「わかった。」
ラピスは耳栓を受け取り、付ける。
「一応、ディオさんにも伝えて下さい。」
「うん……(ディオ…警報最大音量でやるから注意。)」
(わかった。)
ディオから返事がすぐ帰って来て、ラピスは嬉しそうにヒスイに頷く。
「では……行きます!」
ポチッ…
その瞬間、ナデシコ全体の空気が爆発した。
◆
「あ〜……まだキンキンする〜」
ヒカルがエステの中で言う。
『すいません、やりすぎました。』
ヒスイが謝る。
「ん〜っと…今どうなってるの?」
『目の前で木星蜥蜴と連合の宇宙軍が戦闘中です。
連合から邪魔邪魔言われてるので、ナデシコは現在戦闘宙域から退避中です。
皆さんはナデシコの防御をお願いします。』
「了解♪」
『よっしゃぁっ!行くぜっ!!』
『あっ!コラ!待て!俺が一番に出るんだぁっ!』
リョーコとガイがカタパルトで発進した。
◆
『遅くなってわりぃな。』
『俺が来たからにはもう大丈夫だぞ!』
「………敵はフィールドが強化されている、注意しろ。」
ディオは少し呆れ気味に言う。
『了解!』
リョーコがそう言う。
『リョーコ、フォーメーションは?』
『鳳仙花!』
『了解♪』
『漁師に一言…漁かい?ぷっくくくくくく……』
『はい!』
『りょ、了解!』
『おっしゃあ!行くぜぇぇっ!』
『何やってんだヤマダぁっ!!』
怒鳴るリョーコ。
「…………フッ…………」
ディオの頬が少し緩んだ。
『ほ〜ら、お花畑〜♪…って、ええ?!十機中四機?!』
『フィールドが強化されてるって言ってたわよ?』
『あ…』
どうやら忘れていたらしいヒカル。
『なんのっ!ガァイッ!スゥゥパァァーーー!ナッパァァァーー!』
ヤマダがフィールドをフィストに集中させて、攻撃を繰り出す。
『あ、そっか、接近戦ならフィールドはあんまり関係無いよね。』
『それなら得意分野だよ!』
リョーコとヤマダが奮闘する。
「……あの時と同じなら………そろそろか………」
ディオはバッタを落としながらポツリと呟く。
『邪魔だぁっ!退きやがれ!』
『やっほ〜♪ちょっと遅れちゃったかな?』
いくつもの戦場華を咲かせながら、紫と白の機体が急接近してくる。
『アレク?!』
『ガーネットさん!!』
『はいはい、みんな、ナデシコに帰艦して!巻き込まれるよ!』
ガーネットがそう言う。
『え?』
『説明してる暇は無いの!速く!』
「皆、帰艦だ。」
ディオがそう言い、全機が渋々と帰艦を始める。
『やあ、君がディオ君だね?』
「アカツキか?」
サレナに近づく、青いエステ。
『そうだよ、これからよろしく。』
「いろんな意味で………か?」
『ふふ…………そう言う事。』
アカツキが笑い、
その後ろで、重力波の閃光が走った。
◆
「敵艦隊二割消失。」
「第二波、来ます!」
ヒスイとルリがそう報告する。
ゴオオオオオオッ!
「!!」
「多連装のグラビティーブラストだと!?」
ゴートが驚く。
「まさか、あの戦艦が?」
「バカな、たった三、四ヶ月で出来る訳が……」
「しかし、私の知る限りでは、建造中だったあの戦艦のものとしか……」
プロスが言う。
「敵艦隊七割消失、撤退を開始しました。」
「所属不明艦、識別照合、ナデシコ二番艦のコスモスですね。」
ヒスイが言う。
「コスモスから通信。
貴艦の修理、我等がせり、我艦と接触せよ、です。」
メグミが言う。
「え?」
「あの戦艦…ドック艦みたいですね。」
「……………ハーリー……いたの?」
「う、うわあああああああんっ!」
泣いて走り去るハーリー。
「え〜っと、それじゃあ接触しちゃって下さい。」
ユリカが言う。
「了解。」
「ちょっと揺れるわよ。」
ミナトがそう言った。
◆
ナデシコの格納庫…
「おお!?なんだなんだ!?新型かぁ?!」
ウリバタケが格納庫に入って来た見慣れない機体を見て言う。
「ええ?!」
「俺達のエステが最新型じゃなかったのかよ?」
リョーコが言う。
「ナデシコは8ヶ月行方不明になってたんだけど?」
ルシフェルから降りて来たガーネットが言う。
「8ヶ月?!」
「そ、8ヶ月。」
驚いている面々にアレクがそう言う。
「8ヶ月もあれば、新型が出来てても不思議じゃないだろ?」
「そりゃそうだな。」
ウリバタケが言う,
「あれはエステバリスSC。」
「SC?」
「スペシャルカスタムの略よ。」
ガーネットが言う。
