死神が舞う〜第二話〜
「Time up までそろそろだ。」
病院の一室を眺める人物がいた。
漆黒で全身をつつみ、
手には、小柄な自分の体ほどの大きな鎌が握られていた。
「これも仕事だ。恨みは無いが、すまない。」
表情を変えず、視線はただ一点に注がれている。
顔は幼い、少女と言っても差し支えは無いだろう。
そう、女性だ。
突然、終始無表情だった顔がピクリと動く。
「ボソンジャンプ!テンカワアキトか…まさか?」
が今度は口元を歪めて、
「あの有名な、テンカワアキトか。ふふ面白いこともあるものだ。」
一転、今度は集中して見ている、いや見届けているといったほうが正確か?
話の一語一句を逃さぬようにと…。
「あと二分。」
また呟く。
「あと三十秒、因果な仕事だな…。」
薄っすらと涙を浮かべながら、少女は窓から侵入した。
閉じていた窓に触れることなく。
そして、誰にも気づかれること無く。
「ミスマル ユリカ。17時28分、寿命だ。」
大きな鎌が振り上げられる。
瞳に溜まった涙は今にもこぼれそうだ。
「悪いな…。僕にはどうにもできないんだよ。」
『ぽちゃん』と一雫の涙が床を濡らした。
名前を呼ばれた女性とその傍らに居た男性はその音に気づいた。
「だれ…?」
「だれだ!」
二人が振り向くと涙を流しながら女性の方に鎌を降り下ろす者がいた。
「だから、やなんだよ。」
鎌を振るった張本人は目をそむけながら振りぬき、
魂のあるであろう場所に手を出し、
手探りで魂をつかむと空に向かった。
『鎌を振るった張本人』は言いにくいので、『少女』は気づくべきだった。
男性が放った『ユリカー!!!!』の言葉の意味を。
女性の傍らにいた男性が女性をかばったことを。
何より、自分の姿が女性だけならともかく男性にも見えていたことを。
それに気づくにはもう少々時間がかかりそうだ。
「判別所までもう少々だな。」
少女は天界までの道のりを進んでいる最中でふと先ほどのことを思い出していた。
「鬼、もとい修羅の目にも涙、か…。」
微笑んだ顔には、涙のあとが確かにあった。
彼女はシルフィーナという名の死神である。
ここでちょっと死神について触れておきたい。
その前に…
(今回は死神についての注釈が2つあります。
片方を読んでくれたら問題ありません。
差し支えなく書いてます。
選ぶ指針として
1…
一応この話はシリアスなので、ギャグ等は好まない人。
また、ギャグ等は今までこのSSを見てきて適さない、
イメージ(あるかどうか不明ですが…)が合わない、という人。
1のみで読んでください。
2…
上記以外の人で、
タラタラと注釈を読むなんてやってられないという人。
2のみで読んでください。
1、2…
上記に当てはまらない人はどちらを読んでも両方読んでも結構です。
みとものおすすめの読み方は2を飛ばして1だけ読み、最後まで読んだ後、
2を改めて読むというものです。
作品の途中申し訳ありませんでした。)
1-------------------------------
さて、改めて死神についてだが、
死神…
天界の者の職業のひとつで、
主な仕事は死すべき人と死んだ人の魂を天界、主に魂判別所に持って行くこと。
魂の採取の仕方はその者の個性によって違い、
階級、能力によって出きることと出来ないことがある。
天界…
死人が行くところといわれている。
通常の人では見ることの出来ないところ。
そこに住む者、暮らす者も同様である。
神に仕えるといわれているが定かではない。
住人は主に世界の最も知能の高い生物と同じ容姿をしている。
魂判別所…
上記の表現で死神の能力に差が生じると述べたが、
その一つとして魂の見え方がある。
死神によって見え方に差があり、細部まで分かるものもいれば、ほとんど見えないものもいる。
例として、あるものは魂を見るだけで身体の詳細から死ぬ間際考えていたことまで、
あるものは魂を見て、青色に見える魂が男性、赤色は女性、程度のことしか分からない。
ゆえに、魂判別所が必要になる。
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2--------------------------------
死神とはどういうものかというのをせつめ・い『あっやば!』しな「説明しましょう。」
やはり来てしまいましたか説明おば…じゃなくて、え〜と…イネスさん。
「そんなにお姉さんて呼びたくないのね…、お仕置きね!」
そんな!待って下さい!まだ死にたく
・
・
・
オネエサン、ボク、サクシャダケドワカンナイヤ、『シニガミ』ッテナアニ?
「そう?じゃあ改めて『説明しましょう』。死神についてだったわね。」
ハイ、ソウデス、オシエテクダサイ。
「うんうん。いい子ね。それでは『なぜなにナデシコ〜イネスの課外授業』が始まるわよ。」
課外授業・・・エッチなひびきですね。
「あんた、もう復帰したの?早いわね。」
ええ、早いだけが取り柄で…ってナニ言わすんですか!
