正義×復讐×戦争


プロローグ

 ネルガル月工場・秘匿ドック

 ここに火星の後継者の残党狩りから帰ってきた戦艦ユーチャリスがあった、よほど激しい戦いだったのか

 白く美しい装甲には、無数の傷や汚れが目立っていた、そして、その戦艦の前に二人の男女が立っていた。



「今回は結構やられたわね・・・やっぱり、ラピスがいないんじゃ、今までのようにはいかないか・・・」


 ため息をつきながら、エリナ・キンジョウ・ウォンは言った、

 そう、エリナの前にいる男、テンカワ・アキトはラピスとのリンクを切ってユーチャリスに搭載している

 オモイカネシリーズのダッシュとリンクしていた、そのため、ダッシュはアキトの五感のサポートに加え

 艦の操作までしなくてはならなくなったのだ、さらに一対多数の戦いのために相当無理をしていた。


「・・・・エリナ、ラピスはどうしている?」


「ラピスは私がひきとったわ・・・あなたの言ったとおり、あなたの記憶を消してね。


でも、どうして急にリンクを切るなんていいだしたの?・・・」

エリナはアキトが最悪の答えを言うのではないかと不安にかられながらも聞いた・・・


「もう、火星の後継者の残党はほぼ狩り終わった・・・ラピスには幸せになって欲しいからな

それに、ドクターから聞いているだろう?もうオレの体が限界がき始めていることを・・・・

ラピスには、オレが死ぬところなんて見せたくないしな・・・」


それはエリナがもっとも聞きたくない答えだった・・・・


「そんなことないわ・・・そんなこと・・・きっとイネスなら・・・・」


「無理を言っても仕方がないさ・・・それに、どちらにしろネルガルにこれ以上世話になるわけにはいかない、、

会長の独断でコロニー連続襲撃犯を匿うのもむずかしくなってきているのだろう?アカツキも社長派の重役連中に

オレのことでたたかれているのはオレも知っている、そうだろう?そこの物陰に隠れている二人!」


アキトがそう言うと、アカツキが降参とばかりに両手を上げて出てきた、イネスもそれについてくる。


「まいったね、テンカワ君、いつから気づいていたんだい?」


「それと、君の言う通りさ・・・重役連中は君を暗殺までしようと考えていたからね。

全く、君の命はあとわずかだってのにね、彼らは君の事がこわいのさ、君の両親の暗殺に賛成した自分たちにも

復讐に来るんじゃないかってね、彼らも君の復讐鬼としての姿を知っているからね・・・・

・・・あ〜そうそう、テンカワ君、艦長やルリ君には会っていかないのかい?」


「今さら会うこともないさ、ユリカの王子様だったテンカワアキトはもういないのだから・・・

そう、ただ・・・オレは変わり、ユリカは変わらなかった、ただそれだけのことさ・・・・・

それに、オレはユリカを愛しているのか、どうか・・・もう、わからないんだ、

戦いのなか、オレの心は、復讐だけが占めていた・・・ただ、奴らを、火星の後継者どもを殺す事だけを

考えていた・・・・そして、オレ自身の命も尽きようとしている」


「ごめんなさい・・・私では、アキト君を救えなかった・・・」


「悔やむ事はないさ、今まで復讐のために人を殺してきたツケがまわってきただけのこと・・・」


「それでも・・・それでも私はおにいちゃんを助けたかった・・・」


イネス泣きながらそう言った・・・・
アキトはそんなイネスの頭をなでてナデシコに乗っていたころと変わらない笑顔で


「もういいんだよ・・・アイちゃん・・・」


そう言うと、アカツキとエリナの方を見て、


「今まで世話になったな・・・エリナ、ラピスのことはたのむ。アカツキ、ブラックサレナは退職金がわりに

貰っていく、それとユリカと、ルリちゃんには、すまないと伝えといてくれ・・・」


「ラピスの事は任せて」


「ブラックサレナはかまわないけど、僕から言うのかい?まあ、一応、伝えておくよ」


「それじゃあ、本当に世話になった・・・もう、会うこともないが、元気でな・・・」


そう言うとアキトは、ユーチャリスの格納庫のブラックサレナに向かった、

そして、ブラックサレナに乗り込むと、ボソンジャンプの準備をはじめた・・・


「ダッシュ、聞いているか?お前にも本当に世話になった、お前も貴重なオモイカネシリーズだし、

廃棄されるような事もないだろうし、元気でな・・・ラピスの事も頼むな・・・」


『はい。艦長もお元気で・・・』


「ああ・・・・・・ジャンプ」


そして、格納庫から、ブラックサレナは消えた・・・ボソンの光を残して・・・



 火星宙域

ブラックサレナは火星の大気圏に突入しようとしていた・・・・


「今まで、いろいろな事があったな・・・・」

アキトは今までの事を思い出していた・・・・・

 なりゆきでナデシコに乗った事・・・

 初めての戦闘・・・・

 ガイの死・・・・・・

 火星での出来事・・・・

 ナナフシ・・・・・

 ピースランド・・・・

 木星蜥蜴の正体・・・

 白鳥九十九の死・・・・・

 遺跡を跳ばしたこと・・・

 サセボでの抑留生活・・・・

 ユリカとの結婚・・・・・

アキトは思い出していて・・・・・思った・・・・・過去に戻れたらどんなにいいか・・・・あの幸せなときを

もう一度




あとがき

 え〜と、初投稿でございます。はーねと言います。他の人の作品を読んでいたら書きたくなったので書いたのですが・・・

 へたくそな文です。まじで・・・・・

 基本的には、逆行モノですが・・・オリキャラをけっこうだそうかと思っております。

 え〜と、まあ 頑張りますんでひとつよろしく!!!



 

 

代理人の感想

う〜む、連載のプロローグですがこれだけではなんともはや。

次回以降に期待と言うことで。