遺跡と共に

第一話 目が覚めると・・・

 

「安心して逝くといい」

「え?」

 

ゴンッ  

 

「うわぁぁぁぁ」

ガバッ

「・・・・どこだ?ここは」

辺りを見回すと何処かの公園みたいだ。

まさか本当に過去にくるとはな。

「は・・ははは

皮肉なもんだ」

とりあえず自分を皮肉ってから

何か情報を得る為、辺りを歩こうとすると何か違和感を感じた。

「バイザーが無い?」

バイザーが無いのに辺りが見えるという事は・・・

「五感が戻った?」

人の話し声が聞こえるし

皮膚を抓ると確かに痛い。

「味覚は?」

確認の為に草を食べようとしたが、

嫌なので水を飲む事にした。

「味がする」

料理がまた出来ると思うと、これは最高にうれしかった。

・・・が、まだ何か違和感がする。

「背が縮んでいる・・・のか?」

目を疑ったが、やはり縮んでいる。

冷静になって考えると大体六歳前後だろうか?

「どう言う事だこれもサービスか?

 それにしても・・・」

いきなり水を飲んだ為か、急にトイレがしたくなったので

とりあえず先にトイレへ駆け込む事にした。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

「な・・無い」

ば・・馬鹿な。俺の男のシンボルが

無いなんて・・・

一から考えてみよう。

最初、トイレへ行ってからチャックを開ける。ここまでは良い。

次に用を足そうとすると無い事に気付き今にいたる・・・と。

これらから考えられる事はただ一つ。

何処かに落とした・・・か

まずは警察に行って、それから・・・

いかん、常識から見ると出来るわけが無い。

とりあえず探しに行こう。

うむ、それが一番だ。

『どうしました?マスター』

「イリスか?」

声のしたところを見ると、イリスのウィンドウが開いていた。

『はい』

「何でお前がココにいるんだ?」

『メールを届けてくれと遺跡から』

「メール?とりあえず見せてくれ」

『はい』

ピッ

 

【いやぁ元気にしていたかな?】

能天気そうな顔を見ると殺意が沸いてくる

【多分女になって驚いているかと思うけど、

これにはちゃんとした理由があるんだよ】

やはりこいつの所為か。

いかん、サクッといっちゃいそうだ。

それに理由だと?そんなもんどうでも良いから元に戻せ

・・・と言いたいが、メールだから無駄だな。

【一つ、その世界はすでにもう一人の君がいる。

同じ人物がいるとやばいだろう?】

確かに正論だがここまでせんでも良いと思うぞ俺は

【そしてもう一つは、その方が楽しいからだ 

はっはっは

な〜に、私を楽しむ為にやった事だからね。

礼はいらんよ】        

何?ふざけるな。

俺はお前を楽しませる為にこんな体になったのか?

いかん、殺意がさらに沸いてきた。

【分からない事も有るだろうけど、それはイリスに聞くと良い

私は君の機体の改造で忙しいが、これが終わったら君のところへ行くよ。

では、またいつか。】

そう言って、爽やかな笑顔でメールは終わった。

その爽やかさが逆に今の俺には憎い。

 

『どうします?マスター』

そんな俺を心配するかのようにイリスが話し掛けてきた。

今の俺にはその心使いがうれしいよ。

「とりあえず今後について考えないとな。」

背中にリュックを背負っていたので、

何があるのか確認するとマントやカードなどが入っていた。

「あっバイザー見っけ」

そう言いつつバイザーを付ける。

やはりこれが無いとな・・・

『マスターの家はココになります』

そう言ってマップを出す

「わかった。ありがとう」

『マスターもがんばって』

そう言ってイリスのウィンドウは閉じた。

さて俺も行くかな?

今の時間は21時か・・・

 

 

 

「君、こんな時間に何処行くの?」

「誰だ」

振り向くとそこには警官がいた。

さっきまでのイライラもあった所為か、今の俺は不機嫌だ。

どう答えて良いか分からんし、・・・・殺るか?  

ちょうどリュックにブラスターもあったし。

「君名前は?」

名前?【俺はテンカワアキトだ】と言えたらどんなに楽か。

「名前は?」

下手に名前を言ってもいかんだろうし。

仕方ない

「ねぇおまわりさん、あれはな〜に?」

「え?」

そう言って警官が振り向いたうちに全速力で逃げる。

木連式柔には特殊な歩行法があるので余裕で逃げ切れた。

にしても8歳くらいまで縮んだのに復讐時代とあまり変わらないのは何故だ?

 

【説明しよう】

そう言って出てきたのは、

【何故そんなに嫌そうな顔をするんだい?】

「黙れ!!自称遺跡が

俺を元に戻せ!!」

【自称遺跡とは酷いなぁ

それに君を戻す事は出来ないよ。】

「何故だ?

俺は迷惑してるんだ。」

【君を元に戻したら

私が面白くないじゃないか。】

「この悪魔め」

【悪魔とは・・・

酷い事を言うねぇ

そんな酷い事を言うように育てた覚えは無いよ?】

「貴様ごときに育てられた覚えは無い」

【それは当たり前さ。

私も君を育てた覚えは無いからね。

私が育てたのはあくまで君のナノマシンさ】

「ナノマシン?」

あいつの作ったナノマシンが?

考えただけでも寒気がする。

【その通り

ナノマシンの構成をCCと同じにする事により

CCが無くても良いという優れものだ。

さらに時空歪曲場も作れるという優れものだ】

「それではいつか無くなるのでは?」

【安心したまえ

そのナノマシンはゴキブリのように増えていく。

自分たちでナノマシンを生成するから無くなる事は無い

つまり君は体内にゴキブリを飼っているようなものなのだよ】

「そんなヤバイもんつけんな」

【はっはっは】

「こらっ切るな」

くそっ いつか絶対痛い目見せちゃる。

 

 

火星極冠遺跡

 

「全ては計画通り・・・か」

そう言って手に持つ本を見る。

その本にはこう書いてあった。

『楽しい人体改造  著 山崎』

「機動兵器を操る謎の小学生

面白そうじゃないか。

そう思わないかい?ゼロ。」

『そうですね・・・マスター』

その後ろには、改造を受けているブラックサレナと、

建造中の戦艦と機動兵器があった。

 

自称遺跡 見た目14歳

趣味 人を操り楽しむ事

 

 

 

 

 

・・・・

補導されそうになる事二回、

誘拐されそうになる事三回、

ようやく着いた家の前には

「・・・・」

「・・・・」

家から締め出された8歳の頃の俺がいた。

 

 

 

 

後書き

 

・・・というわけで、まずは読んでいただきありがとうございました。

基本的にはギャグを目指して突っ走ります。

理由は色々ありますが、私はシリアスが書けないからというのが

9割はあります。

それでは、また。

 

 

 

 

代理人の感想

 

・・・・・・・・・・・・・どこかに落とすようなもんか?