(注:意味がわからない人はわかる日が来るまで耐えてください!)
もうどうでもいいですから、先に進んで下さい(泣)
「はいはい。さて、死神についてだけど、このSSでは天界があるのよ。それで天界にある役職の
一つとして死神という役職があるわけね。で、この死神って役職の主な仕事が寿命で死ぬ人を看取
ること。看取るといっても、人間からみたらトドメをさすと同じことに見えるみたい。ま、よごれ
といえばよごれの職業よね。具体的にはもうすぐ死にそうな人のもとに出向いて苦しまないように
魂を抜き出した後、天界の魂判別所にその魂を持って行くまでが仕事ね。このシルフィーナの例でい
くと、もうすぐ息を引き取りそうな女性を鎌でズバッそして出てきた魂を判別所に持って行くのが仕
事ってこと。ちなみに、彼女の正式な役職は死神ナンバーKLM16520031で地球圏極東方面第18支
部V種寿命課に所属してるみたいよ。さて先ほど判別所と言ったけどそもそも…(中略)…で、死
神にはおおまかにしか魂を判別できない。能力によって見えてくる状態は違うわ。またシルフィー
ナの例でいくと青く見えたら男、赤く見えたら女、これだけね。だから、魂の中身がわかる魂判別
所が必要になるってこと。そういえば…(中略)…ということ。私の見解では…」
あの〜?イネスさん?
「なぁに?これからがいいところなのにぃ〜。」
甘えた声出さないで下さい。
そろそろ次に行きたいんですけど。
「えぇ〜ここからが本番なんだけどなぁ〜。まだしたいなぁ〜。」
イネスさん、まじでやめで下さい。かなりエッチに聞こえるんですけど…。
「ふふっ、せっかちね。だから早いって『早いって言うな〜!』
あら?口答えするのね?お仕置きね。」
待って下さい。またか〜!ごふっ!!!!!!!!!
・
・
・
・
オネエサン、ツギハドウスルノ?
「そうね。もう終わりましょうか?」
オネエサン、ボクガヤラレタイミッテ…。
「ないわね。」
ソンナ ソンナ ソンナ ソンナ ソンナ ソンナ ソンナ
「壊れたものはほっといて、次回『なぜなにナデシコ〜イネスの課外授業U』で会いましょう。
質問が来ればQ&Aもやるわよ。」
では本編へ
「やっぱり早いじゃない。」
あうっ。
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シルフィーナは涙を拭くと手元に大事そうに抱えた魂をみつめた。
「今回は確かに手際が悪かった、赤みをなくし青ざめる魂か。」
再び前を向くこと数秒、シルフィーナの頭に疑問が浮かぶ。
「青?待てよ。青は男のはずだろう。」
それまでの悲しそうな顔は一気にあせりに変わり決定的な言葉を口に出す。
「しまった。間違えたか。」
少女は天界にとって記念すべき大きなミスを呟くと、しぶしぶその魂を判別所に持っていった。
つづきます
あとがき
おはようございます、こんにちは、こんばんは、ひとみ みともです。
さて、『死神が舞う』第2話いかがでしたでしょうか。
えっ?
「なんだこれは!」「前回のつづきのつもりか!」「意味わかんない!」
ですって?
はい、そのとおりです。いい訳のしようもありません。
ごめんなさい。
きちんとした出番がオリキャラだけで、しかもナデシコ世界観からかなり逸脱してます。
ぶっちゃけた話迷いました。
本当にこれでいいのか?
読者がついてこない可能性のほうが高いぞ。
やめるなら今のうちだ。
ほかの案のほうが安全だって!
