なぜなにナデシコ特別編

〜結構知らない嘘本当〜

 

第四回 「エステバリス大全」

 

 

 

 はいこんにちわ、始めます。

 四回目を数える当コーナーですが、現在「次回予告」が本当に守られたことは一度もありません(爆)

 

 まいっか、まいーやね。

 

 あ、それと始める前に連絡がありました。

 これ書いているのは日和見です。

 「作者が誰だかわからなかった」という忌々しい微笑ましいお便りを貰いましたのでここに明記しておきます。

 ついでに言うと、最近の質問のお便りはHNを明記してなかったり質問だけ書いて一行でおしまい、って寂しくなるようなものが多いです。

 

 では始めましょうか。

 

 

・エステバリスって何なのん?

 

 「エステバリス/AESTIVALIS」とは何か。

 設定によると、「ネルガル重工製全長6m前後の近接戦闘用人型兵器シリーズの総称」。

 なんかいきなり月面フレームをシカトくれてるようですが、あんまり気にしないで行きましょう。

 特徴として、操縦方式にIFSを採用しているのでまるで自分の身体の如く操縦できる事と、マルチフレーム方式を採用している事で作戦内容に対し自在に対応できるということが挙げられます。また、本体から高出力ジェネレータをオミットする代わりに、母艦からの重力波ビームを常時受信することで小柄な機体に不釣合いな高出力を出すことに成功しています。

 ちなみに「エステバリス」とはキンポウゲ科の宿根草で、和名を「ナツザキフクジュソウ」と言います。花言葉は「悲しき思い出」。

 主人公の乗機として、最初から最後まで出ずっぱりの大活躍をした蜥蜴戦争の名機です。

 

 

・エステバリス、そのコンセプト

 

 第一次火星会戦により木製蜥蜴の占領下に置かれてしまった火星。その火星を奪還する為に企画されたのが「スキャパレリプロジェクト」だということは、第一回で既に語ってあります。

 そのスキャパレリプロジェクト用に開発された局地戦用兵器、それがエステバリスなのです。

 (SS用ゲームBlank of 3yearsで火星会戦前に存在していた、という未確認情報がありますがシナリオ次第でころころ設定が変わるようなもんはこの際無視します(爆)

 

 エステバリスは企画段階から『対・木星蜥蜴無人兵器』を想定して作られていました。

 要求されるスペックは、以下の4点。

 

 (1)敵機動兵器を上回る機動力を有する事。

 (2)近接戦闘能力を有する事。

 (3)近接戦闘を可能にする強度を保持する事。

 (4)火星並びに月面への強襲を前提とする事。

 

 興味深いのは、コンセプト段階でネルガルのマーケティング部門も参加して居る事です。これにより既存の概念を大きく覆す兵器へとなっていったのでしょう。

 

 まず第一条件を満たす為に、徹底的な軽量化が行われました。何しろジェネレータすらオミットされてるのですからこれは気合が入っています。

 この、大英断というか苦肉の策は別方向の可能性を広げました。エネルギー供給を外部に頼る事で、機体サイズに関係無く大出力を実現させることが出来たのです。(TVに出てきたグラビティブラスト装備型フレーム「エクスバリス」も、失敗の原因は機体側の容量が足りなかった為で、その点を改善すれば完成していたかもしれません)

 これにより、重力波推進機関を装備する事が可能になりました。

 

 第二条件に関しては、ワイヤードフィスト、イミディエットナイフ、ラピッドライフル等の装備で解決しました。また、最終手段として武器無し(=徒手空拳)でも戦えるように人型になりました。

 また、人型であるならパイロットの意思そのままで動かした方がいいだろうということで、操縦方式はここでIFS採用となったのです。

 

 第三条件については、重装甲にすると第一条件を阻害するので特に被弾率の高いであろう箇所だけ重点的に装甲を付ける方向になりました。また、万が一損傷してもアサルトピットを別フレームに換装することで再出撃を容易にしました。フレーム自体も各部をモジュール化して、部品交換が容易になるよう設計されています。

 