「前のエステの倍の性能がある。」
「倍?!」
リョーコが驚く。
「ちょ、ちょっと待て!俺達のは?」
「ああ、コスモスの方に用意してある、あとで搬入されると思うが。」
アレクが言う。
「よし!そうと決れば!」
リョーコは格納庫から去って行く。
「あ〜あ、シュミレーンルームにしばらく篭る気だね。」
ヒカルが言う。
「あ、あの〜…」
「貴方誰です?」
イツキがそう言う。
「僕?僕はアカツキ・ナガレ、コスモスから来た男さ。」
キラリッ
やっと話しが振られたアカツキは嬉しそうに自己紹介をした。
「コスモス?」
「今、あそこのモニターに映ってるだろ、ナデシコの二番艦だよ。」
アレクがそう言う。
「お?来たな。」
「あれは?」
ディオがコスモスから運ばれて来たコンテナのような物を見て言う。
「例の治療機器だよ。」
「さっさと直したほうが良いだろ?」
ガーネットとアレクが言う。
「………頼む。」
ディオはそう言った。
◆
ナデシコのブリッジ。
「それって、軍人になれって事ですか?」
メグミが問う。
「そう言う訳じゃないよ。
ネルガル側としては軍とやりあって会社を潰したくないそうなんだ、
だから、軍に手を貸して、昔の事はこれで水に流しましょう……ってこと。」
アカツキはそう答える。
「つまり、どうなるんですか?」
「しばらくは協力者ってとこかな、
でも、最悪の事として、軍に編成されるかもしれないから、良く考えておいて。」
「……そうですか…」
ヒスイが言う。
「…?………あれ?アレクやディオは?」
サブロウタが言う。
「ディオくんの治療を始めたよ。」
アカツキが言う。
「何所です?」
「手術室。」
「ハーリー、後お願い。」
ラピスはそう言ってブリッジを出て行く。
「ハーリーくん、あとはお願いしますね。」
「はい!」
ヒスイもブリッジを出て行く。
「あ、私も…」
イツキも後を追った。
◆
医療室の奥にある、手術室。
「K−04。」
「投入。」
「グラール。」
「要らないんじゃない?」
「要るだろ、ここだぞ?」
「あ、そっか、じゃあ投入。」
カチャカチャと、機械音と金属音が響く。
一方、手術室の外…医療室では…
「…………………………」
「…………………………………………」
「………………………………」
ラピス、ヒスイ、イツキが沈黙し、祈っていた。
「…ディオ………」
「ディオさん……」
「……(アキトさん…)」
カチンッ
不意に手術中とあるランプが消える。
「あ!」
イツキが立ち上がる。
プシュ…
「ふぅ…」
「疲れたぁ……」
アレクとガーネットが手術室から出て来た。
「ディオは?」
「もうしばらく御待ちを。」
「中は無菌室状態にしてあるし、ディオは麻酔で寝てるから、
ディオが目を覚ましたらここから出すわ。」
ガーネットが言う。
「あ、でもモニターするくらいなら構わんぞ。」
「わかった。」
ラピスは医療室を出て走り去る。
方向からすると、自室に向かったようだ。
「お疲れ様でした。」
ヒスイはそう良い、アレクとガーネットにジュースを渡す。
「ありがと♪」
「あんがと。」
ガーネットとアレクはジュースを受け取り、そう言う。
「ディオさんの容態は?」
イツキが問う。
「あとは目を覚ましてくれれば問題無し。」
「本人の頑張り次第よ。」
アレクとガーネットはそう言う。
「そうですか。」
ヒスイとイツキは安堵の息を吐く。
「ん?」
ビー!ビー!ビー!
「エマージェンシー?」
「敵襲か?!」
アレクはすぐにコミュニケでブリッジに繋ぐ。
「何があった?」
『敵機接近!距離7000!数大型艦20、巡洋艦100、機動兵器予想で4000!』
ハーリーがそう言う。
「ちっ!」
『パイロットは急いで迎撃を!ナデシコ、コスモス両艦は動けません!』
ユリカが慌ててる。
「了解!」
「ルシフ!発進準備!」
アレクとガーネットはジュースを一気飲みして格納庫へ走る。
「………………………絶対!」
イツキも走る。
「絶対守るんだから!」
イツキは咆えた。
つづく…
ども、軍神です。
遅くなって申し訳無いです。
待っててくれた人っているのかな?
え?いない?うぅ〜…(泣)
っと、いうことで…
ではでは。
代理人の個人的な感想
久々に読むと・・・・・誰が誰やらさっぱりわからん(核爆)。
私もあんま間を開けないように気をつけないと(苦笑)←いや、もう遅いって