でも書きました。
ナデシコキャラは次回絶対でてきます。
今回の話は説明(注:ここでは彼女はでてきません)は無くてはなりません。
なのに…説明ですら二つに分けるという前代未聞の行為をしてしまいました。
こっちにはちょっと言い訳します。(裏話のほうで…)
裏話コーナー
突然つくりました、裏話コーナー。
ここでは裏話といいわけ、ちょっとした補足します。
役にたたない裏話、裏設定は大好きです。
まずは上記のいいわけ、
両方読んでくれたらわかりますが、2の説明壊れすぎです。
実はプロローグ、第一話をすっとばしてこの話が第一話になる予定でした。
題名はその名残です。
で、ギャグテイストな感じでいけたらなぁ〜、なんて思ってました。
でも不自然すぎなので、第一話をはしょって、上に乗っけたら、
気がついたら、激しく肉付けされてしまいました。
そして、この結果です。(悪い意味ではありません)
ただ、プロローグ、第一話を考えているときにルリ、ユリカの動きっぷりでああなって、
激しくシリアスになりました。
『うわ、ただでさえ入りにくいこの話がテイストまでかわったら無理、洒落にならない』
とおもい急遽書き直し、本当は説明2、消すつもりでした。
でも、でも、消すにはいいキャラになりすぎたよ〜!イネスさん。どうしても残したい!っでこの形に決まりました。
賛否両論あると思いますが(否だけだったらどうしよう?いや、それ以前に反応あるのでしょうか?)、お許し下さい。
ちなみに課外授業Uはしてほしい人がいらっしゃたら、書きます。
質問も本当にうけつけます。名前明記の可、不可まであると嬉しいです。
どうなったかは次回分かると思うので…。
ちなみに1の説明は最低これだけ分かってほしいことだけに絞り、無駄を一切省きました。
さて裏話に移ります。(さっきの話も十分裏話でしたが…)
シルフィーナについて…
オリキャラ第二弾、第一弾と違ってまだ出演予定あります。
キャラテーマは矛盾でした。
『ほかの案のほうが安全だって!』と書きましたが実はほかの案ありました。
本当にこれでいいのか?と考えて自分の文章を読み返していた時です。
>病院の一室を眺める人物がいた。
>
>漆黒で全身をつつみ、
>
>手には、小柄な自分の体ほどの大きな鎌が握られていた。
ラピスでも可かな?
一気に妄想が膨らみました。
『15歳ラピス、アキトに復讐する。』ってはなしです。
結構おもしろそうだなと思い、ちょっと骨組み組んでみました。
ランダムジャンプでついた先はナデシコ出航前の実験室。
リンクが切れていることにショックを受けるがアキトを探す決意をするラピス。
実験中に打たれたナノマシンが暴走、A級ジャンパーを超えた存在になる。
『CCなしで範囲を限定してとばす。』
ナビゲートに加え演算能力も得たラピス。
マシンチャイルドの彼女だからこそ出来た技だ。
アキト探しをはじめるラピス。
見つけたがそこにいたのは自分のことをまったく知らないアキトだった。
再びショックをうけるが、自分の知っているアキトを探そうと決意、未来へと跳ぶラピス。
しかし、未来はいくつにも分岐しているため、パラレルワールドにばかりいってしまう。
いろいろな世界を見て、渡っているうちに力と心の歪みが増すラピス。
『私はこんなにアキトを欲しているのに何故会えないの!』
色んな世界をまたにかけ、いい意味でも悪い意味でも活躍するラピス。
ラピスは『漆黒の死神』とよばれる存在になっていた。
そのうちに、ラピスも年を重ね15歳。
ある日ラピスは、自分とアキトの結びつきがアキトに会える糸口となることに気づく。
ジャンプを敢行、やっと自分のいた世界に着くことができたラピス。
そこで偶然目撃したのは、ユリカに抱きつくアキト(前回部分)。
ラピスの心が壊れる。
アキトへの怒りがユリカへ矛先をかえて襲い掛かる。
で前回のラストのようになる。
アキトは死に、ユリカは目を覚ますことなく、ルリの心は壊れたまま戻らない。
アキトを自分が殺めてしまったことにショックを受けるラピス。
ラピスは生きる価値を失って自らを殺めてしまう。
『もし、生まれ変わるれるなら、次もアキトにあいたいな。』
END
ってな話です。
長くなって申し訳無いです。
没の原因は色々ありますが、最大の理由はあまりにダークで痛すぎる上に救われないからです。
それにもともと書いていたほうを生かしたかったですし…。(こっちのほうが大きいかもしれない)
まあこんな案もあったってことで、少しでも楽しめたら幸いです。
もしこの作品をきちんと完成させてみせてくれという人がいたら作るかもしれません。
死神が舞うのIFか、設定だけ使って別作品にするか、まあいたらですけど。
それこそいたらですけど、
この設定使いたい、もしくはこれを文章にしたい人がいたら教えてください。
メールでも掲示板でもいいです。
設定はすぐにでも、文章は他の人の返答結果によって返事します。
まったく新人が何書いてるんだ?と自分でも思います。
アキトがユリカの病室に跳んだ理由ですけど…
二人の愛が起こした奇跡です(爆)
というのは冗談としても、
ユリカのイメージング、それもあります。
アキトのナビゲーション、それもあります。
ルリの気持ち、それもあります。
今回、あとがき長すぎです。
みとものドキドキ感のせでしょうか。
感想はあればあるほど嬉しいです。
次回にまたあえることを期待して…終わりの言葉にさせていただきます。
代理人の感想
・・・ギャグ・・・・・・・だったのね。
はは・・・・・・ははははははは。・・・はぁ(爆)。
いや、どシリアスを期待してたんですけどね(苦笑)。
ギャグだったらああいったシリアスを書くのはできるだけ避けるべきだと思います。
もちろん「ギャグでシリアスを包む」とか「ギャグの中に背筋の凍るような皮肉を隠す」とかなら別ですが。