 第四条件に関して、シミュレーションにより全高を6m前後としました。この数字は火星の施設内で行動することを念頭に置いた結果です。

 また、施設内等平坦な場所での機動性確保の為に脚部キャタピラを装備されました。

 上記コンセプトで開発されたエステバリスは、様々なフレームを持っています。

 

 

TV正式採用型フレーム

陸戦フレーム

 一番オードソックスなフレーム。

 基本武装としてワイヤードフィストとイミディエットナイフを装備しており、オプションとしてラピッドライフルなどがあります。

 TV3話でガイがあっさり壊した1-Bタイプとは、これにグレネードランチャー、ミサイルランチャー、火炎放射器、吸着地雷を装備したタイプです。具体的な情報は少ないんですけど、映像でみるとなんだか陸戦ベースに見えるんですが、高高度でどうやって戦うつもりだったんでしょうかね?

空戦フレーム

 重力波推進機関とディストーションフィールド(以下DF)で戦闘機以上の機動力を持ってたそうですが、なんですかね。

 一応明記しておくと、DF張れなきゃ飛べないなんて事実はありません。

 ちなみに25話に出てきた空戦フレームは後期型で、胸部に対地センサー、両肩にもセンサーが増設されて索敵能力が上がっています。

重機動フレーム

 火力と装甲と徹底的に重視して、移動砲台化したフレームです。大口径120mm砲を使う為の固定アンカーを装備して居ます。

 一番活躍したのはTV11話のクルスク攻防戦でしょうかね。

 ……あれ? 「砲戦」じゃないのか?と思うでしょう。

 TV版設定資料集には『砲戦フレーム』という名前は存在しません。

 ここは推測になりますが、正式名称は『重機動フレーム』だったのでしょう。だけれども実際は砲戦にしか使わないから『砲戦』と呼ばれるようになって、何時の間にかそれが正式名称に取って代わったのではないかと。

 ちなみに劇場版のアマテラス防衛を行っていたフレームの正式名称は砲戦フレームです。
これはもっと悲惨で、「砲台フレーム」なんて渾名までついてます。

0G戦フレーム

 大戦以後も一番開発が進められたフレームです。

 他のフレームとの大きな相違点は、全身に配置された姿勢制御用スラスターと正面からでも受信できるよう大型化された重力波アンテナです。

 不思議なのは、空戦もそうですが脚部にキャタピラ付いてます。

 ……足の外見は装甲兼ペイロードを除いて全フレーム共通なんで、ひょっとして同じものなのかもしれません(汗)

月面フレーム

 「お前絶対エステじゃねぇ!」と突っ込みたくなるような巨大フレーム。

 月面という、低重力・真空下での運用を前提として初めて実現した相転移炉搭載型フレームです。

 このフレーム、エネルギーが大量に確保できたので大戦中の機動兵器で唯一レールガンを標準装備。また、対艦ミサイルを4本装備できます。

 ただ……「でかい」「遅い」「近接戦闘能力皆無」という、エステバリスのコンセプトをまるまるシカトしたその設計は某所で「別開発チームがエステバリスのネームバリュー利用しただけ」と言われる有様。無残。



ここまでが正式採用型フレーム。



正式装備非採用型(イロモノ)フレーム

アカツキカスタム

 0G戦のバリエーションです。アンテナやジェネレータがコンパクトになり、その上で出力が向上。会長権限で無駄に金使ってますね。

 後のスーパーエステバリスは、このフレームから発展しています。

 ちなみに、このフレームだけは専用のアサルトピットが必要です。

Xエステバリス

 ウリバタケが予算をチョロまかして独自に開発したフレーム、通称「エクスバリス」。

 独自改良の新型ジェネレータを搭載し、旧型の5倍の重力波変換効率を以って小型グラビティブラストを搭載しました。

 しかし、その過剰なエネルギーのフィードバックにフレームが耐え切れないという欠陥兵器。

 これらの失敗は後の、エステバリス・カスタムやスーパーエステバリスに生かされました。

トレーラーバリス

 サターンゲーム「BlankOf3Years」に登場したウリバタケの真骨頂。

 トレーラーが爆走しながら変形! 何故か空戦フレームに!

 ちなみにIFS非採用型で、トレーラーのステアリングで操縦します(笑)

海戦フレーム

 同じくB3Y出身のフレーム。

 試作はされたものの、量産には至らなかった非業のフレームです。

 武器は両膝の魚雷と両肩のスクリューという、趣味に走った機体。

ゲキガンフレーム

 これまたB3Y出身のフレーム。

 木連の技術のノウハウを学ぶために造られた試験機です。

 ジンタイプがモデルで、デザインはゲキガンガーVそのもの。当然武装の使用には全力での音声入力が必要です(笑)

 ジンタイプと同じく短距離ボソンジャンプ可能。

 

 これらがアカツキカスタムを除いて全て同一のコアで使用出来る訳です。

 蜥蜴戦争中は、世界を席巻したエステバリスでした。

 

 

B3Y以降のエステバリスバリエーション

局地戦用改装型

 クリムゾンのステルンクーゲルが登場するまで機動兵器として一番を誇っていたエステバリス、当然様々な場所に配備されます。その結果、多様な局地用バリエーションが生み出されました。

 例えば統合軍南極基地等に配備されている『寒冷地戦用フレーム』はアカツキカスタムに使用された小型アンテナと凍結防止ヒーター、防水処理にオプションのゴムボートが装備されてます。

 中東に居る部隊には『砂漠戦用フレーム』。長期間作戦行動を可能にするために背中と両膝のバッテリーを大型のものに換装し、各関節に防塵カバーを付けています。

 基地等の陸上施設内限定で使用される「MPタイプ」。長距離移動を行わないのでアンテナが小型のものになっています。

エステバリス2

 俗に言う量産型です。

 この機種だけ正確なスペックが判っており、全長6.25m 重量1.8tです。

 無可動2枚だった0G戦のアンテナから、可動3枚(小2大1)になって受信効率が大幅に上がってます。

スーパーエステバリス

 サブロウタの愛機はこのタイプです。

 アカツキカスタムの後継機種で、受信アンテナこそ量産型と同じものを使用してますが出力系統をチューニング・強化しており、レールカノンを装備可能です。

 また、火力が貧弱なナデシコBを護衛する為にエステバリスとしては法外なほど火力を強化してあり可動連装キャノン×2、ミサイルポッド×2を標準装備しています。

エステバリスカスタム

 統合軍に配備された量産型が物足りないリョーコが「ユニット2個付けりゃ出力倍だろ」と言った為に誕生した(笑)、カスタムメイドのフレーム。

 言葉通り量産型用のアンテナを2セット付けているため、クーゲルに負けない出力を誇る代わりピーキーになりすぎて極一部のエースパイロット専用となった哀れなフレームです(爆)

アルストロメリア

 ボソンジャンプの登場により、強固なDFというものが無意味になった時代でクーゲルによって奪われたシェアを取り戻す切り札として登場したボソンジャンプ戦フレーム。

 一次装甲にCCとバッテリーを組み込むという新技術によって、B級ジャンパーであればジンタイプとほぼ同距離のボソンジャンプを可能にした最新型フレームです。

 中〜遠距離を得意とするクーゲルとは正反対に、クローを装備して近接戦闘能力を重視した機体となっています。

 欠点は、高価である事。ジャンプ用にセンサー類が充実している事やバッテリー装甲などがコストアップの原因でしょう。

 ちなみにアルストロメリアとは和名「夢百合草」。花言葉は「持続」「エキゾチック」

テンカワSpl

 

 敗北ヲ重ネ改造ヲ繰返シ劇場版ニ至ル
 今宵、開封サレシ第二回ニテ君ヲマツ

 

 

 

 

 初版・ 2002/03/31
 第二版・2002/05/26

 参考資料:音威神矢氏著「The blank of 3years データ集」

 

 

 扱って欲しいテーマ、感想、応援、ツッコミなど色々お待ちしております

 

 

 次回予告!

 

 

……第一の封印は解かれた。

ならば、今こそ書かねばなるまい!

 

 

 

 

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――――Coming soon!